中国恒大 命運左右する本土の裁判所 香港で清算命令

中国恒大 昨日の動画で中国恒大の香港での清算命令が決定したわけだが、どうやら、それによって債権者が中国にある恒大の資産の差し押さえができるわけではないようだ。ええ?どういうことだって?

確かに香港で清算命令は決まったが、最終的には恒大の清算は中国当局が香港高等法院の決定を受け入れるかどうかにかかっているそうだ。まじかよ。しかも、債権者が恒大の中国にある資産を手に入れるのはここからが長いようだ。ええ?清算したら山分けではないの?中国と香港では事情が異なるらしい。本当、ややこしいな。

今回の記事は非常に長いのだが、記事自体は3つに分かれているので1つの項目毎に突っ込んで行くことにする。全部、読んでからだと非常にわかりにくいからな。

記事の要点1

[シドニー/香港 30日 ロイター] – 香港の高等法院(高裁)は29日、3000億ドル近い負債を抱えて経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団に清算命令を出し、実質的に法的整理の手続きに入ることを決めた。しかし専門家の見立てでは、恒大の清算は中国当局が香港高等法院の決定を受け入れるかどうかにかかっており、当局の判断は世界的金融ハブとしての香港の地位にも影響しかねない。

恒大は香港高等法院の今回の決定まで約1年半にわたり海外の債権者と交渉したが、不調に終わっていた。

関係者2人がロイターに語ったところによると、海外の債権者は恒大の清算人に選任されたアルバレス・アンド・マーサル(A&M)の今後の動きについて、まず新たな債務再編計画を提示し、それが合意を得られなかった場合にのみ清算手続きに動くと予想している。

国際会計事務所デロイトで企業の破綻処理業務を手掛けるデレク・ライ氏は「清算人は通常、清算よりも債務再編を好む。一般的に債権回収率は再編の方が高い」と話す。

恒大は2021年に債務不履行に陥った。債務再編案を多数練ったが、同社の経営の柱である国内部門とトップがいずれも捜査の対象となり、中国政府が新たな社債の発行は不可能との判断を示したため、破綻に追い込まれた。

清算命令を出した香港高等法院の陳静芬(リンダ・チャン)裁判官は、清算人が恒大の経営を引き継ぐことが規制上のハードルを乗り越える上で役立ち、新たな再編計画に道が開かれると述べた。

清算人に任命されたアルバレス・アンド・マーサル(A&M)。でも、まずは債務再編計画を掲示するそうだ。

どうやら清算人は通常よりも債務再編を好むとある。債権回収率が再編の方が高いという理由で。それで、清算人が恒大の経営を引き継ぐ?そんなことできるのか。そもそも経営引き継いだところで事業は頓挫しているんじゃないのか。

それで債務再編というのはなんだということで調べておいた。日経新聞からだ。

借り手が借金の返済や発行した債券の元利払いが困難になった時、債権者と交渉し返済条件を緩和してもらうこと。支払期限の延長や元本金額の削減、利率の引き下げなどがある。債権者にとっては実質的に債務不履行といえる。さらにそれが、格付け機関やCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場から「クレジットイベント(信用事由)」と認定されると、CDSのリスクの引き受け手などの損失が増え一段の金融システムリスクにつながる。

債権者と交渉して返済条件を緩和してもらうと。緩和してくれるのか。しかも、格付け機関やCDS市場からクレジットイベントを認定される恐れがあると。そういえばCDSも色々ありそうだな。そもそも債務再編って1年半ぐらい交渉しててダメだったんだろう。今、清算するからと債務再編が受け入れられるのか。

では、次にいこうか。

記事の要点その2

<社会の安定重視>

恒大は経営規模が非常に大きい。さらに、未完成だったり引渡しが済んでいない住宅の代金を既に払った購入者の怒りが高まって社会の安定を揺るがす恐れがあることから、債務再編協議では恒大が本拠を置く北京と広州の当局のほか、中国証券監督管理委員会、国家発展改革委員会などの規制当局とも緊密なコミュニケーションが図られる見通しだ。

