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韓国 輸出は回復傾向だが…物価・ウォン安・金利に身動き取れない内需

韓国 今日は4月5日。寒さも通り過ぎて暖かくなり、すっかり春という感じなのだが、残念なことに東京証券市場は大雨が降り注いだ。今朝、ダウが-530ドルぐらい下がっていたので、今日の日経平均株価は大丈夫かとはおもっていたのだが想定外の酷い有様だ。一時的に-999円ほど下落した。

しかし、週末なのにこの下がりようは痛い。当然、何が原因なのかを明らかにしていくのだが、やはり、ダウから見ていこうか。これも米利下げ動向で連銀総裁の発言が影響している。後、中東情勢についてもだ。

では、記事を引用しよう。

米国株式市場は大幅下落。ダウ平均は530.16ドル安の38,596.98ドル、ナスダックは228.38ポイント安の16,049.08で取引を終了した。

雇用関連指標が労働市場の減速を示唆したため利下げ期待が再燃し、寄り付き後、上昇。終日相場は堅調に推移したが、午後に入りミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がインフレ改善が停滞した場合、年内利下げを実施しない可能性に言及したほか、バイデン大統領がネタニヤフ首相との電話会談でガザ支援職員の死亡を受けイスラエルを非難、政策変更を警告したとの報道で中東情勢の緊迫化を警戒し、下落に転じた。

米雇用統計への警戒もあり売りに拍車がかかり、終盤にかけて下げ幅を拡大し終了。セクター別では、自動車・自動車部品が上昇した一方、半導体・同製造装置が下落した。

4日の米国市場ダイジェスト:NYダウは530ドル安、利下げ期待後退や中東情勢緊迫化を警戒 | 市況 – 株探ニュース (kabutan.jp)

まずダウが下落した理由は二つ。一つは中東情勢緊迫化を警戒。もう一つはミネアポリスの連銀総裁が利下げについて年内に実施しないという発言だ。パウエル議長は利下げは年3回維持とかのべていたのに、4月にはいってからどんどん風向きが変わってきている。最近、利下げ動向をよく見ているが、本当、数日で状況が変化するのはやめてもらえないか。

仮に米利下げがなければ、ドル円は160円台という予測が出ているんですけど。でも、これは少しずつだが、年3回の利下げが難しいだろうという見解が証券市場関係者からも出始めている。米3月のCPIの発表は来週辺りになるとおもうが、前年比を上回る可能性が高い。それが市場予測とどれだけ乖離するかが今後の重要なポイントになるが、米経済指標を見ている限りでは嫌な予感しかしないな。

このように利下げが消えそうな情勢でダウは大きく下落。日経平均株価もその影響をもろに受けたと。では、日経平均株価を見ておこう。

記事を引用する。

きょうの東京株式市場で、日経平均株価は一時1000円近く大幅に値下がりしました。

記者
「東京株式市場では、ほぼ全面安となっていて、下落を表す緑色が目立ちます」

きょうの東京株式市場では取引開始から売りが先行。日経平均株価は一時1000円近く値下がりし、節目の3万9000円をおよそ3週間ぶりに割り込みました。

結局、終値は、きのうより781円安い、3万8992円となりました。

大幅下落の最大の要因はアメリカの株安です。

前日のニューヨーク株式市場では、▼アメリカFRB高官の年内利下げに慎重な発言を受け、金融引き締めが長期化するという見方が拡大。▼中東情勢の緊迫化を背景に原油価格も高騰して、ダウ平均株価は今年最大の下げ幅を記録して、東京市場でもこの流れを引き継ぎました。

さらに、外国為替市場で日銀の追加利上げへの警戒感から、円相場が一時1ドル=150円台後半へと円高方向に振れたことも株価を押し下げました。

日経平均株価一時1000円近く下落 終値は3週間ぶり3万9000円割れ (msn.com)

ここで重要なのは原油価格だ。今、ちょうど5日の夕方であるが、WTIは86.81ドルだ。明日には87ドルになってるかもしれない。でも、日銀の追加利上げはさすがにないとおもうぞ。日銀が3月末にゼロ金利に戻してすぐに動くよりは、数ヶ月は経済の状態を確認したいだろう。実質賃金が上がって、大きくインフレしてるなら、利上げするかもしれないが、こちらは現時点で日銀の年内利下げはないと考えている。一気に利上げとかになれば住宅ローン金利も上がるからな。

