日別アーカイブ: 2026年2月21日

トランプ関税は憲法違反 米連邦最高裁が判決「大統領に権限なし」

朝起きたらとんでもないことが起きていた。世の中、一変するという言葉が存在するが、まさに経済的な視点において世界が一変したといってもいい。なんとトランプ関税は憲法違反だと米連邦最高裁が判決を出した。

「大統領に権限なし」とか。じゃあ、どこにあるんだよというと議会にあるそうだが、そもそも議会が関税を決めてたら迅速な交渉はできないとおもう。では、憲法違反だった関税はどうなるんですかという話なんだが、全くもって面倒な話になってきている。

なぜなら、これでトランプ関税が直ぐに無効になるという話ではないのだ。だから、日本やEUの合意が消えるわけでもない。そもそもトランプさんは新たに10%の関税を世界中にかけた。ええ?何言ってるかわからない?時系列で解説しよう。

まず、今回の憲法違反ということなのだが、それについては専門家がヤフーニュースでコメントしているのでそれを先に引用しよう。

門倉貴史


エコノミスト/経済評論家

1.トランプ関税導入後も米国の貿易赤字は拡大を続けており、トランプ関税は世界経済に混乱と不確実性をもたらしただけであった。  

最高裁が違憲判決を出したことで、米政府は米国企業や海外企業に対し20兆円以上を返還しなければならなくなり、財政が急激に悪化する可能性が高い。   

またトランプ大統領は日本の相互関税を15%に引き下げる代わりに、日本から約80兆円の対米投資資金の拠出の約束を取り付けていた。  

相互関税自体が違憲になったことで投資資金の活用についても見直し・修正を余儀なくされる可能性があるだろう。   

新たに打ち出した通商法122条に基づく10%の一律関税は150日の時限措置で、延長には議会承認が必要となる。国や品目別に関税率を変更することもできない。  

このためトランプ大統領は、これまでのように関税と引き換えに個別の国々から譲歩を引き出すという手法を使えなくなるだろう。

助川成也


国士舘大学政経学部教授/泰日工業大学客員教授

2.Dアーウィンの建国250年の米国通商政策史を翻訳した観点から。今回の違憲判決について、ホワイトハウスは、憲法上、通商交渉実行部隊のトップであるが、交渉で得た合意は議会の承認なしには発効出来ない。つまり関税に関する権限は議会が有している。

しかし1930年、議会主導の「スムート=ホーリー関税法」により、世界的報復関税、大恐慌の深刻化を招いた反省から、当時のフランクリン・ルーズベルト大統領は、大統領主導の関税交渉を制度化、それが1934年互恵通商協定(RTAA)である。関税交渉権限を議会から大統領へ委任、同大統領の下、自由化が進展した。

以降も、多国間や二国間交渉で、行政府に権限がないと、相手国は交渉に応じないことから、大統領は議会から交渉権限の付与を得てきた。それが1974年 通商法や貿易促進権限(TPA)である。トランプ大統領が権限委譲手続きを踏まなかったことが、今回の判決に繋がった。

専門家の意見は二つだが、結局はトランプさんが議会から権限委譲手続きを踏まないことが最高裁が憲法違反だと判断した根拠となる。では、議会の手続きを踏めばいいんじゃないのかと思うだろう。

そこで、トランプさんが世界中に10%の関税をかけた。それで20兆円以上を企業に返還しないといけない。財政難に陥るとある。最高裁は自分らの判断で米国に20兆円以上を返済を迫ったわけだが、財政難になったら司法や、最高裁の給料は誰が払うんですかね。米国が世界的な危機になれば影響を受けるのは世界だ。最高裁はパンドラの箱を開けてしまったんだよ。

でも、最高裁は実は明言を避けている。ええ?なにをだ?関税の返還についてだよ。

では、記事を引用しよう。

米連邦最高裁判所はトランプ大統領が世界の主要貿易相手国・地域に発動した大規模な関税について無効との判断を下したが、企業への関税還付の扱いについては結論を示さなかった。

これにより、輸入業者や小売業者がすでに米政府に支払った最大1700億ドル(約26兆3000億円)の関税をどこまで取り戻せるのかという問題は未解決のまま残っており、長期の係争に発展する可能性が出てきた。

