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韓国 「中国企業、米電気自動車規制を避けるため韓国に投資」-7月の輸出16.5%減 貿易収支は2カ月連続黒字

韓国 8月に入ったのでかんこくの7月の貿易状況を見ていこうとおもったら、先に気になる記事を見つけたので紹介しる。どうやら中国が、米国の電気自動車規制を避けるために韓国に投資しているとブルームバーグが伝えている。つまり、迂回輸出で韓国を経由すれば補助金が適用される可能性があるてことだ。こういう抜け穴の存在があることは最初から指摘されていたが、問題はアメリカがどこまで認めるかになる。

では、記事の冒頭を読んでいこう。

中国企業が米国のインフレ抑制法(IRA)など電気自動車規制を避けるために韓国バッテリー産業に投資していると、米ブルームバーグ通信が30日(現地時間)報じた。

ブルームバーグ通信は「過去4カ月間に中国企業は韓国のパートナーと提携し、韓国の新規バッテリー工場5カ所に計5兆1000億ウォン(約5680億円)を投資すると発表した」とし「中国企業は米国市場に接近する関門として韓国の産業を利用しようとしている」と分析した。こうした動きは、電気自動車など先端産業サプライチェーンから中国を排除しようとするバイデン政権の努力を弱化させる可能性があるとも伝えた。

https://japanese.joins.com/JArticle/307252?servcode=300&sectcode=300

なるほど。確かにこの方法なら米国のインフレ抑制法にある主要な同盟国という条件に韓国が含まれているので、中国企業は韓国を経由して米国に二次電池を売ることができる。そして、先端技術である電気自動車のサプライチェーンから中国を排除することができなくなる。このように中国企業が韓国企業を利用していると。

まあ、この手の迂回輸出をどうするかは良くあることだが、これは韓国企業ごと補助金対象から外せばいいんじゃないか。では、記事の要点を整理していく。

前半は韓国 「中国企業、米電気自動車規制を避けるため韓国に投資」。後半は7月の輸出16.5%減 貿易収支は2カ月連続黒字

■記事の要点

1.実際、中国エネルギー企業の容百科技は23日、「電気自動車のバッテリーの陰極材の素材となる三元前駆体を年間8万トン生産できる工場を韓国に建設することについて韓国政府から承認を受けた」と発表した。続いて「韓国で生産した製品は米IRAの関連要件を満たすことができ、欧州と米国市場に輸出する場合は関税の優遇を受けることができる」と説明した。中国メディアによると、容百科技は2022年度の年次報告書で「韓国で生産する素材は欧州・米国への輸出で無関税となるが、中国工場で生産された素材は米国に輸出する場合25%、欧州には6%の関税が適用される」と指摘した。

2.これに先立ちSKオンは今年3月、中国の格林美(GEM)とバッテリー素材生産のための投資を発表し、中国華友コバルトもLG化学、ポスコフューチャーエムとセマングム国家産業団地、浦項(ポハン)などにニッケル・前駆体生産ラインを建設することにした。ポスコホールディングスは中国CNGRと1兆5000億ウォン規模のニッケル生産工場ラインを新設する投資契約を発表した。これに関連しSKオンとLG側はブルームバーグに「中国企業と署名した合意は初期段階」とし「米国のIRA細部事項が確定するまで契約条件は確定しない」と説明した。

3.現在、米政府はこうした迂回戦略をどこまで認めるかを検討している。中国・ロシアなど「懸念される外国の事業体(foreign entity of concern)」に関連して生産された外国産製品を規制するかどうかだ。米財務省の報道官はブルームバーグに「国内外のサプライチェーンに関する国家安全保障問題を引き続き評価して対応する予定」と明らかにした。

以上の3つだ。順番に見ていこう。

まず1だが、中国エネルギー企業の容百科技は「電気自動車のバッテリーの陰極材の素材となる三元前駆体を年間8万トン生産できる工場を韓国に建設することについて韓国政府から承認を受けた」と。韓国に工場を建設して製造した製品を中国や欧州に輸出する。

この場合、確かに韓国内で生産されるので表向きには韓国製だ。しかし、中国の企業だから、実際は中国製ということになる。しかも、韓国で生産する素材は欧州・米国への輸出で無関税となるので、中国企業は中国工場で生産された素材は米国に輸出する場合25%、欧州には6%の関税が適用されるの範囲に入らない。なんというか。あれだよな。こんなことされたら中国製が米市場に入ってくるじゃないか。さすがにこんな抜け穴は認めないんじゃないか。これなら中国企業は韓国内に工場を造って生産すれば今まで通りでいいことになる。だいたい、韓国政府はなんで工場を承認しているんだよ。

次の2も同じような事例だが、韓国企業と手を組んで工場建設の話だ。これに関連しSKオンとLG側はブルームバーグに「中国企業と署名した合意は初期段階」とし「米国のIRA細部事項が確定するまで契約条件は確定しない」と説明した。つまり、米国のIRA細部事項が確定するまでは契約はなしと。上手い抜け道ではあるな。アメリカがどうするかわからないが、こういう法律というのは決まってしまえば、抜け穴が探しが容易になる。

