韓国経済、上半期の経常黒字362億ドル サービス赤字は最大=韓国
記事要約:韓国の上半期の経常黒字が362億ドルとなった。しかし、サービス赤字は過去最大となっている。
まず、経常黒字というのは経常収支が黒字ということである。経常収支が赤字になれば経常赤字となる。何の説明にもなってないではないかと思うかもしれないが、ここからしっかり解説していく。経常収支とは主に次の4つに分かれている。
■経常収支(2017年1月~6月まで)は362億7000万ドル
1.貿易収支:583億5000万ドル
2.サービス収支:ー157億4000万ドル(旅行収支が-77億4000万ドル、輸送収支が-22億8000万ドル)
3.所得収支:5億5000万ドル
4.経常移転収支
大事なのはこれら4つを含めたのが経常収支ということ。そして、韓国は362億ドルの黒字ということ。さて、このサービス収支をさらに細かく分けると「旅行収支」と「輸送収支」というものが出てくる。
■旅行収支
旅行収支とは、日本人旅行者の海外での消費を「支出」、訪日外国人の日本での消費を「収入」とし、収入から支出を引いたものである。
今回の場合は当然、日本人ではなく韓国人と読み替えてもらえばいい。つまり、旅行収支が赤字ということは韓国人旅行者が海外で消費する支出が、韓国旅行に来た外国人の消費する支出より多いことを指している。反対に日本は旅行収支は黒字なのである。2016年の日本の旅行収支は1兆3391億円であり、過去最大のものとなった。
この状況について普段、管理人のサイトに訪れていればなんとなく理解されていると思われる。韓国人の海外旅行は増えているが、逆に韓国へ来る外国人が減っているという数値から来る「データ」というわけだ。その影響の先に韓国のTHAAD配備による、中国人観光客の大幅減少があると。一から解説してきたがこのように繋がっている。
>上半期の旅行収支の赤字は77億4000万ドルで、2007年下半期以降で2番目の大きさとなった。特に6月は13億9000万ドルと、中東呼吸器症候群(MERS)流行の打撃が大きかった2015年7月以来の高水準だった。在韓米軍への米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」配備に反対する中国からの観光客が急減したためだ。同月に韓国に入国した中国人は前年同月比66.4%減の25万5000人と集計された。
韓国のTHAAD配備の影響による中国人観光客の減少は中東呼吸器症候群(MERS)流行の打撃の次に大きいと。つまり、中国人観光客の減少はまだMERSレベルの被害にすら到達していないことになる。足りないと思う。中国はまだまだ旅行客を減らすことは可能だろう。団体が終われば次は個人旅行者の韓国旅行禁止令を出せばさらに20%ぐらいは減るんじゃないか。
因みに管理人は酷い書き方をしていると思うが、これは韓国の国益のためである。韓国は中国経済圏でハブられたら生きていけないので、さっさとTHAAD配備を中止にして宗主国様に従うことこそ、韓国の真の国益だと考えているためである。まあ、異論はあるとおもうのだが、考え方の違いというものだとおもう。
■輸送収支
次に輸送収支だが、輸送手段(海上運送、旅客運送、その他)及びサービスの内容(旅客、貨物、その他)の区分に基づいている。つまり、だいたい人や物を運ぶ運賃だと思えばいい。そして、運送と言えば昨年の秋に破綻した例の韓進海運における物流大混乱事件があったことを思い出せば、これは確実に赤字になってると予想が立つわけだ。
>また、上半期の輸送収支の赤字も22憶8000万ドルで過去最悪となった。韓国の海運大手だった韓進海運の経営破綻の影響が続いているとみられる。
22億ドルなので2200億円ぐらいか。韓進海運は3000億円で救えたはずなのだが、どう見ても損しているんだよな。管理人は物流大混乱事件の時にも述べたが、韓進海運は国が支援してでも救うべきだった。少なくとも物流大混乱を2ヶ月以上も放置したのは痛すぎる。あれだって韓国政府が肩代わりすれば1週間もかからず終息できただろうに。韓進海運憎しの朴槿恵前大統領がやったことは韓国の国益に大きな損失を与えている。それが22億ドルの赤字となったと。だが、これは継続するのでまだまだ赤字額は増える。
日々のニュースをしっかり追っていればデータというものがその動きの裏付けに過ぎないことがわかるんじゃないかと。しかし、数値を知っておくのも大事だ。経常収支362億ドルの黒字の意味が実はトランプ大統領がいう米韓FTAの見直しに大きく関わることを説明したかったのだが、これは別の機会だな。経常収支を解説したら長くなりすぎた。
データを解説していくのは好きなのだが、長くなりすぎて一編に詰め込むのは良くないと思うのだ。経済をあまり知らない読者様も中には入るだろう。経常収支の解説だけでもややこしく感じているかもしれない。これに貿易摩擦とか、米韓FTAとか、為替レートがどうとか言われても困ると思うのでこの辺で一端、筆を置く。
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〔北朝鮮、韓国、朝鮮半島有事〕のまとめ
韓国経済、上半期の経常黒字362億ドル サービス赤字は最大=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)が3日発表した国際収支(速報値)によると、6月の経常収支は70億1000万ドル(約7766億円)の黒字だった。2012年3月から64カ月連続の黒字で最長記録を更新しているが、黒字幅は前年同月の58.0%にとどまった。
上半期(1~6月)の黒字も362億7000万ドルと、前年同期(516億9000万ドル)から154億2000万ドル縮小した。サービス収支の157億4000万ドルの赤字が響いた。旅行収支と輸送収支が悪化したためで、サービス収支の赤字は2016年下半期を上回り半期ベースで過去最大を更新した。
上半期の旅行収支の赤字は77億4000万ドルで、2007年下半期以降で2番目の大きさとなった。特に6月は13億9000万ドルと、中東呼吸器症候群(MERS)流行の打撃が大きかった2015年7月以来の高水準だった。在韓米軍への米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」配備に反対する中国からの観光客が急減したためだ。同月に韓国に入国した中国人は前年同月比66.4%減の25万5000人と集計された。
また、上半期の輸送収支の赤字も22憶8000万ドルで過去最悪となった。韓国の海運大手だった韓進海運の経営破綻の影響が続いているとみられる。
一方、上半期の商品収支(貿易収支に相当)の黒字は583億5000万ドルだった。前年同期に比べ41億4000万ドル減少。韓国銀行は「設備投資の機械類の導入と原油などエネルギー類の単価上昇で輸入が増え、商品収支黒字が減少した」と説明した。それでも上半期ベースでは過去2番目の大きさだった。輸出で半導体とディスプレーが善戦した。
6月の給与・賃金と投資に伴う利子や配当を差し引きした所得収支は5億5000万ドルの黒字だった。配当金関連の所得収支が悪化するなどして前年同月からほぼ半減した。
(http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2017/08/03/0500000000AJP20170803000300882.HTML)