ウォン安 予想値大きく上回り好調な米国経済…流れ弾飛んでくる韓国は焦燥-

ウォン安 先週、日韓通貨スワップ100億ドルが締結されたが、ウォンレートは全くといっていいほど反応しなかった。それにはきっと韓国銀行の関係者は大いに落胆しただろうな。頼みの日韓通貨スワップ、しかも、ドルのやり取りなのに市場は織り込み済みだと言わんばかりにウォン売りを加速した。

結局、市場というのはサプライズでなければある程度、織り込んでしまうために、いくら通貨スワップという韓国有利なニュースでも大きなウォン高効果はなかった。すると、韓国は切り札を失ったことになる。今までウォンが安くなる旅に、日本と米国の通貨スワップするんだ論理が展開されてきた。だが、蓋を開けて、それが成功してもウォン売りが止まらない。実は、韓銀はこんなはずではなかったと頭を抱えていることだろう。

何しろ、通貨危機で韓国を救ったのは米韓通貨スワップ300億ドルだった。一気に100ウォンぐらい上げたのに、今回は上がるどころか下がったのだ。これでさすがに通貨スワップが万能薬でないことに気づいたんじゃないか。しかし、気づいたところで韓国にはどうしようもない地獄が待っている。

其れは米国の景気が持ち直してるのだ。朝の金融ニュースで色々とみてきたが、これにはこちらも驚いてる。でも、米国が持ち直せば利上げする可能性が高まるだけなので、韓国に取っては喜んでもいられない。

逆に中国の景気は鈍化したまま。朝に中国の製造業PMIを見たが、49.0と50を下回っていた。中国景気が鈍化しているのはこの数値でもわかる。そして人民元安も加速する。韓国のウォンがこれから1350を向かうと思われるが、まだ年内に2回の利上げがあるかもしれないのだ。韓国はなにもしないまま、いつまでウォンレートを抑えることができるのか。注目だよな。

では、記事の冒頭を読んでおこうか。

米国の国内総生産(GDP)増加率が速報値よりはるかに高いことがわかった。米国経済が予想よりも強いという事実が確認され追加緊縮の可能性も現実化している。下半期の景気反騰を狙う韓国経済に流れ弾が飛んでくるかもしれないという懸念が出ている。

https://japanese.joins.com/JArticle/306072?servcode=300&sectcode=300

米国の国内総生産(GDP)増加率が速報値よりはるかに高いことがわかった。米国経済が予想よりも強いという事実が確認され追加緊縮の可能性も現実化している。下半期の景気反騰を狙う韓国経済に流れ弾が飛んでくるかもしれないという懸念が出ている。

流れ弾が飛んでくるか知らないが、米経済好調なら米輸出は増えるんじゃないか?でも、各国が利上げするなら輸出は減るのか。メリットとデメリット、どちらが大きいかは判断が難しいな。もっとも、今、米経済が好調でも来年にリセッションする可能性は高い。本当、ここ数年、米経済に世界中が振り回されている感じだよな。

と言ったところで記事の要点を整理していく。今回の記事は朝の金融ニュースで取りあげた範囲と被るので、その辺りについて軽く触れていくだけにする。また、今回は記事二つ分なので、前後編に分けるが連続した記事である。

■記事の要点(前半)

1.米商務省は先月29日、1-3月期の米国のGDP増加率が前四半期比2.0%(年率換算)と最終発表した。経済規模が大きい米国はGDP成長率を速報値、改定値、確定値と3回に分けて集計する。集計値が最新であるほど完全度が高い資料を基に算出する。先月発表された1-3月期のGDP成長率改定値は1.3%だった。だがこの日発表した最終確定値では0.7ポイント上方修正された。これはダウジョーンズが集計した専門家見通しの1.4%よりも高く、最初に発表した速報値の1.1%と比較して2倍近く上がった数値だ。

2.米国の「GDPサプライズ」は予想よりも強かった消費から出た。消費は米国のGDPで3分の2以上を占める。改定値発表当時3.8%増加した1-3月期の消費者支出は確定値から4.2%に大きく引き上げられた。コロナ禍後に初めて防疫政策が緩和された2021年4-6月期以降で最も高い。自動車のような耐久財支出が年率基準で前四半期比16.3%増加し、ヘルスケア、外食、旅行などサービス分野の消費者支出も3.2%増加した。輸出も旅行などサービスを中心に7.8%増加した。