それで3では、現在、米政府はこうした迂回戦略をどこまで認めるかを検討している。中国・ロシアなど「懸念される外国の事業体(foreign entity of concern)」に関連して生産された外国産製品を規制するかどうかだ。しかし、これを規制しなければインフレ抑制法なんてほぼ絵に描いた餅だからな。韓国通して補助金適用できるなら、何の効果もない。だから、米国は韓国企業は例外とかにしようぜ。

実際、これは日本に工場を造ってというパターンも十分、考えられる。他の同盟国だってそうだ。今は韓国の話だが、さすがにそんな抜け穴はよしとしないだろうな。

それでは記事の後篇を見ていこうか。

■記事の後篇

4.7月の貿易収支が16億3000万ドルの黒字を記録した。2カ月連続の黒字だ。韓国産業通商資源部と関税庁は1日、こうした内容の7月輸出入統計を発表した。輸出額は503億3000万ドルで前年同期比16.5%減少した。半導体業況不振持続、国際原油価格下落にともなう石油製品・石油化学単価下落、昨年7月の輸出が過去最高の602億ドルを記録したのに伴うベース効果などが作用したと分析される。

5.主力輸出品である半導体の輸出は前年同月より34%減り増加率は12カ月連続マイナスだった。また、自動車が15%、一般機械が3%、家電が3%と3品目の輸出が増加したが石油製品が42%、石油化学が25%、鉄鋼が10%減少した。

6.輸入も487億1000万ドルで25.4%減った。国際エネルギー価格下落の影響で原油が46%、ガスが51%、石炭が46%減少したことが輸入全体が減少する主要因として作用した。輸出より輸入がさらに減って7月一月間貿易収支は16億3000万ドル黒字と集計された。今年1月以降月刊貿易収支が着実に改善されて6月11億3000万ドルで16カ月ぶりに黒字転換したのに続き二カ月連続黒字だ。

以上の3つだ。韓国さん、7月も貿易黒字ですか!めっちゃ順調じゃないですか。なんと今回は16億ドルの黒字ですよ。2ヶ月連続!これなら韓国経済の輸出は回復ですね!なあに心配することは何もなかった。ええ?輸出は16.5%減少?しかも、輸入は25.4%減少?またまた、それって輸入が大幅減ったことで貿易黒字になっただけじゃないですか。つまり、典型的な不況型黒字!全く状況が改善されてない以前に経済規模がどんどん縮小していく。でも、貿易黒字だからいいよなあ。

これ面白いのは、昨年7月の輸出が過去最高の602億ドルを記録した。でも、今年は503億3000万ドルだ。つまり、100億ドル近くも減ってるのだ。半導体特需で貿易額は昨年、過去最高となったが、それが終われば韓国はわずか数十億ドル程度の貿易黒字しかだせない。しかも、輸入が大幅に減った状態での黒字だ。ここには対中輸出がどれだけ減ったか書いてないが、これが2割減とかになっている予想はできている。

しかも、輸入だって国際エネルギー価格下落の影響で原油が46%、ガスが51%、石炭が46%減少したことが輸入全体が減少したと。エネルギー価格が安くなる=世界の景気が低迷だ。そもそも世界は中国経済のリオープニングに期待していたが、それが残念な結果になっているからな。

それを確認しておくか。

中国の経済活動が7月も勢いを失った。製造業の購買担当者指数(PMI)が引き続き縮小を示す一方、非製造業活動の拡大ペースは予想を下回った。中国政府は消費の押し上げに向けた小幅な支援策を講じる方針だ。

国家統計局が31日発表した7月の製造業PMIは49.3。6月の49からやや改善し、ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値(48.9)を上回ったが、活動拡大・縮小の境目である50を4カ月連続で割り込んだ。

建設業とサービス業を対象とする非製造業PMIは51.5。6月は53.2、エコノミスト予想は53だった。サービス業の指数は51.5と、前月の52.8から低下した。

中国物流購買連合会の張立群アナリストは発表文で、「需要不足の問題がなお顕著だ」と指摘。「このため、企業は生産に関して二の足を踏む状態が続いている」と分析した上で、政府投資の加速など景気対策の強化を提案した。

投資家は中国政府による景気支援策の可能性に目を向けている。当局は消費喚起策を講じる方針を示しており、28日には家庭用品や食品、プラスチック製品、皮革などセクターを含む業種を支援する措置を発表した。

中国の景気回復を巡る懸念は広がっており、ブルームバーグ調査のエコノミスト予想では、2023年の国内総生産(GDP)成長率見通しが5.2%へと下方修正され、政府が設定した成長率目標の5%前後に近づいている。

7月の製造業PMIでは、新規輸出受注指数が46.3と、前月の46.4からやや低下。雇用指数は48.1と、5カ月連続で節目の50を下回った。一方、非製造業PMIの雇用指数も6月の46.8から46.6に小幅低下した。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の大中華圏担当チーフエコノミスト、楊宇霆氏は「雇用指数がなお50を割り込み、持ち直しの兆しが見られないことが懸念材料だ」と指摘。労働市場に数百万人の新卒者が流入する中、短期的には雇用は圧迫されると見込んでいると述べた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-31/RYN0H9T0AFB401