後、日経平均株価がここまで落ちているのだから、韓国も無事では済まない。ウォンも結局、1352ウォン台に戻っており、株価も低迷した。なんとかコスピは2700を維持している。2714.21てところだ。アメリカの利下げが遠のけば、ウォンは売られていくので来週は注目だと思われる。1360を越えてくるか。米CPI次第である。

では、今回の本題にはいろう。

現在、韓国経済の現状を端的に表すと半導体輸出が回復して、輸出は回復しているように見えるが、内需が壊滅的に死んでいる。そりゃ、もう徹底的に死んでいる。こちらは韓国経済を16年前から看取っているが、ここまで内需が酷いのはわりと初めてである。

文在寅前大統領が最低賃金を大幅に引き上げたときだって、ここまで内需は死んでなかった。それだけ韓国はハイパーインフレ、高金利で庶民が苦しんでるてことだ。

しかも、半導体輸出が回復といっても、サムスン電子やSKハイニックスがいくら儲かろうが国内投資は優先せずに、アメリカに投資するだけだからな。

では、記事を引用しよう。

「製造業生産・輸出を中心とした景気回復が続いているが民間消費の鈍化など経済部門別に回復ペースに差」(韓国企画財政部の3月経済動向)。

「内需鈍化が持続しているが輸出は回復傾向」(KDIの3月経済動向)。

輸出は良いが、内需は悪い。最近の経済に対する韓国政府および韓国開発研究院(KDI)をはじめとする国内研究機関の診断はこの一言に集約することができる。内需鈍化に対する警告が各機関から聞こえる状況で、国内消費をより一層鈍化させるだけの要因が山積している。物価上方圧力が続いているところにウォン価値の下落、高金利による消費余力萎縮の影響も出ているためだ。

物価は内需鈍化の最も大きな要因に挙げられる。先月の消費者物価は前年比3.1%上昇し、2月に続いて2カ月連続で3%台の物価上昇率を記録した。リンゴ・ナシをはじめとする農産物価格の暴騰が注目されたが、長期的不安要因は別にある。再び始まった国際原油価格上昇ラリーだ。3日、ドバイ原油の1バレル当たりの価格は89.48ドルで、昨年10月30日(89.85ドル)以降の高水準を記録した。

国際原油価格の上昇は国内のガソリン・軽油価格だけでなく全般的な生産者物価上昇につながる。実際、生産者物価指数は昨年12月から3カ月連続で前月比騰勢を継続した。石炭・石油製品、化学製品などの価格が上昇しながらだ。生産者物価は消費者物価の先行指標と呼ばれる。銅・アルミニウムなど原材料価格も上昇している。

価格が上がれば消費は鈍化する。同じお金で買うことができる品目が減り、消費するときの心理的負担も大きくなるためだ。2月全産業生産は半導体の輸出増加に支えられて前月比1.3%増となったが、内需指標である小売販売額は3.1%減となるなど統計指標にも現れている。

1ドル=1350ウォン前後を行き来する為替レートも内需不安をあおる要因だ。4日ソウル外国為替市場で対ドルのウォン相場の終値は1347.1ウォンだった。前日比1.8ウォン安となったが、2日1ドル=1352.1ウォンで取引を終えるなど、年内で最高水準のウォン安ドル高となった。内需の側面でドル価格の上昇は輸入物価が高くなるだけに家計消費を鈍化させる要因として働く。

反対に輸出の側面ではドル高が肯定的要因として作用する可能性が高い。製造業を中心に米国景気が好調を示したことがドル高現状の原因の一つであることから、半導体など韓国主力輸出商品の需要が増加しているためだ。輸出は増えるが内需は失速する非対称構造が今後さらに深刻化するだろうという意味だ。

現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「半導体の輸出増加は続くものとみられる」としつつも「それでも景気がいいと言えないのは内需不振のためだ。高物価・高金利状況が続いているうえに高金利による利子負担が決定的」と話した。続いて「利下げがない限り、内需が反騰するほどのモメンタムがなさそうだ」と付け加えた。

米国の利下げが早い時期には行われず、利下げ幅も限定的になるだろうという予測も出てきて、高金利による内需沈滞に対する懸念も高まった。

高金利は利子費用の増加につながり、内需を鈍化させる決定的要因として働く。利子を出した分、使うお金は減るためだ。昨年世帯当りの月平均利子費用は前年(9万8700ウォン)比31.7%増の13万ウォンを記録した。2019年統計集計以降、最大の上昇幅となった。

韓国、輸出は回復傾向だが…物価・ウォン安・金利に身動き取れない内需 | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)

