韓国 10月に入って民間、企業、政府債務などを見てきたが、今回の話題は自営業債務である。自営業と言えば視聴者さんもコメントで突っ込んでいたが、9月末に元本と利息の凍結解除となっているはず。つまり、これから利息を支払う必要がある。もっとも、自営業者の置かれている環境はコロナ禍より酷い。なぜなら、米金利の6.25%まで引上げで、韓国の政策金利も米韓金利差や、インフレ抑制に対応するために3.5%まで上げている。
韓国も物価高騰で企業は値上げラッシュをしているわけだが、未だに飲食店は値上げが続いてることを、昨日のウォンニャス速報で取り上げた。今回は物価については直接は出てこないのだが、人件費、光熱費、賃貸料などあがれば自営業が苦しくなるのはいうまでもない。
後、9月のCPIが3.7%と再び上昇に転じたことで、韓国銀行が「利上げ」する可能性が出てきた。飲食店なんて物価上昇に関係なく毎月値上げしているようだ。そのため外食物価は高騰している。今年8月の外食の消費者物価は前年同月比5.3%上昇しており、明らかに消費者物価より、上昇率が高い。
このように再び急上昇したCPIが韓国経済に悪材料として影響するし、自営業も大きく関わる。では、記事の冒頭を見ていこう。
5年前からソウルで居酒屋を運営していた30代のキムさんは、先月店を閉め中小企業に就職した。コロナ禍に見舞われ数千万ウォンの借金でどうにか持ちこたえたが、その後も売り上げが回復せず、これ以上営業するのは難しかった。キムさんは「遅くまで酒を飲む習慣がなくなってしまい商売にならないのに材料代に貸出金利まで上がり耐えられなくなった。周りでは賃貸料と未収金が貯まり廃業もできず泣く泣く赤字でも営業を継続するケースも多い」と話した。
https://japanese.joins.com/JArticle/309804?servcode=300§code=340
キムさんはましなほうだが、そのまわりは賃貸料と未収金が貯まり廃業もできない。泣く泣く赤字でも営業を継続する。これってどういうことなんだ。金払わないと廃業もさせてもらえないのか。まあ、韓国の自営業は廃業するにも金がいるなら罠だよな。儲かってなければ店すら畳めないとか。
その辺の事情はよくわからないが、赤字経営を抜けだすことができなければ借金は膨れ上がるだけだろう。つまり、またどこからか金を借りてくる自転車操業しかならない。多重債務者になればほぼ人生を詰んでしまうとおもうが。
では、記事の要点を整理していこう。
■記事の要点
1.高金利基調が長期化するとコロナ禍期間に借入を増やして資金難を乗り越えてきた自営業者の償還能力が悪化し、貸付不良の懸念が大きくなっている。韓国銀行が4日にヤン・ギョンスク議員(共に民主党)に提出した資料によると、4-6月期の自営業者貸付残高は1043兆2000億ウォン(約114兆円)で前四半期より9兆ウォン増え過去最大を記録した。韓国銀行が独自の家計負債データベースを活用して個人事業者向け貸付を受けた人を自営業者とみて彼らの家計貸付と個人事業者貸付を合算した結果だ。
2.延滞額と延滞率も上がっている。4-6月期の延滞額は7兆3000億ウォンで前四半期より1兆ウォン増え過去最大規模となった。昨年7-9月期の3兆3000億ウォン、10-12月期の4兆1000億ウォンと比較すれば今年に入ってからの上昇が急だ。延滞率は1.15%で2014年7-9月期の1.31%から8年9カ月ぶりの高水準となった。所得別に見ると、下位30%の低所得層自営業者の延滞率は1.8%で2014年1-3月期の1.9%から9年3カ月来の高水準となり、所得30~70%の中所得自営業者の延滞率も2.2%を記録し、2019年10-12月期の2.4%以降で最も高かった。
3.非銀行圏の貸付の割合が大きくなるなど、貸付の質も全般的に悪化する状況だ。4-6月期の銀行の自営業者延滞率は0.41%だが非銀行圏では2.91%と集計された。前四半期との上昇幅を見ても銀行の0.04ポイントと比較すると非銀行圏の0.37ポイントが目立った。特に貯蓄銀行の延滞率は6.42%で2016年7-9月期の6.91%から6年9カ月ぶりの高水準となった。
