韓国企業 貨物連隊の物流ストが今、首都圏を中心に猛威を振るっており、物流が麻痺しているわけだが、韓国のサムスン電子や、LG電子などの大企業にとって「出荷するものがない」のでたいした問題ではないかもしれない。なぜなら恐ろしい勢いで在庫が山積みになっているからだ。
以前に韓国企業の在庫資産は166兆ウォンというのを紹介したが、あれからもっと酷くなっているようだ。なんと、半導体部門の在庫は26兆3652億ウォンで昨年末の16兆4551億ウォンから60%増加したとか。
まじですか。おいおい、確かに在庫はある程度、持った方が急な注文に対応できるかもしれないが、それにしては持ちすぎだろう。もちろん、サムスン電子だけではない。家電などのLGディスプレイはそもそも業績がヤバい。これは中国が液晶パネル分野で韓国勢を完全に追い越したからだ。既に韓国の液晶パネル分野では中国には価格も品質も適わない。
では、記事の要点を整理していこう。
■記事の要点
1、7-9月期基準でサムスン電子の在庫資産は57兆3198億ウォンとなり昨年末の41兆3844億ウォンより15兆9354億ウォン増えた。特に半導体部門の在庫は26兆3652億ウォンで昨年末の16兆4551億ウォンから60%増加した。
2.テレビ市場の不況などで業績悪化に陥っているLGディスプレーは7-9月期に181%の負債比率を記録した。業況不振で設備投資を増やしただけに収益性を改善できないためだ。液晶パネル(LCD)分野で中国の追撃もますます強まっている。LGエレクトロニクスの負債比率も193.8%で200%に迫る。
3.内外の悪材料と経営環境の不確実性により企業が悪化の一途をたどっている。中央日報が全国経済人連合会に依頼して金融危機が発生した2008年から今年まで売上額10大企業の毎年7-9月期の主要指標を分析した結果、金融危機に近い低迷が懸念される水準であることがわかった。
4.企業の財務安定性は金融危機後に改善傾向を見せ、2020年のコロナ禍後急激に悪化したと調査された。企業の経営活動性もやはり金融危機当時の水準を下回ると分析された。
5.流動比率を見ると、2011年に最低点である119.8%を記録してから2019年には188.3%まで上がったが、コロナ禍で3年連続下落し今年7-9月期127.5%まで落ちた。これは金融危機当時の125.5%と同水準だ。
6.また別の安定性指標であるインタレストカバレッジレシオは企業の利子負担能力を示す。2018年の半導体特需で収益性が高まり50.2倍まで上がったが、その後は悪化し今年7-9月期は22.8倍に再び落ち込んだ。
7.企業の負債償還能力を示す負債比率は金融危機当時に73.9%を記録し、コロナ禍直前の2019年には半分水準である34.9%まで大きく下がったが、コロナ禍により再び悪化し51.2%まで上昇した。
8.企業の資産効率性を示す総資産回転率は2008年の0.98回から下がり続け2020年には0.54回と最低点を記録し、その後0.66まで反騰したが金融危機当時よりは低い。売上債権をどれだけ速く現金化できるのかを示す売上債権回転率もやはり下落傾向で、今年7-9月期には金融危機当時の10.8回から半分水準である5.6回を記録した。
以上の8つだ。今回、色々と金融用語が出てくる。それについてはなるべく丁寧に解説していく。
では、1から見ていこう。
まず1だが、半導体の在庫が昨年より60%も増加していると。コロナ禍の脱却で売れるからと作りすぎたら、気がついたらもう供給過多に陥っていたと。もっとも、それだけではない。中国が韓国半導体を買ってくれなくなったからだ。これは中国のゼロコロナ政策で中国経済の後退が挙げられるが、台湾からの半導体輸出を増やしたりしている。その辺については以前に詳しく取りあげた。
11月の輸出は1前年同月比で14%減の519億ドルだったか。二桁代で減少して、このままいけば12月は500億ドル台を割る。つまり、在庫がどんどん貯まるってことだ。それで、在庫資産回転率というのを在庫のときにやったが、あれがもう8.1回で世界金融危機当時の14.3回より低い。
つまり、サムスン電子の半導体はほとんど売れてないてことだ。そして、在庫の山が積もって57兆ウォンとなったと。一応、在庫は資産であるのでこのような式を前回にやったのは覚えているだろうか。
利益=売上+在庫-仕入である。つまり、帳簿上では在庫が増えれば増えるほど利益は増加する。サムスン電子は57兆ウォンの利益を帳簿上は得たことになる。だが、実際、バナナのたたき売り状態なので、その利益は半減するだろう。しかし、それはサムスン電子だけではない。それが2になる。
