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韓国造船 中国「造船業全体の競争力」で韓国を抜いて1位

韓国造船 今回、韓国の造船業について見ていくがまずはおさらいしておこう。韓国の三大造船業となっているのが、現代重工業、HD韓国造船海洋、サムスン重工業の3つである。そして、この造船企業は11年間、赤字を垂れ流しをしていたのだが、昨年には黒字に転換したという。その理由がLNG船の受注が大幅増えたことだった。でも、黒字になっても莫大な負債が消えたわけではない。結局、ゾンビ企業である。

韓国メディアが韓国の造船が好調とかいうが、これはコロナ禍で単なる材料費が高いときに造船受注を引き受けたからに過ぎない。つまり、この数年間で材料価格が下がっているから利益が出た。しかし、それも長くは続かないというのが今回の記事だ。韓国の造船企業は中国に抜かれていくてことだ。

では、記事を引用しよう。

中国の造船業全体の競争力が初めて韓国を上回ったという分析結果が出た。韓国の造船業界は最近、液化天然ガス(LNG)運搬船などを相次いで受注し、好調を示しているが、中国の競争力を無視してはならないという警告音が鳴っている。総受注量や特定船舶の受注量だけで競争力を計るのは判断ミスにつながりやすいという意味でもある。

産業研究院は13日に発表した報告書「中国に後れを取った造船業バリューチェーンの総合競争力と新たな韓国型海洋戦略の方向」で、「韓国が維持していた造船産業バリューチェーンの総合競争力1位を、昨年中国に明け渡した」と述べた。造船業バリューチェーンの競争力は、研究開発(R&D)・設計▽調達▽生産▽メンテナンス(AM)・サービス▽需要の5分野を評価し、総合点数を算出する方式で推定された。

韓国の昨年の総合点数は88.9で、中国(90.6)に次いで2位。日本(83.1)と欧州連合(71.4)がその後に続いた。研究院は造船業バリューチェーンの総合競争力に対する評価を2020年から行ってきた。これまで1位は4年連続で韓国だった。

分野別に見ると、韓国は研究開発・設計と調達においてのみ競争力で優位を示した。生産とメンテナンス・サービス、需要の側面では中国の競争力の方がはるかに高かった。船種別では、韓国はガス運搬船とコンテナ船だけで中国を上回った。タンカーでは、中国が2022年から競争力において韓国をリードしている。

研究院は「中国の海軍現代化の努力は1990年代初中盤から30年間続き、東アジアで最大規模の海軍を保有している。2015~2020年には軍艦の数で米国も追い越した」と指摘した。中国造船業が価格競争力を備え質的成長を遂げた背景には、中国が国営造船所を支援・育成した戦略があるという意味だ。

今年3月基準の受注残量順位を見ると、単一造船所基準では韓国の4社(サムスン重工業、HD現代重工業、ハンファオーシャン、HD現代三湖重工業)が1~4位を占めているが、造船所グループ基準では中国国営造船グループの中国船舶工業集団(CSSC)が1位を占めた。

同研究院は造船業を基盤に海運、船舶金融、国防を含む「韓国型海洋戦略」の樹立を提案した。個別産業戦略でアプローチした場合、造船所は商船部門を縮小したり、船舶金融が大企業に集中する副作用などが発生する可能性があるという理由からだ。研究院は「バリューチェーンにおける個別部門の最適化だけでは造船産業の競争力強化に限界がある。造船業だけを考える消極的戦略から抜け出し、大局観に基づく新たな海洋戦略が必要だ」とし、「我が国の友好国との商船と特殊船の協力を同時に引き出す戦略も良い」と指摘した。

これに先立ち、韓国輸出入銀行の海外経済研究所も海運造船業の第1四半期動向報告書で、「今年第1四半期の受注好調は、カタールの第2次LNG船舶の発注量が同時期に集中した特異な状況によるもの」だとし、「受注船種が一部の船種に集中している点や、人材難により生産システムの安定化が困難な点など、克服すべき問題に対する改善の取り組みが求められる」という分析を示した。

