日別アーカイブ: 2016年9月4日

韓国経済、韓進海運問題で揺れ動く世界の海運市場

韓国経済、韓進海運問題で揺れ動く世界の海運市場

記事要約:8月31日、韓国の海運、最大手「韓進海運」が破産したことで韓国経済に大きな悪影響を与えている。それについては疑問の余地はない。しかし、韓進海運が世界の海運市場に大きな影響を与えているかのような報道はただの誇張である。前にも述べたとおり、世界7位だろうが、世の中のシェアというのは上位3つで大体決まるようになっている。そのう3つを欧州勢が独占しているので、世界の海運市場に大きな変化はない。

それよりも、むしろ、韓進海運が破綻したことによって、アジア、北米ルートの特需が舞い込んできている。当然,韓国企業は韓進海運で運んでいたコンテナを中国や日本の海運事業に依頼することになる。先に現代商船に依頼するかもしれないが、全てのコンテナを代わりに運ぶなんてことは出来る規模ではない。そのため、輸送費の値上げが自然と起きている。これは記事でも確認できる。

>海運 業界によるとアジア~米西海岸路線の40フィートコンテナ1個当たり運賃は1746ドル(約18万859円)で先週より51.4%上がった。韓進海運の主 力路線は運賃がさらに上がった。先月末に40フィートコンテナ当たり1100~1200ドルだった釜山(プサン)~ロサンゼルス路線の運賃は 1800~2000ドルで70%近く急騰した。釜山~ニューヨーク、釜山~ドバイもやはり60%上がった。

まさに特需である。今までアジア、北米ルートで大きなシェアを持っていた韓進海運が破綻したことで運賃は先週より50%以上あがったと。しかし、よく考えると何かおかしなことに気付かないだろうか?管理人は先週から韓進海運の事業内容について出ている記事を読んできたのだが、どうも「ダンピング」していた疑いがあるのだ。

また、管理人が見知らぬ経済用語を出してきたとか思うかもしれないが解説する。ダンピングとは不当廉売、投げ売り、捨て売りとか言われるものである。韓進海運は荷物を運ぶのだから、捨てる物はないだろうと思うかもしれない。しかし、「運賃」を投げ捨てシェアを拡大していたといういつもの韓国企業のやりかたに行き当たれば、どうして破産してしまったのか透けてくるわけだ。

元々赤字でシェアを獲得していたのが世界経済の不況で経営そのものが成り立たなくなった。でも、海運大手なので韓国政府が助けてくれるだろうと。そんな甘い考えがあったのだろう。いかにも韓国らしい考え方だが。

造船やDRAM,液晶テレビなどで韓国企業がやっていることを海運でもしていたとなれば、韓進海運だけがシェアを圧倒的に伸ばしていたことや,破産により運賃が劇的に上昇しているのは納得出来る。つまり、元々ダンピングで投げ売り価格で韓国企業の荷物を運んできた韓進海運が潰れたから、市場の需要と供給の法則による「適正価格」に戻りつつあるということ。それでもしばらくは高い運賃を設定できるわけだが。

>海運業界では観測が交錯する。韓国海洋水産開発院のファン・ジンフェ室長は「最近の運賃急騰は短くて半月、長くて1カ月以内に整理さ れるだろうが、中長期的に運賃は10%程度上がるだろう」と予想する。韓進海運の輸送能力やシェアを考慮すると船舶供給が減っただけに運賃は上がるほかな いということだ。これに対し韓国海洋大学のイ・ガンギ教授は、「韓進海運問題で運賃指数が一時的に上がったもの。世界の景気が改善し物流量が増加しない限 り瞬間的な効果にとどまるほかない」と主張した。

このような観測があるそうだが、ダンピングしていたのが適正価格に戻っていくだけで世界の景気に変化がないかぎりはそれほど大きな変化とはならないと。韓進海運による混乱も1ヶ月以内におさまると。もっとも、韓進海運をこのまま放置すれば韓国の海運業の信頼をさらに失うわけだが。

