韓国 結局、韓国政府が描いた上半期はダメでも、下半期は急回復するという甘い楽観論は予想通り外れるんじゃないか。今回、製造業景気を見ていくわけだが既にタイトルからして、投資と輸出は来年にも回復とある。ついに来年になってしまったか。まあ、こうなる予感はしていたんだが、韓国の製造業はまだまだ景気回復を実感するにはほど遠い。
しかも、後で7月の輸出状況を見ていくが、これも順調とは言いがたい内容だ。まあ、どちらによせ、韓国の輸出低迷が続いている。そこから抜けだしたとか楽観論もあるが、韓国政府や機関のいうことはほとんど当てにならない。予想を的中させたことなんてほとんどない。
では、記事の冒頭を見ていこうか。
4-6月期の韓国の製造業景気は年初より改善したが、依然として「くもり」の状態を抜け出せなかった。製造業者が高物価によるコスト負担が最も大きいと明らかにした中で、投資と輸出は来年以降に本格的に回復するだろうという見方にウエイトを置いている。
https://japanese.joins.com/JArticle/306391?servcode=300§code=300
韓国は何で輸出が回復するとか思い込んでるんだ?そもそも、来年にどこが買ってくれるんだ?米国の景気はこのまま来年はリセッション入りするだろうに。中国が買ってくれる気配は今のところない。欧州だって利上げでそれどころじゃない。世界の景気が悪くなるのに、韓国輸出は回復する。あほなのか。一体誰が買ってくれるんだよ。韓国ってその辺がよくわからないんだよな。
輸出で食べていく国が相手国を考えないで、何故か、自分らの輸出が回復するとか思い込む。だいたい、輸出回復するなら半導体はどうするんだよ。サムスン電子が95%減益だろう。それなのに韓国紙は挙って、下半期は持ち直すとかわけのわからない期待である。因みに台湾のTSMCはどうやら事情が異なるようだ。それも後で見ていこうか。
韓国の半導体が持ち直すのはおそらく来年になると思うんだが、それまで韓国輸出が回復するのか。このまま看取って行こうじゃないか。
と言ったところで、今回の記事の要点を整理していく。
■記事の要点
1.韓国産業研究院は9日、先月に韓国の製造業者1500社を対象に実施した製造業景況判断指数(BSI)調査結果を発表した。指数は100を基準として200に近いほど前四半期比で改善(増加)し、反対にゼロに近いほど悪化(減少)するという意味だ。
4-6月期の製造業市況現況BSIは1-3月期の77より上がり86を記録した。売り上げBSIも75から87に上昇した。内需・輸出は4四半期ぶりに上昇に転じた。全般的に業況が改善し多くの項目が前四半期より上昇に転じた。だが依然としてBSIは基準値の100を下回るなど否定的評価が多かった。
2.韓国の製造業者は経営活動に否定的影響を及ぼす要因(複数回答)として、高物価にともなう費用負担加重が69%で最も多く挙げた。高金利の副作用が48%、対外不確実性が28%などで後に続いた。そのため今後投資と輸出の回復が本格化する時期をめぐっても今年よりは来年に多くの票を入れた。これら業者は投資拡大予想時期として2024年上半期以降を26%で最も多く挙げた。輸出回復予想時期も来年上半期と下半期合わせて54%と半分を超えた。
3.最近の別の調査結果でもはっきり感じられた景気回復まではまだまだだというシグナルが出ている。全国経済人連合会が発表した売上上位600社(金融業除く)の7月の総合景気BSIは基準値の100を下回る95.5を記録した。
以上の3つだ。順番に見ていこう。
まず、製造業景況判断指数(BSI)のことだ。よく出てくる指数なので説明は割愛するが、大事なのは100を基準にしていること。4-6月期の製造業市況現況BSIは1-3月期の77より上がり86を記録した。売り上げBSIも75から87に上昇した。つまり、この3ヶ月で確かにBSIが86まであがった。売上も増えた。でも、100基準なのでそれは良くなったとはいえない。これで景気の底が見えたとかいうのだから。そもそも、次の3ヶ月でBSIが悪化する可能性だってあるのにな。
次に2が重要だ。
そのため今後投資と輸出の回復が本格化する時期をめぐっても今年よりは来年に多くの票を入れた。これら業者は投資拡大予想時期として2024年上半期以降を26%で最も多く挙げた。輸出回復予想時期も来年上半期と下半期合わせて54%と半分を超えた。
つまり、製造業が景気回復する時期は2023年ではなく、2024年だと予想している人が多いてことだ。しかも、輸出回復も来年。あれ?韓国政府は今年の下半期に急回復予想ですよね?全然、見方が異なっていますが。こちらとしては全く信用がない韓国政府よりも、製造業の人々の意見のほうが当たるんじゃないか。来年なら半導体需要は回復しているはずだ。
