「世界の工場」揺らぐ…中国輸出、4カ月連続マイナス 人民元安で資金流出懸念拡大
記事要約:今回は中国の話題なので韓国は何一つ出てこない。ただ、韓国経済を見る上で中国経済の動向は最重要だったりするので最近の管理人は中国経済のNewSもわりと見ている。だいたいサーチナだが。
それと、国の景気動向を知る上で鉄鋼需要というものが非常にわかりやすいことは何度か説明してきた。これは好景気だと鉄鋼需要が増加して、公共工事やら、新築マンションなどがどんどん建設されていくからだ。だから、数年前には中国では超高層ビル群の建設ラッシュが凄かった。もっとも、建設したのはいいが、ゴーストタウンになっているのが中国らしい。逆に景気が悪いと鉄鋼需要が減少する。ここまではいいだろう。
しかし、最近は中国企業が生産過剰に鉄鋼を増産したため、鉄鋼価格がもの凄い下落している。これについてはアメリカ、日本、欧州などが批判しているわけだが、国内が不景気だから鉄鋼需要が減少し、海外に元安背景に鉄鋼を投げ売りしている。そのため、海外でも鉄鋼価格が下落しており、日本の鉄鋼業界の業績が中々上がらないのもそのため。韓国を代表するポスコなんて鉄鋼危機とさえいわれているほどだ。それもこれも全て中国が悪い。
>品目別では、鋼材で輸出額が15・5%減少したものの数量は逆に8・5%増の6741万トンとなり、過剰生産を背景とする洪水のような安値輸出が続いていることを裏付けた。日米欧からの批判も強まりそうだ。
これを見ればわかる通り、すでに投げ売り状態。数量が増えて価格が下落していることで思い出すのは原油価格であるが、経済の基本の考えとしては供給と需要のバランスが著しく壊れてしまえば、その影響が多岐に渡る。そして、中国は物の見事にやっており、実は鉄鋼以外にも色々ある。
中国製のスマホとか、中国製の家電、中国製のメモリーカードとか、値段だけ見ればやすい。そうなってくると他社も価格を下げざる得なくなる。サムスンがやっている薄利多売商法なんて中国企業に比べたら可愛いものである。中国の場合は完全に市場を潰しかねない。
>一方、各国は元安進行を警戒する。中国当局が昨年8月に元レートを突如切り下げた際は、世界に株安などの動揺が広がった。今後ドルの上昇が加速し、当局の想定以上に大きな元安となれば、中国からの資金流出が進み金融市場が混乱しかねない。
管理人は元安を認める方向で中国は動かざる得ないと考えている.理由は簡単だ。投げ売りしてでも売らなければ在庫がさばけないからだ。鉄鋼需要があったときに大量に設備投資して工場の規模を拡大していった。しかし、不景気になれば鉄鋼需要が減り、その鉄鋼は余る。
そうなってくると施設の維持費だけでも莫大となり、結局,投げ打ってでも売ることになる。しかし、中国に大規模な工場がそこら中に建って生産を始めた現在、元高は都合が悪い。通貨安のほうが売れるのは韓国経済を見ていればわかる通りだ。
逆に元高になるとますます売れなくなるので経済は低迷。しかし、元安で投げ売りしてても結局、儲からないで経済は低迷。どう見ても袋小路である。袋小路になって中国が困るだけならいいのだが、その影響は世界中に出てくるわけだ。
そもそも、中国経済は韓国経済をほぼコピーしたやり方でここまで大きく膨れあがった。けれども、世界の工場なんていつまでもつづくはずがないことを日本は過去に高度経済成長の経験から知っている。だから、中国がこの先、脱世界の工場をすることになるわけだが、問題は中国には技術がない。
日本のような高付加価値の商品を作ることもできない。出来るのはブランド品に似せた劣化コピー。じゃあ、サービス分野はどうかというと。中国でのサービスなんて全くきかない。観光はどうだ?中国で観光するようなところはなく、大気汚染が酷くて首都を移すぐらいである。
つまり、中国は世界の工場であり続ける以外の道はないのだ。だから、元安の容認を維持しようとしているわけだ。しかし、元安にもデメリットがある。それは中国の海外資産が安くなる。輸出には有利だが、機械や部品などの原材料の輸入にも響く。そして、アメリカは元安、ドル高がかなりのところにいけば、今度は中国の買取に走ると思われる。アメリカは強かだからな。そのような戦略を組み込んでいても何ら不思議ではない。
