韓国 今、韓国建築業界が韓国政府によるLHが施工したマンション全数検査の方針で危機に瀕している。韓国に建設業界では昔から手抜き工事、ポッケナイナイ、必要材料を減らして利益を稼ぐといった詐欺まがいな手法が乱立している。そのため、何か事故や災害が起きて建物に被害がでれば、すぐに手抜き工事だったことが露見される。これで一体何度目だよ。こちらがまず最初に突っ込んだのはそこだ。
でも、実際、危険なマンションに住んでいる住民からすればたまらない。しかも、全数検査したところで、そのマンションが新しく修復工事をやる義務もない。誰かがやったことに対して、住民は集団訴訟を起こすだろうが、そもそも危ないからと退去されられたら、住む場所がなくなるという。
しかも、当然、問題になれば与党、野党も両批判合戦。責任のなすりつけあい。文在寅政権が悪いとか。結局、そういう話にしからならない。それを国民はうんざりしているわけだが、問題はそれだけにとどまらない。韓国のマンションによる手抜き工事は韓国社会に潜む闇の部分である。
もちろん、建築業界だけではないだろう。韓国という国の公共の組織はLHから腐りきってるので、実は全数検査が終わってからが面白くなる。まあ、今回のマンション手抜き工事からみえてくる韓国社会に深い闇を追っていこう。残念ながらこういうのはすでに手遅れなんだよな。それについては後で見解を出そう。
では、記事の冒頭から見ていく。
韓国与野党は最近、民間建設会社と韓国土地住宅公社(LH)が施工したマンションで鉄筋が欠落したまま手抜き工事が行われたことについて、互いに前政権、現政権のせいだと攻撃を始めた。手抜き工事は民間の問題であり、政権のせいにすべきことではない。手抜き工事の根本原因と不正の構造を明らかにし、対策を立てるべき状況で与野党のおかしな政争が起きているのだ。
マンションの手抜き工事まで前・現政権が責任のなすり合い、全てを政争化する韓国社会の慢性病【8月3日付社説】-Chosun online 朝鮮日報
まあ、これはいつものことだ。問題が起きれば他人のせいにして、それを材料に攻撃するのが韓国の政治だ。それで、互いに前政権、現政権のせいだと攻撃を始めたと。でも、手抜き工事は民間の問題であり、政権のせいにすべきことではない。これについては少々おかしいだろう。
そもそも、何で韓国の建築業界で手抜き工事が横行しているのか。それは国がまともに監視していないからだ。何か問題が出てきて調べてたら、あちこちで手抜き工事が見つかりました。そんなことが日常茶飯事。逆に言えば、調べたらわかることを放置されている時点で国の管轄ミスといっていい。これが何なのか。おそらく賄賂なんだろうな。大手の建設業界は仕事を受注して、それを中小に回すわけだが、その中で色々な秘密裏な取り決めがかわされている。
だから、手抜き工事は民間の問題ではないという主張はおかしい。そもそもLHが施行しているマンションでの鉄筋が欠落した状態での手抜き工事じゃないか。それで国に責任がなければ公企業というのは何なのか。まあ、このように突っ込みどころが満載だが、まずは記事の要点を整理していく。
記事の前半はマンションの手抜き工事まで前・現政権が責任のなすり合い。後半は米国はなぜ格下げされたのかだ。
■記事の要点(前半)
1.尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は閣議で「(手抜き工事があった)マンションの無梁版工法による地下駐車場は全て現政権発足前に設計ミス、手抜き工事、ずさんな監理があった」と述べた。国民の力の尹在玉(ユン・ジェオク)院内代表は「文在寅(ムン・ジェイン)政権の国土交通部と大統領室の政策決定者に対しても調査が行われるべきだ」と発言した。金起ヒョン(キム・ギヒョン)代表は「文政権当時の金賢美(キム・ヒョンミ)、卞彰欽(ピョン・チャンフム)国土交通部長官はなぜこんなことが横行したのか国民の前で明らかにすべきだ」と述べた。