次に3だが、売上上位600社(金融業除く)の7月の総合景気BSIは基準値の100を下回る95.5を記録した。結局、売上上位600社でも100以下と。では、KDIの見識を見ておこうか。
一方、国策研究機関である韓国開発研究院(KDI)は「韓国の景気が底を打った」と評価した。景気が停滞したりはしたが、底を打って反騰する兆しもともに現れているという診断だ。
KDIは9日、報告書「KDI経済動向7月号」で、「サービス業の緩やかな増加傾向が維持され製造業不振が一部緩和され景気が底を過ぎつつある様相」と明らかにした。
だが楽観するには早い。KDIは「主要国の通貨緊縮が続く中で中国の景気回復が遅れる可能性などから景気不確実性はいまなお残る」と指摘した。主要先進国が金利引き上げなど通貨緊縮を継続していることから国債利回りは上昇中だ。不動産市場も依然として冷え込んでいる。
https://japanese.joins.com/JArticle/306391?servcode=300§code=300
また、このような楽観論だ。どこを見て景気が底を売ったといえるんだ。まさか、韓国はサービス業がこのまま好調に推移していくとでも?まあ、いいけどな。景気の底なら、ここからV字回復してもおかしくないよな。それで、台湾のTSMCについてみておく。
半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)の4-6月(第2四半期)売上高は、市場予想を上回った。人工知能(AI)アプリケーションのブームでTSMCの半導体製造能力に対する需要が増えた。
ブルームバーグの計算によると、4-6月期の売上高は4808億台湾ドル(約2兆1800億円)。アナリスト予想平均は4762億台湾ドルだった。6月の売上高は1564億台湾ドルだった。
TSMCはエヌビディアのAIアクセラレーターチップの主要な受託生産業者。
TSMCの株価は10日に月次売上高を発表する前に小幅上昇していた。ゴールドマン・サックスのアナリストは同社の目標株価を700台湾ドルに引き上げた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-10/RXKH59T0AFB401
これで色々はっきりしただろう?韓国の半導体はAiブームでも実はほとんど伸びていないことが。まあ、韓国が作れる安物の半導体とかいらないよな。一方、台湾のTSMCが市場予想を超える売上とかになっている。サムスン電子、全然、追いつけてないじゃないか。
■記事の要点(後半)
4.7月上旬の輸出が前年同期より15%近く減少した。韓国関税庁は11日、今月1~10日の輸出額(通関基準速報値)が132億6700万ドルで前年同期比14.8%減ったと明らかにした。この期間の実際の操業日数は7日で昨年と変わらず、これを考慮した1日平均輸出額もやはり14.8%減少した最近の月間輸出額は昨年10月から先月まで9カ月連続で減少の流れを見せている。
5.1~10日の輸入額は155億4300万ドルで前年同月比26.9%減少した。これに伴い、貿易収支は22億7600万ドルの赤字を記録した。先月の同じ期間の14億2700万ドルより赤字幅が拡大した。先月の月間貿易収支は11億2900万ドルの黒字で16カ月ぶりに黒字に転換した。これにより今年現在まで累積した貿易赤字は287億4100万ドル水準となった。
以上のふたつだ。
韓国輸出回復兆しとか言いながら、実は輸出は前年同月比より、14.8%減少している。それで9ヶ月連続で減少の流れなのに、景気の底を打ったとKDIさんは述べているんですよね。一体、どこを打ったというのか。しかも、昨年の7月は半導体以外はほとんどダメだった時期。それよりも、輸出が減っていると。さらに面白いのは5だ。
1~10日の輸入額は155億4300万ドルで前年同月比26.9%減少した。これに伴い、貿易収支は22億7600万ドルの赤字を記録した。なんと、6月の貿易収支は黒字を回復したのに、7月の初旬は再び貿易赤字となっている。ここまで原油や資源が安くなっているのに、韓国が貿易赤字とか。しかも、輸入が26.9%減少てやばいだろう。
これにより今年現在まで累積した貿易赤字は287億4100万ドル水準となった。ここまで減った累積貿易赤字が追加と。
それと今回は記事が短いのでもう一つ半導体関連で大きな動きを見ておく。
世界最大のファウンドリ(半導体受託生産)企業である台湾TSMCに続き、台湾3位のファウンドリ企業であるPSMC(力積電)も日本に半導体工場を建設するとの報道が出ている。
韓国聯合ニュースは6日、日本や台湾メディア報道をもとに、PSMCは前日、日本の金融持株会社であるSBIホールディングスと日本国内に12インチ(300mm)ウェーハ工場を建設することで合意したと報じた。