具体的には、トランプ政権が過去1年間に1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき輸入業者から徴収した関税を巡り、還付の見通しと手続きに関する決着が先送りされた。最高裁は今回、6対3でIEEPAに基づく関税発動は大統領権限の逸脱に当たると判断した。

反対意見を執筆したカバノー判事は「本日の判決は、政府が輸入業者から徴収した数十億ドルを返還すべきかどうか、また返還する場合にどのように進めるべきかについては何も述べていない」と記述。その上で、税還付手続きについては「口頭弁論でも認められた通り『混乱』を招く公算が大きい」と指摘した。

米税関・国境警備局(CBP)によると、今回の争点となったIEEPAに基づきトランプ氏が課した関税として、12月14日時点で推計約1700億ドルが徴収されている。

最高裁はIEEPAを用いた関税発動は合法ではないと判断したが、輸入業者が還付を受ける権利を有するかどうかについては判断を示さず、これらの問題は下級審に委ねられた。同案件は今後、米国際貿易裁判所に差し戻され、次の審理段階に入る。

IEEPAは貿易是正関連収入の大半を占める

ブルームバーグの分析によると、関税が確実に還付されるよう、1500社超が最高裁の判断に先んじて国際貿易裁判所に訴訟を提起している。

同裁判所はこれまで、最高裁で敗訴した場合に還付問題にどう対処するのか、少なくとも方針の一端を示すよう司法省に求めてきた。

政府側の弁護士は提出書類で、関税の再計算を当局に命じる裁判所の権限そのものについて争うことはしないとする一方、還付の対象となる輸入業者を限定しようとする可能性については排除していない。

ニュースは以上。

つまり、関税の再計算は裁判所がやってもいいよ。でも、還付の対象となる輸入業者を限定するのは米国政府がやるてことだ。だから、全ての輸入業者に返還される可能性は低い。

そして、国際貿易裁判所が訴訟を提起したところで、トランプさんが守る可能性は低い。そりゃそうだ。国際貿易裁判所が機能しているなら中国の横暴なんて世界は許してないんだよ。

だから、結局、どうなるんだ?日本や韓国の関税交渉は修正される?まあ、あり得ないな。そもそも、個別関税が違法という話ではないんだ。

今回の話で重要なのはIEEPAに基づく相互関税は議会を通してないから「違法」と判断された。でも、米国には通商拡大法122条や232条根拠の関税とスーパー301条を検討するというやり方がある。

ええ?今回の話は難しい?確かに米国の法律について日本人がなじみ深いわけないのだが、結局、自動車や鉄鋼・アルミニウムなどの関税はIEEPAに基づく相互関税ではないので、最高裁はそれを憲法違反だとみなしてない。

だから、日本が80兆円返してと米国相手に訴訟を起こしたとしても、他は10%に戻るかもしれないが、自動車や鉄鋼・アルミニウム、医薬品、銅などの関税は下がらないてこと。もちろん、これからの半導体についても経済安全保障という法律に則るので関税課せられない話にもならない。韓国はそこを理解しているかどうか知らないが。

つまり、相互関税は駄目になっても、個別に関税を課すこともできるし、スーパー301条を適用させて関税付与だって可能である。そもそも相互関税だって議会を通せばいけるんだから、150日以内に議会が動くんじゃないか。

議会が政府に20兆円払えとか言い出すなら、それはそれで面白いがこれもない。明らかに米国の財政難に陥るからな。議会がそれをやるメリットがない。

だから、韓国は喜んでるかもしれないが相互関税は下がっても、個別の関税はそのままなんで大して変わりませんよ?ということになる。

だから、日本は米投資5500億ドルはそのまま続行するんじゃないか。

では、ネットの突っ込みを見ておくか。

1.こんな人がアメリカの大統領?アメリカ国民はそれでも支持するのかな?前回のホワイトハウス襲撃のように今回も窮地に追い込まれれば何するか分からない。共和党もこれでは負けるかもしれない。高市さんもトランプさんとは少し距離を置いた方がいいと思う。下手すれば日本も面倒なことに巻き込まれかねないかもしれない。

