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韓国 文政府脱原発政策に…送電線なし東海発電所4ヶ所オールストップ

韓国 経済の大天才である文在寅大統領の代表的な政策といえば、最低賃金1万ウォンなど出てくるが、その中でもう一つが韓国のエネルギー政策を変えて世界に称賛を浴びた「脱原発」はかかせない。ムン君の脱原発政策で韓国は将来的に「電力危機」に陥ることになったのだ。

一体、脱原発とは何だったのか。まずは振り返ってみよう。

文在寅前大統領は就任直後の2017年6月に行われた古里原発1号機の廃炉宣言式で「脱核」を宣言し、脱原発政策にかじを切った。当初稼働期間が延長される見込みだった月城原発1号機は3年前の2019年12月に稼働を停止した。月城原発1号機はその直前、7000億ウォンをかけて設備を交換し、再稼働したばかりだった。

工事進捗(しんちょく)率が28%を超えた新古里原発5・6号機(セウル原発3・4号機)も脱原発議論で工期が延び、1000億ウォンに達する損失を出した。建設用地の造成が進んでいた新ハンウル原発3・4号機は建設が中止された。慶尚北道盈徳郡の天地原発1・2号機と江原道三陟市の大津原発1・2号機の建設計画は白紙化された。2023年で稼働認可が満了する古里原発2号機をはじめ、原発10基は稼働を継続できるにもかかわらず、稼働延長を禁止した。

チョン・ボムジン慶煕大教授は「ハンビッ原発4号機の格納容器にコンクリートのすき間が見つかった問題の場合、米国など諸外国では原発を稼働しながら補修すべきケースだが、5年間稼働を中断し、新ハンウル1・2号機の稼働認可も通常1-2回の本会議を13回も開き、1年以上遅れた」と指摘した。新規原発の建設中止、既存原発の稼働延長不認可、商業運転許可遅延など脱原発政策は随所で巨額な被害を出した。

脱原発政策は昨年5月、尹錫悦政権の発足と同時に撤回されたが、脱原発の弊害は前政権の5年間にとどまるものではなかった。文政権は原発の危険性を誇張する一方、脱原発をすれば高価な液化天然ガス(LNG)による発電が増え、経済性が劣る太陽光と風力による発電割合が高まり、コスト負担が増大するという事実は隠した。

ソウル大原子力政策センターによると、脱原発政策で今年韓電が追加負担しなければならない費用は2兆5000億ウォンに達する。16日に電気料金が1キロワット時(kWh)当たり8ウォン引き上げられることで減少する韓電の赤字は約2兆6000億ウォンだ。家庭や企業が負担する電気料金引き上げ分は脱原発被害額とほぼ等しい計算だ(後省略)

https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/06/02/2023060280156.html

このように脱原発によって韓国はとんでもない負債を抱え込むことになった。韓電の大規模な赤字もそうだが、脱原発というのを推進してきた団体がどこの国の出身かでわかるだろう。そして、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーが素晴らしいように吹聴する。だが、何故か日本の太陽光発電事業は中国に独占されてしまい、あろうことか政府内の資料で中国企業のロゴが見つかるまで酷い有様だ。

その辺りを追っているとかなり脱線してしまうので脱原発に話を戻すが、ムン君の脱原発は韓国事情を無視した独断専行だったといえよう。志は立派で世界に称賛を浴びても、それを実現するのはムン君ではないという。日本も脱原発だと騒いでいる連中がたくさんいたが、エネルギー価格が高騰してきたらなにも言わなくなったという。

そりゃそうだよな。欧州の惨状を見てみろよ。電気代やガス代が数倍値上げされて、インフレが凄まじいものとなっているだろう。日本はGDPでドイツに負けたとか。日本は危ないとか言いだすメディアもたくさんいるが、ドイツ人からすればインフレが日本以上に深刻であることを報道しない。彼等の頭の中では客観的に情報を伝えるという意思が欠けているのだ。数値だけ見て日本がヤバいとか言いだす連中である。

確かに円安で日本だってインフレしているわ毛で、実質賃金もさがってるので、手放しで喜べる状態ではないが、そこまで大きく悲観するような状況でもない。少なくとも韓国や中国の現状を見ていれば日本はダイブましだと理解できよう。

しかも、韓国はハイパーインフレが加速化しているのに、ユン氏がまた電気代の値上げを先送りした。これは少し触れたが、当然、悪手だ。何故かというのが今日の記事でよくわかるようになる。電気料金やガス料金を大幅に引き上げない限り、韓電や韓国ガス公社は永遠に天文学的な赤字から抜け出せない。問題は韓国電力は現状維持で電力を供給しているだけではダメってこと。施設は老朽化が進み、新しい工場を造るにもどこからか大量の電力網を引いてこないといけない。