2.これに対し、民主党は「手抜き工事があったLHのマンション15カ所のうち13カ所は尹錫悦政権発足後に工事が行われたか竣工したもので、文在寅政権下で竣工したのは2カ所だけだ」とし、尹錫悦政権と元喜竜(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官が責任を負うべきだと主張した。さらに、「問題があるにもかかわらず竣工検査を承認した尹錫悦政権の責任の方が大きい」と指摘した。現政権下での監理業者選定の経緯も調査すべきとの立場だ。
3.手抜き工事は施工業者、下請け業者、監理業者による癒着・不正構造、建設現場での長年の悪習、因習が重なった結果だろう。どの政権もそんな問題までは関与しない。ところが国民的関心が高まると、相手陣営を政治的に攻撃するための手段として利用する。政界が膝を突き合わせて対策を議論することは期待できないが、この問題まで政争化しているのを見ると舌打ちしたくなる。
4.今韓国社会ではほとんど全ての社会・経済問題が政争化している。誰も予想できなかったハロウィン惨事(梨泰院雑踏事故)が起きても政権のせいであり、高速道路を1本建設するにも政権による不正攻防に発展する。大法院、憲法裁判所、監査院など最も独立的、中立的でなければならない憲法機関も任命権者が誰かによって、判決や監査結果が完全に変わる。国家人権委が脱北漁民強制送還事件の調査を却下した過程でも与野党の任命委員の意見は6対4で完全に割れた。全てを政争化するため、どんな問題もまともに解決することは難しい。深刻な慢性病だ。
以上の4つだ。順番にみていこう。
まず1についてだが、マンションの手抜き工事は現政権発足前だから、文在寅政権が悪い。だから、文在寅(ムン・ジェイン)政権の国土交通部と大統領室の政策決定者に対しても調査が行われるべきだと。まあ、調査するのは自由だが、彼らが関与しているわけではないんじゃないか。
それで2はその反論だ。民主党は「手抜き工事があったLHのマンション15カ所のうち13カ所は尹錫悦政権発足後に工事が行われたか竣工したもので、文在寅政権下で竣工したのは2カ所だけだ」と、つまり、ユン政権の間に13カ所、文政権では2カ所だから、工事を承認した責任をユン政権の国土交通部長官が責任を負うべきだと主張した。まあ、何で2カ所なら許されるのかは謎だが。2カ所でも手抜き工事が見つかっている時点で、まだまだ調べたらゴロゴロあるだろう。
現政権に承認した責任は当然あるが、そもそも調べたらわかるんだから、完成したときにチェックするのを義務づけにでもしておけばいいんじゃないのか?それなら業者は手抜き工事なんてしないだろうに。容認して放置して手抜き工事でしたではさすがに承認に責任がないなどにはならない。
次に3だが、手抜き工事は施工業者、下請け業者、監理業者による癒着・不正構造、建設現場での長年の悪習、因習が重なった結果だろう。どの政権もそんな問題までは関与しない。これがおかしい。その長年の悪習、因習がなんでそのまま是正されずに残っているんだよ。なあ、韓国人っておかしいだろう。わかってるのに放置しているんだぜ。普通ならそういうのは是正するのが国の役目だよな?承認だけしておいて、それ以上は知らないは通らないだろうに。
どの政権もそんな問題までは関与しない。関与しないからなくならないのだ。こういう手抜き工事を防ぐにはしっかり監視することが絶対の条件だ。この先、集中豪雨が降って犠牲者を出したいなら別だがな。もっとその管理業者による癒着もあるんだろうな。本当、とことん腐りきっている業界だからな。監視システムを構築しても、それが韓国人ってだけで最後は腐敗するんだろうけどな。
次に4だ。今韓国社会ではほとんど全ての社会・経済問題が政争化している。誰も予想できなかったハロウィン惨事(梨泰院雑踏事故)が起きても政権のせいであり、高速道路を1本建設するにも政権による不正攻防に発展する。
ハロウィン事故は予想できない?民衆を一度に何十万集めたら事故が予想できないだと?もう、駄目なんじゃ無いか。この朝鮮日報の社説。誰が書いているか知らないが、さきほどから意味不明な主張が散見されるぞ。それとも無駄に政権擁護が出ているので、論調がおかしくなっているのか。どちらにせよ。そもそも、手抜き工事は民間の問題であり、政権のせいにすべきことではないとか。意味不明だからな。その民間の工事を承認しているのは国の機関なのにな。
