日別アーカイブ: 2022年11月25日

韓国輸出 「経済の柱」輸出が16.7%急減…今年の累積貿易赤字400億ドルに迫る【動画】

韓国輸出 韓国を支えているのは何と言っても輸出なわけだが、その経済の柱が年間の累積巨額な貿易赤字で真っ二つに折れようとしている。なんと11月1日から20日までの間で輸出が「急減」しているのだ。もちろん、20日間なのでこれから奇跡的に持ち直す可能性が1%ぐらいは存在するが、99%は確実にダメだと予測できる。何しろ、韓国経済の状況に好転の兆しが見えない。

昨日、動画で企業の景況感指数、BSIについて紹介したが、全産業で75だった。これはある基準年を100に設定して、それ以上だと景気が好調。それ以下だと低い景気が後退していると簡単に見ることができる。もちろん、BSIの指標1つで景気判断するわけではないが、それでも、100から75というのは4分の1も減っているのだ。誰が診断しても景気後退にしかならない。

そして、景気後退している理由で1番大きいのが韓国輸出ってことだ。このまま行けば8ヶ月連続貿易赤字。累積赤字貿易は400億ドルとなる。既にこの赤字はアジア通貨危機を余裕で超えた過去最高額なので、むしろ、韓国はこれだけ赤字を出しても延命できる力があるというのは凄いんじゃないか。ええ?実はアメリカからデフォルトさせてもらえないだけ?

ぶっちゃけると延命させるほうがアメリカは儲かるんだよな。そりゃそうだ。負債をチャラにしなくていいからな。デフォルトしたら、貸した金を減らすといった外交的な動きがたまにある。デフォルトした国に日本が円借款を減少させたりすることが過去に何度もある。話がずれてきたが記事を整理して内容を見ていこう。

■記事の要点

1.11月1日~20日の輸出は332億ドルで前年同期比16.7%減少した。輸入は376億ドルで1年前より5.5%減少した。

2.輸入より輸出の減少幅が大きく貿易収支赤字は44億2000万ドルと集計された。4月から始まった月間赤字も8カ月にわたり続くことが確実視される。

3.年間累積貿易赤字は399億6800万ドルに増え400億ドル突破が目前。過去最大の年間赤字を記録した1996年の206億2400万ドルの2倍に近い。

4.韓国経済を支えた輸出が全般的に振るわないことが貿易収支の悪化をあおっている。先月の輸出額が5.7%減り2年ぶりにマイナス成長を記録したのに続き再び輸出減少が有力視される。

5.特に輸出主力商品である半導体が揺らいでいる。半導体輸出額は前年同期比29.4%急減し大きな打撃を受けた。

6.全輸入額は減っているが原油が19.1%増、ガスが21.2%増、石炭が2.2%増と3大エネルギー源輸入はいずれも増加傾向を示した。輸出入ともに警告灯が灯り貿易赤字はますます大きくなりそうだ。

以上の6つだ。順番に見ていこう。

まずは1から3までについてだが、韓国の最新貿易事情だ。ここで重要なのは、もしかしたら11月は500億ドル輸出を超えないかもしれないてことだ。ここで韓国の輸出状況を見ておこう。

(単位ドル) 輸出 輸入

2022年7月 607億 653億

2022年8月 566億 661億

2022年9月 574億 612億

2022年10月 524億 591億

このように2022年7月までは607億ドル台と過去最高の輸出額を叩き出したわけだが、8月と9月には600億ドル台を届かず、10月にはなんと524億ドルと大幅減少。理由4つ。コロナ特需が終了。米利上げで世界経済の低迷。中国経済の失速。さらに日本の円安といったのがあげられる。それ以外にもいくつかあるが、とにかく大事なのは11月の輸出が500億ドル割るかもしれないてことだ。

