韓国経済、〔造船危機→金融危機〕大宇造船海洋の法定管理(Pプラン)が決定すれば輸出入銀行が破綻の危機

韓国経済、〔造船危機→金融危機〕大宇造船海洋の法定管理(Pプラン)が決定すれば輸出入銀行が破綻の危機

記事要約:今回の記事は大宇造船海洋の構造調整で上手く進んでいないことで法定管理(Pプラン)に決まれば輸出入り銀行が破綻の危機という大変、韓国経済的な話題なのだが非常にややこしい。むしろ、読んでいてもよくわからない。でも、管理人がわかりやすく説明すると上のタイトルになる。

これを理解するには法定管理(Pプラン)、前渡金返還保証(RG)、ビルダーズデフォルト、RGコール(前渡金払い戻し要請)、BIS規制、自己資本比率などといった金融用語の理解が重要となる。そのまま文章を読んでもまず頭の中に入ってこないと思うので先に整理しておこう。今回は久しぶりに経済記事ということで気合いを入れて解説する。

因みに今の1兆ウォンは日本円で958億円である。解説に数字がいくつか出てくるがこれを当てはめればわかるかと。

プリパッケージドプラン(Pプラン)とは

法定管理の一種であるプリパッケージドプランのことをPプランと呼ぶそうだが、これは昨年の8月の法改正で導入された「超短期法定管理制度」のこと。特徴は通常6ヶ月から1年はかかって企業再建にかかる時間を3ヶ月以内に短縮したのが特徴らしい。

 一般の法定管理の場合

1.申請があればその時点からどのような債権があるかを確定債権団名簿と債権額規模を確定するだけで通常2カ月

2.その後債務者が再建計画案を提出するのにまた6週間以上かかる

3.再建計画案議決手続きは再建案報告・審理・決議のために3回の関係人集会を開く

4. 新規資金支援は通常企業が法定管理に入れば金融会社は新規資金支援を中断する

■Pプランの場合

1.債権団の2分の1以上がすでに同意した事前再建計画案がPプラン申請と同時に提出される←債権確定、再建案提出などにかかる4~5カ月を省略する

2.再建計画案議決手続きは関係人集会を省略し書面決議に代える←負債の半分以上を持つ債権者の同意を受けておくので容易に可決される可能性が大きい

3. 新規資金支援は債権団が事前再建計画案をまとめて新規資金支援計画も合わせて立てるため運営資金支援に問題がない

以上、これが通常の法定管理とPプランの違いである。これを読んでわかる人はこういった債権、法定管理に詳しい税理士、弁護士とか、銀行の関係者が大半だろう。管理人が記事から書いてあることを整理してもわかりくい。

さらに簡略すると、最初に破産申請した時に事前再生計画案の債権団の半分が同意してるので、破産申請から今までかかっていた手間暇の5ヶ月分は省略できるといったところ。用は債権団の半分が決まっているから事業再生計画案がまともであれば企業の再建が速くなるといったところだ。しかも、事業再生計画案が誰の目でもしっかり作成できて実現が可能そうなら、Pプラン申請時点から再建計画発効まで4~5週間で終えられるという。

中々、良いことづくめだと思うかも知れないが、世の中、甘くはない。デメリットも存在する。

■Pプランのデメリット

一般の法定管理と同じように無担保債権に対し大規模な出資転換を要求する。債権団はその比率を90%とみている。残りの10%の債権も長くて10年ほどの分割償還を予想する。

通常は「50%出資転換+残り3年満期猶予、3年分割償還」という債務調整案と比較すると悪い条件

以前、韓国の造船業、23億ドルが回収不能という記事を出した。その中に債権銀行と会社債投資家の50%以上出資転換により2兆9000億ウォンの資本拡充もされるという内容があった。つまり、大宇造船海洋の今、していることは通常の債務調整案ということだ。しかし、それがPプランになれば、今までの債務調整案より条件が悪くなってしまう。用は貸した金が返って来るまで長くて10年かかると。

だから、2兆9000億が返って来るのは通常なら6年後だが、Pプランなら長くて10年かかるということになる。当然、債権の回収に時間をかけるほど債権銀行、会社債投資家には不利である。よって社債権者の損失が拡大となる。ここまでがPプランの説明である。わかっただろうか。このPプランを使ったらどうなるかというのが記事の中心となる。