じゃあ、政権擁護も飽きたのでユン氏の最新支持率でもみておこうか。
【ソウル聯合ニュース】世論調査会社の韓国ギャラップが4日に発表した調査結果によると、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の支持率は前週より2ポイント下落した33%となった。不支持率は1ポイント上昇の56%だった。
尹大統領の支持率は7月第3週(33%)から2週連続で上がっていたが、再び下落に転じた。
支持する理由は「外交」(22%)、「全般的によくやっている」「決断力・推進力・粘り強さ」(いずれも7%)、「公正・正義・原則」(5%)、「国防・安全保障」「一生懸命やっている・最善を尽くしている」(いずれも4%)などが挙げられた。
支持しない理由は「外交」(12%)、「経済・国民生活・物価」(10%)、「独断的・一方的」「全般的によくやっていない」「コミュニケーション不足」(いずれも7%)、「経験・資質の不足、無能」「福島汚染水放出問題」(いずれも5%)、「人事」「災害対応」(いずれも4%)などと続いた。
政党支持率は保守系与党「国民の力」が前週より3ポイント下がった33%、革新系最大野党「共に民主党」は2ポイント上がった31%だった。革新系野党「正義党」は4%、支持政党がない無党派は32%だった。
一方、来年4月の総選挙については、「現政権を支援するために与党候補が多く当選すべきだ」との回答が36%、「現政権をけん制するために野党候補が多く当選すべきだ」との回答は48%だった。
調査は1~3日に全国の18歳以上の1003人を対象に実施された。
尹大統領の支持率33% 2ポイント下落-Chosun online 朝鮮日報
このように現政権の支持率も3割手前。このLHの手抜き工事でわりと下がる可能性もあるな。どちらにせよ。国民が望むことは簡単だ。安全な家に住みたいのだ。そして、安全だと思っていたマンションが手抜き工事だった。当然、この先、もめるだろうな。
では、記事の後編を見ていく。
5.米国人というものは一般的に何でもナンバーワンになって当然と思っている。だからこそ過去に1度しか前例のなかった米国の格下げは、国の威信と世界の金融システムを揺るがした。格付け会社フィッチ・レーティングスは1日、米国の長期外貨建て発行体デフォルト格付け (IDR)を最上級の「AAA」から「AA+」に1段階引き下げ。記憶から呼び起こされるのは、10数年前のS&Pグローバル・レーティングによる米格下げだ。いずれも拍車をかけたのは国の借り入れを巡る激しい対立だった。過去の例からは金融市場への打撃は短期で終わる可能性が高いが、格下げはさらなる政治的争いの種をまくことになりかねない。
6.フィッチは格下げの発表文で「度重なる債務上限を巡る対立と瀬戸際での解決の繰り返しに体現されてきた、ガバナンスの劣化」を反映させたと説明した。背景には、米国が自ら策定した政策によって、数年おきにデフォルト(債務不履行)の危機に追い込まれていることがある。債務上限を法律で定めたのは1917年のことだ。これを引き上げるには、議会が法案を可決し大統領が署名する以外にない。デフォルトの危機は今年前半、借入総額が約31兆4000億ドル(約4500兆円)の上限に近づく中で、常に米国に影を落とし、政界は秒読みに入っていた。対立は5月下旬に決着したが、政治家らがリスクをあおる表現を控え、山積する債務を返済する責務を果たすのか、不透明感は再び高まった。
