韓国企業 今までの韓国の統計データを確認していたので、韓国上場企業の第3半期の営業利益が昨年比で26%減といったこのようなレベルになることはある程度、予想はついていた。でも、問題はそこだけじゃない。この営業利益の内訳を見て中々、興味深いことになっている。
簡単に述べれば、韓国上場企業の営業利益の減少分はサムスン電子とSKハイニックスによるものだ。この2社だけで全体の54%という。つまり、韓国経済の柱である半導体輸出が低迷すれば韓国はどうしようもないてことだ。まさに韓国版「モノカルチャー」だな。
モノカルチャーというのは農業用語だが、単一品種の作物を栽培することをいう。今の韓国は半導体しかない。その半導体の輸出が回復しないと厳しい。いや、わかっているんだ。問題は半導体輸出がいつまでも韓国経済を支えられる保証がどこにもないてことだ。
その理由はアメリカの国内生産工場回帰とか、日本が台湾と組んで半導体工場を新設させるといった各国が半導体についてより積極的に投資を始めたことにある。しかも、半導体の新会社「ラピダス」をトヨタやNTT、ソニーなどが国内有数企業8社が集まって立ち上げた。
これについては日本の話題であるので少し解説しておこう。
ラピダスとは「速い」を意味する。日本の半導体が凋落した経緯については、別の動画で解説した記憶があるが、簡単に述べればジャパン・バッシングの影響による日米半導体協定だ。他にも色々といくつか原因はあるが、日本との貿易赤字に苦しんだアメリカによっての策略だ。ただ、過去の苦い経緯は教訓となっても今更はどうでもいいのだ。必要なのは今から何をするかなんだ。
そして、ラピダスが目指すものは、回路の線幅2ナノメートルの最先端の半導体(ロジック半導体)開発を目指す。これはまだ世界でどこも開発に成功していない未知の分野なので、開発できれば世界の主導権を握ることもできる。政府も700億円出資するようだ。
日本の半導体生産そのものは韓国や台湾勢に後れを取っているが、日本の技術が負けてるわけではない。日の丸半導体復活と行くかは定かではないが、業種の違う日本の大企業が集まれば、そのソフトパワーは世界を再びリードできるとジンボルトは信じている。
もっとも、それだけ半導体がこの先、人類にとって欠かせないものになっている。だからこそ、選択肢は多い方がいい。では、記事に戻る。
もちろん、中国の半導体技術の向上だって韓国企業には脅威だろう。
どちらにせよ。韓国は半導体だけで経済が成り立つ状況を打破しない限り、この先、経済回復は半導体のみに左右される。もっとも、今から韓国が次世代分屋を切り開くなんてことができるのか。半導体だけではダメ。新しい分野に進出に積極的なサムスン電子ですら、それが出来てないよな。では、記事の要点を整理していこうか。
■記事の要点
1.第3四半期の上場企業の連結基準営業利益は39兆3666億ウォン(約3兆9366億円)だ。昨年第3四半期と比べると26.01%減少した。 第2四半期比では30.35%減少した。
2.サムスン電子、SKハイニックスなど電気電子業種の営業利益が昨年より32.2%減り、15兆2335億ウォン(約1兆5233億円)
3.韓国電力の営業損失が昨年第3四半期の9367億ウォン(約936億円)から7兆5309億ウォン(約7530億円)に急増
4.第3四半期の上場会社の実績が、「高金利」「高為替」「高物価」の三重苦の壁を越えることができなかった。
5.第3四半期の有価証券市場の営業利益(連結実績基準)は、昨年第3四半期比13兆8355億ウォン減少したが、このうちサムスン電子とSKハイニックスの2社の営業利益減少分だけで7兆4817億ウォン(約7481億円)、 全体の54.07%に当たる。
6.専門家らは、第4四半期はもとより、来年の企業業績見通しも明るくないと見込んだ。
以上の6つだ。順番に見ていこう。
まず、韓国企業の7月~9月までの営業利益が39兆3666億ウォン(約3兆9366億円)で昨年同期と比べて26%減少したと。 さらに第2四半期比では30.35%減少。7月と言えば輸出額が低迷した時期に重なるのか。整理しておくか。
日付 輸出 輸入
2022年7月 607億 653億
2022年8月 566億 661億
2022年9月 574億 612億
2022年10月 524億 591億
7月まで輸出が600億ドル超えていたと。でも、8月、9月と減っていき、10月では524億ドルまで減少した。半導体は7月から減少となっているので、韓国企業の利益が急減していると。そもそも、昨年がコロナ特需もあって、半導体輸出が伸びた時期も重なるので、今年の下半期に入って減るのは通常の流れだ。そこに高物価、ウォン安、高金利などが悪化の原因と。
