韓国は内需を増やさないと長期的成長はなせないと思いますが、そういう方法はあるでしょうか?

今回の韓国経済Q&Aは読者様が質問しているのか、答えているのかは微妙なコメントではあるのだが、まあ、質問ということで受け取ってみる。

Q:韓国は内需を増やさないと長期的成長はなせないと思いますが、そういう方法はあるでしょうか?

A:理屈的には正解。ただし、何をもって長期的な成長というかの判断が難しい。

説明:管理人も韓国経済が内需が数パーセントで、後は外需依存という極めて不均衡な経済構造になっていることはよく知っている。ただ、注意したいのは韓国人口はわずか5000万人と日本の半数以下に過ぎない。

■現代やサムスン、韓国企業の戦略

北朝鮮と統一出来れば内需でも十分、補うことが出来るとは思うが、今の段階で内需だけを頼って成長しようとするのは市場が狭すぎる。そこで、韓国の代表的な企業であるサムスンや現代は積極的に海外に攻勢を仕掛けたわけだ。しかし、そこには日本企業がいた。

特に1970年~1980年代前半の日本企業は世界的に圧倒的であり、高度経済成長も重なって向かうところ敵なしだった。サムスンや現代もアメリカ市場に乗り込もうとしたが、その頃の日本企業にかなうはずもない。

なぜなら、今とは違い圧倒的な円安なのだ。今は120円でも円安というかもしれないが、1985年のプラザ合意までは1ドル235円だったのだ。そして、プラザ合意後に20円下がり、1年後には150円となった。

つまり、日本輸出企業は技術力と円安の二枚看板でアメリカ企業すら一時追い抜く力を持っていた。その頃のサムスンや現代などは、技術力では日本の遙かにしただったので、日本が攻勢に出なかった南アメリカ、中東、アジアといった国の市場を開拓して商売をするしかなかった。

ところが、この長年の商売経路が今になってサムスンや現代といったものに地元の市場調査やニーズにあった商品を作るといったものに活かされたことは記憶にとどめておくべきである。

■韓国内だけの内需需要では成長できない

話 を戻すが、韓国の企業は国内の内需だけでは成長することは出来ない。だから、海外へと積極的にでた。対する日本企業は国内の市場だけでもかなり大きいので 勝負できたりする。下手に海外に打ってでて倒産したケースもいくつもあるので、日本市場で頑張ってシェアをとるという考えがずっとあった。

しかし、21世紀に入る前ぐらいから、グローバル経済が進み、国内市場だけでは、海外を相手する企業に立ち向かえなくなってきた。そこで、日本企業も海外進出をどんどん加速させていったという経緯がある。

つまり、日本と韓国では市場規模の違いにより、海外への活路を見いだそうとした韓国は、国内市場がそれなりに大きい日本とは違い、内需だけでは食べていけない現実がある。もちろん、内需をおそろかにしていることには変わりない。

ただ、内需を高めていくだけで長期的な成長に繋がるかどうかといえば定かではない。韓国のケースと日本のケースでは異なるために同じ分析ができないからだ。

■基礎技術の研究

だ から、ただ内需を増やせば長期的な成長が可能かどうかについては疑問がある。長期的な成長がしたいなら、内需も重要だが、やはり、基礎技術の研究であろ う。最初からなので50年ぐらいかけて研究と人材育成をじっくりやるべきだ。宇宙開発ならペンシルロケット辺りからになる。

地道な研究の基礎がなければ、この先もイノベーションを起こす韓国企業がまず現れない。しかし、韓国人は我慢が嫌いで結果をすぐに求めたがる性分なので、実際には無理だと思われる。