中国、「造船業全体の競争力」で韓国を抜いて1位 : 経済 : hankyoreh japan (hani.co.kr)

このように韓国の造船業が好調なのは、たまたまカタールのLNH船舶の発注が同時期に集中した特需によるものだった。だから数年後には中国に抜かれていることだろう。LNG船の寿命がどのくらいかは知らないが,そんな数年で買い換えるような金額ではないものな。数十年使うとすれば、この先、まとめた需要があるかは難しいだろう。

しかも、韓国の場合は組み立てているだけで、重要な機械や部品は海外から輸入している。さらに技術を使わせてもらうロイヤリティーを支払っている。だから儲かるものは欧州の企業なんだよな。だから、11年も赤字から抜け出せなかったわけだ。そして、今はたまたま特需で好調とか述べているがすぐに落ちていくのだろうな。中国がどんどん強くなっているからな。

それで、韓国の造船は中国を越えるのは不可能だという見通しが韓国紙から出ている。これをみておこう。

2024年5月6日、韓国・ヘラルド経済は「韓国の造船業界は高付加価値船舶などの選別受注戦略でグローバル新造船市場トップの中国に3.7ポイント差まで迫ったが、圧倒的な競争力を持つ中国のシェアを追い越すことは不可能だと指摘された」と伝えた。

韓国輸出入銀行海外経済研究所は先ごろ発表した「海運および造船業1~3月期動向」の中で、「中国はかつて『低価格攻勢』に依存していたが、最近は技術力も備えており、韓国以上の生産能力を維持している」「かつて日本が受注していた中型船市場を浸食し、大型船にも営業力を拡大している」と分析。シェアを伸ばし続ける中国を超えることは「事実上、不可能だ」との見方を示した。

海運分析機関の英クラークソン・リサーチによると、1~3月期の世界の新造船発注量は1034万CGTだった。このうち中国が約487万CGTを受注し、シェア47.1%の首位となっている。韓国は449万CGT、43.4%で2位を記録。中国との差は3.7ポイントだった。

韓国の受注量は前年同期比32.9%増、受注額は41.4%増の135億7000万ドル(約2兆867億円)を記録した。四半期別実績としては過去10年間で3番目に多い金額だという。世界的な発注量減少の中で韓国が好調を見せたのは、カタールのLNG船2次プロジェクトの全量受注により大型アンモニア運搬船(VLAC)市場でシェアを伸ばしたこと、昨年は1隻も受注できなかった大型原油タンカー(VLCC)を8隻受注したことが影響したと分析されている。

ただ、市場規模の小さいLNG船やLPG船の割合が77%を占めている一方、3大主要船種で受注できたのはタンカーのみで全体の20%に過ぎないことなどが構造的な問題点として挙げられた。

また、韓国造船のシェア拡大はカタールのプロジェクトの契約が集中した特需であり、この発注の終了後に多くの物量を期待するのは難しいとも指摘している。

その上で、韓国造船が今後、市場を攻略していくには「受注船種の一部集中、人材難による生産システム安定化の難航といった問題点の改善努力が必要だ」と伝えている。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「品質1位、技術1位の方が大切だ」「こっちは品質と性能で勝負しよう」「中国の受注は大部分が自国内のものでしょ」「欧米が組んで中国への本格的な生産を始めたから、必ずしも『追い越せない』ということはないと思う」「需要も人材も中国の方が多いんだから、特別な戦略を立てなければ造船業の主導権は中国のものになるだろう」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/麻江)

「韓国の造船業界が中国を超えることは不可能」の分析に、韓国ネット「こっちは品質と性能で勝負」 (msn.com)

あれ?最初の記事と全然,違うじゃないかと思うかもしれない。もちろん、知っててこの順番で出したのだよ。つまり、韓国の造船業が好調なのカタール特需なだけで、実はそこまで大きく状況に変化ないのだ。数年後にはまた赤字に戻るんじゃないか。

