日別アーカイブ: 2023年3月23日

中国経済 中国の経済成長5%は絵空事ー米利上げで見えてきた今後のシナリオとは(動画)

中国経済 米FOMCも終わり、政策金利はついに5%台に乗ってしまった。FOMCの今後の利上げ動向については後で取り上げる予定だが、5%と言えば今年の中国経済成長を目標であることを覚えているだろうか。韓国経済を見る上で米中のどちらの経済動向もかかせない。

アメリカの金融不安はダウの-530ドルによって継続することは確認されたが、中国のリオープニングはいつになるのか。そもそも、本当に中国経済は5%成長できるのか。実は難しいというのが今回の記事だ。そもそも、中国はすでにリソースを消耗しすぎており、これから高い成長を見込めない。ピークチャイナ理論が昨年辺りから提唱されてきた。

そして、中国には残念な知らせだが、これは「中進国の罠」「中所得国の罠」に陥る可能性が高いてことだ。ああ、どこかで聞いたことあると思った人。経済を見る上で重要なワードなので解説しておこう。

中所得国の罠 (Middle-income trap)は、自国経済が中所得国のレベルで停滞し、先進国(高所得国)入りが中々できない状況をいいます。 具体的には、 新興国 が低賃金の労働力等を原動力として経済成長し、中所得国の仲間入りを果たした後、自国の人件費の上昇や後発新興国の追い上げ、 先進国 の先端イノベーション(技術力等)の格差などに遭って競争力を失い、経済成長が停滞する現象を指します。

この説明を読めば、まんま韓国のことじゃないかと思うかもしれないが、これは中国にも当てはまる。しかも、中国は日本を超えるGDPとなり、世界第2位という経済成長をしてきて、自信を持ったのかと自らの覇権を語り始めた。習近平国家主席の皇帝宣言である。今の全国人民代表大会の内容を少し調べれば、彼が皇帝のようにあがめられているのは見ての通り。異例の3期目なのに誰1人反対なしだからな。

これによってアメリカは中国の覇権を危険視するようになり、米中対立が激化していった。これがトランプ政権時代に表面化しており、それはバイデン氏の時代でも変わらない。しかも、ウクライナ戦争で中国はロシアを味方にしており、ロシアは中国からの輸出を急激に増やした。それはロシアで人民元のとリ引きが急増しているからでも容易に想像つく。武器弾薬まで提供しているかはしらないが、ロシアから欧米諸国が引き上げる中、その埋め合わせを中国がしている感じがする。

だから、今のロシアでもお金さえ出せば、最新のiPhoneが買えるのだ。もちろん、アップルが売っているわけではないので、どこから迂回輸出したものだが、このように中国とロシアが協力関係になったことで、ロシアはますます中国に逆らえない構図となった。これが米中対立を一層激化させる。しかし、中国はそのために今後の海外投資が絶望的な状況となり、中進国の罠にはまる状態が加速化したようにも見える。後、中国の不動産バブルが崩壊した余波はまだ終わってない。

今回は中国経済を見ていくので前置きを長めにして現状を解説していた。では、記事の要点を整理していこう。前半は中国経済の動向。後半は米利上げで見えてきた今後の動向を追う。韓国経済?何それということになっているが、この米中経済を視ていかないと韓国経済を正しく分析することはできない。

■記事の要点

1.共産党が指揮する中国版国会、全国人民代表大会(全人代)が閉幕し、習近平政権3期目の陣容が固まった。経済政策は党直轄だ。 習氏は全人代で「経済力、科学技術力、総合国力を絶えず強大化する」と強調したが、肝心の習氏側近ナンバーワンの李強首相はことしの実質経済成長率目標5%前後の達成は「容易ではない」と逃げ腰だ。

2.過去10年の習政権下の経済成長はまさに党指令による固定資本投資の産物だった。中国の国内総生産(GDP)に占める総固定資本形成(土地の上に立つ構造物投資のこと)の比率は5割近い。固定資本の主柱が住宅に代表される不動産投資で、関連需要を含めるとGDPの約3割を占める。昨年の不動産投資は前年比10%減、それだけでGDPは3%の下落圧力になる。 家計消費はゼロコロナ政策で低迷を続けた。輸出が好調だったとはいえ、GDPを押し上げる割合は1%に満たない。それでも実質3%の成長をとげたとは信じがたい。

