最凶スト 以前、サムスン電子が初ストを行うことについては紹介したが、どうやら、世界最凶の労働貴族である現代自動車もストを行うことがわかった。まあ、現代自動車の昨年の業績は自動車需要が急増して好調だったものな。そりゃ、たっぷりと搾り取ろうとするだろう。でも、彼らの要求はそんなレベルじゃない。
世界最凶と言われた労働貴族が業績好調の企業に要求するレベルは日本の労働者が行う次元とは遙かに異なる。もう、はっきり言って要求した条件一つですらおかしい!一つずつ突っ込んでいこうか。まずは何を要求しているかを先にみようか。
労組は使用側に、1時間当たり基本給15万9000ウォン(号俸昇級分除外)の追加引き上げ、前年度純利益の30%を成果給として支給、賞与900%引き上げ、金曜日4時間勤務制導入、年齢別に国民年金受給と連係した定年延長(最長64歳)などを要求した。使用側は労組に基本給10万1000ウォンの引き上げ、経営成果金450%+1450万ウォン、株式20株支給などを提示したが労組はこれを拒否した。
これを見て笑えるだろう。1時間基本給の15万9000ウォンって日本円で18507円だ。現代自動車の労働者は既にトヨタの社員より時給が高く、全世界の自動車会社でトップの賃金だと思われるが、そこに1時間で約2万円基本給をあげろと。
さらに前年度純利益の30%を成果給として支給とか。おいおい、現代自動車の純利益っていくらだよ。調べておいた。
現代自動車の2023年通年の売上高は、前年比14.4%増の162兆6,640億ウォン、営業利益は54.0%増の15兆1,270億ウォン、当期純利益は58.4%増の12兆9,920億ウォンである。
つまり、約13兆ウォンの30%を支給しろ。だいたい4兆ウォンぐらいか。現代自動車の従業員数は2020年で71504名だ。約4兆ウォンを7万人に支給しろと。すげえ。要求だ。
だが、それだけじゃないぞ。ボーナスも900%にアップしろ。さらに工場でスマホで勤務時間に映画鑑賞や新聞をよむだけではなく、金曜日4時間勤務でいいな。おいおい。会社の負担が増えてるのに労働者は金曜日は4時間しか働かないのかよ。だが、それよりももっと酷いのは年齢別に国民年金受給と連係した定年延長(最長64歳)だ。労働貴族の4年延長である。
うんうん。さすがですねー。絞りだけ取るとか。そういうレベルじゃない。世界最高の企業となったエヌビディアの社員ですらこんな好待遇になってないわ。
それで使用者側の提案は基本給10万1000ウォン引き上げ、成果金450%+1450万ウォン。株式20株支給と。
両者を比べると明らかに雲泥の差がある。当然、労働者側が受け入れずに反発してスト可決という流れだ。でも、どれを取っても会社側で飲める条件がないという。
では、記事を引用しよう。
現代(ヒョンデ)自動車労働組合が組合員投票でストを可決した。現代自動車労組は24日、全組合員4万3160人を対象にした争議行為(スト)投票の結果、投票に参加した4万1461人(投票率96.06%)のうち93.65%の3万8829人がストに賛成したと明らかにした。現代自動車労組がストに入れば2018年から6年ぶりとなる。
労組は使用側に、1時間当たり基本給15万9000ウォン(号俸昇級分除外)の追加引き上げ、前年度純利益の30%を成果給として支給、賞与900%引き上げ、金曜日4時間勤務制導入、年齢別に国民年金受給と連係した定年延長(最長64歳)などを要求した。使用側は労組に基本給10万1000ウォンの引き上げ、経営成果金450%+1450万ウォン、株式20株支給などを提示したが労組はこれを拒否した。
会社は今年の経営環境と生産実績などを根拠に提案したが、労組は昨年会社が過去最大の実績を達成しただけに、これを分け合わなければならないと主張した。13日の交渉で労組は「期待に満たなかった」として交渉会場から退場し8回目の交渉が決裂していた。
この日中央労働委員会は今年の交渉で現代自動車の労使間の立場の違いが大きいと判断し調停中止決定を下した。中央労働委員会が調停中止決定を下し、組合員の投票で過半数が賛成したことから労組は合法的にストに入れる。
