ムンの負の遺産 「アルバイトより低賃金」の韓国自営業者が5年で100万人増加

突然だが、2022年の韓国の最低賃金はいくらかご存じだろうか。

これを数秒で答えられるなら韓国通だと思うが9160ウォンだ。そして、来年の最低賃金は5%上がり、9620ウォンに確定したのが8月ぐらいだ。これを月給に換算すればいくらになるだろうか。とりあえず、209時間で換算して電卓を叩いてみよう。

2021年と2022年の最低賃金と月額(209時間)

2021年 9160ウォン 191万4440ウォン 19万7573円

2022年 9620ウォン 201万580ウォン 20万7495円

このようになる。つまり、韓国では最低賃金でバイトして月209時間働ければ20万円ぐらいの稼ぎになるということ。しかし、世の中には最低賃金というものが存在しない職業もある。その代表的なのが自営業者である。それは個人事業主なので最低賃金があるわけではない。儲けも損失も自分が全て背負うのが自営業だ。つまり、売上げ次第では最低賃金以下の「月給」になることだって十分、あり得るてことだ。では、今回の記事を見ていこう。

雇用しているアルバイトよりもお金を稼いでいない自営業者が、2017年の16万4000人から、2020年には24万2000人まで増加したことだ。過去5年間で毎年平均20万人増え、現在は100万人余りに達したという。アルバイトの保険料などを負担した結果、そのしわ寄せが経営者側に来ている事態に陥っているわけだ。

https://news.livedoor.com/article/detail/23026519/

なんとアルバイトよりも稼げない自営業者が5年間で100万人に増加しているという。ええ?そんな儲からないなら店を畳んでアルバイトすればいいじゃないか。確かにその通りなんだが、こういうフランチャイズ経営というのは大抵、最初に「借金」を背負うんだよな。

韓国を代表する「チキン屋」みたいな狭い範囲で店を持つことが出来ても、数百万以上の資金がかかる。最近は宅配チキン屋も増えたそうで、その開業費用は5700万ウォンである。日本円で588万だ。これが安いかどうかは知らないが、自分の店を持つというのは数百万は余裕でかかると。フランチャイズ店なら、ノウハウを教えてもらえるが、その分、ロイヤリティも取られるからな。

だから、チキン屋をやりたければ約600万円を用意しないといけない。大体、韓国のサラリーマンは40代でリストラに遭うか、会社を辞めて自営業に走るので、退職金で半分。後は借金といった感じだろう。

それで、自営業者の話題と言えばここ5年間で融資規模が1000超ウォンに膨らんでいることはご存じだろうか。また、最低賃金引き上げによるムン君の負の遺産かよ。確かにその側面もあるのだが、コロナ禍という特殊な事情もあり、自営業者が銀行などから融資を受けようとしたわけだ。

ところがだ。自営業が銀行から融資を受けようとするなんと50%近い割合で融資が拒否されている。主な理由は貸出限度を超えていたり、信用等級を満たさない、担保提供不足など。だから、銀行は審査するときに半分程度の自営業者の融資を断った。

では、自営業者はどこから金を借りたのか。当然、銀行より金利が高い、消費者金融など第2金融機関ということになる。これはデータからもよくわかる。

2019年末から2022年6月の2年半で自営業者向け融資は303兆9000億ウォンとなっているが、この中で71%の164兆ウォンは第2金融機関からお金を借りている。金利が高ければ当然、負債は膨らむ一方である。

そして思い出して欲しいのが、韓国政府はコロナ禍の支援で元本の返済猶予や利息を凍結する措置を取っていたが、これが9月末で終了した。すると上のように第2金融機関でお金を借りている自営業者は苦難に立たされることになる。

しかし、それを韓国政府は「徳政令」を使って40万人ほどは救済する。借金で苦しんでいる自営業者1人当たり最大15億ウォンの範囲で利子の引き下げ、長期分割返済、元金の減額などを行う。これが10月からスタートした「自営業者バッドバンク」である。その規模は30兆ウォンほど。

つまり、債務超過で苦しんでいる40万人の自営業者が救済される。だが、徳政令というのはモラルハザードを引き起こす可能性がある。コロナ禍で確かに苦しんだのはわかるのだが、それで韓国政府が何度も助けるなら自分たちでなんとかするよりも、社会問題化すれば救われると勘違いする。

そして、救済の対象者が上の記事にあげてきたアルバイトよりも稼げない自営業者らとなるわけだ。後、保険料が高すぎるという話もあるのだが、そこまで解説していたら長くなるのでこの辺で切り上げよう。

10月13日、保健福祉部と国税庁、国民健康保険公団が公表した「自営業者の健康保険とみなす納入現況」内の2017~2021年の「ユーザー保守月額の見直し規定」で、とある実態があらわになった。

それは、雇用しているアルバイトよりもお金を稼いでいない自営業者が、2017年の16万4000人から、2020年には24万2000人まで増加したことだ。過去5年間で毎年平均20万人増え、現在は100万人余りに達したという。アルバイトの保険料などを負担した結果、そのしわ寄せが経営者側に来ている事態に陥っているわけだ。

これには韓国国内でも、「税金もそうだが、保険料が高すぎる」「企業しても人を使う以上、保険など負担するリスクが大きすぎる」など、現状に不満を抱える人の声が多く上がっている。