この辺は街作りゲーム、シムシティなどをやっていればわかるんだが、発電所を建てただけではダメ。電気を送るために送電線がいる。しかし、それらを用意するのはもちろん、ただではない。送電線を配備するにはインフラ代金がかかる。だが、韓電は赤字だ。そんな送電線を引けるような予算はない。ならどうなるか。当然、計画が遅れるわけだ。

今回は送電線がないので東海発電所4ヶ所オールストップしているそうだ。つまり、これはブラックアウトもあり得る事態。

では、記事を引用しよう。

「発電量0」。

去る8日午後訪問した江原東海市GS東海電力の石炭火力発電所制御室電光板にこう書かれていた。 595MW級発電機2基を運営するこちらは先月16日から稼働を全面中断した後、電力を生産していない。発電所に入ってみると、最小限の照明だけ点灯したまま積膜が流れ、寒気が冷えた。正常稼働時は汗が出るほど暑く、騒音が激しく耳栓を必ず挟まなければならないところだ。東海港に入ってきた運搬船から発電所まで石炭を運ぶコンベアベルトが止まり、最大30万トンまで可能な石炭貯蔵庫には必ず残しておかなければならない最小容量の石炭10万トンがあった。貯蔵庫のあちこちが空いていっぱいだった時の石炭跡が残っていた。同様に、稼働が中断された別の発電機は、タービンなどが分離されたまま協力会社の職員が整備中だった。

ここを含むサムスン物産と韓国南東発電がそれぞれ持分29%を保有した江陵エコパワー、ポスコインターナショナルが持分29%を保有した三陟ブルーパワーと韓国南部発電が運営する三陵光ドリームまで東海岸圏石炭火力発電所が運転する8基とも先月中旬から’オールストップ’して電気を生産できずにいる。首都圏に電気を送る送電線路の建設が数年遅れて電気を生産する施設を整備しても稼動できない。工場を建てて自動車を作るのにも道路がなくて輸送できないわけだ。

送電線不足は政府と韓電の送電線建設計画が7年以上遅れて行われたことだ。当初、2019年東海岸圏で景気加平などにつながる8GWの直流送電方式送電線路(HVDC)を完工する予定だったが、2026年末まで延期された。送電塔など嫌悪施設設置に対する住民反発が大きかった。しかも文在寅(ムン・ジェイン)政府脱原発・脱石炭基調の中で韓戦が住民反発を理由にして送電線路建設に手を置いた。発電業界関係者は「全政府の政策基調で、新規石炭発電事業者が完工をあきらめることを期待し、韓電が計画された送電線で建設を安静に放置した」とした。

停止している東海岸圏の石炭発電8基の発電総量は7.4GWで、サムスン電子が300兆ウォンをかけ、2042年までに半導体工場を5ヶ所建てる龍仁半導体クラスタの予想電力需要である7GWを収容しても残る規模だ。また東海岸圏発電4社の建設投資費は計16兆ウォンを超える。このように莫大な費用をかけて大規模な電力生産施設を建てていても送電線路が不足して発電施設が無用地物となった実情だ。

江陵エコパワーは2022年、三陵ブルーパワーは今年から商業運転を始めた。最初に商業運転に入った三尺光ドリームの発電機も2016年に商業運転を始め、相対的に新しい発電機だ。ユ・スンフンソウルと期待教授は「新規発電機は以前に建てたより効率が高く、比較的温室効果ガスと大気汚染物質が少なく出てくる」と話した。

結局、送電線不足で発電原価が比較的低い石炭発電の代わりに30%ほど高いLNG発電で生産された電気が首都圏に供給されている。これは電気料金の引き上げ要因として機能する可能性があります。またブラックアウトの懸念も出てくる。ブラックアウトは電気需要が供給を超過すると発生することもあり、電気が過剰供給されても送・配電網が余裕がないために起こる可能性がある。

江原江陵から慶北鬱津に至る東海岸から首都圏に電気を送る送電線路容量は11.4GWだ。東海岸圏原発8基(8.7GW)と石炭発電8基だけでも計16GWだと送電線路は過飽和状態だ。韓電と電力取引所で原発と新再生可能エネルギー(1.9GW)などに送電容量を優先割り当てし、石炭発電が止まるようになった。

これにより、7月14日までは石炭発電8機の稼働が全面中断される計画だ。 7月中旬以降9月までは、韓ウル原発3・5号機が整備に入り、石炭発電2~3機が稼働すると予想されるが、電力需要が減少する10~11月には再び止まる可能性が大きい。

