初心者さん必見!韓国経済危機で知る。KOSPIとは何か。注目するサムスン電子の動向

初心者さん必見!韓国経済危機で知る。KOSPIとは何か。注目するサムスン電子の動向

今日は2017年1月3日。昨日、韓国経済初心者さん用にウォンとチャートの看取る面白さについて解説したわけだが、今回はKOSPIについて解説していく。とりあえず、KOSPIとは何?からはじめて行く。

■KOSPIとは

KOSPIとは韓国総合株価指数を指す。Korea Composite Stock Price Indexを略してKOSPIと呼んでいる。

この韓国総合株価指数というのは韓国証券先物市場の有価証券市場に上場している企業を対象に「現在の時価総額」と「基準時点での時価総額」を比べている。

いきなり難しい説明になっているが指数というのは、統計でお馴染みだが、物価、賃金、生産高、株価、先物など同種のものの時間的変動を示す数値をいう。基準となる時点の値を「100」とし、百分比によって表す。

例えば、日経平均株価は東京証券取引所第一部に上場する銘柄のうち225銘柄を用いて表す。これも株価指数と呼ばれる。指数というのはある過去の地点と現在の地点を比べるために使われるものということ。つまり、KOSPIが指数なら基準となる地点があるわけだ。

それが1980年1月4日で、このときの時価総額を分母にして、算出時点の時価総額を分子にして指数化した。

これが1980年~2017年1月2日までのKOSPI。最初が100から始まっているのがわかるだろう。2017年1月2日現在のKOSPIは2026.16なのでだいたい20倍ということになる。

後は時価総額だがこれについても難しい。簡単に述べれば上場企業の価値を表す指標の代表的なもの。発行済みの株式数に、その時点の株価をかけて計算する。一般的にこの時価総額が高い株価ほど企業価値が高いということになる。また証券取引所に上場する全企業の時価総額の合計でもあり、その取引所の規模を計る目安にもなる。

現在の世界三大証券取引所は東京証券取引所、ニューヨーク証券取引所、ロンドン証券取引所の3つなのだが、最近はここに香港、上海、NASDAQといった証券取引所も上位に入る。今日では三大という呼び方そのものが時代に合っていないかもしれない。

■KOSPIの変動

2007年末 1897.13

2008年末 1124.47

2010年末    2041.66

2013年末    2.011.34

2016年末 2026.46

KOSPIの指数を説明したので2008年のリーマン・ショック前後、ピーク時、現在の数値を抜き出しておく。数値を見ればわかるとおり、KOSPIの方は2008年末よりもかなり高い。管理人が記憶している2008年8月のリーマン・ショック前も1600ほどあったと思われるので、以下にこの時期が韓国にとって危機的な状況だったかがわかるだろう。

また、KOSPIを見るときに大事なのが「2000」という数値。つまり、2010年、2013年、2016年は韓国経済のピーク時だったといえる。昨日解説したウォンのピークと同じ時期になっているのに注目してほしい。

さて、これを見る限りではKOSPIが2000超えているのでまだKOSPI自体に経済危機の兆候は見えない。わりと絶好調といってもいい。なのでKOSPIで慌てるような時間ではない。ウォン安が進めばKOSPIも徐々に下がっていくと思われるが、韓国は輸出企業が多いのでウォン安は韓国企業にとって追い風となる。しかし、それにも限度がある。過度なウォン安は韓国の輸出における原材料の価格を引き上げる。

韓国は他国から材料や機械、部品などを購入して製品を組み立て輸出するのが主な産業なので、取引に使われるドルが高くなればその分、仕入れ価格が上昇する。今の韓国のKOSPIを支えているのがむしろ、「原油安」だという見方だって出来るわけだ。

今の原油価格は1バレル=53ドルとなっており、2016年よりも上昇してきている。2017年はさらに上昇すると見込まれているので、わりと原油価格が回復してきている。

これについては2016年11月にOPECが原油供給の減産に応じたことがきっかけ。原油供給に歯止めがかかったことで原油価格の上昇につながった。つまり、2017年、韓国企業は原油価格の上昇での生産費の増大に見舞われる。面白いことに韓国は原油価格が暴落しても、高騰しても1番影響を受ける国なので安定しない原油価格はわりと韓国経済にとっては煩わしい。

■サムスン電子の動向

さて、本来、日経平均やダウなどを見て、その変動を1社の株価と比較するようなことはまずない。トヨタやアップルの株価を見て日経平均やダウが危ないとか思う投資家はいない。何を述べたいのかというと、重要な指数がたった1社の変動で上下するようなことは本来あり得ないのだ。しかし、それは韓国だけは例外である。なぜなら、サムスン電子の株価はKOSPIの時価総額20%を占める。

つまり、サムスン電子の株価が2026.46の2割だから400近くはサムスン電子のみで構成されていることになる。だからこそ、サムスン電子の動向はKOSPIの上げ下げに重要なウェイトとなっている。2008年ではそんなことなかったが、それが2008年と2017年現在と違う点である。だから、管理人は昨年からサムスン電子の株価を注目していたわけだ。

このサムスン電子の株価のみははっきり言って異常である。実際、KOSPIが2000以上という高い数値なのもサムスン電子の株価が高いからなのだ。これが20万減ればKOSPIは2000以下の計算となる。しかし、サムスン電子の株価と他の韓国企業の株価は逆の動きしかしていないことに留意する必要がある。もう一つ現代自動車の株価を見ておこう。

これが一応、韓国ではサムスン電子に次ぐ、第2位の現代自動車の株価である。この現代自動車でさえ、株価で見れば15万ウォン。つまり、サムスン電子の10分の1以下に過ぎないのだ。でも、これが普通なのだ。本来、1社の株価が全体に影響するなんてことはない。でも、サムスン電子は異なると。だからこそ、2017年はサムスン電子の動向がKOSPIの鍵を握ることになる。

つまり、KOSPI上昇のからくりはそのままサムスン電子の株価が急上昇しているために起きたことである。そういった意味でサムスン電子の今後の動向には注目していく必要がある。そして、サムスン電子だけが儲かり、他の韓国企業は現状維持、もしくは衰退していっている現状というのがリーマン・ショック後の流れということになる。

だから、KOSPIが2000あってもその400がサムスン電子の株価なのでサムスン電子を除くKOSPIは1600ということになる。そして、韓国経済の実態を考える上ではサムスン電子を抜いた方が実情の分析には役立つと思われる。もっとも、サムスン電子も韓国の一部なのでそういった方法はあまり用いない。だから、どちらからも見ていくことが重要だと考えている。サムスン電子だけではなく、他の主要な韓国企業の株価を毎週、チェックすると述べたのもそのためなのだ。

以上。KOSPIとサムスン電子の動向について基本的な解説をした。

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