理想を抱いて起業したはずが、実際の稼ぎはアルバイトよりも少ない…。実に夢のない話だ。

https://news.livedoor.com/article/detail/23026519/

ムンの負の遺産 「アルバイトより低賃金」の韓国自営業者が5年で100万人増加」への8件のフィードバック

  1. 今から43年位前。オレが高校を卒業して、食肉専門問屋に就職した時の話。当時のオレの給料は、朝の6時から夜の9時まで働いて、1ヶ月手取り7万円だった。そこから食費と寮費(寮って云ったって豚の冷蔵庫の上に部屋があるヒドイ環境だったな。)の13.000円引かれて、実質5万7千円だ。同じ年のアルバイトの女の子より少なかった。あちらは時給850円で、オレは、いいとこ200円がいいところだな。有給なし、休みは盆と正月の各4日間だけ。仲の良かった文ちゃん(あや)はSONYに就職して、5月には30万のボーナスでオレは0。そうか、、オレのあの頃は今の韓国人なみの境遇だったんだな、、。いまは借金あれど自分の家を含む三軒の家と200坪の畑持ちだぞ。ま、親父、お袋ありがとうだな。それにしても韓国人、、、チキン屋以外やることねぇのかな?鳥インフルエンザなんて、韓国からの鳥が大半のイメージだぞ。ちゃんと処理しているのか?まさか、インフルエンザのチキンじゃねぇだろうな?最後に一言。オレを三年間バイトのねーちゃんより安いカネでこき使った会社の経理担当常務。会社辞めて15年後に億のカネの使い込み発覚で、しかも同族会社だから、訴訟もなしでアタマ来たぞ。辞める時、給料倍にするからっていわれたけど3倍でもイヤだって云って断ったのは正解だったな。

    1. ついでに、、オレの給料が安かったのは、オレが肉屋の倅だからだ。つまり仕事を覚える為の場所を提供するから、安月給で働けと。ものは言い様だよなぁ。ちなみにサラリーマン家庭から就職した連中はオレの倍以上貰っていたな。でも仕事がキツくて、最短一日、最長でも3ヶ月でみんな辞めていったな。給料いいのに、、と思ったが18才の女の子(文ちゃん、、あやちゃんな!)の最初のボーナスが30万円のソニーと比べればオレたちの業界はブラックだな。修行って云ったって、手取り足取りじゃないもんね。見て覚えろとか、盗め!ってやつ。別に韓国人みたいに泥棒するのとは違うけど。

    2. >チキン屋以外やることねぇのかな

      チキン屋は開業資金がとても安い(元々安い上に、開業者が多ければ当然廃業者も沢山いるので、他の業種よりも中古品で設備投資を更に安く出来る)ため、韓国の自営業では選考され易いのですね。

      しかし、これだけという訳ではなく、開業資金が安いという点では(素泊まりの)宿泊業なども盛んです。まあもっとも、そんな動機で始めるので、ホスピタリティが非常に悪く、「一期一会でぼったくれ」の精神も相まって長続きしないことが多いです。

  2. 蛇足的補遺。

    >韓国の最低賃金

    韓国の最低賃金は交通費その他経費を除くので、実勢としては(日本のそれより)更に高いんですよね。しかも週15時間ルール(超えると1日分上増し)があるので、労働時間が長ければ更に高い。労働生産性が悪化する訳ですよ。

    >店を畳んでアルバイトすればいいじゃないか~~

    この話は借金が残ってるということもあるのですが、それ以上に大きいのは(廃業しても)代替する労働が全く無いことです。
    上記労働ルールがあるため多くのアルバイトは現実的には週15時間以上働かせてもらえず、(管理人に挙げて頂いたような)カタログスペックほど金にならんのです。そうすると、掛け持ちするしかないのですが、とても面倒な上に有用なアルバイト自体も少ない(朴槿恵政権時代にはバイトもないと言われていましたからね)。はっきり言って、廃業してアルバイトという訳にはいかないのですよ。

    また、韓国は税制上の問題として、自営業であるか一般家庭であるかで、固定資産税などに物凄く差があるのです。自営業はとてもとても優遇があるのですね。そういった点も安易にアルバイトに成れない理由であり、韓国に異常に自営業が増えた理由でもあるのです。

  3. 自分も73歳に成りますがバイトをしています。二つの掛け持ちですが、月に合計70時間で合計5万円位です。フルタイムの残業等なしの場合月に150時間と思いますから、自分の場合はその半分の時間で収入は三分の一以下です。しかし70歳を越えたらバイトの求人は殆ど無くなります。有ってもキツくてヤス~い仕事です。全くチキン屋でも遣りたい感じです。600万円なんて無いよーー!

    1. 73才でアルバイトの掛け持ちをして、生活費を稼いでいるのは、立派だと思うよ。身体が健康だからこそのことで、ジム等で鍛えているからこそだな。オレの同級生に生活保護を受給している奴がいる。大したカネはくれないだの、医者に罹るときは、生活保護受給をいわないと、治療費が免除にならない、、、だからイヤだの、、、最低だぞ!焼鳥屋だったんだが、売り上げを呑んじゃって、店を前のボスから400万円で買って一年で潰した奴だ。オマケに銀行の借金を踏み倒すという、、、奴にはオレも三万貸してある。多分踏み倒しだろなぁ、、、

  4. 韓国さん、異常事態 バイトより稼げない自営業が5年間で100万人増加
    すみません、タイトルで笑えてしまう・・・。

    これが自称・日本の若者が憧れる先進国・韓国の実態なんですね。

    1. 遊びにいくだけなら日本のミーハーな若者でも憧れるでしょうが、「そこで働いて暮らしなさい」と言わたら行かないと思います。自分も今の状況を多いに嘆いてますが、「では韓国でバイトして暮らせば?」と言われたら御免です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です