3.不動産投資減を勘案するとマイナス成長になっておかしくはなかった。不動産市況低迷が続く限り、中国経済成長は5%なんて絵空事もよいところで、ゼロ%前後の成長に落ち込みかねない。

4.不動産相場を押し上げるためには、中国人民銀行が巨額の資金発行、つまり量的緩和を行い、その資金供給を受けた商業銀行が不動産関連融資を拡大するしかない。だが、外貨の裏付けのない量的緩和は通貨の乱発となって、高インフレを引き起こす恐れがつきまとう。 1989年は高インフレを背景に天安門事件が起きた。

5.人民銀行が人民元の信用を損なうことなく資金を増発させるためには、どうしても外貨の流入を促すしかないが、主要な流入源である外国からの対中証券投資は昨年のウクライナ戦争後急減している。米バイデン政権は中国の対ロシア支援が明白になれば、対中制裁に踏み切るので、日米欧の産業界もハイテクなどの対中投資リスクを重視せざるを得ない。金融の量的拡大ができないと、人民銀行は国債買い上げが困難になり、財政支出拡大ができなくなる。

6.パウエル議長は連邦公開市場委員会(FOMC)による0.25ポイント利上げ決定後、追加利上げの可能性を指摘するとともに、必要と判断すれば従来予測よりも高い水準に金利を引き上げる用意があると表明。債券トレーダーの間で年内利下げの観測が高まる状況にあって、当局は利下げを想定していないとも議長は語った。

7.銀行セクターの問題が貸し出しに波及する影響について、パウエル議長は会見で何度も不確実性に言及した。具体的には、「経済への影響は非常に軽微なものにとどまり、インフレの勢いが強いままである可能性ある」とし、その場合、当局が現時点でピークと推計している5-5.25%のレンジよりも高い水準に利上げする可能性があると話した。その一方で、銀行融資の後退が個人消費や需要の減退につながる可能性もあり、「そうしたケースとなれば、金融政策面でやるべきことは少なくなるのではないか」と説明した。

8.ただ、触れられることのなかった3つめのシナリオがある。それは既に脆弱(ぜいじゃく)となっている金融システムの下で失業率が悪化し始め、所得の減った家計のローン返済が滞り、銀行のストレスが増幅されるというものだ。

以上の8つだ。順番に見ていこう。

まず1だが、習近平国家主席がいくら中国が高い成長を成し遂げると宣言したところで、実際は5%前後ですら容易ではない。当たり前だ。どんなものにも栄誉盛衰がある。右肩上がりに成長するなんてあり得ないのだ。特に経済は景気と不況と繰り返す。循環しているのだ。だから、内情を知っていれば5%成長なんてできるか。でも、どうせ公式発表ではそうなるから心配ない。

そして2の内容が興味深い。こちらも中国経済には疎いので、このような不動産投資が中国経済の成長にどの程度に関わっていたかはさわりぐらいしか知らない。しかし、中国の国内総生産(GDP)に占める総固定資本形成(土地の上に立つ構造物投資のこと)の比率は5割近いとか。本当なのか。

さらに、固定資本の主柱が住宅に代表される不動産投資で、関連需要を含めるとGDPの約3割を占める。不動産バブルが崩壊して10%急落しても3%減るとか。それで、実質3%成長を遂げた。まあ、あり得ないな。

3は昨年はマイナス成長になってもおかしくない。こんな状態で今年、5%なんて成長できるわけがない。下手したらマイナス。あれ?韓国さん。希望の星である中国経済はわりと危機的な状況が続いていますよ。こちらも中国経済の動向は輸出で探れるので注視しているが、相変わらず、韓国への輸出は急減していた。

昨日、3月20日間まで輸出を見ていたときに、対中輸出は前年同期比36.2%減少した。対中輸出の減少傾向は先月まで9カ月続いているとあった。これが改善されていけば、中国経済のリオープニングというのが数値から出てくるわけだが、どう見てもその兆しは見られない。

4は天安門事件が起きた経済的な背景である。外貨の裏付けのない量的緩和は通貨の乱発となって、高インフレを引き起こす恐れがつきまとう。中国が最も警戒しなければいけないのはこれなんだよな。人民元の取引規模は増えているが、それでも世界がドル絶対優勢であることにかわりない。そして、中国から外資はどんどん撤退していく。例え、台湾侵攻が成功したとしても、それによって外資は一斉に引きあげるので、最後は量的緩和で高インフレで全滅コースが待ってると。

