米国のトランプさんがNATOがイラン戦争の軍隊派遣を拒否したり、ホルムズ海峡封鎖解除に動かないことで、NATO脱退を示唆した。問題は本当に米国がNATOが脱退するのか。議会で承認ないと脱退できないとか。ネットではそんな意見があるのだが、NATO脱退できないからと、米国がこの先、ウクライナみたいに喜んで協力するわけないんだよな。
そうなったとき、ロシアがウクライナ戦争に勝って、次は欧州を取りに行こうとしたとき、こちらは米国はロシアと不可侵条約を結ぶと考えていると以前に伝えたが、NATO脱退しなくてもそれができると。EUはロシアと戦わないといけなくなる。
しかも、ロシアは今回のイラン戦争で原油価格高騰してるので輸出でウハウハ。せっかく欧州の経済制裁と戦争長期化でかなり干上がっていたのに、それが復活する可能性が出てきた。欧州はそのロシアと戦争することになる。そもそもEUはチェコやスロヴァキア、ハンガリー、トルコなどがそのうちロシア側につきそうだしな。そうなったとき、EUは内部から瓦解。NATOも脱退続出で縮小。まあ、欧州やNATOにとって最悪の未来が待ってるだろうな。
今はまだまだ欧州勢は強気だが、紅海も封鎖されたらどうするんですかね。実際、イランは紅海封鎖も警告しているんだよな。
では、記事を引用しよう。
米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始してから1カ月が経過したが、ドナルド・トランプ米大統領は北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、イランとの戦いに加わるよう説得できていない。トランプ大統領はここ数週間、同盟国と協議を重ねてきたが、NATO加盟国の多くの首脳は米国に対し、攻撃に協力する意思はないと伝えている。フランス、イタリア、スペイン、英国はイランへの攻撃に際し、自国の軍事基地や空域の米軍による使用を拒否した。
同盟国を説得できなかったトランプ大統領は、NATOはイランとの戦いで「何もしていない」と批判している。同大統領は自ら創設したSNSのトゥルースソーシャルに、米国はイランへの攻撃で成果を上げており、もはやNATOの支援は必要ないと投稿した。同大統領は1日、米国がNATOから脱退することを真剣に検討していると表明した。英紙テレグラフの取材で、トランプ大統領は同機構を「張り子の虎」と呼び、「NATOに左右されたことは一度もない」と述べた。
同機構を批判した米政府高官はトランプ大統領だけではない。米国のマルコ・ルビオ国務長官とピート・ヘグセス国防長官も、自国と他のNATO加盟国との間の集団防衛という概念に疑問を呈している。ルビオ長官は先月30日、中東の衛星テレビ局アルジャジーラに対し、「NATOは、欧州が攻撃された場合に米国が防衛するためだけの組織であり、米国が必要とする際に軍事基地の使用を認めないのであれば、米国にとってあまり良い取り決めとは言えない」と語った。その上で、NATOへの「関与を継続するのは難しい」と述べた。ヘグセス長官はその翌日、国防総省で開かれた記者会見で、「同盟国が米国のために何をしてくれるかについて、世界に向けて多くのことが示された」と指摘した。
こうした米高官の一連の発言を受け、欧州側は反応を示した。ポーランドのドナルド・トゥスク首相は、NATOの分断はロシアに有利に働くだろうとの見方を示した。英国のキア・スターマー首相は、中東情勢の混乱に自国が巻き込まれることはないと断言。NATOのマルク・ルッテ事務総長は、来週米国を訪問し、トランプ大統領と同機構との関係について協議すると発表した。
米国内でもトランプ大統領の発言に反発の声が上がっている
米国内でもトランプ大統領の発言に反発の声が上がっている。民主党のクリス・クーンズ上院議員とジーン・シャヒーン上院議員は、2001年9月11日に起きた米同時多発テロの際、NATOは米国を支援したと反論した。
共和党のミッチ・マコーネル上院議員とトム・ティリス上院議員も、NATOから脱退するという大統領の発言に対し反対を表明した。ジョン・スーン上院多数党院内総務は、米国がNATOから離脱する可能性について、上院には「その意思がない」と強調した。
トランプ大統領がNATOからの脱退をほのめかしたのは、今回が初めてではない。米紙ニューヨーク・タイムズは、第1次トランプ政権時代の2018年、同大統領がNATOから「脱退したい」と発言したと報じた。
だが、当時のジェームズ・マティス国防長官とジョン・ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官は、NATOからの離脱を阻止すべく大統領に働きかけた。こうした出来事を受け、米議会は2023年12月、上院の承認または法律なしに大統領がNATOから離脱することを禁じる法案を圧倒的多数で可決した。
当時、フロリダ州選出の共和党上院議員だったルビオは、同法案の共同提案者の1人だった。