現代自動車はこれとは別個に、研究・事務職のマネジャー(社員・代理級)対象に「パフォーマンス・インセンティブ制度」の導入を骨子とする研究職と事務職マネジャーの賃金体系改編案を最近労組側に伝えた。過去の賃金体系である号俸制を廃止するのが核心だ。現在、責任マネジャー(課長級以上)は年俸制を適用している。
金曜日4時間勤務、定年64歳を要求…現代自動車労組「スト可決」 | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)
確かに現代自動車が過去最高の実績を上げたのは事実かもしれないが、その実績を分け与えるというレベルではない過剰な要求には笑うしかない。どれ一つとっても飲めないレベルの酷さだもんな。しかし、少子高齢化社会によって定年延長が韓国でも叫ばれるようになっているが、韓国企業に取っては頭の痛い問題だ。労働貴族を4年も延長させる損失なんて数兆円程度で止まらない。むしろ、彼らの人数が増える分、厄介なことこの上ない。
だが、現代自動車が過去最高の実績を上げたということは他の自動車会社も業瀬は好調のはずだ。つまり、自動車企業のストライキはどんどん拡大していくてことだ。次は現代モービスのストライキについてだ。
では、記事を引用しよう。
現代自動車に続き、現代モービスもストライキに対する圧倒的な支持率を記録し、ストライキをめぐる緊張を高めた。ヒュンダイ・モービス労組は、同社との交渉に進展がなければストライキも検討している。
現代モービス労働組合は28日、有権者の95.98%がストライキに賛成票を投じたと発表した。投票者1270人のうち、賛成1219人、反対51人が投票した。
現代モービス労働組合は今年、基本給15万9800ウォン(昇給を除く)の固定増額、業績賞与として前年度純利益(株含む)の30%増額、最大20万ウォンの搬送手当の増額、各種手当の増額を要求している。
その他、△定年延長、将来産業に備えた雇用保障の要求、労働時間の短縮、賞与の900%増額、新入社員採用の要求、モービス会員の長寿化なども要求している。
これは、現代自動車が先月10日に同社に要求したのと同じ水準です。昨年、ヒュンダイ・モービスはヒュンダイと同じ賃上げと業績ボーナスを獲得した。
Hyundai Mobis労組は、同社との交渉に進展がなければストライキに突入するとみられる。これは、会社が組合の一括提案の要求に応じず、強硬路線を敷く決意を示しているためである。
昨年、モービスは同社との交渉の決裂を発表し、部分的なストライキを発表した。しかし、暫定合意に100万ウォンの奨励金が含まれていた時点で交渉が再開され、約3カ月で最終合意に達し、交渉は妥結した。
ある組合幹部は「95.98%という圧倒的な支持は、団体交渉のために闘う決意だ」とし、「差別のない業績給など、MOVIS委員会の個別の要求のために闘う」と述べた。
これに先立ち、現代自動車労組も24日の団体交渉決裂を受けてストライキに賛成票を投じ、89.97%の賛成票を投じた。同日、中央労働委員会も「調停停止」を決定し、組合はストライキ権を獲得した。
ストライキが実現すれば、現代自動車労組によるストライキは6年ぶりとなる。過去5年間、現代自動車の労使はCOVID-19のパンデミックのためにストライキなしで交渉を終えてきました。
専門家は、現代自動車グループの労働組合が先にストライキを行う権利を有しており、金銭だけで問題を解決しようとする同社の慣行は間違っていると指摘している。
大林大学未来自動車学科の金日日(キム・イルイル)教授は「組合は会社が受け入れることのできない提案を提示し、次善の策を準備している」と述べた。
ヒュンダイに続いて、ヒュンダイ・モービスも圧倒的にストライキに賛成票を投じた。緊張感が高まる (newstomato.com)
現代モービスもやっていることは現代自動車の労働貴族の要求とたいした違いは無い。さすがですね。どこか一つでも突破すると、そこから他の貴族にも要求が通りやすくなるてやつか。だが、現代自動車、現代モービスだけではない。ストライキは文字通り、伝播するのだ。
では、別記事で見ていこうか。