前渡金返還保証(RG)とは

>船主が船舶を発注する時は建造費の10~30%を前渡金として先に造船会社に払い込む。造船会社が船舶を引き渡さないリスクに備え船主は金融会社からRGの保障を受ける。造船会社が不渡り処理されたり他の事情で船舶を建造できなければ船主は金融会社から前渡金を返してもらう。輸出入銀行は大宇造船海洋のRGを8兆ウォン以上持っている。

つまり、造船会社に船を受注した船主が前渡し金として代金の10~30%先に造船会社に支払う。しかし、何らかの理由で船舶を引き渡さないリスクがあるので船主は金融会社から前渡金返還保証を受けると。もし、無理なら前渡し金は金融会社から返してもらえる。それを輸出入り銀行が大宇造船海洋のRGを8兆ウォン以上を持っていると。

ビルダーズデフォルトとは

船主が契約を取り消しできる条件(ビルダーズデフォルト)のこと。この契約書がPプランに入り建造している船舶114隻のうち96隻とある。

ここまで読んでなんとなく金融危機に繋がることが理解できた人もいるんじゃないか。そういうこと、つまり、96隻は船主が契約を取り消しできる条件がPプランだということだ。そして、Pプランから新造となった船の受注(船主からは発注)は取り消すことができて、既に払っているRGを金融会社から船主は返還してもらえるわけだ。そこで、23億ドルの回収不能の話になってくる。

>産業銀行は10日のメディア会見でPプラン導入時に船主が経営難に陥っているノルウェーの原油ボーリング会社のシードリルとアンゴラ国営石油会社ソナンゴルからの発注を含めた8隻の契約が取り消されると予想した。この場合船主がRGを利用して金融会社から返してもらう前渡金の規模は7000億ウォンと計算される。

実際、Pプランとなっても船を作ってくれるなら待つという船主が大半だ。しかし、船主自体が経営難に陥っていればRGを利用して返還を要求してくるという予想。それが7000億ウォンと計算されている。だが、これが楽観論ならいうまでもない。なぜなら、96隻のうちわずか8隻だけの損失の計算だからだ。他の88隻の船主がやっぱり船の発注をやめるとか言い出さない保障はどこにもない。

>こうした推定値が楽観的という指摘もある。海運景気が底という状況で船主がPプランを口実に大挙契約取り消しに出る恐れがあるという懸念だ。ひとまずRGコール(前渡金払い戻し要請)で前渡金を返してもらった後、屑鉄に転落する危険にある船舶を中古市場で安値で買い入れるなら船主としては2倍の利益だ。

なんかセウォル号の買い取りがデジャブしたわけだが、普通、くず鉄に転落する危険にある船舶を中古市場で買い入れようとはしない。でも、韓国ならそれが当たり前のようだ。しかも、RGコールで前渡し金を返してもらったそのお金で購入すれば利益が2倍とか、そんな安全性を度外視したことを平気で書いてある。うん、理解できない。

 >NH投資証券のイム・ミンジョン研究員は「大宇造船海洋に関連したRG規模だけで13兆5000億ウォンだが、そのうちの半分だけRGコールが入っても金融圏には6兆~7兆ウォンの損失が近づく」と話した。もし大規模RGコールが現実化されるなら輸出入銀行は国際決済銀行(BIS)基準の自己資本比率が1桁に落ち資本拡充は避けられなくなる。

ここまで良く読んでくれた。最後のBIS基準というのは銀行が海外取引するときに自己資本比率7%以上なければいけないという国際ルール。しかし、96隻の8隻だけではなく、さらなる船主がRGコールをすれば前渡し金を返還することで自己資本比率が一桁となり、適正なBIS基準を満たせなくなるため倒産する。実際、その前に資本拡充をするわけだが。それができるか輸出入り銀行次第といったところ。だから、これは金融危機となるわけだ。そして、PプランによってどれだけRGコールされるかが大宇造船海洋の運命を決める。

> ◇大宇造船海洋の運命は「0」でなければ「100」=Pプラン入りの時に大宇造船海洋の運命は「0か100」だ。再建手続きが成功裏に進行されれば負債は大幅に整理され身軽に再スタートを切れる。確実な体質改善を通じて丈夫な企業に生まれ変わることになる。だが債権団の予想とは別に契約取り消しが大量に怒涛のように押し寄せればそうでなくても受注実績が振るわない大宇造船海洋は仕事まですっかりなくなってしまう。この場合にはどうすることもできず清算の道に進むことになりかねない。