つまり、議会によって課されている現在の法的制約を考えると、トランプ大統領が米国をNATOから脱退させられる可能性は低い。
他方で、米国のイラン攻撃によって、NATO加盟国との緊張は高まっている。中東情勢の専門家や観測筋は、向こう数週間で米国の外交政策と国家安全保障戦略がどのように展開していくのか、また、欧州の同盟国との関係が今後の米国の政策決定にどのような影響を与えるのか、注目していることだろう。
また、トランプ大統領がNATOへの関与を巡って議会に異議を唱えるかどうか、それに議員らがどう反応するのかについても注目が集まるだろう。これらの議論から何が導き出されるかによって、NATOの将来だけでなく、米国にとっての欧州との関係も形作られることになる。
ニュースは以上。
このようにトランプさんがNATO脱退しようとしても、米国の議会が止めるという話だ。そもそも第1次政権からNTO脱退を考えていたのだから、今回のイラン戦争での要請拒否は最後の後押しであって、これがもっともな原因ではないことは明白。
実際、トランプさんはNATOや欧州がウクライナ戦争の支援をほとんどしてない。米国だけが何でも支援してきた。さらに軍事費が少ない。お前らもっと防衛費を増やせと述べていた。NATOも渋々それに従ったが、結局、世界中が米国の軍事力にただ乗りしていただけともいえる。
ただ乗りしておいて、米国の要請は拒否したことでトランプさんが激怒したてこと。結局、一連の流れは米国のNATOへの不信感が根本にある。日本がホルムズ海峡封鎖解除に艦船派遣を拒否したからと、米国は日米同盟破棄とかいってないんだよ。
では、ネットの突っ込みを見ておくか。
門倉貴史
エコノミスト/経済評論家
トランプ大統領がNATO離脱をほのめかすようになったのは、ホルムズ海峡を通航する船舶の護衛参加にNATO加盟国が難色を示したためだが、そもそもトランプ政権の行動がホルムズ海峡の封鎖を招いたのだから、軍事作戦にかかわっていないNATOが協力しないのは当然のことではないか。
むしろNATOが米国に協力しなかったことで、戦況のさらなる拡大とエネルギー不足の深刻化を回避することができたとみるのが妥当だろう。
ええ?だからNATOへの不信感は前政権からあったと述べている。さらに、NATOが協力しないからエネルギー不足の深刻化を回避することができた?どこができたんですかね。経済評論家としては三流意見で笑うしかないわ。
白鳥浩
法政大学大学院教授/現代政治分析
2.「制度的」には、記事にもあるように、議会の法的な制約もあり、アメリカがNATOを脱退するには、かなりハードルが高い。 さらに「実体的」にも、ヨーロッパからアメリカが手を引けば、ますますヨーロッパの「アメリカ離れ」が進む事となり、現在進んでいる世界政治におけるアメリカの地位の総体的な低下をさらに加速する事となる。
それは、世界におけるアメリカのプレゼンスを低下し、ヨーロッパがアメリカから離れて独自の安全保障能力を向上を進め、アメリカが支配できない領域を増やすこととなり、必ずしもアメリカの国益にはならないという意見がある。
当然、同様の要求と主張を、アジア等他の地域においても行う事は想定され、日本も「アメリカ離れ」について真剣に議論する時代に差し掛かってきている可能性はある。 これは思い通りにならない中東地域へのトランプ氏個人の苛立ちを示し、日欧の同盟国の離反を招く危険性がある。静観が必要だ。
佐藤仁
学術研究者・著述家
3.トランプ大統領の強い発信は、欧州を揺さぶる効果を持ちます。
基地や空域の使用を断れば、米国はその不満をSNSやテレビで広げ、協力しない国の姿勢を世界に示せるからです。
けれども、情報戦の面ではそれで終わりません。米政権自身が同盟内の食い違いを外へ見せれば、ロシアやイランには、米欧の足並みがそろっていないと受け取られやすくなります。 デジタル外交では、強い発信は相手への圧力になる一方で、味方どうしの不一致まで可視化します。
軍事作戦だけでなく、同盟の結束そのものが情報空間で試されているのです。
4.NATO がアメリカへの軍事協力に躊躇するのは攻撃が国際法に違反すると最初から批判されていたのが足枷になっているのだろう。
イランは以前から核開発を進めているのは殆ど既成事実であるだろうがそれらも勿論国際法に違反するがその事を言わずにアメリカだけに国際法違反を言うのは釈然としない話だ。 そもそも国際法を言うのならそれを守らせるシステムが必要だろう。
今の国連にそんな力はない、国連総会で何らかの決議がなされても安全保障理事会で一国でも拒否権を発動すれば総会の決議など何の役にも立たない現状を見れば国際法など何の歯止めにもならないのが現実の国際法の限界だろう。
今アメリカがイランとの泥沼の戦争を続けるか?NATO がアメリカに協力してイランに戦争継続を諦めさせ核開発を放棄させるのではどちらが国際法に合致するかは議論の余地もないのでは?
