韓国証券市場 今、韓国でおきている経済危機は様々な要因が重なったパーフェクトストーム(複合的危機)であることは韓国メディアも何度も伝えているわけだが、それを一気に羅列したところで文字数が膨大になるだけという。
輸出を扱った動画だけで文字数が1万超えていたので、今回の動画はなるべく文字数を抑えていきたい。でないと編集が膨大になってしまい、結局、全てを網羅できなくなる。なので、今回の動画時間は10分程度を目指す文字数で行く予定だ。あくまでも予定だけどな。
それで、今回は韓国証券市場の話題だが、以前に韓電と銀行がAAA社債を大規模発行しまくりで、それ以下の社債がまったく売れない状況について解説した。そして、韓国メディアはまさにブラックホールだと述べたわけだが、実はブラックホールはもう一つあったというのが今回の記事。
では記事の要点を整理しよう。
■記事の要点
1.パウエル議長「物価安定のためにさらに高い金利が必要だ」
2.米国の国債、公社債など優良債券への資金の流れが加速し、債券市場の不安定が再発する。
3.韓国国債(3年物)利回りは前営業日比0.063ポイント上昇した4.158%で取引された。
4.世界で最も安定した資産に挙げられる米国債(信用格付けAaa級)が高い金利収益まで保証すれば、国内外の資金は自然に米国債に向かう。一方、相対的に信用度が低い韓国の国債や社債は従来より利子が高くなってこそ投資家を引き込むことができる。
5.米国債が世界の資金を引き込む状況で、国内では韓国電力公社など信用度が高い公企業が高い金利を掲げて市中の資金を吸い込む、いわゆる「ダブルブラックホール」現象が生じている。
以上の5つだ。順場に見ていこう。
まず1だが、11月2日に米金利が0.75%に上がった。そして、12月に米利上げの緩和というニュアンスは伝えられたのだが、実はこれには注意が必要だ。WSJの記事に興味深いことが書いてある。これを要約していく。
まず、パウエル議長は記者会見でこのように述べている。
「現時点において、利上げペースをいつ緩めるかという問いは、政策金利をどこまで引き上げ、どのくらい長く金融政策を抑制的に維持するかという問いと比べれば、はるかに重要性が低い」
これは利上げ速度が緩和されたからといって、利上げが打ち止めになるわけではないと釘を刺したことになる。つまり、利上げ速度が緩和されても、まだ利上げを一時停止なんて考えてないよと。
つまり、韓国は来月の利上げが0.5%になっても安心できるわけではない。なぜなら、これからも利上げする可能性が示唆されたからだ。既にアメリカの金利は3.75~4%となっている。そして、韓国は3%なので、米韓金利差が1%も付いたままだ。
これも以前にのべたが、韓国が政策金利をどこまで上げられるかの限界点が迫っている。ジンボルトは年内で3.5%程度だと見ている。そして、来年はこれで凍結すると。ただ、これについては米国次第で基準も変わるだろう。
次に2と3だが、そりゃ当たり前だと。なんで、米国債という間違いなく返ってくる債権の利回りが良いのに、それ以下の債券に投資をしなければいけないのだ。
では、最新の米国債と間国債の利回り状況を見ておこうか。
■2022年11月7日の10時頃(米国債と韓国債)
債券満期 | 米国債 | 韓国債 |
1年 | 4.785 | 3.923 |
3年 | 4.591 | 4.159 |
5年 | 4.3397 | 4.249 |
10年 | 4.163 | 4.248 |
このようになっている。この時点でわかるが米国債を買った方が儲かるのだ。さすがに10年だと韓国債の利回りが上だが、10年後に韓国が存在するかはジンボルトでさえ予測できない。でも、米国は確実に存在する。そのリスクを考慮すれば米国債をオススメする。
ここで注目なのはどうして米国債の方が利回りが高いのかてことだ。さっき、ジンボルトが韓銀の政策金利引き上げの限度が迫っていると述べた。それを投資家も読み取っているわけだ。つまり、韓国は米国よりも金利を上げることはできないだろうという予測が強いので利回りが低いのだ。
そして、どちらも長期金利より短期金利の方が高い逆イールドが発生している。数年内に米国や韓国の景気後退はやってくる。そういうサインだ。そして、既にメタ(旧フェイスブック)、ツイッターなどが人員削減に乗り出している。米アマゾンも採用凍結を拡大するという。
次に4だが、これはその通りだと。でも、問題は韓国企業がいくら社債の金利を高くしたところで買ってもらえるのか。実際、韓電と銀行が大規模社債を発行している状況なので、それ以下の信用格付けの社債は買ってもらえない。そこにレゴランド不渡りでさらに拍車をかけた。
韓国政府はこれから資金調達に赤字国債を発行するはずだが、果たして誰が買ってくれるのか。その金利はいくらになるのか。興味が尽きないという。さすがに売れ残りはしないとおもうんだが。レゴランドの不渡りで投資家が韓国政府を信用できるのか。地方自治体でさえ、不渡りを出すぐらいだしな。
そして、5についてだ。米国債の金利が高くなって世界中の投資家が買えば、自然と韓国債を買う投資家は減る。つまり、これもブラックホール現象だと。さらに、さっきの韓電債や銀行債もブラックホールということで、「ダブルブラックホール」が発生していると。
最後は6だが、これは専門家の意見を引用しておこう。
資本市場研究院のファン・セウン研究委員は「9月末から韓電債が会社債より高い金利を提示しても投資家を集められない状況」とし「限界線上にある企業が崖っぷちに追い込まれるかもしれない」と懸念を表した。
これ気になるな。韓電債が売れてないだと?トリプルエーという最高信用格付けでさらに高金利だぞ。しかも、企業が崖っぷちに追い込まれる?例の黒字倒産か。でも、韓国政府が債券市場に流動性を持たせるために50兆ウォンほど資金投入するとか述べていたよな。それがどうなったかよくわかってないが、少なくとも韓国債の利回りは高いままだ。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の「タカ派発言」で世界金融市場が揺れている。パウエル議長は「物価安定のためにさらに高い金利が必要だ」と述べた。
そうでなくとも不安定な韓国国内の資金調達市場も厳しい状況を迎えた。FRBの持続的な利上げ基調のため、すぐにも国内企業の資金調達に影響が出るという見方も出ている。米国の国債、公社債など優良債券への資金の流れが加速し、債券市場の不安定が再発するということだ。
金融投資協会によると、韓国国債(3年物)利回りは前営業日比0.063ポイント上昇した4.158%で取引された。政府の債券市場安定対策以降は下落傾向が続いていたが、また反騰している。これはFRBの利上げ以降、米国債の利回り上昇による連鎖効果だ。2日(現地時間)、米国債(3年物)利回りは0.069ポイント上昇した4.573%となった。
世界で最も安定した資産に挙げられる米国債(信用格付けAaa級)が高い金利収益まで保証すれば、国内外の資金は自然に米国債に向かう。一方、相対的に信用度が低い韓国の国債や社債は従来より利子が高くなってこそ投資家を引き込むことができる。特に信用度が高くない企業がすぐに打撃を受けるとみられる。米国債が世界の資金を引き込む状況で、国内では韓国電力公社など信用度が高い公企業が高い金利を掲げて市中の資金を吸い込む、いわゆる「ダブルブラックホール」現象が生じているからだ。
資本市場研究院のファン・セウン研究委員は「9月末から韓電債が会社債より高い金利を提示しても投資家を集められない状況」とし「限界線上にある企業が崖っぷちに追い込まれるかもしれない」と懸念を表した。
https://japanese.joins.com/JArticle/297394?servcode=300§code=300