LGディスプレーは7-9月期に181%の負債比率を記録した。これは酷いな。業況不振で設備投資を増やしただけに収益性を改善できない。LGディスプレーの時代がコロナ前にはあったのにな。もう、それも中国勢に抜かれたか。実際、ジャパンディスプレイもそうだが、もう、ディスプレイパネルは利益がでない。中国が格安で作るからな。LGエレクトロニクスの負債比率も193.8%で200%に迫ると。
LGエレクトロニクスというのは家電やディスプレイ、パソコンのモニターなどを販売しているLGグループの1つだ。しかし、その負債が193%もあると。まあ、財閥だから潰れないとは思うが酷いな。でも、テレビは売れないんだよな。これも中国勢が強くなってきているからな。
それで、3は2008年から今年まで売上額10大企業の毎年7-9月期の主要指標を分析した結果、金融危機に近い低迷が懸念される水準であることがわかったと。まあ、リーマン同等の危機的なでレベルだと。でも、ここは穴の「底」じゃない。どん底になるのは来年の上半期だ。リーマン危機なんて遙かに超える危機が迫っている。本当、物流ストなんかにやっている場合じゃないんだよな。
次が流動比率についてだ。これあ、安定性を計る代表指標としては短期債務に充当できる資産がどれだけあるかを示すものと説明が書いてある。しかし、これを理解するには流動資産と流動負債について理解しないとダメだ。
流動資産とは、本来の営業活動で発生した売上債権や在庫などの資産と1年以内に現金回収される予定の資産であり、流動負債とは、営業活動で発生した仕入債務などの負債と、1年以内に返済する予定の負債です。
https://advisors-freee.jp/article/category/cat-big-02/cat-small-04/7762/
つまり、1年以内に回収できる予定の資産。流動負債は一年以内に返済予定の負債と。それで、この比率の意味は100%超えてないと資金繰りがヤバいてことになる。コロナ禍で3年連続下落し今年7-9月期127.5%まで落ちたとあるので、かなり資金繰りにも余裕がなくなってきていると。ここで引用しておこう。
全経連のイ・サンホン経済政策チーム長は「企業が経営環境の不確実性に備えるため短期借入金などの負債をコロナ禍前の2019年の97兆6000億ウォンから今年は158兆2000億ウォンと40%近く増やしたのが主要因」と説明した。
流動性比率が悪化したのは短期債務を40%近く増やしたからと。でも、その負債が今度は重くのしかかるんじゃないか。
そして、6はこれは経済記事や企業株の情報を読んでいればお馴染みだろう。安定性指標であるインタレストカバレッジレシオである。これは企業の利子負担能力を示すものだ。これは一般的に倍率が高いほど企業が支払い能力が高いとされる。だから50.2倍は凄く高いが、それが22.8倍に落ちたと。
ただ、インスタントカバレッジレシオは業種別で数値が異なる。まあ、22倍は高い方だとは思う。
次が7だが、負債比率がコロナ禍により再び悪化し51.2%まで上昇した。この辺りは細かいので引用しておく程度で済まそう。
全経連は「追加利上げで市中流動性縮小が予想されるところに1%台の経済成長率を記録すれば企業の収益性が悪化し財務安定性指標が現在よりさらに悪化する可能性が大きい」と予想する。
経営活動性は総資産回転率、売上債権回転率、在庫資産回転率で分析した。数値が高いほど活動性が良いという意味だ。10大企業の活動性は金融危機以降に鈍化する傾向で、コロナ禍後に小幅に改善されたが最近は売上額より売上債権と在庫資産が大きく膨らみ悪化したと調査された。
最近の傾向というか、ここ三ヶ月間ぐらいだとおもうが、売上額より売上債権と在庫資産が大きく膨らみ悪化したと調査結果が出たと。最後はいつもの専門家の意見を引用しておこう。
延世(ヨンセ)大学経済学部の成太胤(ソン・テユン)教授は「現在は金融危機と匹敵するほど厳しい時期だとみることができる。ある面では物価上昇圧力が高く対応するのがさらに難しいかもしれない」と診断した。続けて「企業は生き残りを最も重要なキーワードとして現金流動性を確保し、持続性を維持する戦略を使わなければならない」と付け加えた。
リーマン時と同等と。その見方はあっているが、問題はここが底ではないのだ。まだ落ちるのか可能性が残っている。来年の上半期がおそらく最悪となるからな。最後はキャッシュフローを確保しておけと。その意見は正しい。