7.S&Pが米国の信用格付けを引き下げた2011年当時は、欧州が債務危機の最中にあり、不安の火の手が米経済に広がった格好となった。それでも長期的には打撃はほとんどなかった。投資資金は米資産に流れ込み、米国債利回りは年末までには低下。米経済に力強さがみられたことも一因だが、欧州連合(EU)が通貨同盟の維持に苦戦していたことも背景にあった。今回、金融市場の懸念は米経済にも向かっているが、焦点はインフレ沈静化を目指す連邦準備制度理事会(FRB)の積極利上げ政策に絞られる。そういう意味で米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定が米金利に及ぼす影響は、フィッチの格下げよりはるかに大きくなる可能性が高い。ムーディーズは今も米国に最上級格付けを付与しており、フィッチの格下げ後、その重要性が増している。
以上の3つだ。
長くなったのでサクッと終わらせるが、そういえば、債務不履行問題を忘れていたよな。デフォルトは回避したが、実際は何も解決していない。そこをフィッチが重く見ていたと。確かにわからない理由ではない。それで、S&Pやムーディーズはどうするのか。フィッチ一つでこの影響だ。しかも、なぜか日経平均のほうがダメージがあって、もう、31000円台となってしまった。ウォンも1300に戻ってきているが、ダウがあまり下がってないのが逆に怖いよな。
韓国与野党は最近、民間建設会社と韓国土地住宅公社(LH)が施工したマンションで鉄筋が欠落したまま手抜き工事が行われたことについて、互いに前政権、現政権のせいだと攻撃を始めた。手抜き工事は民間の問題であり、政権のせいにすべきことではない。手抜き工事の根本原因と不正の構造を明らかにし、対策を立てるべき状況で与野党のおかしな政争が起きているのだ。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は閣議で「(手抜き工事があった)マンションの無梁版工法による地下駐車場は全て現政権発足前に設計ミス、手抜き工事、ずさんな監理があった」と述べた。国民の力の尹在玉(ユン・ジェオク)院内代表は「文在寅(ムン・ジェイン)政権の国土交通部と大統領室の政策決定者に対しても調査が行われるべきだ」と発言した。金起ヒョン(キム・ギヒョン)代表は「文政権当時の金賢美(キム・ヒョンミ)、卞彰欽(ピョン・チャンフム)国土交通部長官はなぜこんなことが横行したのか国民の前で明らかにすべきだ」と述べた。
これに対し、民主党は「手抜き工事があったLHのマンション15カ所のうち13カ所は尹錫悦政権発足後に工事が行われたか竣工したもので、文在寅政権下で竣工したのは2カ所だけだ」とし、尹錫悦政権と元喜竜(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官が責任を負うべきだと主張した。さらに、「問題があるにもかかわらず竣工検査を承認した尹錫悦政権の責任の方が大きい」と指摘した。現政権下での監理業者選定の経緯も調査すべきとの立場だ。
手抜き工事は施工業者、下請け業者、監理業者による癒着・不正構造、建設現場での長年の悪習、因習が重なった結果だろう。どの政権もそんな問題までは関与しない。ところが国民的関心が高まると、相手陣営を政治的に攻撃するための手段として利用する。政界が膝を突き合わせて対策を議論することは期待できないが、この問題まで政争化しているのを見ると舌打ちしたくなる。
今韓国社会ではほとんど全ての社会・経済問題が政争化している。誰も予想できなかったハロウィン惨事(梨泰院雑踏事故)が起きても政権のせいであり、高速道路を1本建設するにも政権による不正攻防に発展する。大法院、憲法裁判所、監査院など最も独立的、中立的でなければならない憲法機関も任命権者が誰かによって、判決や監査結果が完全に変わる。国家人権委が脱北漁民強制送還事件の調査を却下した過程でも与野党の任命委員の意見は6対4で完全に割れた。全てを政争化するため、どんな問題もまともに解決することは難しい。深刻な慢性病だ。