5についてもそんな感じのことが書いてある。主要な流入源である外国からの対中証券投資は昨年のウクライナ戦争後急減している。しかも、金融の量的拡大ができないと、人民銀行は国債買い上げが困難になり、財政支出拡大ができなくなる。この時点で詰んでいるよな。

それでも、中国の皇帝となった習近平国家主席は台湾侵攻の野望を捨てない。尖閣諸島もそうだ。南沙諸島もそう。海上権益拡大に動く。だが、外資がいなくなればアフリカのジンバブエのような未来しかない。つまり、ハイパーインフレに見舞われて廃都と化す。既に済んでないゴーストマンション群が山のようにある時点でその未来はそう遠くないかも知れない。

次に6からはFOMC後に書かれた記事だ。年内に利下げするだろうという投資家が多いなか、パウエル議長がそれを否定した。つまり、投資家が思ってる以上、インフレを重く見ているてことだ。そもそも、そんなすぐに利下げができるわけないんだよな。

それで金融不安については不確実性。インフレが強いままなら、まだ利上げするという。といっても、後、0.25%程度のように思えるな。その一方で、銀行融資の後退が個人消費や需要の減退につながる可能性もあり、「そうしたケースとなれば、金融政策面でやるべきことは少なくなるのではないか」と説明した。これはどう捉えたらいいんだろうな。凍結の可能性を示唆したのか。

最後は8だ。触れられなかった3つめのシナリオ。脆弱な金融システムの下で失業率が悪化し始め、所得の減った家計のローン返済が滞り、銀行のストレスが増幅される。ないとは言い切れないが、今のところ、アメリカの失業率は低いままだしな。そもそも銀行を無限に救うようなことはできないだろう。潰れない程度の支援はしているようだが、それで立て直せるのかといった問題がある。

何故、預金が引き出されているかの根本の原因はその銀行が信用できないからだろう。だから、いくらFRBが金融システムは堅調だと述べようが、体力のない銀行だとわかれば預金は引き出されるだろう。こちらは米国経済には疎いので最後は専門家の意見を見ておこうか。

INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「これは40年間で最も積極的な金融引き締めサイクルだ。景気抑制的な領域により強く早急に踏み込んだことで、結果を制御しにくくなるのは当然だ。経済および金融のストレスを高める恐れがある」と解説した。

また、ネーションワイド・ライフ・インシュアランスのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシク氏は「銀行の融資基準厳格化の程度や期間、影響についてパウエル議長率いるFOMCがいかに確信がない様子であるかが重要なポイントだ」と述べるとともに、22日の利上げ決定には市場がそれをおおむね織り込み済みだった点が影響した可能性があるとの見方も示した。

なるほどな。早急に手を打ったことで、逆に結果を制御しにくくなった。世界最高の頭脳集団が揃っていても、米経済を思うように動かすのは困難だと。しかも、結局、利下げしないと宣言したことで円も131円に戻ってきた。ウォンは30ウォンほど上がる謎ムーブだが、そういう動きが続く可能性は低い。少なくとも米韓金利差が開いたのは事実だ。

こちらは韓国経済の専門家であるが、今の韓国経済はあまりにも米中動向に左右されすぎている。だからこそ、今回のような記事が重要となる。

共産党が指揮する中国版国会、全国人民代表大会(全人代)が閉幕し、習近平政権3期目の陣容が固まった。経済政策は党直轄だ。 習氏は全人代で「経済力、科学技術力、総合国力を絶えず強大化する」と強調したが、肝心の習氏側近ナンバーワンの李強首相はことしの実質経済成長率目標5%前後の達成は「容易ではない」と逃げ腰だ。

過去10年の習政権下の経済成長はまさに党指令による固定資本投資の産物だった。中国の国内総生産(GDP)に占める総固定資本形成(土地の上に立つ構造物投資のこと)の比率は5割近い。固定資本の主柱が住宅に代表される不動産投資で、関連需要を含めるとGDPの約3割を占める。昨年の不動産投資は前年比10%減、それだけでGDPは3%の下落圧力になる。 家計消費はゼロコロナ政策で低迷を続けた。輸出が好調だったとはいえ、GDPを押し上げる割合は1%に満たない。それでも実質3%の成長をとげたとは信じがたい。

不動産投資減を勘案するとマイナス成長になっておかしくはなかった。不動産市況低迷が続く限り、中国経済成長は5%なんて絵空事もよいところで、ゼロ%前後の成長に落ち込みかねない。

