遺伝の「優性→顕性」「劣性→潜性」に改訂します。 「色覚異常や色盲→色覚多様性」に/日本遺伝学会
記事要約:漢字というのは知らない字だって、なんとなく形から意味を想像できる優れた文字なわけだが、問題はそれが正しく伝えているのかというのがある。例えば、管理人が名前を変えた方が良いと思うのは「糖尿病」だ。
本来、糖尿病とは、インスリンの効果や分泌量が低下することで、生活する中で必要なエネルギーを吸収、貯蔵することができなくなり、身体の機能が衰弱していく病気のことをいう。決して、「尿に糖分が含まれている」病気ではない。これは一症状に過ぎないのだ。しかし、多くの日本人は漢字を見てそう思ってしまうわけだ。
そういった意味でメンデルの法則で習う、遺伝もそうだ。優性遺伝、劣性遺伝とか、明らかに優性遺伝のほうが良くて、劣性遺伝は劣っている印象がある。だから、本来、遺伝に優劣などないのに、日本人だけが勘違いするわけだ。そういったこともあり、漢字とは便利な反面、誤解を生みやすい文字であることを認識しないといけない。
そういえば、日本の高校生は代替という漢字を「だいがえ」と読んでいる人が多いらしい。正しくは「だいたい」なのだが、こういった漢字の間違いもわりと良くあることだ。
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遺伝の「優性→顕性」「劣性→潜性」に改訂します。 「色覚異常や色盲→色覚多様性」に/日本遺伝学会
遺伝の法則の「優性」「劣性」は使いません――。誤解や偏見につながりかねなかったり、分かりにくかったりする用語を、日本遺伝学会が改訂した。用語集としてまとめ、今月中旬、一般向けに発行する。
メンデルの遺伝学の訳語として使われてきた「優性」「劣性」は、遺伝子の特徴の現れやすさを示すにすぎないが、優れている、劣っているという語感があり、誤解されやすい。
「劣性遺伝病」と診断された人はマイナスイメージを抱き、不安になりがちだ。日本人類遺伝学会とも協議して見直しを進め、「優性」は「顕性」「劣性」は「潜性」と言い換える。
他にも、「バリエーション」の訳語の一つだった「変異」は「多様性」に。遺伝情報の多様性が一人一人違う特徴となるという基本的な考え方が伝わるようにする。色の見え方は人によって多様だという認識から「色覚異常」や「色盲」は「色覚多様性」とした。
学会長の小林武彦東京大教授は「改訂した用語の普及に努める。教科書の用語も変えてほしいと文部科学省に要望書も出す予定だ」と話す。用語集「遺伝単」(エヌ・ティー・エス)は税抜き2800円。(編集委員・瀬川茂子)
(http://www.asahi.com/articles/ASK963JY5K96PLZU001.html?iref=comtop_8_05)