韓国 日本では日本企業だから多少、高い値段でも買ってくれる長年培った信頼関係というものがあるが、韓国ではそういう関係はすぐに破綻する。例えば、造船と鉄鋼業界の関係に亀裂が生じているのだ。
鉄鋼業界といえば倒産目前の韓国ポスコが良く上げられるが、今、どれだけポスコが危機的な状況なのか。本当に倒産確率が89.9%で、589万人が解雇される事態なのか。最新情報を見ながら考察していく。
まず、ポスコや他の鉄鋼メーカーが危機的な状況であろうが、韓国企業は助けてくれないてことだ。当たり前だよな。景気悪いのだから苦しいのはどこも一緒だ。内需が壊滅すれば鉄鋼需要というのが大きく減少するのがよくわかるだろう。
鉄は様々な製品に使用するが、主に住宅や商業不動産建設、工場建設、自動車、造船など大きい建物や大型の建造物の主要材料である。つまり、鉄の需要はこれらの分野に景気同港に大きく左右されるわけだ。そして、韓国では内需が死んでるので不動産、自動車などは鉄の需要は激減している。
だが、本当に脅威は内需壊滅だけではない。なぜなら、この先、韓国が金利を下げて、数年後に内需が奇跡的に回復しようが韓国製の鉄鋼製品が淘汰されていくからだ。ええ?どういうことだって?それが中国鉄鋼メーカーの大量輸出なのだ。これによって韓国製ではどうしようもない低価格で売るため、韓国企業もコスト削減のために中国製を使い始めた。
今回は造船に使用する厚板がメインだが、何も厚板だけじゃない。中国の鉄鋼メーカーだけで世界のほとんど鉄鋼需要が可能なのだ。
それでは記事を見ていこうか。
船舶を造る時に使う厚い鉄板、厚板の価格をめぐって、造船業界と鉄鋼業界の綱引きが続いている。造船業界と鉄鋼業界は年に2回、厚板の価格交渉を行う。2024年には異例にも価格交渉が難航し、上半期の交渉は期限を過ぎ7月末になってようやく小幅引き上げの方向でまとめられた。下半期の厚板価格交渉も2024年内に終えられるか不確実だ。
造船会社の立場では、厚板が原価に占める比重が20%に達する。1トン当たり90万ウォン(約10万円)前後の厚板価格が10万ウォン下がれば、約4千億ウォン(約440億円)の原価節減効果がある。鉄鋼会社の立場からも、厚板価格はおいそれと引き下がれないテーマだ。売上全体に厚板が占める割合は15%にもなる。厚板生産全体の80%を造船が使うため、造船会社との交渉はきわめて重要だ。
■鉄鋼業界は厳しいのに…
景気状況だけを見れば、厚板価格は下げるのが正しい。グローバル景気低迷への懸念が高まり、鉄鋼の主要原料である鉄鉱石や石炭の価格は下落している。需要が減れば価格は下がるものだ。それでも2024年に特に価格交渉が激しく繰り広げられるのには理由がある。
まず、鉄鋼業界は厳しい。ポスコホールディングスの2024年第2四半期の営業利益は7520億ウォン(約800億円)で、前年同期に比べて43%減少した。現代製鉄の第2四半期の営業利益は79%急減した。鉄鋼業の主な需要先は建設、自動車、造船などだ。建設業は状況が良くない。建設産業研究院が集計した8月の建設企業景気実査指数は前月対比3ポイント下落した69.2を記録した。100を下回れば建設景気を否定的に見る企業が多いという意味だが、69.2は100をはるかに下回る数値だ。自動車産業も良くない。上半期の自動車販売台数は67万台で、前年同期比11%減少した。
前方産業の苦戦より鉄鋼業界を苦しめているのは、中国産低価格鉄鋼材の侵攻だ。中国は世界の鉄鋼の半分以上を生産している。通常は中国内需市場で相当部分が消化されるが、中国景気が低迷しているため、莫大な規模の鉄鋼材が海外に輸出されている。中国の諮問業者のマイスチールは、2024年中国鉄鋼輸出量が1億トンを超えると展望した。2016年以降8年ぶりの最大規模になる見通しで、2020年の5千万トンに比べて2倍も多い。
中国産の鉄鋼、特に中国産の低価格厚板が韓国国内に大挙流入している。2021年に31万2千トン水準だった中国産厚板輸入は2023年には112万トンに増えた。中国産厚板の価格は韓国産よりトン当たり10~20万ウォン(約1~2万円)安い。造船業界の立場では韓国国内の鉄鋼会社が生産する厚板以外にも魅力的な選択肢があるわけだ。中国産厚板の攻勢が激しく、現代製鉄は「中国企業の低価格厚板輸出で被害を受けている」とし、韓国政府に反ダンピング提訴をした。