それなのに累積貿易赤字が44億ドルである。輸出が減れば輸入も自然と減るのが韓国経済の構造である。なぜなら、韓国は「組み立て工場」なので原材料、機械や部品などの輸入して、製品に組み立てて輸出しているわけだ。だから、輸出が低迷して企業の在庫が山積みになれば、生産量を企業が減らして調整するので輸入が減るのだ。なのに貿易赤字なのだ。

つまり、これは輸入が減る以上に、輸出が急減していることを意味する。これも数字で確認出来る。輸出は16.7%減。輸入は5.5%減。もちろん、ウクライナ戦争によるエネルギー価格の上昇で原油、ガス、石炭などが輸入額が増大しているが、それでも二桁も輸出が減るというのはかなり致命的だ。

その理由については既に動画内で何度も取りあげているので、サイトの読者さん、視聴者さんもピンと来ると思うが、やはり、半導体輸出が振るわないためだ。それは5の内容になるが、4についても軽く触れておこう。

4はさっき、ジンボルトが突っ込んだ通り。輸出が急減しているから貿易収支が悪化の一途を辿っているということ。2022年の上半期はコロナ特需、エネルギー・原材料価格の高騰もあって、輸出額は大きく伸びて600億ドル台だった。しかし、ウクライナ戦争もあり、原油価格が130ドルとか、凄まじい勢いで高騰したので資源輸入額が大幅に増えて、結局、貿易赤字だった。だが、アメリカの凄まじい利上げが続き、原油価格もそれに応じて下がり、世界同時リセッションで80ドル台まで落ちている。

だが、80ドル台の原油価格でも韓国の貿易赤字は続く。なぜなのか。答えはそのまま。輸出が急減しているからだ。そして、5では輸出が伸びない最大の原因が半導体輸出が凄まじい勢いで急減している。

なんと、前年同期比で29.4%減少だ。つまり、半導体輸出は3割も減ったのだ。韓国は半導体が唯一の支えなので、半導体が転ければ輸出は低迷する。データから見ても明らかだろう。なら、その半導体の最新動向を見ておいた方がいい。それを知るには実は日本のある企業を見ればいい。半導体素材を提供している企業だ。昭和電工、住友ベークライト、三菱ガス化学などの化学メーカーだ。

これらの企業はパッケージングなど半導体製造の「後工程」用材料の販売している。そして、相次いで業績を下方修正した。久しぶりに引用しておくか。

昭和電工は半導体・電子材料部門の22年12月期業績予想について売上高を300億円、営業利益を150億円下方修正した。当初の見通しから一転し、前期比で営業減益を予想する。(一部省略)

住友ベークライトも半導体関連材料事業の通期売上収益見通しを下方修正した。封止材に関して「民生品向けを中心に需要が落ち込んだ。顧客在庫の関係で目先の需給改善は期待できず、10―12月以降もさほど回復はみていない」(倉知圭介取締役常務執行役員)という。

三菱ガス化学も半導体パッケージ基板材料(BT材料)や薬液が弱含んで推移しており、23年3月期中の回復は難しいとみて通期業績予想の下方修正に織り込んだ。

https://newswitch.jp/p/34724

この3つを見ればわかるとおり、半導体素材が売れてない。しかも、10ー12月以降もさほど回復は見ていない。23年3月期中の回復も難しい。このように韓国の半導体が復調するような兆しがまず見えない。だから、ジンボルトは2023年下半期に半導体需要が本当に回復するかどうかは未知数だと見ている。でも、少なくとも後、4ヶ月はダメと。

では、全体の輸出についても見ておこうか。

輸出上位10品目のうち乗用車が28.6%、石油製品が16.1%増え体面を整えた。しかし船舶が71.4%減、無線通信機器が20.6%減、鉄鋼製品が18.8%減など、ほとんどが下り坂に立った。

米国向けが11%増えた以外、主要国向け輸出額もすべて減少傾向を見せた。最大の貿易相手国である中国への輸出が回復の兆しを見せていない。対中輸出額は1年前より28.3%減った。