国際法の精神を守るには価値観を同じくする国が守り合うしかない。
5.ウクライナ戦争で露呈したNATOの弱点は、ヨーロッパ社会は戦争に耐えられず、国民生活を守るのか?侵略反対という国連の価値観を守るのか?という選択を迫られた場合、国民生活を守る方を選ばざるを得ないという点。 そこを国民生活を犠牲にできるロシアにつけ込まれているので、いざとなったら戦える米軍が抜けると、ロシアの恫喝外交が強化されるんじゃないかな。
6.NATOとは=アメリカです。ではアメリカが抜けたNATOはNATOなのかと言うと「看板の名前は同じだけど中身は入っていない」というのが正確な表現かと思われます。数の上で大多数はアメリカ以外なのですが、これらはあくまでアメリカの存在ありきであり、その大黒柱が抜けたら、天井が落ちて壁も倒れて柱と看板しか残らない。つまり有機的に接続されていない烏合の衆ということです。
7.トランプ政権の意思だけで勝手にNATO脱退はできないと思うが、何か欧州に起きた時、例えばロシアがウクライナからさらにポーランド、フィンランド、スウェーデンに戦火を広げた場合に米軍が協力を拒否すると言う事態が容易に想定できる。これは米国の戦争ではない……と。米軍が駐留しているのでどこまでこう言う姿勢を保てるかわからないがロシアが分断対立を利用し火種になりそうだ。
8.欧州NATOの最大の仮想敵国はロシア。
ロシアのターゲットは、ウクライナの次はバルト三国。間にはNATO加盟国のバルト三国。飛び地カリーニングラードと「陸の回廊」で結ぶことがプーチンの悲願だ。 そうなれば、NATOは憲章第5条(集団安全保障)を発動するか否かを迫られ、おそらくバルト三国を見放して、NATOは崩壊する。
それを避けるため、欧州NATOはウクライナ支援を継続している。ロシアと戦いたくないから。 トランプは就任前からウクライナ戦争は 「俺が始めた戦争じゃない」 と欧州NATOを突き放していた。 ロシアとのビジネスを推進したいがために。 すでにNATOは、実質的に機能していない。
トランプは欧州NATOをロシアから守る気などさらさらないからだ。トランプは欧州NATOに危機感を抱かせれば、米国製兵器を爆買いしてトランプをつなぎとめようとする、と妄想する。
それが逆効果になる。
9.アメリカがNATOを脱退した場合、連鎖的にカナダやトルコが地政学的な理由から脱退を表明する可能性もあるだろう。 特に対ロシアを意識した場合、トルコはロシアと揉める理由が無く、カナダもロシアのICBMの標的にはなりたくないと考えるはず。 日米安保の破棄はまだ考えにくいが、例え日米安保が機能しても、中国軍の第一列島線突破を阻止するだけに留まり、中国に対する直接の攻撃を避ける可能性もある。 これまでに毎年、数兆円をアメリカに支払っても、結局は同盟と言う言葉は幻想で有り、金の切れ目が縁の切れ目となると言う事も考えられる。
10.NATOという協力体制を崩すことは日本にとっても良いことではないから、この発言表面に対しては批判をしてもいいと思う。 ただWHOや国連への批判と同様に、NATOの役割を批判しているわけではなく、NATOにおける米国の比重など、役割についての見直しを提言していると考えれば、トランプ大統領の指摘もあながちズレてはいない。 NATO脱退示唆とか、国連軽視→平和や歴史を軽視している、とすぐ飛びつくメディアのほうが視野が狭いと思わざるをえない。
以上の10個だ。
確かに元はといえば、国連が全く機能してないという指摘は正しいよな。そして、その国連が機能しないのも常任理事国の拒否権というものがあるためだ。中国とロシアがそれをもってるので、国連は事実上、形骸化している。本来、そこを3分の2の賛成や多数決でもしておけば、もっと時代は変わっていたかもしれない。
しかし、現代においてイフは存在しないので、米国のNATO脱退が、この世界に何をもたらすのか。日本も無関係ではないので、これからどうしていくかだよな。