RGコールが少なければ体質改善してまともな企業に。RGコールが多ければ清算すると。実にわかりやすいじゃないか。そして、管理人は後者だと考えている。韓進海運と同じ運命となって終了だな。そんな今の大宇造船海洋が船主に信用されているわけがない。長かったがようやく解説できた。

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〔北朝鮮、韓国、朝鮮半島有事〕のまとめ

韓国経済、〔造船危機→金融危機〕大宇造船海洋の法定管理(Pプラン)が決定すれば輸出入銀行が破綻の危機

一度も行ったことのない道だ。法定管理の一種である「プリパッケージドプラン」(Pプラン)の話だ。韓国政府と債権団は17~18日に開かれる社債権者集会で債務調整案が否決されれば21日を前後して大宇造船海洋をPプランに入れると公言した。大宇造船海洋がPプラン1号企業になるならどのような結果が出るのか現在では予想が難しい。

Pプランは昨年8月の法改正で導入された超短期法定管理制度だ。既存の法定管理手続きを大きく減らし、通常6カ月から1年半かかっていた企業再建にかかる時間を3カ月以内に短縮したのが特徴だ。

一般の法定管理は申請があればその時点からどのような債権があるかを確定する。債権団名簿と債権額規模を確定するだけで通常2カ月がかかる。その後債務者が再建計画案を提出するのにまた6週間以上かかる。これと異なりPプランは債権団の2分の1以上がすでに同意した事前再建計画案がPプラン申請と同時に提出される。したがって債権確定、再建案提出などにかかる4~5カ月を省略する。

再建計画案議決手続きも簡単だ。法定管理は再建案報告・審理・決議のために3回の関係人集会を開く。Pプランは関係人集会を省略し書面決議に代える。何より事前再建計画案を練る時点ですでに負債の半分以上を持つ債権者の同意を受けておくので容易に可決される可能性が大きい。

新規資金支援もスムーズだ。通常企業が法定管理に入れば金融会社は新規資金支援を中断する。だがPプランは債権団が事前再建計画案をまとめて新規資金支援計画も合わせて立てるため運営資金支援に問題がない。

破産裁判所によると、理論的にはPプラン申請時点から再建計画発効まで4~5週間以内で終えられる。ソウル破産裁判所広報官を務めるクォン・チャンファン判事は「裁判所は計画案の公正性・公平性・実行の可能性を基準として認可を決める。債権者・債務者が自身の立場ばかり主張せずだれでも共感するほどの計画案を交渉を通じてまとめるならば実際に4~5週間で終えられる」と話した。実際に大宇造船海洋がPプランに入るなら新たな債権者、債権銀行、大宇造船海洋などにどのような衝撃がやってくるか。

◇Pプランでは社債権者の損失拡大も=まず国民年金をはじめとする社債保有者はPプランに進めば損失規模がさらに増えかねない。Pプランは一般の法定管理と同じように無担保債権に対し大規模な出資転換を要求する。債権団はその比率を90%とみている。残りの10%の債権も長くて10年ほどの分割償還を予想する。「50%出資転換+残り3年満期猶予、3年分割償還」という債務調整案と比較すると悪い条件だ。韓国政府と債権団関係者が国民年金に向け「経済的合理性を見て判断してほしい」と強調するのもこうした理由だ。

 ◇債務再調整時は金融圏も損失=金融圏も債務調整により損失を見るのは同様だ。ただ回収可能な担保債権を持っている産業銀行(66.2%)や輸出入銀行(53%)は回収率がさらに高い見通しだ。だが輸出入銀行の場合、債権回収率は問題でない。本当の心配は不確実性が大きい前渡金返還保証(RG)だ。

船主が船舶を発注する時は建造費の10~30%を前渡金として先に造船会社に払い込む。造船会社が船舶を引き渡さないリスクに備え船主は金融会社からRGの保障を受ける。造船会社が不渡り処理されたり他の事情で船舶を建造できなければ船主は金融会社から前渡金を返してもらう。輸出入銀行は大宇造船海洋のRGを8兆ウォン以上持っている。

大宇造船海洋がPプランに入り建造している船舶114隻のうち96隻は船主が契約を取り消しできる条件(ビルダーズデフォルト)が契約書に盛り込まれている。実際に契約を取り消す船主がどれだけになるかに対する推定は両極端だ。