車載用半導体不足で自動車需要は増えているが、トヨタが上方修正しなかったので、そろそろ落ち着く頃だと見ている。体面を整えたとあるが、そもそも、この2つの分野では半導体の輸出額とは比較にならない。多少、増えたところで韓国経済を支える力はない。後、船舶が地味に気になるよな。確か2022年は造船シェア1位じゃなかったか。まあ、いずれ触れる機会はあるだろう。次の6は輸入である。

全輸入額が減っている理由は既に解説した。企業の在庫が山積みなので生産量を減らしている。資源・エネルギー価格の高騰はウクライナ戦争が終わっても解決するかは微妙なんだよな。では、最後は専門家の意見とまとめを見ておく。

延世(ヨンセ)大学経済学部のキム・ジョンシク名誉教授は「いまは良くても貿易赤字がさらに増えれば経常収支への負担も大きくなるほかない。今後強力な緊縮よりは輸出を増やし景気のハードランディングも防ぐ側に政策的焦点を変えなければならない」と明らかにした。

言っていることは正解だろうが、無能なユン政権でどうやって輸出を増やすんですか。しかも、半導体しか付加価値が高い製品がないのだから、輸出を増やしても薄利多売は変わらんぞ。その半導体も今年はダメですけどね。8ヶ月連続貿易赤字どころか、このまま行けば12ヶ月連続貿易赤字になりそうですね。

2カ月連続で輸出がマイナス成長する危機に置かれ貿易戦線に赤信号が灯った。年間貿易赤字が400億ドルに迫る一方、8カ月連続の赤字も目前にしている。

関税庁は21日、こうした内容の11月1~20日の輸出入動向資料を発表した。この期間に輸出は332億ドルで前年同期比16.7%減少した。昨年の16.5日から15.5日に減った操業日数を考慮した1日平均輸出額も11.3%減った。輸入は376億ドルで1年前より5.5%減少した。

輸入より輸出の減少幅が大きく貿易収支赤字は44億2000万ドルと集計された。年間累積貿易赤字は399億6800万ドルに増え400億ドル突破を目前にしている。これまでで最大の年間赤字を記録した1996年の206億2400万ドルの2倍に近い。4月から始まった月間赤字も8カ月にわたり続くことが確実視される。

韓国経済を支えた輸出が全般的に振るわないことが貿易収支の悪化をあおっている。先月の輸出額が5.7%減り2年ぶりにマイナス成長を記録したのに続き再び輸出減少が有力視される。月末までこの傾向が続けばコロナ禍初期である2020年3~8月以降で初めて2カ月連続の減少となる。

特に輸出主力商品である半導体が揺らいでいる。半導体輸出額は前年同期比29.4%急減し大きな打撃を受けた。輸出上位10品目のうち乗用車が28.6%、石油製品が16.1%増え体面を整えた。しかし船舶が71.4%減、無線通信機器が20.6%減、鉄鋼製品が18.8%減など、ほとんどが下り坂に立った。

米国向けが11%増えた以外、主要国向け輸出額もすべて減少傾向を見せた。最大の貿易相手国である中国への輸出が回復の兆しを見せていない。対中輸出額は1年前より28.3%減った。

これに対しエネルギー発の輸入リスクは着実に続いている。全輸入額は減っているが原油が19.1%増、ガスが21.2%増、石炭が2.2%増と3大エネルギー源輸入はいずれも増加傾向を示した。輸出入ともに警告灯が灯り貿易赤字はますます大きくなりそうだ。世界的な景気低迷による半導体需要鈍化と価格下落、中国の新型コロナウイルス封鎖にともなう景気回復不振などがかみ合わさり輸出の反騰は当分容易ではないからだ。

延世(ヨンセ)大学経済学部のキム・ジョンシク名誉教授は「いまは良くても貿易赤字がさらに増えれば経常収支への負担も大きくなるほかない。今後強力な緊縮よりは輸出を増やし景気のハードランディングも防ぐ側に政策的焦点を変えなければならない」と明らかにした。

https://japanese.joins.com/JArticle/297976?sectcode=300&servcode=300