しかも、韓国の造船技術が品質と性能で勝負だって?そういうのはまともな船も作れず、欠陥品しか作れない時点で勝負にならないだろうに。こんな記事がある。

韓国造船会社を支えているLNG船。この船には液化天然ガス(LNG)を保管するタンクがある。マイナス160度で維持されるべき超低温のLNGを保管できる技術を保有する企業がフランスのGTTしかないため、韓国造船会社はLNG船1隻に最大100億ウォン(約10億円、船舶価格の5%)のロイヤリティーをこの企業に支払わなければならなかった。

韓国ガス公社と主要造船会社が2004年から10年間の国産化作業を通じて開発したのが「KC-1」(韓国型タンク核心設計技術)だ。LNG船1隻に最大36億ウォンの費用を支払えばよい。国産技術であるため国富の流出もない。

ところが2018年4月、この技術を適用したLNG船2隻の船体の外壁に結氷が発生した。その後、197億ウォンを投入して一度補修したが、昨年5月にまたも同じ欠陥が表れた。先月、2度目の補修に入ったLNG船2隻について「修理完了後にもまた欠陥が表れるおそれがある」という指摘が出ている。

国会産業通商資源中小ベンチャー企業委員会所属のチャン・ソクチュン自由韓国党議員室が2日に韓国ガス公社から受けた資料によると、SK海運所属のSKセレニティ号、SKスピカ号は先月から来年3月の完了を目標にサムスン重工業巨済(コジェ)造船所で補修中だ。

資料によると、2次補修方法はタンク下側の空間に断熱材を設置して空間内部の対流現象を防ぐ方式だ。ガス公社は「タンクのコーナー空間内の低温気体流動を遮断し、低温発生部位を除去する」と明らかにした。

KC-1タンクはLNGと直接接するステンレススチール材質の大型タンク(メンブレイン)とこれを覆ったポリウレタン材質の断熱材部位、外側の船体との連結部位で構成されている。

問題はこの方式が検証された方式でないという点だ。このため、ガス公社がすでに検証されている補修方式を採用しなかったという主張も出ている。

サムスン重工業が建造して9月に大韓海運に引き渡したSM JEJU LNG1号船の場合、KC-1技術が適用されたが、断熱方式が異なる。大型タンク(メンブレイン)の外側の空間をすべて断熱材を覆って対流現象を防いだ。コップに例えると下面と横面にすべて布をぶせた形態だ。SM JEJU LNG1号は現在正常運行中で、今月末に2号も引き渡す予定だ。業界関係者は「全体に断熱材を覆わず空間を残す点がSKセレニティ号、SKスピカ号の2次補修の問題」と指摘した。

SK海運は2018年10月、ガス公社の子会社でKC-1技術管理会社のKC LNGテック(KLT)を相手取り250億ウォンの船舶運航損失関連の損害賠償訴訟を起こした。このためガス公社が積極的に補修せず責任を回避しているという指摘が出ている。

韓国党のチャン・ソクチュン議員は「KC-1は国民の税金157億ウォンで開発した国産技術だが、ガス公社の責任回避で死蔵される危機を迎えている」とし「責任の主体であるガス公社が失敗という結論が出た1次修理時の固執を2次修理でも見せていて、まともに修理されるかは疑問」と述べた。

KLT側の関係者は「新しい船を建造するのと従来の船を修理するのは状況が異なる」とし「SKセレニティ号、SKスピカ号のタンクに一部の空間があるのは補修の結果に全く関係ない」と述べた。

10年かけて開発した韓国産LNGタンク技術…197億ウォンかけて補修も同じ欠陥 | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)

10年もかけてこんな欠陥品しか作れないのに韓国の造船が品質や技術で勝負するとか。うん。韓国人は夢を見すぎてるよな。このようにLNGタンクを開発する技術も無いのだから、フランスのGTTにロイヤリティー支払ってその技術を使わせてもらうしかないと。

KLT側の関係者は「新しい船を建造するのと従来の船を修理するのは状況が異なる」とし「SKセレニティ号、SKスピカ号のタンクに一部の空間があるのは補修の結果に全く関係ない」と述べた。

新しい船は建造出来ても修理することはできません。それが韓国が世界に誇る造船業の実態である。うん。やはり、中国に勝てないわ。