少子高齢化 70代以上の人口が初めて20代を上回る=韓国ネット「この国は地獄」

少子高齢化 韓国経済を看取ることがこちらのライフワークなわけだが、昨年にわりと転換点を呼ばれる出来事がいくつかあった。韓国人がそれに気づいているかどうかはともかく個の力では変えようがない絶望の未来がある。それが「少子高齢化」である。

もちろん、韓国だけの問題ではない。少子高齢化は日本でも進んでいる。だが、その速度が世界一速いのは韓国だ。だから、少子高齢化を研究する社会学者としては韓国は少子高齢化社会で実際、どのように落ちていくかを予測する基本モデルになる。そういう意味では韓国は人類に珍しく貢献しているかもしれないが、問題は韓国モデルは些か、特殊性が強いので標準モデルに当てはめていいかどうか迷うところだ。だが、韓国以上に少子高齢化が進んでいる国もなく、比較対象がないのもまた事実だ。

だが、少子高齢化はあらゆる経済活動に悪影響を及ぼす。それは簡単な理屈だ。10人で重い物を引っ張るより、100人で重い物を引っ張るほうが遙かに楽だからだ。もっとも、ここで大事なのは経済的な視点を見落としてはいけないてこと。確かに上の理屈はあっているが、実際、100人いれば、100人分の食事代がかかる。それは10人の10倍かかるわけだから、その食費が問題となってくる。

単純に人口が多ければ強いなら中国やインドが1番になってなければいけない。しかし、実際、そうではない。だから人口が多ければ有利であっても、それは食べる物や住む場所、働く場所などがあればの話だ。もっとも、人間は機械ではないから、それが満たされても、やはり、「娯楽」というものが必要となる。

だから人口が多くても、その多さによって解決しないといけない問題は大きくなる。逆に人口は少ない場合、国の生産活動は人口によって限界が決まるので国がだんだんと衰退していく。

このような前置きは書いたのは少子高齢化社会というのは、我々が思っているより、もっと酷い事になることが想定できるからだ。特に韓国社会では顕著となる予想している。それを読み取っていくのも、看取るものの役目である。だから、今回の記事はまた1つの大きな分岐点となる。

それは、韓国の70代以上の人口が初めて20代を上回ったようだ。つまり、20代より、70代以上の方が多い。恐らくこの事実がどれだけ衝撃的なのか。多くの韓国人は理解してないだろうな。

では、記事を引用しよう。

2024年1月10日、韓国メディア・韓国経済TVは「韓国の70代以上の人口が統計開始以降初めて20代の人口を上回った」と伝えた。

韓国行政安全部が同日発表した「2023年末基準の住民登録人口統計」によると、70代以上の人口は631万9402人で、20代(619万7486人)の人口を上回った。

22年は70代の人口(約608万人)が20代の人口(約641万人)を下回っていたが、23年は70代以上の人口が前年より約23万人増えた一方で20代の人口は約22万人減少したため、初めて逆転した。

65歳以上の高齢人口も23年は前年より約46万人増えた973万人を記録し、人口全体の19.0%を占めた。
人口全体に占める高齢人口の割合は15年が13.2%、20年が16.4%、22年が18.0%と年々増加傾向にある。

国連は65歳以上が人口全体に占める割合が7%以上を高齢化社会、14%以上を高齢社会、21%以上を超高齢社会としている。韓国は来年に超高齢社会を迎えるとみられているという。

これを受け、韓国のネットユーザーからは
「地下鉄の(65歳以上)無料乗車制度をなくそう」
「75歳以上は投票できない法律をつくるべき。未来に向かう大韓民国ではなく、お年寄りのための大韓民国になりつつある」
「これからは20代を地下鉄無料対象にしよう」
「少子化の責任は60~70代にある。彼らが子どもを産みづらい現在の環境をつくったのだから」
「高齢者ではなく子どもを支援してほしい」
「住宅ローンと私教育費の支払いで苦しい。私からも子どもには『子どもを産むのは慎重に』と言っている。
この2つの問題が解決しない限り出生率は0に向かっていく」
「若者よ、子どもは産まない方がいい。この地獄のような人生を自分の子どもに受け継がせたくないのなら。
金もコネもない人にとってこの国は地獄だよ」
などの声が寄せられた。(翻訳・編集/堂本)

https://www.recordchina.co.jp/b926720-s39-c30-d0191.html

少子高齢化社会で問題になるのが若者と高齢者の対立だということは何度も指摘しているが、その中で最も重要なのが「選挙票」である。選挙は多数決で決まるので数が多い方が有利なのはいうまでもない。つまり、今年の時点で20代と70代以上では力関係が「逆転」したのだ。さらにいえば、若者ほど選挙に関心が低いので、70代ほど選挙に関心があるという事実も重要だ。

政治家は自分らに1票を入れてもらう必要があるので、どちらを優遇するのか。当然、数が多い方に決まっているのだ。そして、それを理解している韓国人は「75歳以上は投票できない法律をつくるべき。未来に向かう大韓民国ではなく、お年寄りのための大韓民国になりつつある」と述べている。

しかし、これは現実的に可能か。いいや、不可能だ。75歳以上は投票できませんとか民主主義ではないだろう。韓国人の政治家の何人かがそう主張したところで、多くの政治家や高齢者は反対する。そりゃそうだ。自分たちの投票権を自ら捨てるような法案に賛成するはずない。

少子高齢化社会における民主主義は若者が疲弊していくしかない制度なのだ。この制度が存在する限り、韓国は衰えていくしかないのだ。結局、人はいつか死ぬのだから、国の未来を作るのは高齢者ではなく、若者である。だが、若者を優遇するような社会になり得ない。

「地下鉄の(65歳以上)無料乗車制度をなくそう」「これからは20代を地下鉄無料対象にしよう」「少子化の責任は60~70代にある。彼らが子どもを産みづらい現在の環境をつくったのだから」

これも面白い指摘だよな。少子化の責任が60代~70代にあるのは間違いない。だが、その彼等が韓国を成長させてきて若者がそれを甘受していると反論されたらどうしようもない。俺たちが頑張ったから、韓国は先進国になれたんだとか、高齢者は自慢するんだろうな。もっとも、韓国の多くの高齢者は貧しい。年金だって月4万円だからな。そんな世代が若者優遇なんて認めるはずもなく、もっと自分らの境遇改善を主張するだろう。

この先、そういうのもだんだんと顕著になっていく。しかし、政治家は行き当たりばったりの対応に追われて、先行きが見通すことはできない。だから、市民は諦めムードである。

「若者よ、子どもは産まない方がいい。この地獄のような人生を自分の子どもに受け継がせたくないのなら。金もコネもない人にとってこの国は地獄だよ」

その地獄から逃げだそうと子供を産まなければ、また、その地獄が拡大していく。でも、産んだところで地獄を味合わせることになる。どちらを選択しても国家が衰退するのでバッドエンドだ。

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