通貨安維持は一見、中国に有利そうだが、相手にとってはメリットも大きい。そういった意味で為替政策は諸刃の剣になりやすい。
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「世界の工場」揺らぐ…中国輸出、4カ月連続マイナス 人民元安で資金流出懸念拡大
中国税関総署が8日発表した7月の貿易統計によると、ドルベースの輸出総額は1847億3300万ドル(約18兆8500億円)と前年同月比で4・4%減 少し、4カ月連続で前年水準を下回った。輸入総額は1324億2500万ドルと12・5%もの減少で、21カ月連続マイナスだった。内外の需要低迷が影響 したが、中国の経済成長を支えてきた貿易の失速も鮮明になった。
輸出入を合わせた7月の貿易総額は3171億5800万ドルで7・9%の減少だった。貿易総額のマイナスも4カ月連続。輸出がプラスだった今年の3月は春節(旧正月)連休のずれによる季節要因が大きく、事実上、昨年初めから輸出入とも減少が続いている。
今年1~7月累計の貿易総額は前年同期比8・7%減、輸出は7・4%の減少だった。地域別輸出で米国向けは8・8%減。中国にとって最大の輸出相手先である欧州連合(EU)は4・3%減、日本は6・0%減といずれも落ち込んだ。
人民元の為替レートが安値傾向にある中での輸出減は、原材料や部品を輸入して人海戦術で安価に組み立て、大量に輸出する加工貿易で「世界の工場」となった中国の戦略が大きく揺らいでいることを意味する。人件費の高騰などで製造業が輸出競争力を失いつつある。
品目別では、鋼材で輸出額が15・5%減少したものの数量は逆に8・5%増の6741万トンとなり、過剰生産を背景とする洪水のような安値輸出が続いていることを裏付けた。日米欧からの批判も強まりそうだ。
1~7月累計の輸入では、国際価格の低迷が続く原油が金額ベースで25・8%減の618億1800万ドルと大幅に減った。中国は個人消費の伸び悩みや不動産開発の停滞による内需低迷で、世界からモノを買う力が低下しており、世界経済にも影響しそうだ。
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中国の7月貿易統計は輸出入とも大幅に減少となり、中国経済の減速感が鮮明になった。中国政府は輸出の下支えに人民元の緩やかな下落を容認しているとみられる。だが、元の先安観が強まれば、海外への資金流出を招くとの懸念もあり、世界経済が抱える不安は強まるばかりだ。
元は英国のEU離脱決定後に下落が加速し、7月18日に節目の1ドル=6・7元を割り、2010年秋以来の安値をつけた。足元では6・65元前後とやや元高に戻ったが、6・4元台だった春先に比べ弱含んでいる。
中国当局は人民元の下落が進むたび、外貨準備を取り崩してドル売り元買いの為替介入を行い、人民元安を抑制してきた。中国から海外に資金流出が進めば、企業の資金繰りが悪化するなど実体経済にも影響を与えるためだ。
しかし、米投資銀行ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの村田雅志通貨ストラテジストは「中国当局はところどころで介入しているが、緩やかな元安を容認する姿 勢になった」と指摘する。鉄鋼などの設備過剰が深刻化する中、相場の急変は避けつつも、一定水準までは元安に誘導する考えではないかとの観測もある。
一方、各国は元安進行を警戒する。中国当局が昨年8月に元レートを突如切り下げた際は、世界に株安などの動揺が広がった。今後ドルの上昇が加速し、当局の想定以上に大きな元安となれば、中国からの資金流出が進み金融市場が混乱しかねない。
麻生太郎財務相は8日の閣議後会見で、生産設備の過剰解消など中国の構造改革について「どういう方針でやろうとされるのかはまだよく見えていない」と述 べ、今後の動向を注視する考えを示した。為替施策を含め、中国に対する国際社会の視線は厳しくなっている。(上海=河崎真澄、万福博之)
(http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20160814/ecn1608141116002-n2.htm)))