米国人というものは一般的に何でもナンバーワンになって当然と思っている。だからこそ過去に1度しか前例のなかった米国の格下げは、国の威信と世界の金融システムを揺るがした。格付け会社フィッチ・レーティングスは1日、米国の長期外貨建て発行体デフォルト格付け (IDR)を最上級の「AAA」から「AA+」に1段階引き下げ。記憶から呼び起こされるのは、10数年前のS&Pグローバル・レーティングによる米格下げだ。いずれも拍車をかけたのは国の借り入れを巡る激しい対立だった。過去の例からは金融市場への打撃は短期で終わる可能性が高いが、格下げはさらなる政治的争いの種をまくことになりかねない。
フィッチは格下げの発表文で「度重なる債務上限を巡る対立と瀬戸際での解決の繰り返しに体現されてきた、ガバナンスの劣化」を反映させたと説明した。背景には、米国が自ら策定した政策によって、数年おきにデフォルト(債務不履行)の危機に追い込まれていることがある。債務上限を法律で定めたのは1917年のことだ。これを引き上げるには、議会が法案を可決し大統領が署名する以外にない。デフォルトの危機は今年前半、借入総額が約31兆4000億ドル(約4500兆円)の上限に近づく中で、常に米国に影を落とし、政界は秒読みに入っていた。対立は5月下旬に決着したが、政治家らがリスクをあおる表現を控え、山積する債務を返済する責務を果たすのか、不透明感は再び高まった。
「AA+」の格付けは、フィッチが「最上級の質」と定義する「AAA」の一段階下に位置する。AA格付けは「デフォルトリスクが非常に低いと予想している」一方、AAA格付けについては「デフォルトリスクが最も低いと予想している」。金銭債務の履行能力においても、AAAは「極めて高い」場合にのみ付与される一方、AAは「非常に高い」ことを示すというのがフィッチの定義だ。ムーディーズ・インベスターズ・サービスとS&Pを含む世界の格付け会社「ビッグスリー」の中で、フィッチは最小プレーヤーとみなされている。
格付け会社は政府などの発行主体が持つ財務力を評価し、債務を履行する能力に応じて信用格付けを付与する。投資家は債券を購入する際にこうした格付けに依存することが多く、投資家の評価は借り手が支払う資金調達金利の水準を左右する。とはいえ、米国の金利はなおもドルと米国債の需要によって抑えられている。ドルは世界の基軸通貨であり、米国債は世界で最も安全な資産と見なされている。イエレン米財務長官は格下げが「恣意的」であり「古いデータに基づく」として、「フィッチの決定に強く異議を唱える」と声明で反論。「フィッチの決定は投資家の認識を変えるものではない」と主張した。30年債利回りは格下げ前の時点ですでに、財政悪化を受けた国債の大量発行を控え、ほぼ9カ月ぶり高水準に急伸していた。米財務省は2日、四半期定例入札に関して、中長期債の発行規模を引き上げた。
S&Pが米国の信用格付けを引き下げた2011年当時は、欧州が債務危機の最中にあり、不安の火の手が米経済に広がった格好となった。それでも長期的には打撃はほとんどなかった。投資資金は米資産に流れ込み、米国債利回りは年末までには低下。米経済に力強さがみられたことも一因だが、欧州連合(EU)が通貨同盟の維持に苦戦していたことも背景にあった。今回、金融市場の懸念は米経済にも向かっているが、焦点はインフレ沈静化を目指す連邦準備制度理事会(FRB)の積極利上げ政策に絞られる。そういう意味で米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定が米金利に及ぼす影響は、フィッチの格下げよりはるかに大きくなる可能性が高い。ムーディーズは今も米国に最上級格付けを付与しており、フィッチの格下げ後、その重要性が増している。
最上級格付けの国は減少傾向にある。ブルームバーグがまとめたデータによれば、今も格付け3社から最上級格付けを付与されているのは、オーストラリアとドイツ、シンガポール、スイス。フィッチはカナダにも「AA+」を付与している。世界2位の経済国、中国のフィッチ格付けは1位米国から3段階下の「A+」だ。ソブリン債格付けは、その国の企業格付けの上限とみなされ得るが、必ずしもそうとは限らない。格付け3社のいずれからAAA格付けを付与された企業は減りつつあるが、マイクロソフトやジョンソン・エンド・ジョンソンといった消費者になじみの深い企業が含まれる。