(ソウル=NEWS1) パク・ギボム記者=賃金や団体交渉をめぐる労働組合間の神経戦(イムダンヒョプ)が激化する中、今年に入って国内自動車メーカーでストライキが相次ぐとの懸念が高まっている。業界最古の現代自動車(005380)の労働組合がストライキを決行し、起亜自動車(000270)と韓国GMも組合をめぐる緊張が高まる雰囲気にある。
業界によると、現代自動車労組は26日、組合員4万3160人でストライキ投票を行い、投票に参加した4万1461人のうち3万8829人(96.06%)(登録組合員の89.97%、有権者の93.65%)がストライキに賛成票を投じた。
現代自動車労組も中央労働委員会から調停停止の決定を受けた。通常、労使の立場に相違があり、まともな交渉ができない場合には、交渉を中断することを決定します。組合のストライキ決議と中央労働委員会の調停停止決定でストライキの法的権利を確保した組合は、27日に発足式と中央紛争解決委員会を開催し、ストライキの方向性を協議する予定である。
ストライキ権が認められたとしても、会社との実務者交渉は可能なため、組合がストライキに踏み切るかどうかは不透明である。しかし、前回の交渉では両者の相違点が縮まらなかったため、今後の交渉は容易ではないとみられる。現代自動車の労使は、定年延長、基本給、賞与、週4.5日労働制の導入など、格差を縮めることができなかった。
組合がストライキに踏み切れば、2018年以来6年ぶりとなる。現代自動車労組がストライキに突入すれば、業界全体に影響が及ぶ可能性が高い。来月から始まる飢餓は、すぐに影響を受ける可能性があります。起亜自動車労組の要求は現代自動車労組の要求と大差ないため、起亜自動車がそれを受け入れる可能性は低い。
GM韓国労組も同社と対峙し、基本給の引き上げと解雇された従業員の復職を要求している。17日~18日、組合員総会で組合員が労働争議に賛成・反対票を投じ、組合員の87.2%がストライキに賛成票を投じた。組合は中央労働委員会に労働争議を提起し、結果を待っているため、ストライキの準備は実際に始まっています。
ストライキが進めば、自動車メーカー業界は打撃を受ける可能性が高い。韓国自動車モビリティ工業会によると、今年1~5月の国内販売台数(乗用車ベース)は前年同期比7.7%ポイント(p)減少した。国内メーカーでは、起亜自動車が0.4ポイント上昇した一方、現代自動車(-11.2ポイント)や韓国GM(-16.4ポイント)など国内メーカーはいずれも減少した。
業界は国内販売の低迷を輸出で補っているが、労働組合がストライキに踏み切れば、輸出は必然的に打撃を受ける。
キャズム(一時的な需要の停滞)を経験している電気自動車も、ストライキの直撃を受ける可能性が高い。起亜自動車は下半期にエントリーモデルのEV3を投入し、電気自動車の普及を牽引する戦略だが、ストライキが進めば供給途絶は避けられない。
電気自動車への移行に大規模な投資が必要な状況では、労働組合の要求に応えることは容易ではありません。定年延長や新規人材の採用は、投資意欲を削ぎ、人事異動など業界の変化に柔軟に対応する能力を阻害するおそれがあると指摘されています。
現代自動車の6年ぶりのストライキは「暗雲」…自動車産業におけるストライキの恐れ-金融ニュース (fnnews.com)
現代自動車や現代モービスだけではない。当然、タッグを組んでいる起亜自動車の労組も似たような要求をしていると。さらにGM韓国労組も同社と対峙しているようだ。うんうん。サムスン電子の初ストライキといい、面白くなってきたじゃないか!
当然、ストライキされたら工場生産がストップするので、自動車輸出は壊滅的な打撃を受ける。韓国輸出は大崩壊てやつだ。昨年からEVがオワコンになっていて現代自動車を始め、他の自動車会社の業績は明らかに悪化する予測となっているが、そんなことは労働者には関係ない。儲けたのならもっとよこせ。儲けてなくても寄越せ。会社が潰れても金を寄越せ。これが世界最凶の労働貴族たちである。
しかし、明らかに無理な要求を出して一つでも譲歩したら、それを口実にさらに交渉を有利に運んでいく。特に彼らは定年延長制を受け入れさせたいのだろうな。4年とかいわずに最終目標は生涯だ。定年すらなくして一生、労働貴族の権利を得るのが最終目標だ。