3カ所以上から貸付を受けた多重債務者の割合が大きくなった点も負担だ。4-6月期現在の自営業多重債務者の貸付残高は743兆9000億ウォンで、1-3月期より6兆4000億ウォン増えた。全自営業貸付の71.3%に相当する規模で過去最大の割合だ。自営業多重債務者1人当たりの平均貸付額は4億2000万ウォンと集計された。貸出金利が0.25%上がれば自営業多重債務者の利子総額は1兆3000億ウォン、1人当たり平均年利息は73万ウォン増えるとみられる。
4.韓国銀行は最近の金融安定報告書で「自営業者向け貸付は多重債務者の割合が高く特定の貸付が不健全化する場合、業界間の不良伝染も早く増える恐れがある」と警告した。韓国銀行は「脆弱借主と非銀行圏などの貸付の割合が大きくなるなど自営業者向け貸付の全般的な質が低下しているだけに、短期的に脆弱借主に対し新出発基金などを通じた債務再調整を促進しなければならない」と助言した。
景気回復が鈍化しており今後の見通しも暗い。7月に韓国経済人協会が飲食・宿泊業など自営業者500人を対象にアンケート調査した結果、回答者の40%が「3年以内の廃業を考慮している」と答えた。理由としては、業績悪化の持続が29.4%、資金事情悪化と貸付償還負担が16.7%、景気回復見通しの不透明さが14.2%などだった。
以上の4つだ。順番に見ていく。
しかし、ざっと斜め読みしただけで悲惨すぎてなんで、こんな状況でも自営業しているのか。因みに韓国の就業者の4分の1は自営業だ。底辺の事業者よりも、アルバイトしたほうが儲かるとほど自営業の実態は酷い有様である。それでも自営業にしがみつくしかないのは韓国は40代でリストラに遭うためで、そこから第二の人生が自営業ということだ。チキン屋、コンビニ、コーヒー喫茶などが人気職種だ。
では1だが、4-6月期の自営業者貸付残高は1043兆2000億ウォン(約114兆円)と。これ家計債務の2371兆ウォンに自営業負債も含まれているとはおもうのだが、これだと計算が合わないんだよな。家計と自営業の経営が同一の場合もあるようなので、なかなか、正確な数値は把握できてないようだ。とにかく自営業貸付は114兆円あると。前四半期より9兆ウォン増え過去最大を記録した。9兆ウォンは約9923億円である。えらい速度で増えてるな。
次に2は延滞額も延滞率も増えてると。まあ、これが重要になるのは元本と利息凍結解除された10月以降だからな。どこまで延滞額や延滞率が増えるのか。
そして3は延滞率が増えてるのは非銀行圏だと。これは銀行が信用スコアが比較的にましな相手にしか貸してないのだろう。しかし、貯蓄銀行の延滞率が6.42%か。あがってきているな。
4-6月期現在の自営業多重債務者の貸付残高は743兆9000億ウォン。全自営業貸付の71.3%に相当する規模で過去最大の割合。何と71.3%が多重債務者らしい。そして、次が酷い。
自営業多重債務者1人当たりの平均貸付額は4億2000万ウォン。貸出金利が0.25%上がれば自営業多重債務者の利子総額は1兆3000億ウォン、1人当たり平均年利息は73万ウォン増えるとみられる。
全体の7割の多重債務者は平均で4億2000万。日本円で約4633万円も借りているそうだ。しかも、貸出金利があがれば利息も増えていく。4日に貸出金利が凄い勢いで上がってたな。これはヤバいな。自営業7割はそのうち破産するコース一直線だぞ。でも、金がないから廃業もできないか。7割がゾンビ自営業と。韓国はゾンビだらけじゃないか。リアル、バイオハザードを楽しんでるんですか。
次に4は自営業の多重債務者が7割で連鎖倒産しそうだから、徳政令を出してやれと。でも、平均債務は4633万だろう。そんな借りてるのにチャラなんかにするからモラルハザードを引き起こすんじゃないか。だから、何度も述べているが自営業の数が多すぎるんだよ。まず、韓国のやることは自営業の数を制限することだ。少ないパイの奪い合いばかりしているから、利益がほとんど出せないのだ。そもそも7割が借金漬けでゾンビ状態な時点で詰んでるだろう。
それで自営業者も苦しいので廃業を検討していると。でも、金がないから廃業もできません。つまり、韓国政府が出すのは「廃業代」だな!