2.関税引き上げを脅しにして譲歩を引き出すのがトランプ外交の柱だったから、この判決の影響は世界的にも非常に大きいだろう。


日本にしてみれば80兆円にも及ぶ巨額投資の約束。投資の見返りである関税の法的有効性がそもそも無効となるのだからそれを前提とした巨額投資の約束も反故に出来るとは思うが、おそらくそれはしないだろう。


依然として日本の安全保障にとって日米同盟は生命線であり、トランプ政権と良好な関係を維持する日本としては全面的に約束を反故にすることはしないだろうが、減額なり投資条件の見直しなり最大限の譲歩は引き出して欲しい。


それだけの資金があれば日本経済復活のための日本国内への投資に使いたいところ。高市政権には、関税起因の不平等関係の是正と日米同盟の維持・強化の両立という難しいかじ取りを是非成功させてほしい。

3.今回の違法判決はあくまでも「相互関税」の部分で自動車とか個別の一般関税は別になるので残ることになるね。関税が全て撤廃されるわけでは無い。
「プランB」とは言うけど都度議会の承認を得るとなると手続きが煩雑で時間もかかり支持も集まりにくいからかなり厳しいだろうな。ただでさえアメリカの財政状況は危ういのにどう埋め合わせをしていくのか。
政治的にも今回の大失態を挽回できないと秋の中間選挙で大敗し政治的にも死に体化してしまう可能性が大きい。抑圧されてきたリベラル派が猛烈な勢いで巻き返すだろうし政治的にも経済的にも大混乱に陥るのではと心配。

以上の3つだ。

まあ、最高裁が意見判決だしても別の法律でやるだけのことで、そこまで変わらないとこちらはみている。輸入業者の負担は減るのでダウは上がったようだが。

では、記事を引用しよう。

米連邦最高裁がトランプ政権の相互関税を違憲と判断したことを受け、20日の米株式相場でダウ工業株30種平均は4万9625ドルと前日比230ドル(0.47%)上昇した。判決後、米政権は別の法律を根拠に関税を課す方針を示した。市場では輸入企業の負担が減る可能性があるとして、幅広い銘柄に買いが入った。

トランプ米大統領は2025年4月、非常事態に経済取引を制限できる「国際緊急経済権限法(IEEPA)」を根拠に、議会の承認を得ないまま各国・地域に相互関税などを発動した。連邦裁判所の下級審では大統領の権限を逸脱しているとし、違憲判断が示されていた。

最高裁による違憲判決が発表された後、相場は一進一退を繰り返していたが、午後のトランプ大統領の記者会見後に上昇基調が強まった。

トランプ氏は「深く失望した」と語った上で、無効となるIEEPAの代替として、1974年通商法第122条を根拠に全ての国・地域を対象とした10%の関税を課し、即日発動すると表明した。

英調査会社キャピタル・エコノミクスの北米エコノミスト、ポール・アシュワース氏は、「通商法第122条は関税上限が15%で、(議会の承認なしでは)適用期間は150日間に限られる。すべての国に同一の関税率を適用することになる」と指摘。結果的に従来より企業の関税負担が減るとの思惑につながった。

一方、債券市場では懸念も浮上している。今回の判決では米企業による関税の還付の是非については言及していない。米税関・国境取締局(CBP)の集計によると、今回違憲とされた関税について徴収済みの額は25年12月14日時点で1200億ドル(約19兆円)を超えている。

還付が仮に実施されれば、米財政収支の悪化を招くことになる。米10年物国債の利回りは4.08%と前日比0.02%上昇した。

米投資銀行ジェフリーズのマネージング・ディレクター、アニケット・シャー氏は「財政懸念から今後も米国債利回りを押し上げる可能性がある」と分析した。

ニュースは以上。

確かに米国債10年利回りが0.02%上昇したとあるが、そんなのはわずかじゃないか。そこまで投資家は気にしているとは思えないな。そもそも違憲だからと関税を一気に返すとも思えないしな。

今回の第一印象で見る限りではそこまで変わらないと思う。後、ダウ以外にも金価格があがっているな。財政難でドル安の可能性も出てくるのか。ドル円は155円のままだ。

さて、今回は韓国メディアの反応も見たいので少し時間をおいて続きを書こうと思う。