次に2だが、サムスン電子、SKハイニックスなど電気電子業種の営業利益が昨年より32.2%減少と。これも半導体特需が終わって、通常の輸出に戻っていく感じか。もっとも、これも中国への輸出が激減しているからであるが。しかし、半導体に頼りすぎなんだよな。それともう一つが韓電の大規模負債だ。
これは3になるが、韓国電力の営業損失が7兆5309億ウォン(約7530億円)にもなったと。3ヶ月で7530億円の赤字。しかも、電気代をあげてこれだ。韓電についてはちょっとムン君の負の遺産が大きすぎて、そう簡単に黒字に戻せるものではない。そもそも、電気代の値上げは庶民だけではなく、他の企業のコストを増やすので、結局、損失を増大させる。あらゆる物の値段が上がるので物価高の懸念もある。
だから、半導体輸出低迷と韓電の天文学的な負債は取り扱いを間違えると、韓国経済に大打撃を与えるというか、もう、与えてるよな。
そして、4は上場会社の実績が、「高金利」「高為替」「高物価」の三重苦の壁を越えることができなかった。いやいや、ウォン安は韓国に有利だろう?ただし、日本が円安でなければな。まあ、これはアメリカの利上げとウクライナ戦争のせいといえばそうなる。でも、世界的な流れというのは一国でどうにかなるものではない。輸出で稼いでいる以上は必ず影響を受ける。しかし、半導体だけでしか稼がないのが1番の問題だ。なんだよ。二社で全体の54%って。
本当、半導体以外、薄利多売じゃないか。では、他の主張産業はどうだ。引用しておこう。
鉄鋼、化学、建設など他の国内主要産業の不振も目立った。有価証券市場17業種のうち、建設業(-19.07%)、運輸装備(-24.52%)、鉄鋼金属(-60.95%)、化学(-12.70%)、電気ガス業(赤字持続)、電気電子(-32.26%)の6業種は、第3四半期の営業利益が減ったり赤字状態を続けた。運輸倉庫業、流通業、繊維衣服サービス業など11業種は、営業利益が増加したが、割合が相対的に小さかった。
これを見れば散々じゃないか。韓国自慢の世界的で大流行の「韓流」なんて出てきてもいない。まあ、営業利益は微々たるものだからな。半導体が転けてるだけじゃない。他もダメ。でも、中には稼いでる業種もあるだろう。そこも見ておこうか。
全体的な利益減少傾向にもかかわらず、2次電池、太陽光、防衛産業などの業者は営業利益が大幅に増加した。サムスンSDIは、前年比営業利益が51.5%増加し、エコプロBM(247.7%)、ポスコケミカル(159.9%)、エルアンドエフ(629.7%)、現代ロテム(301.8%)、ハンファソリューション(95.3%)なども高い営業利益増加率を示した。
二次電池、太陽光、防衛産業ね。凄いプラスと書かれているが、実際、数値が出てこない時点で怪しいよな。まあ、この%だけでは鵜呑みに出来ないな。でも、ここに自動車がはいってないのか。
最後は専門家の今後の見通しについてだ。2つの意見を引用しておこうか。
未来アセット証券のソ·サンヨンメディアコンテンツ本部長は「半導体業況は、来年1~2四半期に底を打つと予想される」として「韓国企業の利益も来年第2四半期程度までは鈍化せざるを得ない」と見通した。ハナ証券のファン·スンテクリサーチセンター長は「資本調達費用上昇などを考慮すれば来年も今年対比7~8%程度利益が減ると予想される」と話した。
キウム証券のキム·ジサンリサーチセンター長は「先進国の需要が蘇らなければ韓国企業の実績回復を期待できそうにない」として「そのためには金利引き上げが完了しなければならず、インフレ影響も減らさなければならない」と話した。
なるほどな。半導体景況は来年1~2四半期に底を打つと予想されると。だから、韓国企業の利益も来年第2四半期程度までは鈍化せざるを得ないと。言ってることは正しいかもしれないが、本当にそれでいいのか?半導体輸出がこの先、上手くいくとは限らない動きがどんどん出ているだろう。そんな世の中、甘くないとおもうぞ。半導体が不足したら、当然、それを補う動きは必ず起こる。競争が激化して、韓国勢がシェアを維持できるのか。
しかし、専門家も匙投げてるよな。ほとんど、先進国需要の復活待ちとか。そんなこと専門家でなくてもわかるわ。
第3四半期の韓国上場企業の営業利益が、昨年同期比26%、直前四半期対比30%以上減少した。韓国経済を支える半導体業種の利益が大幅に減ったうえ、高物価、高為替レート、高金利など対外的な悪材料が続き、企業経営環境が悪化した結果だ。
16日、韓国取引所と韓国上場会社協議会は、このような内容を盛り込んだ第3四半期上場会社の決算実績を発表した。第3四半期の上場企業の連結基準営業利益は39兆3666億ウォン(約3兆9366億円)だ。昨年第3四半期と比べると26.01%減少した。 第2四半期比では30.35%減少した。