債権者との債務再編協議が不調に終わった場合、清算手続きの進展やペースは中国本土の裁判所が香港高等法院の判断を認めるかどうかに左右される。法律専門家の話では、本土の裁判所が香港高等法院の決定を承認すれば、債権者は担保の設定されていない中国本土の資産を差し押さえることができる。ただ、こうした手続きには数年単位の時間を要する可能性があるという。

こうした本土にある資産の大部分は土地や不動産物件であり、銀行やビジネスパートナーなど国内債権者に担保として差し入れられており、中国本土の資産を巡り海外債権者との間で対立が生じそうだ。

香港のホーガン・ロヴェルズのパートナー、ジョナサン・ライチ氏は「本土の裁判所は香港の境界に関する取り決めに基づき、さまざまな方法で香港の清算人の承認や支持を拒否することができる。例えば本土の債権者が不当に扱われる可能性がある、承認が中国法の基本原則に反する、公序良俗に反するといったケースなどだ」と話した。

中国は21年に、上海、アモイ、深センの裁判所が香港の破産手続きを認める試験的な制度を創設した。

しかし恒大は本社が広州にあり、2400億ドルに上る保有資産の多くが中国全土に分散しているため、清算人は恒大の子会社が置かれている全ての都市の裁判所に赴き、主導権の確保を図る必要がある。

香港の裁判所は過去にも中国企業に清算命令を多数出しており、本土との境界をまたぐ清算手続きは多くの企業にとって頭の痛い問題となっている。

これまで多くの清算案件に関与してきたデロイトのライ氏に聞くと、地方政府が海外債権者を不公平に扱った例もあるが、省当局が支援に乗り出すと手続きはより円滑になるという。

法律事務所アシャーストのパートナー、ランス・ジャン氏は「海外の債権者にとって本土の裁判所から迅速な承認が得られれば非常に心強い。香港が地域の金融センター、対中国投資の拠点としての信認を取り戻す上で追い風になるだろう」と期待を示す。

以上だ。非常に長いんだがどれも重要だ。

まず債務再編が不調に終わり清算段階になった場合、規制当局の協力が不可欠と。でも、数年も時間がかかると。そして、資産の大部分は土地や不動産らしい。でも、銀行やビジネスパートナーなどの国内債権者の担保として差し入られていると。おいおい、海外債権者はすでに資産の差し押さえができないじゃないか。優先順位はやはり、国際債権者が先なんだろうか。しかも、本土の裁判所では色々できると。

しかし恒大は本社が広州にあり、2400億ドルに上る保有資産の多くが中国全土に分散している。恒大の資産は土地や不動産だろう?不動産価格が暴落中の中国で2400億ドルの資産価値なんてあるわけないだろうに。それで省当局が支援に乗り出せば円滑になるそうだ。むしろ、省当局が清算人の味方になるのか。本土の裁判所は中国恒大を潰すことに許可するのか。うーん。これは先が長そうだな。

■記事の要点その3

<清算人の対応>

29日に清算人に任命されたA&Mは直ちに恒大の本社に向かうと発表。広報担当者はロイターに「われわれは役員に会い、恒大の状況を把握し、債権者やその他の利害関係者にとって最善の利益となる次のステップを決める」と述べた。

A&Mは財務コンサルティングと再編を専門とするグローバル企業。昨年4月にはクレディ・スイスの救済合併に絡んでスイス政府からアドバイザリー業務を請け負ったほか、20年に発覚した瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)の会計スキャンダルでも再編に関与した。

こちらも企業が倒産したり、清算した後のことについてはほとんど知らないので、これは恒大の清算を追うことで色々な知識が身につきそうだな。どこで必要になるかは知らないが、韓国経済で大手企業が倒産したときに役立つかもしれない。