7-9月期基準でサムスン電子の在庫資産は57兆3198億ウォンとなり昨年末の41兆3844億ウォンより15兆9354億ウォン増えた。特に半導体部門の在庫は26兆3652億ウォンで昨年末の16兆4551億ウォンから60%増加した。売上額を在庫資産で割った在庫資産回転率が高いほど企業の経営活動性が高いとされるが、サムスン電子の7-9月期の在庫資産回転率は8.1回で世界金融危機当時の14.3回より低い。
テレビ市場の不況などで業績悪化に陥っているLGディスプレーは7-9月期に181%の負債比率を記録した。業況不振で設備投資を増やしただけに収益性を改善できないためだ。液晶パネル(LCD)分野で中国の追撃もますます強まっている。LGエレクトロニクスの負債比率も193.8%で200%に迫る。これら企業の金融危機当時の負債比率は現在の水準を大きく下回る70.5%と106.1%だった。
内外の悪材料と経営環境の不確実性により企業が悪化の一途をたどっている。中央日報が全国経済人連合会に依頼して金融危機が発生した2008年から今年まで売上額10大企業の毎年7-9月期の主要指標を分析した結果、金融危機に近い低迷が懸念される水準であることがわかった。今年の10大企業はサムスン電子、ヒョンデ(現代自動車)、SKハイニックス、起亜、ポスコインターナショナル、LGディスプレー、LGエレクトロニクス、現代モービス、エスオイル、サムスン物産を対象にした。
企業の財務安定性は金融危機後に改善傾向を見せ、2020年のコロナ禍後急激に悪化したと調査された。企業の経営活動性もやはり金融危機当時の水準を下回ると分析された。
安定性を計る代表指標としては短期債務に充当できる資産がどれだけあるかを示す流動比率を挙げられる。比率が高いほど企業の短期支払い能力が高いという意味だ。この比率を見ると、2011年に最低点である119.8%を記録してから2019年には188.3%まで上がったが、コロナ禍で3年連続下落し今年7-9月期127.5%まで落ちた。これは金融危機当時の125.5%と同水準だ。
全経連のイ・サンホン経済政策チーム長は「企業が経営環境の不確実性に備えるため短期借入金などの負債をコロナ禍前の2019年の97兆6000億ウォンから今年は158兆2000億ウォンと40%近く増やしたのが主要因」と説明した。
また別の安定性指標であるインタレストカバレッジレシオは企業の利子負担能力を示す。2018年の半導体特需で収益性が高まり50.2倍まで上がったが、その後は悪化し今年7-9月期は22.8倍に再び落ち込んだ。
◇企業負債比率、今年51%で上昇
まだ2008年の金融危機当時の17.1倍よりは高い水準だが、基準金利引き上げが始まった昨年8月以降は急速に下落する傾向だ。企業の負債償還能力を示す負債比率は金融危機当時に73.9%を記録し、コロナ禍直前の2019年には半分水準である34.9%まで大きく下がったが、コロナ禍により再び悪化し51.2%まで上昇した。
全経連は「追加利上げで市中流動性縮小が予想されるところに1%台の経済成長率を記録すれば企業の収益性が悪化し財務安定性指標が現在よりさらに悪化する可能性が大きい」と予想する。
経営活動性は総資産回転率、売上債権回転率、在庫資産回転率で分析した。数値が高いほど活動性が良いという意味だ。10大企業の活動性は金融危機以降に鈍化する傾向で、コロナ禍後に小幅に改善されたが最近は売上額より売上債権と在庫資産が大きく膨らみ悪化したと調査された。
企業の資産効率性を示す総資産回転率は2008年の0.98回から下がり続け2020年には0.54回と最低点を記録し、その後0.66まで反騰したが金融危機当時よりは低い。売上債権をどれだけ速く現金化できるのかを示す売上債権回転率もやはり下落傾向で、今年7-9月期には金融危機当時の10.8回から半分水準である5.6回を記録した。
延世(ヨンセ)大学経済学部の成太胤(ソン・テユン)教授は「現在は金融危機と匹敵するほど厳しい時期だとみることができる。ある面では物価上昇圧力が高く対応するのがさらに難しいかもしれない」と診断した。続けて「企業は生き残りを最も重要なキーワードとして現金流動性を確保し、持続性を維持する戦略を使わなければならない」と付け加えた。
https://japanese.joins.com/JArticle/298453?servcode=300§code=300