ウォン相場1ドル=1320ウォン台突破…米インフレショックー米利上げ0.5%示唆で米韓金利差拡大か【動画】

韓国ウォン 今日は2月末と言うことになるわけだが、ウォン相場が急変している。昨日の終値で1320ウォンを突破したウォンはそのまま1320台をキープ。2月末にどうなってるかは知らないが、そこは超激戦の予感だ。夜のウォンニャス速報で詳しく見ていく内容だが、ウォンがここまで急変した理由について今日は解説していこう。

簡単に述べれば、また米指標の一つである個人消費支出(PCE)指数が予想値を上回ったことによる、米インフレ警戒から利上げ速度が0.25%ではなく、0.5%もあるかもしれないというものだ。

まずは用語解説をしておこう。野村證券からだ。

米商務省が公表する、米国の家計が消費した財やサービスを集計した経済指標。英語名称はPCE(Personal Consumption Expenditures)。GDPの約7割を占める米国の個人消費支出はGDPの先行指標として注目される。また、個人消費支出のうち、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視することから、特に注目されている。

https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ko/A02328.html

このような解説がのっている。注目なのはPCEとコアPCEというやつだ。これは後で色々出てくるので、これで文章の意味は理解しやすくなったと思われる。

では、記事の要点を整理しよう。

■記事の要点

1.27日のソウル外国為替市場では午前9時25分基準でウォン相場は前営業日より10.50ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1314.80ウォンで取引されている。この日の市場は前営業日より10.20ウォンのウォン安となる1315.00ウォンで取引を開始した。

2.こうした流れは24日に発表された米国の1月の個人消費者支出(PCE)価格指数が前年同期より4.7%上がりインフレ圧力が大きくなったのに伴ったものとみられる。米商務省によると、先月のPCE価格指数は前月比0.6%上がった。市場予想値の0.5%を上回ったのだ。変動性が大きいエネルギーと食料品を除いたコアPCE価格指数もやはり0.6%上昇して予想値の0.4%を上回った。

3.これに伴い、米連邦準備制度理事会(FRB)がさらに長期にわたり金利を引き上げるだろうとの懸念が大きくなりドル高をあおっている。主要6カ国の通貨に対する米ドルの価値を示すドル指数が105水準を超え、「強いドルの恐怖」が再現される恐れがあるとの見方も出ている。

4.イエレン米財務長官は25日、ロイター通信とのインタビューで「インフレが依然として問題」と評価した。予想値を上回った1月の個人消費支出(PCE)価格指数に言及しながらだ。「まだディスインフレーション(物価上昇緩和)段階ではなく、依然としてすべきことが多い」という判断だ。

5.これに先立ち米商務部が24日に発表した1月のPCE物価指数は前年同月比5.4%上昇した。市場の見通しの5.0%を超えただけでなく、昨年12月の5.3%より上昇幅が大きかった。前月比では0.6%上がり昨年6月以降で上昇幅が最も大きかった。変動性が大きいエネルギーと食品を除いたコアPCE物価指数も1年前より4.7%上がり市場予想値の4.3%を上回った。

6.1月のCPIと生産者物価指数(PPI)に続きPCEなどの指標が相次いで予想値を上回ると、FRBが追加緊縮に出るかもしれないとの懸念も大きくなっている。当初FRBが3月に政策金利を0.25%引き上げるとの見通しが高かったが、0.5%の利上げの可能性も議論される。シカゴ商品取引所(CME)のFEDウォッチによると、3月のFOMCで金利が0.5%上がる可能性は25日基準で27%水準だ。1週間前の18.1%より10ポイントほど高まった。

7.JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任最高経営責任者(CEO)は「政策金利が6%に到達することもある。パウエルFRB議長を尊重するが、われわれはインフレ統制力をやや失った」とCNBCに話した。

以上の7つだ。なんか、最後の7にわりととんでもないことが書いてあるな。ええと、JPモルガンは政策金利が6%だと・・・。いやいや、5.5%でも高すぎだろう。それでが6%ってなんだよ。そんな高い金利なんてしたら、確実に米国はリセッションだぞ。しかし、そこまで上げてもインフレを抑えないと、とんでもないことになる恐れもあるか。では、順番に見ていくか。

まず1だが、27日のソウル外国為替市場の朝の話だ。もちろん、27日の市場の終値は1323ウォンで18.2ウォン安である。しかも、コスピも2400割れ目前まで迫った。その後、時間外では1320ウォン台付近で激しく揉み合いだ。