恒大の状況を把握して、今まで知らなかった負債がどばっと出てくるんですよね。一体何がでてくるのか。債務再編されるのか。清算ルートも面白いが、中国当局が協力するとは思えないな。

では、最後は中国経済の動向についてだ。もう、恒大の清算がトドメを刺したかもしれない。

瀕死の中国経済

中国株の下落が止まらない。

昨年、3000ポイント半ばで推移していた上海総合指数は、1月22日についに2700ポイント台まで下落した。株売りが悲観的なセンチメントを助長し、経済成長のさらなる重しになるとの懸念から、中国当局は機関投資家に株を売らないよう要請するなど株価の下支えに必死だ。

 この効果が出たのか、1月26日には2900ポイントを回復したが、先行きに光明などどこにも見当たらない。

 株価のメルトダウンのせいで中国株全体の時価総額も米国に大きく水をあけられている。ブルームバーグによれば、その差は38兆ドルに達しており、世界第2位の経済大国のメンツは丸つぶれだ。

 この事態を重く見た李強首相は1月22日、国務院に対策強化を要請した。これを受けて市場では「株式市場の下支えのために約2780億ドル(約41兆円)の資金が投入される」との観測が出ている(1月23日付ブルームバーグ)が、投資家の反応は冷ややかだ。

中国の「PKO(株価下支え)」は効果なし


2015年の下落時にも市場に2400億ドル相当の資金が投じられたことがあった。ところが、買いが一巡すると株価が再び「下げ」に転じた。こうした経緯を知っている投資家は、もはや中国株に投資する意欲など沸くはずはない。

 同じ轍を踏む中国政府の対応を見るにつけ、1990年代の日本政府が大量の資金を投入して株価を下支えようと躍起になっていたことを思い出す。この動きを市場関係者は国連の平和維持活動の略語であるPKOになぞらえて、「プライス(P)・キーピング(K)・オペレーション(O)」と呼んだ。

 株価の大本の原因は当時の日本と同様、バブル崩壊後の中国経済に対する不透明感が高まっていることにある。小手先の方策を講じても徒労に終わることは目に見えている。

 中国政府は今年も大型景気刺激策を講ずる可能性は低く、習近平国家主席も「質の高い発展を目指せ」と曖昧なスローガンを繰り返すばかりだ。

 こうしたスローガンがまったく意味をなさない背景には、中国経済の「潜在成長率」が低下しているという致命的な欠陥がある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e403e9d0eedcf26aed77c439e2d213e07969275c

2024年1月31日の上海総合指数は酷い有様だった。

中国恒大の清算が中国株にどれだけ大きな影響を与えたがわかるだろう。2900まで回復した上海は再び288割れである。そして、香港ELS爆弾で韓国人が死亡している香港H指数も5181と再び大きく下落中だ。もはや、一体どこまで下がるのか。わからないという。

[シドニー/香港 30日 ロイター] – 香港の高等法院(高裁)は29日、3000億ドル近い負債を抱えて経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団に清算命令を出し、実質的に法的整理の手続きに入ることを決めた。しかし専門家の見立てでは、恒大の清算は中国当局が香港高等法院の決定を受け入れるかどうかにかかっており、当局の判断は世界的金融ハブとしての香港の地位にも影響しかねない。

恒大は香港高等法院の今回の決定まで約1年半にわたり海外の債権者と交渉したが、不調に終わっていた。

関係者2人がロイターに語ったところによると、海外の債権者は恒大の清算人に選任されたアルバレス・アンド・マーサル(A&M)の今後の動きについて、まず新たな債務再編計画を提示し、それが合意を得られなかった場合にのみ清算手続きに動くと予想している。

国際会計事務所デロイトで企業の破綻処理業務を手掛けるデレク・ライ氏は「清算人は通常、清算よりも債務再編を好む。一般的に債権回収率は再編の方が高い」と話す。

恒大は2021年に債務不履行に陥った。債務再編案を多数練ったが、同社の経営の柱である国内部門とトップがいずれも捜査の対象となり、中国政府が新たな社債の発行は不可能との判断を示したため、破綻に追い込まれた。