送電線路の建設が予定通りに進められれば、東海岸圏の送電容量は合計19.4GWで、現在運転中のすべての発電量を収容することができた。送電網の建設が遅れる間、シンハンウル1・2号機(2.8GW)が商業運転に入り、江陵エコパワーと三陵ブルーパワーまで完工し、発電容量は増えた。主務省庁である産業通商資源部と韓電では「深刻性を認知し、できるだけ地域住民を説得して建設遅延状況を改善する」と繰り返している。去る2月産業通商資源部次官主管で石炭発電会社と懇談会を進行して対策を設けるとしたが、以後特別な進展はなかった。業界では2026年にも完工が難しいと見ている。

政府の送電線で拡充計画によって年間稼働率80%台を期待し、発電事業に飛び込んだ江陵エコパワー、三陵ブルーパワーなどは計画より確実に低い年間10~20%台稼働率ですぐに不渡り危機を心配しなければならない状況だ。 従前に発電事業をしていたGS東海電力も送電網はそのままなのに新規事業者ができて送電容量を分けて使って支障が生じた。

民間事業者は電気を生産して韓電に販売することで人件費、投資費、燃料費など発電原価を回収しなければならない。しかし、計画よりずっと不足した量の電気を生産することになり、発電コストを回収できなくなった。 GS東海電力、江陵エコパワー、三陵ブルーパワーは今年の正常稼働時よりそれぞれ800億ウォン、3000億ウォン、3000億ウォン程度を支給されないと推定される。

送電網問題が解決しない場合、数年以内に投資された金額の原理金返済問題に直面するしかない。江陵エコパワー関係者は「元金返済を3年猶予されてようやく耐えているが、そうでなければ既にデフォルトに陥っただろう」と話した。また、発電所が停止し、従業員の雇用不安はもちろん、荷役労働者をはじめとする協力企業の売上減少など地域経済に広範な悪影響を及ぼしている。

https://www.chosun.com/economy/industry-company/2024/05/11/CQ3OHGYWPZAEXOTMZ3LNBZI5EI/

こんな酷い状態なのにユン政権は国民のためとかいって電気料金を引きあげない。アホですね。実際、将来を考えたら、電気料金を引きあげるほうが国民のためになる。でも、支持率低下が怖いのはもうできない。先延ばしすればするほど韓国電力事情が深刻化する。既に地獄の一丁目付近を彷徨っているが、これから衆愚政治でさらに地獄に足を進めるんじゃないか。この時点で韓国に大規模な新産業を作るとかできない。つまり、半導体クラスターなんて有り得ないなのだよ。もっとも、半導体の場合は水すら足りないけどな。

では、ネットの突っ込みを見ておくか。

1.軍事衛星打ち上げてホルホルしてたときも
制御端末を開発してなくて制御不能だったよなコイツらw

2.いつも不思議なのは超赤字の電力会社に融資してるのはどこ銀行?なのよ。まさかみずほ銀行とかじゃね~だろな、解約すんぞ

3.電力公社に金が無い。
公債でつなぎ資金集めても赤字は増えるばかりで、
既存施設の整備補修や更新も出来ない。

4.送電網整備ができてないってのも大問題だけど、電気料金据え置きってそりゃ赤字にもなるし余計に整備もできなくなるよ。
日本でもたまに忘れてる人いるけど、正規料金というのはけっこう重要なことなんだから。

5.韓国の電気料金は法律で原価以下の料金設定が決められている。
で赤字分だけが税金で補填されるから利益は出ない。
人件費やその他のお金は全部借金でまかなっている。
因みに韓国の電気ガス事業の借金の総額は
GDPの40%。

6.なるほど 日本で銅線泥棒が多発してるわけだw

7.太陽光発電業者は利益があったのか?
まさか、発電量だけで収入を得てた?

8.この件だけみても電気代をもっともっと上げなきゃいけませんよね
現実に見合った電気代に出来なければCPTPPへの加盟は絶対に無理
韓国経済は益々真っ暗闇へと向かっていくなあ

9.韓国は、国を挙げてエンタメを提供する良い国だな
衛星打ち上げたけど地上管制システム無しとか、このニュースとか

10.こいつら大枚はたいたものをドブに捨てるような真似をよくやるよな。モノレールとか。
作ったはいいが動かなかったとか使えなかったとか多い気がする。

以上の10個だ。

そうだよな。最近、真面目な経済の話題を取りあげることが多いので、こういう清涼剤も必要だとおもう。なので、もう少し、この手の話題を増やしていこうと思う。