先月の消費者物価は前年比3.1%上昇し、2月に続いて2カ月連続で3%台の物価上昇率を記録した。

韓国さん、金利下げてもいないのに物価上昇は3%台ですか。酷い有様だな。しかも、これは政府が果物や野菜価格が高騰しているからと補助金を出して統制、値段を無理に下げさせてもこれである。本当、無能な政府だよな。インフレは止まらず,内需はますます死んでいく。

国際原油価格の上昇は国内のガソリン・軽油価格だけでなく全般的な生産者物価上昇につながる。実際、生産者物価指数は昨年12月から3カ月連続で前月比騰勢を継続した。

消費者物価は消費者側の視点であるが、生産者物価は売る側、生産者側の視点であるそれも似たように上がっていると。つまり、値上げラッシュが続いているてことだ。まあ、原油価格が高騰しているので当然なんですけど。

2月全産業生産は半導体の輸出増加に支えられて前月比1.3%増となったが、内需指標である小売販売額は3.1%減となるなど統計指標にも現れている。

本当、半導体だけだよな。韓国って。それで内需は-3.1%減とか。これはかなりヤバイですね。

4日ソウル外国為替市場で対ドルのウォン相場の終値は1347.1ウォンだった。前日比1.8ウォン安となったが、2日1ドル=1352.1ウォンで取引を終えるなど、年内で最高水準のウォン安ドル高となった。

これは5日も似たようなウォンレートで終わっているのはさっき確認した。当然,ウォン安は輸入物価を押し上げていくのでインフレが加速する。内需にとって悪い材料しかないてことだ。

現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「半導体の輸出増加は続くものとみられる」としつつも「それでも景気がいいと言えないのは内需不振のためだ。高物価・高金利状況が続いているうえに高金利による利子負担が決定的」と話した。続いて「利下げがない限り、内需が反騰するほどのモメンタムがなさそうだ」と付け加えた。

韓国は半導体輸出が増えたところで内需に何の関係もない。サムスン電子やSKハイニックスが儲かったところで、庶民にはほとんど関係ない。しかも、儲かっている理由がアメリカの輸出になるなら、当然,現地で生産能力を拡大させるだろう。だから、こんなニュースが出てきた。

では、記事を引用しよう。

【KOREA WAVE】韓国の半導体大手「SKハイニックス」は3日、米中西部インディアナ州ウェストラファイエットにあるパデュー大学で、インディアナ州とパデュー大、米政府関係者らとともに投資協定式を開いた。SKハイニックスが38億7000万ドル(約5855億円)を投資し、ウェストラファイエットにAIメモリー用先端パッケージング生産工場を建設すると公式に明らかにした。同社はパデュー大と半導体技術の開発でも協力する。

SKハイニックスは「インディアナ工場では2028年下半期から(生成AIの駆動に必要な)広帯域メモリーなどAIメモリー製品を量産する。当社はこれを通じてグローバルAI半導体供給網を活性化する先頭に立つだろう」と明らかにした。さらに「インディアナに建設する生産基地とR&D施設を基に現地で1000以上の雇用を創り出し、地域社会の発展にも寄与する」と表明した。(道中省略)

SKハイニックスは多様な候補地を検討した結果、インディアナ州を選定した。インディアナ州政府が投資誘致に積極的だったことはもちろん、半導体生産に必要な製造インフラが豊富なうえ、半導体など先端工学研究で有名なパデュー大学があるという点が高く評価された。(道中省略)

これまでNVIDIAAIチップにHBMを統合する作業は、TSMCが先端パッケージング工程で担当してきた。SKハイニックスが韓国で生産したHBMを台湾のTSMCに送ると、TSMCがNVIDIAGPUにHBMをつける方式だ。

しかし、TSMCが2021年、米アリゾナに半導体受託生産工場2カ所の建設に着手したのに続き、SKハイニックスまでパッケージング工場を米国に建設すれば、米国内でAI半導体の設計から生産、パッケージングまでが可能になるシステムが作られることになる。

韓国SKハイニックス「米国に5855億円のHBM工場建設」…NVIDIA、TSMCと相乗効果 (msn.com)

このニュースはさっき知ったばっかりなのだが、気がつけば米国内でAI半導体の設計から生産、パッケージングまでが可能になるシステムが作られるとか。それって、もう、SKハイニックスは韓国いらないですよね?サムスン電子もそうだが、わざわざ韓国で半導体を生産する理由がどんどんなくなっているんだよな。