日別アーカイブ: 2022年11月12日

韓国証券市場 ウォン相場乱高下、1週間で100ウォンも上昇【動画】

韓国証券市場 アメリカの利上げ速度緩和するという兆候で、12日に59ウォン上げたりして、一気に1310ウォン台となり、先週の1430ウォンから120ウォンも上げるという訳のわからない動きとなった。これは韓銀の大規模介入とヘッジファンドのウォン買いの成果だと思われるが、じゃあ、韓国経済の現状は改善されるのかというのが今後の課題となってくる。

注意がいるのは韓国経済の輸出が好転したわけではなく、8ヶ月連続の貿易赤字がほぼ確定。それから、10月の経常収支も赤字の可能性すらある。しかも、ウォンレートが急激に改善されたことで別問題も発生してくる。一体、それは何なのか。

記事の要点を整理していく。

1.ドル対ウォンの為替レートは前日より59.1ウォンもウォン高の1318.4ウォンで取引を終えた。この1週間(4-11日)で100.8ウォンもウォン高に。

2. ウォン高は米国が金利引き上げの速度を緩めるとの見通しが広がり、ドル高が弱まる状況となった上、韓国の通貨当局が強い為替防衛の意向を見せていることが原因に挙げられる。

3.また、「中国の『ゼロコロナ政策』が緩和されるだろう」という期待感から人民元の価値が上がり、それに伴いウォン高が進んでいるという分析もある。

4.ウォン対ドル為替レートでウォン高になれば、原油などの輸入では負担を減らせるようになる。このため、今年に入って大幅な貿易赤字が続いている中、韓国経済にとっては大きな助けになる可能性がある。

5.しかし、ウォン高の進み方が急速すぎるという指摘もある。同日のウォン対ドル為替レートの一日変動率は4.3%のウォン高で、対ドル為替レートの変動率が0.8-1.0%だった日本円や中国元より上昇幅が大きかった。

6.専門家らは「これまで過度にウォン安が進んでいた対ドル為替レートが安定するのはいいことだが、急激なウォン高はまた別の副作用を生む恐れがある」

以上の6つだ。順番に見ていく。

まずは1だ。これは普通に今週のウォン動向を見ていれば確かに120ウォンぐらいあがったと。円換算で12円も上がったわけだが明らかに異常な上がり方だ。

そして、そのあがった理由が2となるわけだが、アメリカの利上げ速度の緩和は円も138円まで上がったので確かに影響は大きいだろう。ただ、後半はなんだ。韓国の通貨当局が強い為替防衛の意向を見せていることが原因にあげられる?何を言ってるんだ?ずっと介入してきただろう?外貨準備高は今年の初めは4600億ドルあったのに、今いくらだよ。

10月末で4140億ドルだ。少なくとも数百ドル以上の介入をずっと続けてきた。そして、ここ数日でも確実に大規模な介入を行っている。数日で異常に上げすぎだからな。どれだけドルを溶かしたかは知らないが、韓国ウォンはこのまま落ち着くわけないんだよな。なぜなら、韓国経済の失速が見えているからだ。

今年より、来年の方が輸出は厳しくなるんだ。例え、アメリカがソフトランディングを出来ても、韓国の状況は良くならない。IMFだって来年の世界経済は低迷すると予測している。韓国の来年の成長率は2%ぐらいだったか。輸出に関しては0%成長だったよな。でも、ジンボルトは韓国の来年の成長率は1.5%前後だと見ている。

理由はいくつかあるが、やはり、中国経済の失速が大きい。半導体輸出も低迷している。来年、半導体輸出がどこまで回復するか。今のところ、そういう展望は予測しかない。

そして、次は3だが、中国のゼロコロナ政策が緩和される?ジンボルトが昨日、読んだニュースだと中国の広州でコロナの感染拡大して3地区でロックダウンしているそうだぞ。つまり、中国ではコロナの感染拡大が続いている。もっともロックダウンしている理由がコロナ以外にもあるかもしれないが。一応、引用しておこうか。

(CNN) 中国南部広東省の省都、広州市で新型コロナウイルスの感染が拡大し、9日までに市内の3地区がロックダウン(都市封鎖)に入った。広州で8日に確認された新規感染者は2637人と、4日連続で1000人を超えた。中国本土全体でも過去6カ月で最多の新規感染者が報告されているが、その3分の1近くを同市が占める。(一部省略)