造船業は状況が良い。HD韓国造船海洋は2024年、計122隻を受注した。年間受注目標は135億ドルだが、目標の96%に達する129億5千万ドルをすでに達成した。サムスン重工業は第2四半期に1307億ウォン(約140億円)の営業利益を上げた。営業利益が1千億ウォンを超えたのは10年ぶりのことだ。
クラークソンリサーチによると、新造船価指数は187.78で2024年に最高値を更新した。歴代最高の好況期だった2008年9月の191に近づいた。受注物量も多く、船舶価格も値上がりし、造船業は状況が良い。造船会社ごとに3~4年分の仕事を早くから確保し、収益性の良い発注だけを選別的に受注する。今注文すれば、2028年にならないと船を引き渡せないほどだ。
■造船業は高く飛ぶ
このような中、中国産厚板が低価格で流入することになればこの上なく良い。HD現代重工業の関係者は「中国産鉄鋼材の投入比重を既存の20%から25%以上に増やしている」と話した。厚板価格交渉の矛先は造船業界が握っている。
一部省略
■短期的な問題か、構造的な問題か
現在の状況を短期的問題と見るか、構造的問題と見るかによって対応方法は変わる。短期的な問題なら、造船と鉄鋼企業が交渉を通じて対応できる。韓国鉄鋼業界は現在、中国鉄鋼会社が原価以下で押し出すダンピング状況と判断し、造船業界を説得する。以前にも短期的に中国鉄鋼会社が原価以下で販売する場合があったが、結局しばらくして価格の引き上げが繰り返されたということだ。鉄鋼業界関係者は「中国産が安いからと使い続け、韓国国内の厚板産業が崩壊すれば、後で中国鉄鋼会社が価格を上げる時に対応できない」として「こういう時であるほど共生の道を模索しなければならない」と強調した。
構造的な問題なら、政府レベルの対応も必要だ。中国産の低価格厚板流入は、韓国だけの問題ではない。チリの鉄鋼メーカーのCAP(Compania de Acero del Pacifico)グループは、ウアチパト製鉄所を閉鎖することにした。チリ政府は製鉄所の閉鎖を防ぐために最高33.5%の関税を賦課することにしたが、CAPグループは関税を賦課してもなお中国産鉄鋼に比べて価格競争力がないと判断し閉鎖を強行した。これにより数千の働き口が消えた。
米国はメキシコを経て迂回輸入される中国産鉄鋼に関税を課すことにした。インド鉄鋼省はナレンドラ・モディ首相に鉄鋼輸入関税を現在の7.5%から10~12%に引き上げるよう要請した。親中路線を歩むブラジルでさえ、一定規模(クォーター)以上の中国産鉄鋼に対して25%の関税を課すことにした。欧州連合、カナダ、ベトナムなども中国産鉄鋼に関税を課したり、または課すことを検討している。
中国のダンピングによって、厚板産業がLCD、太陽光パネルのように、中国に完全蚕食されないと断言することはできない。産業は一度崩壊すれば、再び生まれるのは難しい。2024年の厚板価格を巡る造船業と鉄鋼業の葛藤を例年行事と見ることができない理由だ。
韓国の造船・鉄鋼「船舶厚板戦争」、今年が特に熾烈な理由は? : 経済 : ハンギョレ新聞 (hani.co.kr)
これを見て絶望的だと思った人。正解だ。こちらもこれを読んでポスコが数年内に倒産するんじゃないかと思えてきたからな。だって、チキンの韓国が中国に関税を大幅に引き上げるなんてできるわけないですよね?つまり、できないのだからポスコはこのまま事業継続は困難になる。それは日本製鉄がポスコの株を全売却しますよね。
このまま韓国企業が中国製を使う比重を増やすのは明らか。でも、中国のような価格設定をすれば大赤字は免れない。ポスコは完全に詰んだわけだ。なぜなら、何処の世界でパイが大きいほど圧倒的有利。鉄鋼メーカーで世界7位だったか。その程度のポスコで中国に勝てるわけもない。完全にオワコンだよ。もう、打つ手がまったくないからな。