3.こうした米国経済の好調は4-6月期も続く可能性が大きい。最近景気を示す指標が相次いで予想外の強気を見せているためだ。米商務省が発表した先月の米国住宅着工件数は前月比21.7%増加した。13カ月ぶりの高水準だ。通常米国で住宅着工件数は景気先行指標として受け止められる。米国の小売り販売もやはり先月前月比0.3%増加し市場予想値のマイナス0.2%を大きく上回った。4月の0.4%よりは増加幅が減ったが、高金利と高物価にも依然として米国景気が拡張傾向であることを見せた。

4.米国経済が予想よりも好調な理由は堅固な雇用市場のおかげだ。新型コロナウイルスの流行拡大が徐々に弱まり、飲食店・宿泊など対面サービス業種の雇用が再び増え始めた。実際に先月の米国の非農業雇用は33万9000件増加し、ウォール・ストリート・ジャーナルが予想した19万件を大きく上回った。増加幅だけみれば1月以降で最も多い。最近増えた失業手当て請求件数も先週には直前比2万6000件減少の23万9000件を記録して雇用市場が依然として好況傾向であることを見せた。

前半は4つだ。順番に見ていこう。

まず、米国のGDPの話だ。1-3月期の米国のGDP増加率が前四半期比2.0%である。これを知ったときは驚いた。これによって米経済が持ち直してたことがわかり、その後、米経済指標が好調なこともあってダウやナスダックが一気に上がったのが先週だ。

2のGDP2%は強い消費の影響だ。確かに自動車が売れていたものな。コロナ禍からの脱却で、旅行や飲食店もにぎわい、内需に貢献したと。

次に3だが、こうした米国経済の好調は4-6月期も続く可能性が大きい。最近景気を示す指標が相次いで予想外の強気を見せているためだ。米商務省が発表した先月の米国住宅着工件数は前月比21.7%増加した。

これについては補足がいる。米国住宅着工件数は確かに増えてるが、これは中古住宅不足からくる、新築住宅需要によるものだ。中古住宅がないので、その代わりに新築住宅を選択するという感じだ。ただ、金利が上がれば固定金利もあがるので、いつまでもこの不動産が好調に推移するとはいいがたい。小売が増えてるのは良い傾向だろう。

最後の4で労働市場が引き続きタイトであるということ。雇用が増えれば、その分、賃金が上がるので、インフレ退治が難しい。でも、コロナ禍でサービス業は人手不足なので、賃金を上げても人を雇っているのが現状だ。其れは思ったより増えてない新規失業保険申請数でもわかる。

では、記事の後半を見ていこうか。

■記事の要点(後半)

4.米連邦準備制度理事会(FRB)が過熱する米国経済を冷ますために政策金利を大幅に上げたが、高物価状況が続き金利上昇効果を相殺させたという分析もある。名目金利は高いが、物価上昇率を差し引いた実質金利は依然として低く、消費など経済活動を萎縮させるにはまだ十分に制約的でないということだ。

例えば金利を上げても今後の商品価格がそれ以上に上がるだろうと予想されれば、人々はお金を貯蓄するより使う方が良いと判断する。梨花(イファ)女子大学経済学科のソク・ビョンフン教授は「FRBが金利を上げているが、長期物価上昇率見通しは最近むしろさらに上がった。人々が高物価状況はすぐに終わらず長引くものと受け止めて消費が減らずにいるもの」と話した。

5.経済指標が好調で今年2回以上の追加利上げがあるとの見通しも力を増している。FRBのパウエル議長は先月28日、ポルトガルで開かれた欧州中央銀行(ECB)年次フォーラムで「四半期データを見れば予想より強い成長、予想より緊縮した労働市場、予想より高い物価上昇率を見ることができる。通貨政策は制約的な水準ではあるが十分に制約的ではないかもしれない」として追加利上げの可能性を残しておいた。

6.米国の利上げの可能性が大きくなり、韓国経済への衝撃を懸念する声も出ている。先月30日のソウル外国為替市場のウォン相場は1ドル=1317.70ウォンで前営業日比0.1ウォンのウォン安ドル高となった。最近ウォン相場は1270ウォン台までウォン高が進んでいたが、米国の経済指標好況で再び1320ウォン台まで下落している。

ドル高局面が再来するならば、外国人資本の離脱と輸入物価上昇にともなう経常収支赤字が拡大する恐れがある。米国が実際に追加緊縮に出れば、韓米の金利差が2%以上広がるという点も負担だ。この場合韓国銀行も基準金利引き上げを再び考慮するほかない。それだけ実体景気への負担も大きくなる。