このように経済指標を見るだけで中国経済は鈍化している。市場予想にすら届かない。製造業PMIや非製造業PMIも50を超えない。しかも、雇用は最悪。ここに数百万人に新卒者も流入!このように頼みの綱の中国経済が復活する兆しは見られない。

では、ネットの意見を見ていこうか。

1.よし、黒字なら全く問題ない。

2.好転の兆しが全く見えないな。

3.貿易で稼いでいくしかない国なのに、すごい勢いで輸出が減り続けているなぁ。

4.輸入した資材や燃料を元に加工して輸出するんだから、こりゃ来月もまた輸出減ですね。

5.そうそう、その調子で輸入を減らせば黒字維持できるから突き進んでいいぞ。

以上の5つだ。みなさんも不況型黒字というものは実は「貿易赤字」より、厄介だってことに気づいてるんだろうな。貿易黒字するなんて簡単なんだ。普通に輸入しなければいいだけだからな!そして、輸入が減っているてことはまだまだ在庫処分が終わってないてことだ。で、中央日報さん。こんな7月の状況が出てきた半導体に明るい兆しってなんですか?いい加減,株価対策で読者を騙すをやめたほうがいいんじゃないか。まだまだ在庫処分が済んでないから輸入が増えないんだよ。簡単なことだろうに。

中国企業が米国のインフレ抑制法(IRA)など電気自動車規制を避けるために韓国バッテリー産業に投資していると、米ブルームバーグ通信が30日(現地時間)報じた。

ブルームバーグによると、中国企業は韓国で電気自動車バッテリー素材を納品した後、これを米国の自動車企業に輸出すれば、IRAに基づく税制優遇を受ける可能性が高いという点を狙っている。この過程で韓米自由貿易協定(FTA)も活用できる。中国企業は全世界の電気自動車バッテリー素材サプライチェーンを掌握していて、韓国の主要二次電池企業にもバッテリー製造に必須の陰極材と陽極材、これを作るための前駆体を大量供給している。

実際、中国エネルギー企業の容百科技は23日、「電気自動車のバッテリーの陰極材の素材となる三元前駆体を年間8万トン生産できる工場を韓国に建設することについて韓国政府から承認を受けた」と発表した。続いて「韓国で生産した製品は米IRAの関連要件を満たすことができ、欧州と米国市場に輸出する場合は関税の優遇を受けることができる」と説明した。中国メディアによると、容百科技は2022年度の年次報告書で「韓国で生産する素材は欧州・米国への輸出で無関税となるが、中国工場で生産された素材は米国に輸出する場合25%、欧州には6%の関税が適用される」と指摘した。

これに先立ちSKオンは今年3月、中国の格林美(GEM)とバッテリー素材生産のための投資を発表し、中国華友コバルトもLG化学、ポスコフューチャーエムとセマングム国家産業団地、浦項(ポハン)などにニッケル・前駆体生産ラインを建設することにした。ポスコホールディングスは中国CNGRと1兆5000億ウォン規模のニッケル生産工場ラインを新設する投資契約を発表した。これに関連しSKオンとLG側はブルームバーグに「中国企業と署名した合意は初期段階」とし「米国のIRA細部事項が確定するまで契約条件は確定しない」と説明した。

現在、米政府はこうした迂回戦略をどこまで認めるかを検討している。中国・ロシアなど「懸念される外国の事業体(foreign entity of concern)」に関連して生産された外国産製品を規制するかどうかだ。米財務省の報道官はブルームバーグに「国内外のサプライチェーンに関する国家安全保障問題を引き続き評価して対応する予定」と明らかにした。

7月の貿易収支が16億3000万ドルの黒字を記録した。2カ月連続の黒字だ。韓国産業通商資源部と関税庁は1日、こうした内容の7月輸出入統計を発表した。輸出額は503億3000万ドルで前年同期比16.5%減少した。半導体業況不振持続、国際原油価格下落にともなう石油製品・石油化学単価下落、昨年7月の輸出が過去最高の602億ドルを記録したのに伴うベース効果などが作用したと分析される。

主力輸出品である半導体の輸出は前年同月より34%減り増加率は12カ月連続マイナスだった。また、自動車が15%、一般機械が3%、家電が3%と3品目の輸出が増加したが石油製品が42%、石油化学が25%、鉄鋼が10%減少した。

輸入も487億1000万ドルで25.4%減った。国際エネルギー価格下落の影響で原油が46%、ガスが51%、石炭が46%減少したことが輸入全体が減少する主要因として作用した。

輸出より輸入がさらに減って7月一月間貿易収支は16億3000万ドル黒字と集計された。今年1月以降月刊貿易収支が着実に改善されて6月11億3000万ドルで16カ月ぶりに黒字転換したのに続き二カ月連続黒字だ。