そしてウォンが売られている理由が2となる。最初に説明した個人消費支出、PCE指数のことだ。市場予想より0.1%上回った。コアPCE価格指数もやはり0.6%上昇して予想値の0.4%を上回ったと。これによってインフレが高止まりしている恐れが出てきたと。そして次の3はFRBが利上げ速度を強める可能性が高まり、ドル高の恐怖が世界を襲っていると。韓国だけではない、日本も136円まで落ちている。

さて4からはロイターの記事になるのだが、イエレン米財務長官のインタビューだ。「インフレが依然として問題」と評価した。「まだディスインフレーション(物価上昇緩和)段階ではなく、依然としてすべきことが多い」という判断という。イエレン米財務長官がFF金利を上げる立場ではないが、インフレは収まっていないと。そして、これにも言及している。引用しておこう。

その一方でイエレン長官は「1970年代のように賃金-価格がかみ合わさって起きるインフレを低くするには景気後退が必要だが、いまはそのような状況ではない。強い雇用市場を維持しながらインフレを低くすることは可能だと信じる」という既存の見解を再確認した。

それで楽観論が語られる。本当に可能なのかどうかは知らないが、世界同時不況が長期にわたって長引くことは避けて欲しい。それで5はPCEの話なので割愛。次に6だが、米国の3月の利上げが0.5%になるかもしれないと。さすがに0.25%だと思うのだが、1970年台のような高インフレは避けたい。だから、0.5%もあり得ると。これについては難しい。

これまでいくつかの指標を見てきたが、ぶっちゃけるとインフレが収まっている気配はない。それなのに0.25%ずつでいいのか。しかも、それがいつまで続くのか。この辺りは難題であるな。7については最初に触れた通り、金利が6%台になる可能性まででてきたと。其れでは韓国はどうなるのかを引用しておく。

FRBが現在年4.50~4.75%である政策金利を再び速いスピードで引き上げるならば韓米の金利格差が拡大し外国人資金が離脱する恐れがある。韓国銀行は23日金融通貨委員会で基準金利を年3.5%で凍結した。ただ韓国銀行の李昌ヨン(イ・チャンヨン)総裁は「今回の据え置きを金利引き上げ基調が終わったという意味で受け止めなければ良いだろう」として追加引き上げの余地を残した。

まさかの金利凍結をしたわけだが、米国次第ではまだ上げる可能性は残したと。これも、過去の動画で触れたが、0.25%あげるべきだったような気がするな。なんせウォンがどんどん下がってるものな。米韓金利差が拡大すればするほど外国人は韓国から投資を引きあげる。昨年からそれは続いているが、最近、外国人の売りも目立ってきている。

しかも、韓国債と社債の金利も上がってきている。これは韓銀が再び0.25%上げるだろうという見方によるものだろう。まあ、どうするかは知らないが、3月のFOMCにも引き続き注目だ。

予定を述べておくと。第二回目のFOMCは3月21日、22日の開催となっている。つまり、米消費者物価指数などの統計データが出た上での利上げの判断となる。そして、第3回目が5月の2日・3日の開催となっている。

それと最後に利上げはどこまで上がるのか。7で6%というJPモルガンの話題が出てきたが、実はもっとあがるかもしれないのだ。それを引用しておく。

米政策金利は6.5%に引き上げる必要があるかもしれないと、ブランダイス大学のスティーブン・チェケッティ教授やJPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏ら5人のエコノミストが指摘。連邦公開市場委員会(FOMC)が物価上昇への対応で当初出遅れたことを厳しく批判した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-24/RQLBU4T0AFB501

先ほど取りあげたイエレン米財務長官の発言を楽観論と指摘したが、この米エコノミストらも経済的な痛みを伴わないでインフレを抑えることは難しいと考えているようだ。最後に軽く触れておくと

「軽度のリセッション(景気後退)を起こさずに経済をソフトランディング(軟着陸)に導き、その過程でインフレを2025年末までに2%目標に戻す能力が、FOMCにあるのか疑わしいというのがわれわれの分析だ」という。

また、55ページにおよぶ学術的研究では可能性の高い政策金利シナリオを複数シミュレートしており、コンピューターモデルは2023年下期に5.6%、6%、あるいは6.5%で金利がピークを付けるとしているのだ。