不動産相場を押し上げるためには、中国人民銀行が巨額の資金発行、つまり量的緩和を行い、その資金供給を受けた商業銀行が不動産関連融資を拡大するしかない。だが、外貨の裏付けのない量的緩和は通貨の乱発となって、高インフレを引き起こす恐れがつきまとう。 1989年は高インフレを背景に天安門事件が起きた。

人民銀行は当時、外貨資産10倍以上の元資金を発行していた。その教訓から、人民銀行は元資金発行に対する外貨資産比率を高めることに腐心し、リーマン・ショック前後では100%を超えた。しかし、同比率は徐々に下がり、昨年末には6割を切った。ゼロコロナ政策に伴う景気の落ち込みや不動産市況対策のために金融の量的拡大を迫られたためだ。

(グラフ参照) 人民銀行が人民元の信用を損なうことなく資金を増発させるためには、どうしても外貨の流入を促すしかないが、主要な流入源である外国からの対中証券投資は昨年のウクライナ戦争後急減している。米バイデン政権は中国の対ロシア支援が明白になれば、対中制裁に踏み切るので、日米欧の産業界もハイテクなどの対中投資リスクを重視せざるを得ない。金融の量的拡大ができないと、人民銀行は国債買い上げが困難になり、財政支出拡大ができなくなる。

以上の背景からすれば、習総書記が党による人民銀行を中心とする金融部門直接支配を命令する理由がわかるだろう。 習氏が強引に人民銀行に外貨資産とは無関係に資金を増発させ、不動産関連融資を無理やり拡大させたとしても、不動産市場はそもそも供給過剰という構造問題を抱え、デベロッパーは債務返済難だ。融資拡大は銀行の不良債権を膨らませる。(産経新聞特別記者・田村秀男)

米国史上2番目の規模の銀行経営破綻から2週間足らずの22日、高止まりするインフレが金融当局にとって引き続き最大の懸念事項であることをパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は記者会見で明確にした。

  パウエル議長は連邦公開市場委員会(FOMC)による0.25ポイント利上げ決定後、追加利上げの可能性を指摘するとともに、必要と判断すれば従来予測よりも高い水準に金利を引き上げる用意があると表明。債券トレーダーの間で年内利下げの観測が高まる状況にあって、当局は利下げを想定していないとも議長は語った。

米金融当局としては、シリコンバレー銀行(SVB)破綻など銀行業界における最近の混乱が景気鈍化につながる公算が大きい一方で、広範な金融メルトダウンに拡大することはないと計算した上でリスクを取っている形だ。

  金融危機が本格化する前の2007年当時にも、当局は同様のリスク評価をして失敗したわけだが、銀行の自己資本や流動性の要件がそれ以降強化され、今回の場合、問題を隔離するための一段と強力な対策を講じたとみている。  

ウェルズ・ファーゴのチーフエコノミスト、ジェイ・ブライソン氏は金融当局について、「銀行システムの混乱を封じ込めるための手段があると彼らは考えている」とした上で、「それが誤った判断であるリスクがあるのは確かだ」とコメントした。

銀行セクターの問題が貸し出しに波及する影響について、パウエル議長は会見で何度も不確実性に言及した。具体的には、「経済への影響は非常に軽微なものにとどまり、インフレの勢いが強いままである可能性ある」とし、その場合、当局が現時点でピークと推計している5-5.25%のレンジよりも高い水準に利上げする可能性があると話した。その一方で、銀行融資の後退が個人消費や需要の減退につながる可能性もあり、「そうしたケースとなれば、金融政策面でやるべきことは少なくなるのではないか」と説明した。

  ただ、触れられることのなかった3つめのシナリオがある。それは既に脆弱(ぜいじゃく)となっている金融システムの下で失業率が悪化し始め、所得の減った家計のローン返済が滞り、銀行のストレスが増幅されるというものだ。

  INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「これは40年間で最も積極的な金融引き締めサイクルだ。景気抑制的な領域により強く早急に踏み込んだことで、結果を制御しにくくなるのは当然だ。経済および金融のストレスを高める恐れがある」と解説した。

また、ネーションワイド・ライフ・インシュアランスのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシク氏は「銀行の融資基準厳格化の程度や期間、影響についてパウエル議長率いるFOMCがいかに確信がない様子であるかが重要なポイントだ」と述べるとともに、22日の利上げ決定には市場がそれをおおむね織り込み済みだった点が影響した可能性があるとの見方も示した。