>世界市場を三分した海運アライアンス間の競争がさらに激化して運賃が再び暴落し、第2、第 3の韓進海運が相次ぐだろうという懸念も出 ている。ブルームバーグは2日、「韓進海運の法定管理は金融危機以降に海運会社が健全性を回復できなかったという証拠。世界の海運業界全体の打撃につなが るだろう」と報じた。海運調査会社のドリューリーマリタイムリサーチは今年世界の海運会社が50億ドルの赤字を出すだろうと予想した。

次に潰れるとしたら現代商船となるわけだが、韓国政府が2つも潰すとは思えない。何しろ,輸出ルートを他国に握られるのは死活問題だしな。それでなくても北米ルートを中国や日本に自動的に取られつつあるわけで。しかし、ここで韓国政府が公的資金を投入すればダンピングによって不当に価格を値下げをさせられていた他国の海運業が黙っていない。あれ、これ造船と似た状況じゃないのか?うん。韓国は何でもダンピングしているという証拠だな。

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韓国経済、韓進海運問題で揺れ動く世界の海運市場

世界7位の海運会社である韓進(ハンジン)海運が1日に法定管理に入り、世界の海運市場が 揺れ動いている。韓進海運の抜けた穴を狙った大手海運会社が船舶運賃引き上げを主導し市場の地図が変わっている。一部では2008年以降低迷していた海運 業況が改善されるという観測も出ている。

22日に発表された上海コンテナ運賃指数(SCFI)は763.06を記録し、先週の596.38より27.9%上昇した。SCFI は代表的な海運市況指標だ。2009年10月の運賃を1000ポイントとし、変動値を毎週1回発表する。SCFIは世界の景気低迷と減少した物流量を確保 しようとする3大海運アライアンス間の競争で今年3月には400ポイント台まで急落した。その後反騰した運賃は今回の韓進問題を契機に急騰している。海運 業界によるとアジア~米西海岸路線の40フィートコンテナ1個当たり運賃は1746ドル(約18万859円)で先週より51.4%上がった。韓進海運の主 力路線は運賃がさらに上がった。先月末に40フィートコンテナ当たり1100~1200ドルだった釜山(プサン)~ロサンゼルス路線の運賃は 1800~2000ドルで70%近く急騰した。釜山~ニューヨーク、釜山~ドバイもやはり60%上がった。

海運業界では観測が交錯する。韓国海洋水産開発院のファン・ジンフェ室長は「最近の運賃急騰は短くて半月、長くて1カ月以内に整理さ れるだろうが、中長期的に運賃は10%程度上がるだろう」と予想する。韓進海運の輸送能力やシェアを考慮すると船舶供給が減っただけに運賃は上がるほかな いということだ。これに対し韓国海洋大学のイ・ガンギ教授は、「韓進海運問題で運賃指数が一時的に上がったもの。世界の景気が改善し物流量が増加しない限 り瞬間的な効果にとどまるほかない」と主張した。

世界市場を三分した海運アライアンス間の競争がさらに激化して運賃が再び暴落し、第2、第3の韓進海運が相次ぐだろうという懸念も出 ている。ブルームバーグは2日、「韓進海運の法定管理は金融危機以降に海運会社が健全性を回復できなかったという証拠。世界の海運業界全体の打撃につなが るだろう」と報じた。海運調査会社のドリューリーマリタイムリサーチは今年世界の海運会社が50億ドルの赤字を出すだろうと予想した。

(http://japanese.joins.com/article/224/220224.html?servcode=300&sectcode=320)

韓国経済Q&A 韓進海運の破綻で日韓通貨スワップが適用されるか心配しています

韓国経済Q&A 韓進海運の破綻で日韓通貨スワップは適用されるか心配しています

記事要約:今回はメールに届いた読者様の懸念についてサイトで回答しようとおもう。質問の内容を掻い摘まむと、先日、麻生財務大臣が韓国との日韓通貨スワップ協定の議論を決定したことに触れた後、8月31日の韓進海運に法定管理のニュースを見て、日韓通貨スワップが使われる。つまり、日本が助けることになるのではないか?というもの。