以上の3つだ。順番に見ていこう。

まず4だが、これは貯蓄好きな日本人には難しい感覚かもしれないが、インフレになればなるほどお金の価値は目減りする。まあ、これは思い出せば簡単だと思うが、今の1万円と1年前の1万円では、変える物の量が違う。明らかに物価高になり、1万円で買える物は減ったわけだ。つまり、今、使った方が得という心理が働き、貯金よりも消費すると。それが自動車購入にわりと注ぎ込まれたんじゃないか。

5については既に昇華したとおりだ。経済指標が好調で今年2回以上の追加利上げがあるとの見通しも力を増していると。パウエル議長も追加利上げ必要だわと。

それで最後の6だ。韓国経済に飛び火する影響である。介入して1270ウォン台まで上げたところですぐ戻されたよな。結局、1329ウォンに逆戻り。50ウォン分の介入資金が無駄になったと。でも、これは終わりじゃない。利上げが出てくればウォンは売られる。

米国が実際に追加緊縮に出れば、韓米の金利差が2%以上広がるという点も負担だ。この場合韓国銀行も基準金利引き上げを再び考慮するほかない。こちらは韓銀が金利を上げることはないとみている。それだけ韓国の金利は限界なのだよ。今はなんとか耐えてるかもしれないが、こういうのはボディーブローのようにじわじわと効いてくるので来年辺りから見えてくるんじゃないか。米韓金利差がもたらすものが一体、何なのか。

ああ、そうだ。7月に入って韓国の6月の貿易収支が出てきたのでこれも引用しておく。

韓国では先月(6月)、16か月ぶりに輸出額が輸入額を上回ったことで、貿易収支が「黒字」に転換した。輸出は9か月連続で減少しているが、輸出減少率は年間でも最低水準に下がっているため、ことし後半の反騰が期待される。

1日、韓国の産業通商資源部(省)によると「6月の輸出額は542億4000万ドル(約7兆8287億円)で、昨年同月より5.5%減少した」と暫定集計された。月間の輸出は、昨年の10月から9か月連続で前年同月に比べ減少している。

ただ6月の輸出減少率は、年間でも最も低い水準にまで下がっている。一方、輸出額は531億1000万ドル(約7兆6656億円)で、昨年同月より11.7%減少した。

このことから貿易収支は11億3000万ドル(約1631億円)の黒字を記録した。月間の貿易収支が黒字となったのは、昨年2月以降16か月ぶりである。

ただ、ことし1~5月の連続赤字により、ことし上半期の累積貿易赤字は262億1000万ドル(約3兆7830億円)を記録した。

https://www.wowkorea.jp/news/korea/2023/0701/10401396.html

なんと、韓国はついに貿易赤字が抜けだしたそうだ。これもこちらの予想通りなんだよな。6月の輸出額は542億4000万ドル(約7兆8287億円)で、昨年同月より5.5%減少。輸出額は531億1000万ドル(約7兆6656億円)で、昨年同月より11.7%減少したと。輸入を11%減らして貿易赤字から抜けだした。つまり、在庫処分ばかりで製品をまともに生産してないから輸入が減っていると。貿易赤字から抜け出すことはできても、輸出と輸入が減っているのだから経済規模は逆に縮小しているという。そりゃ、輸出ランキングは世界6位から8位に転落しますよね。

◇米GDP改定値より0.7ポイント上がる

米商務省は先月29日、1-3月期の米国のGDP増加率が前四半期比2.0%(年率換算)と最終発表した。経済規模が大きい米国はGDP成長率を速報値、改定値、確定値と3回に分けて集計する。集計値が最新であるほど完全度が高い資料を基に算出する。先月発表された1-3月期のGDP成長率改定値は1.3%だった。だがこの日発表した最終確定値では0.7ポイント上方修正された。これはダウジョーンズが集計した専門家見通しの1.4%よりも高く、最初に発表した速報値の1.1%と比較して2倍近く上がった数値だ。

米国の「GDPサプライズ」は予想よりも強かった消費から出た。消費は米国のGDPで3分の2以上を占める。改定値発表当時3.8%増加した1-3月期の消費者支出は確定値から4.2%に大きく引き上げられた。コロナ禍後に初めて防疫政策が緩和された2021年4-6月期以降で最も高い。自動車のような耐久財支出が年率基準で前四半期比16.3%増加し、ヘルスケア、外食、旅行などサービス分野の消費者支出も3.2%増加した。輸出も旅行などサービスを中心に7.8%増加した。