サムスン電子、SKハイニックスなど電気電子業種の営業利益が昨年より32.2%減り、15兆2335億ウォン(約1兆5233億円)に止まった余波が大きい。韓国電力の営業損失が昨年第3四半期の9367億ウォン(約936億円)から7兆5309億ウォン(約7530億円)に急増したことも影響を及ぼした。
有価証券市場上場企業の営業利益率は、昨年第3四半期の9.04%から今年は5.42%へと3.62%ポイント下がった。 第1四半期の累積基準でも営業利益率は昨年8.65%から今年7.02%に低くなった。
コスダック市場上場企業の連結基準営業利益は昨年同期比1.1%増加した。しかし、直前四半期と比べると9.11%減少した。
第3四半期の上場会社の実績が、「高金利」「高為替」「高物価」の三重苦の壁を越えることができなかった。1~2四半期までは、対外悪材料の中でも良好な実績を出したが、原材料価格·人件費·利子費用上昇など色々な悪材料が第3四半期に一度に反映された結果だという分析だ。
半導体メーカーの業績不振は、第3四半期の上場会社の営業利益減少の核心原因の一つだった。第3四半期の有価証券市場の営業利益(連結実績基準)は、昨年第3四半期比13兆8355億ウォン減少したが、このうちサムスン電子とSKハイニックスの2社の営業利益減少分だけで7兆4817億ウォン(約7481億円)、 全体の54.07%に当たる。 韓国電力が原油価格急騰などで今年第3四半期に設立以後、史上最大規模の7兆5309億ウォンの営業損失を出したのも第3四半期の上場会社実績減少に大きな影響を及ぼした。
鉄鋼、化学、建設など他の国内主要産業の不振も目立った。有価証券市場17業種のうち、建設業(-19.07%)、運輸装備(-24.52%)、鉄鋼金属(-60.95%)、化学(-12.70%)、電気ガス業(赤字持続)、電気電子(-32.26%)の6業種は、第3四半期の営業利益が減ったり赤字状態を続けた。運輸倉庫業、流通業、繊維衣服サービス業など11業種は、営業利益が増加したが、割合が相対的に小さかった。
営業利益の減少と流動性の悪化などで企業財務状態も悪化した。 有価証券市場上場企業の第3四半期連結基準負債比率は120.09%で、昨年末対比3.70%ポイント高くなった。コスダック市場上場企業の負債比率も、昨年末より1.92%ポイント上昇した108.68%と集計された。
全体的な利益減少傾向にもかかわらず、2次電池、太陽光、防衛産業などの業者は営業利益が大幅に増加した。サムスンSDIは、前年比営業利益が51.5%増加し、エコプロBM(247.7%)、ポスコケミカル(159.9%)、エルアンドエフ(629.7%)、現代ロテム(301.8%)、ハンファソリューション(95.3%)なども高い営業利益増加率を示した。
専門家らは、第4四半期はもとより、来年の企業業績見通しも明るくないと見込んだ。FnGuideによると、証券会社の展望値がある上場企業227ヵ所の第4四半期の営業利益合算額は同日現在、36兆5542億ウォン(約3兆6554億円)と予想された。1か月前の40兆8958億ウォンに比べて10.6%減少した。これら企業の昨年第4四半期の営業利益合算額は43兆5546億ウォン(約4兆3554億円)だった。今年第4四半期にも、上場企業の営業利益は前年同期に比べて減少傾向を見せる可能性が高いという。
未来アセット証券のソ·サンヨンメディアコンテンツ本部長は「半導体業況は、来年1~2四半期に底を打つと予想される」として「韓国企業の利益も来年第2四半期程度までは鈍化せざるを得ない」と見通した。ハナ証券のファン·スンテクリサーチセンター長は「資本調達費用上昇などを考慮すれば来年も今年対比7~8%程度利益が減ると予想される」と話した。
キウム証券のキム·ジサンリサーチセンター長は「先進国の需要が蘇らなければ韓国企業の実績回復を期待できそうにない」として「そのためには金利引き上げが完了しなければならず、インフレ影響も減らさなければならない」と話した。
https://www.kedglobal.com/jp/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E4%B8%8A%E5%A0%B4%E4%BC%81%E6%A5%AD-%E7%AC%AC3%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F-%E5%96%B6%E6%A5%AD%E5%88%A9%E7%9B%8A/newsView/ked202211170007