台湾メディアは今後、同工場ではPSMCが独自開発した22~28?(ナノメートル-10億分の1)プロセス製品が生産されると伝えた。
22?28?プロセスは、イメージセンサーと車両用半導体である車両用マイクロコントローラーなどの製品生産が可能な成熟プロセスだ。
PSMCのファン・チュンロン会長は前日、日本の東京でSBIホールディングスの北尾吉孝会長と12インチウェーハ工場に関する投資計画案に署名した後、これを発表した。
今後、両社が合弁会社を設立し、工場建設に着手することを明らかにした。
北尾会長は、2021年6月に日本政府が半導体およびデジタル産業戦略を策定したことを挙げ、「世界の半導体市場規模が2030年までに100兆円(約906兆円)に達すると予想される今こそ、台湾企業との協力で日本の半導体産業を振興させる絶好の機会」と強調した。
ただ、台湾内の半導体業界では、PSMCが日本側と了解覚書(MOU)を締結したに過ぎないとして、工場建設までつながるかどうかについて懐疑的な反応が出ていると聯合は伝えている。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは「日本に建てるなら米国に建てた方がリスク回避なのでは?」「地震とか大丈夫なのか?」「日本と台湾はすっかり仲間だな」などのコメントが投稿されている。
https://korea-economics.jp/posts/23070602/
このようにまた日本に海外からの投資が集まっている。まあ、すぐに決まるような話ではなさそうだが、日本が半導体拠点に生まれ変わるなら、それでいい。
4-6月期の韓国の製造業景気は年初より改善したが、依然として「くもり」の状態を抜け出せなかった。製造業者が高物価によるコスト負担が最も大きいと明らかにした中で、投資と輸出は来年以降に本格的に回復するだろうという見方にウエイトを置いている。
韓国産業研究院は9日、先月に韓国の製造業者1500社を対象に実施した製造業景況判断指数(BSI)調査結果を発表した。指数は100を基準として200に近いほど前四半期比で改善(増加)し、反対にゼロに近いほど悪化(減少)するという意味だ。
4-6月期の製造業市況現況BSIは1-3月期の77より上がり86を記録した。売り上げBSIも75から87に上昇した。内需・輸出は4四半期ぶりに上昇に転じた。全般的に業況が改善し多くの項目が前四半期より上昇に転じた。だが依然としてBSIは基準値の100を下回るなど否定的評価が多かった。
韓国の製造業者は経営活動に否定的影響を及ぼす要因(複数回答)として、高物価にともなう費用負担加重が69%で最も多く挙げた。高金利の副作用が48%、対外不確実性が28%などで後に続いた。そのため今後投資と輸出の回復が本格化する時期をめぐっても今年よりは来年に多くの票を入れた。これら業者は投資拡大予想時期として2024年上半期以降を26%で最も多く挙げた。輸出回復予想時期も来年上半期と下半期合わせて54%と半分を超えた。
最近の別の調査結果でもはっきり感じられた景気回復まではまだまだだというシグナルが出ている。全国経済人連合会が発表した売上上位600社(金融業除く)の7月の総合景気BSIは基準値の100を下回る95.5を記録した。
一方、国策研究機関である韓国開発研究院(KDI)は「韓国の景気が底を打った」と評価した。景気が停滞したりはしたが、底を打って反騰する兆しもともに現れているという診断だ。
KDIは9日、報告書「KDI経済動向7月号」で、「サービス業の緩やかな増加傾向が維持され製造業不振が一部緩和され景気が底を過ぎつつある様相」と明らかにした。
だが楽観するには早い。KDIは「主要国の通貨緊縮が続く中で中国の景気回復が遅れる可能性などから景気不確実性はいまなお残る」と指摘した。主要先進国が金利引き上げなど通貨緊縮を継続していることから国債利回りは上昇中だ。不動産市場も依然として冷え込んでいる。
7月上旬の輸出が前年同期より15%近く減少した。
韓国関税庁は11日、今月1~10日の輸出額(通関基準速報値)が132億6700万ドルで前年同期比14.8%減ったと明らかにした。
この期間の実際の操業日数は7日で昨年と変わらず、これを考慮した1日平均輸出額もやはり14.8%減少した
最近の月間輸出額は昨年10月から先月まで9カ月連続で減少の流れを見せている。
1~10日の輸入額は155億4300万ドルで前年同月比26.9%減少した。
これに伴い、貿易収支は22億7600万ドルの赤字を記録した。
先月の同じ期間の14億2700万ドルより赤字幅が拡大した。
先月の月間貿易収支は11億2900万ドルの黒字で16カ月ぶりに黒字に転換した。
これにより今年現在まで累積した貿易赤字は287億4100万ドル水準となった。