産業銀行は10日のメディア会見でPプラン導入時に船主が経営難に陥っているノルウェーの原油ボーリング会社のシードリルとアンゴラ国営石油会社ソナンゴルからの発注を含めた8隻の契約が取り消されると予想した。この場合船主がRGを利用して金融会社から返してもらう前渡金の規模は7000億ウォンと計算される。債権団関係者は「RGを要請すると予想される8隻は産業銀行が対面・書面ですべての船主と接触して構造調整案とPプランの可能性を説明した後に把握した結果」と話した。この程度なら輸出入銀行に及ぼす衝撃も大きくないという説明だ。

こうした推定値が楽観的という指摘もある。海運景気が底という状況で船主がPプランを口実に大挙契約取り消しに出る恐れがあるという懸念だ。ひとまずRGコール(前渡金払い戻し要請)で前渡金を返してもらった後、屑鉄に転落する危険にある船舶を中古市場で安値で買い入れるなら船主としては2倍の利益だ。

NH投資証券のイム・ミンジョン研究員は「大宇造船海洋に関連したRG規模だけで13兆5000億ウォンだが、そのうちの半分だけRGコールが入っても金融圏には6兆~7兆ウォンの損失が近づく」と話した。もし大規模RGコールが現実化されるなら輸出入銀行は国際決済銀行(BIS)基準の自己資本比率が1桁に落ち資本拡充は避けられなくなる。

ある証券会社アナリストは「韓進(ハンジン)海運の法定管理の時も政府は準備ができていると言ったが実際には大きな混乱が広がらなかったか。Pプラン入りの準備を終えたという政府の説明をどれだけ信頼できるかわからない」と話した。

◇大宇造船海洋の運命は「0」でなければ「100」=Pプラン入りの時に大宇造船海洋の運命は「0か100」だ。再建手続きが成功裏に進行されれば負債は大幅に整理され身軽に再スタートを切れる。確実な体質改善を通じて丈夫な企業に生まれ変わることになる。だが債権団の予想とは別に契約取り消しが大量に怒涛のように押し寄せればそうでなくても受注実績が振るわない大宇造船海洋は仕事まですっかりなくなってしまう。この場合にはどうすることもできず清算の道に進むことになりかねない。

国民年金は12日または13日に大宇造船海洋の債務再調整案を受け入れるかどうかを議論する投資委員会を開く予定だ。金融委関係者は「妥結のために最後まで努力するが、むやみに時間をかけることはできないためPプラン準備も終えるだろう」と話した。

(http://japanese.joins.com/article/960/227960.html?servcode=300&sectcode=320)

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七面鳥 (@guest_5435)
2017年4月12日 4:16 PM

>くず鉄に転落する
→完成間近まで作業が進んでいる、あるいは完成しているが、買い手が引いてしまったので野ざらしで錆びるに任せるしかない船を買いたたく、あるいは作りかけで放置されるのを買いたたいて完成させる、の意味では?

XYZ (@guest_5439)
2017年4月12日 5:41 PM

Pプランの手続きを見ると、実質債権者集会のようなもので債権額を確定しているようだけど、そんなことしたら盛り放題じゃないの?債務者からの異議申し立てができないように見える。債権者の地位を利用して銀行からむしり取り放題の合法的ペテン?

XYZ (@guest_5444)
2017年4月12日 7:44 PM

ご回答ありがとうございます。
計画案の審理において債権額に係る異議申し立てが許されるなら、複数の確認訴訟その他が提起される可能性が大きいですからひと月余りでは終わりようがありません。多分、一律何パーセント放棄とか子供だまし的な事柄が予定されているんじゃないかな。書面決議のようですし。それと、水色の説明文でもこの審理以前に確定されているように読めます(説明の1.によると、提出によって確定みたいな)。だいたい、短縮される期間(4~5月)というのは、取りも直さず債権額の確定手続きに要する期間そのものだと思いますよ(日本だったらもっとかかりますけど)。きちんとした管財人が入っても荷が重すぎるでしょうし、Pプランがペテンプランに見えて仕方ないです。
私が熱くなることではないのですけど、なんだかなぁですわ。

ボーダー (@guest_5448)
2017年4月13日 12:34 AM

前渡金払い戻し要請?RGコールでしょ! 実に解りやすい・・・

解らんのでセッセと検索に勤しんだ結果 @@ それらしい解説サイトを見つけた(わーいと喜ぶ)

が、なぜかこのサイト画面に戻って来ちまった~
庶民には無縁の経済用語が多い事を知った。

※大宇造船のPプラン略してOPPで、RGコールして悪あがきしてるが、最後は輪転機に手を掛けてインフレして庶民を苦しめるんだ。