1970年と2023年ではコンピューターモデルには雲泥の差がある。わりとこの予想はいい線、言ってる可能性もあるんだよな。しかし、6.5%だぞ。今、韓国の金利が3.5なので、米韓金利差はこのままだと3%も付くことになる。さすがに6%でも信じられないのに6.5%まであがるのか・・・。あり得ないとはおもうのだが、ウクライナ戦争も1年経過しても終わらないしな。

米国の個人消費支出(PCE)指数が予想値を上回り、世界の金融・外国為替市場に衝撃を与えている。対ドルでウォン相場は1310ウォン台を記録した。ウォン相場としては年初来安値だ。

27日のソウル外国為替市場では午前9時25分基準でウォン相場は前営業日より10.50ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1314.80ウォンで取引されている。この日の市場は前営業日より10.20ウォンのウォン安となる1315.00ウォンで取引を開始した。

こうした流れは24日に発表された米国の1月の個人消費者支出(PCE)価格指数が前年同期より4.7%上がりインフレ圧力が大きくなったのに伴ったものとみられる。米商務省によると、先月のPCE価格指数は前月比0.6%上がった。市場予想値の0.5%を上回ったのだ。変動性が大きいエネルギーと食料品を除いたコアPCE価格指数もやはり0.6%上昇して予想値の0.4%を上回った。

これに伴い、米連邦準備制度理事会(FRB)がさらに長期にわたり金利を引き上げるだろうとの懸念が大きくなりドル高をあおっている。主要6カ国の通貨に対する米ドルの価値を示すドル指数が105水準を超え、「強いドルの恐怖」が再現される恐れがあるとの見方も出ている。

https://japanese.joins.com/JArticle/301444?servcode=300&sectcode=310

米国の物価は鈍化の兆しを見せていないが、米連邦準備制度理事会(FRB)が再び緊縮に出るのではないかとの懸念が大きくなっている。

イエレン米財務長官は25日、ロイター通信とのインタビューで「インフレが依然として問題」と評価した。予想値を上回った1月の個人消費支出(PCE)価格指数に言及しながらだ。「まだディスインフレーション(物価上昇緩和)段階ではなく、依然としてすべきことが多い」という判断だ。その一方でイエレン長官は「1970年代のように賃金-価格がかみ合わさって起きるインフレを低くするには景気後退が必要だが、いまはそのような状況ではない。強い雇用市場を維持しながらインフレを低くすることは可能だと信じる」という既存の見解を再確認した。

これに先立ち米商務部が24日に発表した1月のPCE物価指数は前年同月比5.4%上昇した。市場の見通しの5.0%を超えただけでなく、昨年12月の5.3%より上昇幅が大きかった。前月比では0.6%上がり昨年6月以降で上昇幅が最も大きかった。変動性が大きいエネルギーと食品を除いたコアPCE物価指数も1年前より4.7%上がり市場予想値の4.3%を上回った。

PCEはFRBが最も注視する物価指標だ。米国全域の物価を示す消費者物価指数(CPI)より集計する品目が多く、都市在住者の支出項目を反映して実際の体感物価をよく示すためだ。特にコアPCEはFRBが目標にする「年2%台の物価上昇率」の基準だ。

1月のCPIと生産者物価指数(PPI)に続きPCEなどの指標が相次いで予想値を上回ると、FRBが追加緊縮に出るかもしれないとの懸念も大きくなっている。当初FRBが3月に政策金利を0.25%引き上げるとの見通しが高かったが、0.5%の利上げの可能性も議論される。シカゴ商品取引所(CME)のFEDウォッチによると、3月のFOMCで金利が0.5%上がる可能性は25日基準で27%水準だ。1週間前の18.1%より10ポイントほど高まった。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任最高経営責任者(CEO)は「政策金利が6%に到達することもある。パウエルFRB議長を尊重するが、われわれはインフレ統制力をやや失った」とCNBCに話した。

FRBが現在年4.50~4.75%である政策金利を再び速いスピードで引き上げるならば韓米の金利格差が拡大し外国人資金が離脱する恐れがある。韓国銀行は23日金融通貨委員会で基準金利を年3.5%で凍結した。ただ韓国銀行の李昌ヨン(イ・チャンヨン)総裁は「今回の据え置きを金利引き上げ基調が終わったという意味で受け止めなければ良いだろう」として追加引き上げの余地を残した。

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