清算命令を出した香港高等法院の陳静芬(リンダ・チャン)裁判官は、清算人が恒大の経営を引き継ぐことが規制上のハードルを乗り越える上で役立ち、新たな再編計画に道が開かれると述べた。

<社会の安定重視>

恒大は経営規模が非常に大きい。さらに、未完成だったり引渡しが済んでいない住宅の代金を既に払った購入者の怒りが高まって社会の安定を揺るがす恐れがあることから、債務再編協議では恒大が本拠を置く北京と広州の当局のほか、中国証券監督管理委員会、国家発展改革委員会などの規制当局とも緊密なコミュニケーションが図られる見通しだ。

債権者との債務再編協議が不調に終わった場合、清算手続きの進展やペースは中国本土の裁判所が香港高等法院の判断を認めるかどうかに左右される。法律専門家の話では、本土の裁判所が香港高等法院の決定を承認すれば、債権者は担保の設定されていない中国本土の資産を差し押さえることができる。ただ、こうした手続きには数年単位の時間を要する可能性があるという。

こうした本土にある資産の大部分は土地や不動産物件であり、銀行やビジネスパートナーなど国内債権者に担保として差し入れられており、中国本土の資産を巡り海外債権者との間で対立が生じそうだ。

香港のホーガン・ロヴェルズのパートナー、ジョナサン・ライチ氏は「本土の裁判所は香港の境界に関する取り決めに基づき、さまざまな方法で香港の清算人の承認や支持を拒否することができる。例えば本土の債権者が不当に扱われる可能性がある、承認が中国法の基本原則に反する、公序良俗に反するといったケースなどだ」と話した。

中国は21年に、上海、アモイ、深センの裁判所が香港の破産手続きを認める試験的な制度を創設した。

しかし恒大は本社が広州にあり、2400億ドルに上る保有資産の多くが中国全土に分散しているため、清算人は恒大の子会社が置かれている全ての都市の裁判所に赴き、主導権の確保を図る必要がある。

香港の裁判所は過去にも中国企業に清算命令を多数出しており、本土との境界をまたぐ清算手続きは多くの企業にとって頭の痛い問題となっている。

これまで多くの清算案件に関与してきたデロイトのライ氏に聞くと、地方政府が海外債権者を不公平に扱った例もあるが、省当局が支援に乗り出すと手続きはより円滑になるという。

法律事務所アシャーストのパートナー、ランス・ジャン氏は「海外の債権者にとって本土の裁判所から迅速な承認が得られれば非常に心強い。香港が地域の金融センター、対中国投資の拠点としての信認を取り戻す上で追い風になるだろう」と期待を示す。

<清算人の対応>

29日に清算人に任命されたA&Mは直ちに恒大の本社に向かうと発表。広報担当者はロイターに「われわれは役員に会い、恒大の状況を把握し、債権者やその他の利害関係者にとって最善の利益となる次のステップを決める」と述べた。

A&Mは財務コンサルティングと再編を専門とするグローバル企業。昨年4月にはクレディ・スイスの救済合併に絡んでスイス政府からアドバイザリー業務を請け負ったほか、20年に発覚した瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)の会計スキャンダルでも再編に関与した。

中国恒大 命運左右する本土の裁判所 香港で清算命令」への1件のフィードバック

  1. 本当に日経買いが凄いよね、
    俺は様子見、まだなのかなーと、円、

    さて、今日は家族でスシロー、俺は大吟醸酒とカニ味噌で一杯、
    家に帰りウガイ用のウイスキーでまた一杯、
    そしたら今かあちゃん寝たんでもう一杯、
    いや〜…酒が無くなる⤵︎、料理用のワインは?、
    怒られる⤵︎。。。

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