さて、最後はいつもの中国の話題。今回は米中対立の深刻化というものだ。引用しよう。
米財務省は9月22日、「中国との間で経済・金融分野の作業部会を設ける」と発表した。次官級メンバーで構成される作業部会の目的は、「定例会合を通じて対話の機会を増やし、偶発的な衝突を回避する」ことだ。 米連邦議会などで中国への強硬論が根強いことを憂慮するバイデン政権は、経済分野を足ががりに関係悪化に歯止めをかけようとしているが、はたしてうまくいくのだろうか。
筆者は、「バイデン政権の試みは『笛吹けども踊らず』になってしまうのではないか」と危惧している。
主体的な役割を果たすことが期待される、米国企業の中国経済に対するセンチメントが急速に冷え込んでいるからだ。
マネーが中国から次々に出て行く…
在上海米国商工会議所が9月19日に公表した調査結果によれば、「今後5年間の中国のビジネスの見通しは楽観的だ」との回答が前年比2ポイント減の52%となり、同調査が開始された1999年以降で最も低い水準となった。
中国ビジネスに悲観的な考えが広がっている理由について、同会議所は「米中対立という地政学的な情勢や中国経済の不振などが見通しの悪化をもたらしている」と説明している。
米コンサルティング企業「ロジウム・グループ」が9月13日に発表した報告書の内容も同様だ。欧米企業による中国へのグリーンフィールド投資(現地法人を新規設立して工場や販路を整備すること)は、昨年200億ドル弱に落ち込んだ。2018年(約1200億ドル)の6分の1にも満たない規模だ。 中国の株式市場からも海外マネーが逃げ出している。
国際金融協会(国際金融システムの安定を維持するために設立された国際的組織)によれば、8月の中国株は149億ドル売り越され、2015年の統計開始以降で最大の資金流出となった。
すでに深刻な状態の「米中分断」
中国ではこのところ、政府高官の更迭が相次いでおり、中国政治の不透明性に対する疑念は高まるばかりだ。中国政府は「同国への投資は安全だ」と説明しているが、海外マネーの中国逃避の動きがさらに強まることが確実な情勢だ。
中国でもネガティブの動きが生じている。
前述のロジウムは、「中国の対米直接投資取引額(完了分)は昨年24億9000万ドルにとどまり、2021年の半分にも届かず、2009年以降で最も少なくなった」と指摘する(9月7日付ブルームバーグ)。
バイデン政権は中国とのデカップリング(切り離し)政策を改めたが、米中の「カネの流れ」はすでにデカップリング状態にあると言っても過言ではないのだ。
しかし、このままで中国は本当に大丈夫なのだろうか。すでに中国を「悪の帝国」と名指しする米政治家や「ソ連化」を懸念するエコノミストの声が上がっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5121f24f4b389e481e3fd4919e1c1cbf0a990211
中国へのグリーンフィールド投資は、昨年200億ドル弱に落ち込んだ。2018年(約1200億ドル)の6分の1にも満たない規模だ。 これはなかなか酷いな。もう、中国からどんどん外資が逃げている証拠じゃないか。これに加えてアメリカは中国から輸出を大幅に減らしている。これは数年後には決定的になるんじゃないか。
どちらにせよ。中国の習近平が遅れてきた帝国主義を振りかざすなら、日米の敵にしかならない。