同区は5日からロックダウン下に置かれた。住民は不要不急の外出を避けるよう指示され、バスや地下鉄など公共交通機関の運行は停止した。ロックダウンは当初3日間の予定だったが、その後11日までに延長された。

https://www.cnn.co.jp/world/35195820.html

このようにゼロコロナ政策が緩和されるという期待は甘いんじゃないか。

あと、中国といえばユン氏は中国との首脳会談はできるのか。確かASEAN会合に習近平国家主席も参加するんだろう。日韓首脳会談は調整中というニュースはあるが、実際、岸田総理と会ったところで話は並行線だろうな。今のところ、中国との会談はないな。

次に4だが、1400から1300と、100ウォン上げれば輸入代金はかなり減らせることは間違いない。だが、輸出も減るので貿易赤字が減るとは限らない。そして、すぐに効果が出るわけでもないので、反映とされるとしたら12月以降だ。ジンボルトは韓銀が大規模介入してエネルギーの輸入価格を抑えようとしたと思うのだが、これからウォンがどうなるかなんてわからないからな。

材料もなく100ウォンあげたら、材料もなく100ウォン下げてもおかしくない。なぜなら、米韓金利差が変わったわけでもない。アメリカが利上げを止めたわけでもない。もちろん、韓国経済の状況はリーマン超えして悪化している。輸出が回復する状況ですらないのにウォンが上がるのは不自然なのだ。不自然な動きはそのうち淘汰されるのが市場の原理だ。

次に5だが、各国の通貨も確かに上がったのだが、それよりもウォンが異常に上がりすぎたと。同日のウォン対ドル為替レートの一日変動率は4.3%のウォン高。これはどう見ても韓銀の大規模介入以外は考えられない。

そして、6は専門家の意見だ。急激なウォン高は別の副作用を生み出すと。まあ、これも当たり前だ。何度も述べるが、通貨は急激に動いたりしないほうがいいのだ。通貨安、通貨高を目指すにしても、少しずつならそこまで大きな問題とならない。しかし、数日で100ウォンあげたら、その分、ドルが目張りするわけだ。ドルを持っている韓国企業は大損である。それを専門家も指摘していると。

韓国投資証券のチェ・ジェミン首席研究員は「急速にウォン高が進んだ場合、ドルを保有している輸出企業の資産価値が突然減り、資金運用に困難を来す可能性がある」と語った。

これはその通りだろう。さっきも述べたがウォン高になれば、当然、輸出は苦しくなるので、韓国は喜んでばかりもいられない。しかし、輸出が低迷しているのだから、そのうちウォン安になるとのは自然の理である。それがいつになるかわからないが、今回でヘッジファンドが弾補充したのなら、ウォンがこのまま安定するとは限らないてことだ。

そういう意味では来週はジェットコースターのようなウォン動向が見られるかもしれないな。

11日のソウル外国為替市場で、ドル対ウォンの為替レートは前日より59.1ウォンもウォン高の1318.4ウォンで取引を終えた。この1週間(4-11日)で100.8ウォンもウォン高になったものだ。「キング(king)ドル」現象で1440ウォン台までウォン安が進んでいたが、今は逆にウォン高が急速に進んでいる。

 これは、米国が金利引き上げの速度を緩めるとの見通しが広がり、ドル高が弱まる状況となった上、韓国の通貨当局が強い為替防衛の意向を見せていることが原因に挙げられる。秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相兼企画財政部長官は11日、国会で「国内の外国為替市場のドル需要を緩和し、さらなるドル供給拡大が可能な条件を整える」と述べた。年金・基金など公的機関投資家らがドルを売り、海外投資のためのドル買いを遅らせる考えにも言及した。

また、「中国の『ゼロコロナ政策』が緩和されるだろう」という期待感から人民元の価値が上がり、それに伴いウォン高が進んでいるという分析もある。外国人投資家による韓国証券市場での買いが続き、域外市場を中心にドル売りが増えている影響も大きいとの声もある。

 ウォン対ドル為替レートでウォン高になれば、原油などの輸入では負担を減らせるようになる。このため、今年に入って大幅な貿易赤字が続いている中、韓国経済にとっては大きな助けになる可能性がある。

 しかし、ウォン高の進み方が急速すぎるという指摘もある。同日のウォン対ドル為替レートの一日変動率は4.3%のウォン高で、対ドル為替レートの変動率が0.8-1.0%だった日本円や中国元より上昇幅が大きかった。

 専門家らは「これまで過度にウォン安が進んでいた対ドル為替レートが安定するのはいいことだが、急激なウォン高はまた別の副作用を生む恐れがある」と指摘する。

 韓国投資証券のチェ・ジェミン首席研究員は「急速にウォン高が進んだ場合、ドルを保有している輸出企業の資産価値が突然減り、資金運用に困難を来す可能性がある」と語った。

https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/11/12/2022111280014.html