この読者は日韓通貨スワップ協定で国民の税金が韓国企業を助けるのに使われるんじゃないかと。当然、そんなこと止めて欲しいという結論であるのだが、まず、日韓通貨スワップ協定の議論について少し解説したい。

以前に日本は日韓通貨スワップ協定を100億ドル規模で結んでいたが、韓国の元明博大統領が竹島へ不法侵入、天皇陛下への土下座要求などをしたために急激に日韓関係は冷え込んだ。因みに今は日韓関係が改善されているとか日本のマスメディアは報じるが残念ながら改善されるようなことは1つも存在しない。日本国民において、韓国嫌いは日々、増えている。

それは良いとして、日本と韓国の通貨スワップ協定の期限が迫ったとき、日本は韓国側の要請があれば検討すると述べていた。しかし、韓国側にはその要請はなかったので日韓通貨スワップ協定は打ちきられた。これが2015年2月16日のことだ。それから1年と半年で通貨スワップ協定の議論の再開を「韓国側」から要請した。この辺りの経緯はまず抑えて欲しい。

ここで大事なの今回の日韓通貨スワップ協定の議論は「白紙」であること。まだ何も決まっていない。我々が確認出来るのは日韓通貨スワップ協定の議論をするという話のみであって、いつやるのか。どれだけの規模でやるのか。交換する通貨はどうするのか。いつまでやるのかといったことは何も決まっていない。だから、先ほどの回答をすれば「まだ決まっていない」としかいいようがない。だから、韓進海運を日韓通貨スワップ協定で助けるということはまずない。

そもそも、100億ドルを1兆円と計算しても、韓進海運の破綻を助けるなら5000億円以上は必要となる。つまり、100億ドルでは半分使うことになるので、これだけに通貨スワップを使うのはまず考えられない。そもそも、通貨スワップは国同士の通貨の交換であって援助ではない。相手の通貨を借りようとすれば、金利と短期期限での返済が必要になる。これはもう本当に短期である。

韓国が米韓通貨スワップの300億ドルを引き出していた時は、30億ドル、または40億ドルぐらいを月に借りていた。しかし、その返済を通貨スワップのドルでやっていたそうだ。ようは自転車操業である。これを知った米国は激怒して韓国との通貨スワップ協定を2度としないという。そもそも、この通貨スワップでウォン市場に介入してウォン安を食い止めていた。これは為替操作である。米国は韓国を名指しで為替操作国と認定して、オバマ大統領は昨年の朴槿恵大統領の訪米で為替操作するなという宣誓書にサインさせようとまでした。

結局,韓国は担当者がいないとかで逃げたが、米国にとって韓国がドルを市場で不当に操作しようとしているのが気にいらないので、為替操作する国にはそれなりのペナルティーを課す法案が造られた。それが、ベネット・ハッチ・カーパーと呼ばれるものだ。話がずれてきたが本来、米国と通貨スワップ協定を結びたいのだが、このような理由から韓国との通貨スワップ協定の再開することはまずない。だから、日本に泣きついてきたというわけだ。

話を戻すと日韓通貨スワップ協定の議論は始まったばかりでそれが韓進海運を援助することにはならない。あくまでも日韓通貨スワップ協定は米国の利上げ対応の意味合いが強い。米国の利上げで新興国の投資が引き上げられるおそれがあるから、日韓通貨スワップ協定によって日本の後ろ盾をもう一度得ようとしているのが韓国の内情である。後、韓国には説明した通りのメリットは複数あるが,日本には何一つメリットがないことも指摘しておく。ウォンなんていうローカル通貨を交換しても、その辺の銀行ですら両替してくれるか怪しいものだ。

また、全ての質問に答えるのは難しいのだが、何か韓国経済でわからないことがあれば出来るだけサイト内で答えるように善処するので何かあればコメントやメールなどで教えて欲しい。

韓国経済、THAADで中国人の韓国離れ進む? 中国依存から抜け出せないのは自業自得だが

韓国経済、THAADで中国人の韓国離れ進む? 中国依存から抜け出せないのは自業自得だが

記事要約:韓国経済の専門化の立場から述べると韓国経済は中国なしでは成り立たない。それはもう中国に深く依存しているからだ。それは何も中国の訪韓観光客だけではない。「短期外債からキムチという国民食に至るまで」中国依存である。