◇雇用好調に不動産と消費好調4-6月期も続く

こうした米国経済の好調は4-6月期も続く可能性が大きい。最近景気を示す指標が相次いで予想外の強気を見せているためだ。米商務省が発表した先月の米国住宅着工件数は前月比21.7%増加した。13カ月ぶりの高水準だ。通常米国で住宅着工件数は景気先行指標として受け止められる。米国の小売り販売もやはり先月前月比0.3%増加し市場予想値のマイナス0.2%を大きく上回った。4月の0.4%よりは増加幅が減ったが、高金利と高物価にも依然として米国景気が拡張傾向であることを見せた。

米国経済が予想よりも好調な理由は堅固な雇用市場のおかげだ。新型コロナウイルスの流行拡大が徐々に弱まり、飲食店・宿泊など対面サービス業種の雇用が再び増え始めた。実際に先月の米国の非農業雇用は33万9000件増加し、ウォール・ストリート・ジャーナルが予想した19万件を大きく上回った。増加幅だけみれば1月以降で最も多い。最近増えた失業手当て請求件数も先週には直前比2万6000件減少の23万9000件を記録して雇用市場が依然として好況傾向であることを見せた。

◇高物価で利上げ効果も相殺

米連邦準備制度理事会(FRB)が過熱する米国経済を冷ますために政策金利を大幅に上げたが、高物価状況が続き金利上昇効果を相殺させたという分析もある。名目金利は高いが、物価上昇率を差し引いた実質金利は依然として低く、消費など経済活動を萎縮させるにはまだ十分に制約的でないということだ。

例えば金利を上げても今後の商品価格がそれ以上に上がるだろうと予想されれば、人々はお金を貯蓄するより使う方が良いと判断する。梨花(イファ)女子大学経済学科のソク・ビョンフン教授は「FRBが金利を上げているが、長期物価上昇率見通しは最近むしろさらに上がった。人々が高物価状況はすぐに終わらず長引くものと受け止めて消費が減らずにいるもの」と話した。

◇2回の追加利上げの可能性高まる

経済指標が好調で今年2回以上の追加利上げがあるとの見通しも力を増している。FRBのパウエル議長は先月28日、ポルトガルで開かれた欧州中央銀行(ECB)年次フォーラムで「四半期データを見れば予想より強い成長、予想より緊縮した労働市場、予想より高い物価上昇率を見ることができる。通貨政策は制約的な水準ではあるが十分に制約的ではないかもしれない」として追加利上げの可能性を残しておいた。

先月30日午後4時基準でFEDウォッチが予想した連邦市場公開委員会(FOMC)の0.25%の利上げの確率も86.8%に達した。これは米国の1-3月期GDP確定値発表前の81.8%より5ポイント多い数値だ。来月以降FOMCで金利を追加で引き上げる可能性もやはり上昇した。

◇韓国経済に流れ弾飛ぶか、為替相場1320ウォン台に迫る

米国の利上げの可能性が大きくなり、韓国経済への衝撃を懸念する声も出ている。先月30日のソウル外国為替市場のウォン相場は1ドル=1317.70ウォンで前営業日比0.1ウォンのウォン安ドル高となった。最近ウォン相場は1270ウォン台までウォン高が進んでいたが、米国の経済指標好況で再び1320ウォン台まで下落している。

ドル高局面が再来するならば、外国人資本の離脱と輸入物価上昇にともなう経常収支赤字が拡大する恐れがある。米国が実際に追加緊縮に出れば、韓米の金利差が2%以上広がるという点も負担だ。この場合韓国銀行も基準金利引き上げを再び考慮するほかない。それだけ実体景気への負担も大きくなる。

ウォン安 予想値大きく上回り好調な米国経済…流れ弾飛んでくる韓国は焦燥-」への2件のフィードバック

  1. 韓国経済危機特集」のページのほうのレイアウトが大きく崩れています。複数のブラウザで確認しましたが、巨大な空白スペースができていたり、ページ下部のレイアウトが大きく崩れていて、また「コメント」を書く欄も消失しています。
    CSSの何らかの設定がおかしいかファイルが壊れているか、「広告」がページのレイアウトに何か悪影響を与えているか。

    こちら側からはどこがおかしいのか確認できます、そちらで確認してみてください。

    1. コメントありがとうございます。

      レイアウトがずれてるというよりは画像が表示されてないのでそう見えるようです。
      ウォンチャートも表示されてないので時間あるときに直します。一応。ワードプレスとテーマは更新しておきました。
      お手数おかけしますがお待ちください。

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