5年前からソウルで居酒屋を運営していた30代のキムさんは、先月店を閉め中小企業に就職した。コロナ禍に見舞われ数千万ウォンの借金でどうにか持ちこたえたが、その後も売り上げが回復せず、これ以上営業するのは難しかった。キムさんは「遅くまで酒を飲む習慣がなくなってしまい商売にならないのに材料代に貸出金利まで上がり耐えられなくなった。周りでは賃貸料と未収金が貯まり廃業もできず泣く泣く赤字でも営業を継続するケースも多い」と話した。
高金利基調が長期化するとコロナ禍期間に借入を増やして資金難を乗り越えてきた自営業者の償還能力が悪化し、貸付不良の懸念が大きくなっている。韓国銀行が4日にヤン・ギョンスク議員(共に民主党)に提出した資料によると、4-6月期の自営業者貸付残高は1043兆2000億ウォン(約114兆円)で前四半期より9兆ウォン増え過去最大を記録した。韓国銀行が独自の家計負債データベースを活用して個人事業者向け貸付を受けた人を自営業者とみて彼らの家計貸付と個人事業者貸付を合算した結果だ。
延滞額と延滞率も上がっている。4-6月期の延滞額は7兆3000億ウォンで前四半期より1兆ウォン増え過去最大規模となった。昨年7-9月期の3兆3000億ウォン、10-12月期の4兆1000億ウォンと比較すれば今年に入ってからの上昇が急だ。延滞率は1.15%で2014年7-9月期の1.31%から8年9カ月ぶりの高水準となった。所得別に見ると、下位30%の低所得層自営業者の延滞率は1.8%で2014年1-3月期の1.9%から9年3カ月来の高水準となり、所得30~70%の中所得自営業者の延滞率も2.2%を記録し、2019年10-12月期の2.4%以降で最も高かった。
非銀行圏の貸付の割合が大きくなるなど、貸付の質も全般的に悪化する状況だ。4-6月期の銀行の自営業者延滞率は0.41%だが非銀行圏では2.91%と集計された。前四半期との上昇幅を見ても銀行の0.04ポイントと比較すると非銀行圏の0.37ポイントが目立った。特に貯蓄銀行の延滞率は6.42%で2016年7-9月期の6.91%から6年9カ月ぶりの高水準となった。
3カ所以上から貸付を受けた多重債務者の割合が大きくなった点も負担だ。4-6月期現在の自営業多重債務者の貸付残高は743兆9000億ウォンで、1-3月期より6兆4000億ウォン増えた。全自営業貸付の71.3%に相当する規模で過去最大の割合だ。自営業多重債務者1人当たりの平均貸付額は4億2000万ウォンと集計された。貸出金利が0.25%上がれば自営業多重債務者の利子総額は1兆3000億ウォン、1人当たり平均年利息は73万ウォン増えるとみられる。
韓国銀行は最近の金融安定報告書で「自営業者向け貸付は多重債務者の割合が高く特定の貸付が不健全化する場合、業界間の不良伝染も早く増える恐れがある」と警告した。韓国銀行は「脆弱借主と非銀行圏などの貸付の割合が大きくなるなど自営業者向け貸付の全般的な質が低下しているだけに、短期的に脆弱借主に対し新出発基金などを通じた債務再調整を促進しなければならない」と助言した。
景気回復が鈍化しており今後の見通しも暗い。7月に韓国経済人協会が飲食・宿泊業など自営業者500人を対象にアンケート調査した結果、回答者の40%が「3年以内の廃業を考慮している」と答えた。理由としては、業績悪化の持続が29.4%、資金事情悪化と貸付償還負担が16.7%、景気回復見通しの不透明さが14.2%などだった。
負債負担に苦しむのは自営業者だけではない。国際通貨基金(IMF)が3日に明らかにしたところによると、昨年のGDP比非金融企業負債比率は173.6%で2017年の147%に比べ26.6ポイント上昇した。