「ゆりかごから墓場まで」という言葉をきいたことがあるとおもうが、これはイギリスの労働党が第二次大戦後に行った社会福祉を充実させるいわゆる大きな政府である。これは日本でも採用されている国民皆保険制度の基盤で。米国のオバマ大統領も国民皆保険を成立させた。しかし、その充実した社会保障が膨大な財政支出をもたらしていることは日本でも問題になっている。消費税の引き上げも毎年、1兆円増える社会福祉に対応するためだ。

中国依存と社会福祉がどう関係するのかと思うかもしれないが、韓国の中国依存は明日から止めようといって、止められるレベルじゃないということだ。それでも少しずつでも中国依存を減らそうとしないといけないわけだが、逆にますます中国依存が加速しているという。つまり、命綱を完全に中国に握られているのだから、社会福祉と何ら変わりがない。中国という社会福祉を失えば韓国経済はどうしようもないからだ。

だから、産経記者は中国依存から抜け出せないのは自業自得と述べるが、急に社会福祉を切ることは国の特性上できるはずがない。想像してもらいたい。明日から急に国民保険が使えなくなり、医者から診察や薬の医療費を全額負担とか日本政府が発表したら社会的な大混乱が起こるだろう。まさに今の中国と韓国の関係はこんな感じなのだ。

これを言いたいがために社会福祉の話を持ってきたわけだが、最近の多くの新人読者が増えている。だから、管理人は8年前の初心にかえってなるべくわかりやすい韓国経済の現状と難しい経済用語をあまり使わないようにする、もしくは解説しながら使うといったことを心がけている。せっかく、このサイトを見つけて韓国経済に興味を持ったのなら、韓国経済の面白さというものを体験してもらいたい。

ただ、経済記事は読んでも難しいとも良く耳にする。確かに数字やら専門用語が羅列しているし、韓国の企業や地名なんて知るわけないだろうと突っ込みもある。でも、このサイトを1年ぐらい通っていれば,日本では「韓国通」で通ると思う。もっともグローバル化した世界経済の動きを韓国経済から探るという側面もある。

韓国は世界経済の影響を1番受けやすい国なので、韓国を見ていれば中国や米国といった他の国も経済動向も透けてくる。何より、日本経済にも関連しており、GDP11位ということでそこそこ経済規模や市場を形成している。経済のリアル教科書として、経済学を一から学ぶにもわりとちょうど良いレベルだと感じている。

話はずれたが韓国経済を知ることは今までと異なる視点を持つことができる。日本側と韓国側の衝突は歴史問題を始め様々な分野に存在するが、韓国側の主張を見ていくことで相手の狙いというものもわかってくるだろう。管理人はさっさと国交断絶して欲しいと思う。韓国メディアの主張を見ていけばこんな国と付き合えないというのはすぐさま理解できるだろう。

今回はほとんど記事に突っ込んでいないが1つだけ気になる箇所がある。

>実際、THAAD配備決定の影響で、韓国と中国の間で観光・MICE分野の協力にほころびが生じているという。
MICEとは、企業などの会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行=Incentive Travel)、国際機関・団 体、学会などが行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字だ。

韓国経済への報復として中国は旅行やエンタメ系から規制を強化していったのは一連の動きだが、次は企業や学問関連に手を付けているようだ。用は韓国企業が中国で新製品を発表するなどのイベントが出来なくなりつつある。また、学会などの中国で開催される国際会議も韓国だけが閉め出されるようだ。

段々と経済報復の種類が増えてきている。韓国政府がいつ根を上げるのか。このまま行くと一年も持たない気もするが、まだ中国は本腰を入れてないのだから恐ろしい。

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韓国経済、THAADで中国人の韓国離れ進む? 中国依存から抜け出せないのは自業自得だが

今年1~7月に韓国を訪れた外国人観光客が同期間としては過去最高の980万人を記録したという。7月の1カ月間の訪韓客も前年同期比168%増だったが、中国人が全体の54%を占め、“中国頼み”は相変わらず。
だが、米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備決定で、訪韓する中国人客が減るとの懸念が韓国で広がっている。

中国人観光客は政治・外交問題に敏感とされ、実際に今年5月に台湾で蔡英文総統就任後、訪台客が急減していることからもうかがえる。

「外国人観光客、過去最高」はぬか喜びに…

韓国紙、朝鮮日報(電子版)は、1月から7月までに訪韓した外国人観光客は980万人で、前年同期に比べ34%増えたとする韓国観光公社の統計まとめを報じた。また、7月の1カ月間に韓国を訪れた外国人客も169万人で前年同期比168%増となり、うち中国人客が全体の54%(91万人)と最も多かった。

1カ月間に訪韓した中国人客が80万人を上回ったのは初めてという。つまり、訪韓客呼び込みに中国人客は不可欠で、その傾向がさらに強まっているというわけだ。

一方、この「外国人観光客、過去最高」というニュースに水を差す格好となったのが、米軍のTHAADの韓国配備決定で、中国人客の訪韓が減るかもしれないと懸念する声も高まっている。

韓国観光公社が、THAAD配備が発表された7月8日を起点にその前後5週間の訪韓中国人客数を比較したところ、発表後5週間の訪問者数は102万8千人で、発表直前5週間の88万7千人より15・9%増えていたという。

だが、朝鮮日報の取材に対し、ある観光業界関係者は「中国人客は、7、8月に関してはそれ以前に予約した通り訪韓した。THAADの影響がどうなるかはもう少し後にならないと正確に分からないだろう」と慎重だった。

中国一辺倒から抜け出せるか…

実際、THAAD配備決定の影響で、韓国と中国の間で観光・MICE分野の協力にほころびが生じているという。
MICEとは、企業などの会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行=Incentive Travel)、国際機関・団 体、学会などが行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字だ。

韓国経済新聞(電子版)によれば、中国側がすでに一部の訪韓行事の取りやめを通知し、中国人客の比率が高い観光・MICE業界では「チャイナリスク」が現実化するのではという懸念の声が強まっているとしている。

そして、リスクを避けるため中国一辺倒から抜け出し、東南アジアなどに市場を多角化しようという動きも出始めている。同紙によると、韓国MICE協会は11月に中国政府傘下のMICE委員会と共同で韓国・済州で開催する予定の「韓中MICEビジネスフォーラム」計画を全面的に修正し、アジア・太平洋に地域を拡大することを8月9日に決定。中国国営旅行会社のCITS、CTSなどの関係者で代表団を構成して派遣することにしていた中国MICE委員会が訪韓計画を全面的に取り消したからだという。

訪韓計画の取り消しは、THAAD配備決定のため韓国との交流を中断するべきという中国政府の指示に基づくものとみられる。韓国MICE協会長のキム・ウンス会長は同紙の取材に対し「中国側が不参加の意思を明らかにし、対象をアジア・太平洋地域に拡大することにした」とし、「日本、シンガポール、香港、タイ、インドネシアなどから関係者を招請する行事として準備する計画だ」と説明している。

政治・外交問題に過敏な中国人観光客

そうした中、韓国紙、中央日報(電子版)は、THAADの韓国配備など政治・外交的な“変数”によっては、訪韓中国人客が韓国経済に及ぼす負の影響が広がり、雰囲気が一瞬に冷え込むこともあるとの見通しが出てきたと報じた。

同紙は、LG経済研究院が8月10日に公表した報告書「中国人観光客経済学」に注目し、「中国人観光客は政治・外交的変数に敏感で、感情的に過剰対応する傾向が高い」との分析を取り上げた。

報告書では、「THAAD配備のような事件で雰囲気が一瞬で冷え込むこともある」と指摘し、「台湾で蔡英文総統就任後、両岸関係が硬直化の兆しを示したことを受けて5月の中国人観光客が前年同期比30%ほど急減したことがこれを傍証している」と強調している。

韓国には「中国の“脅し”に屈するな」と応援したくもなるが、中国依存から抜け出せないでいるのは自業自得だから仕方がない。

(http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160903/mcb1609031705001-n1.htm)