第6回「韓国の消費者物価」

第6回「韓国の消費者物価」

何故、この時期にリソースをまとめているのかと思うかもしれないが、韓国経済を13年前から振り返ることで、今の韓国経済の状況がなるべくしてそうなったことがわかるからだ。いずれゆっくり解説で動画化したいところだが膨大な量があるので、編集プロジェクトはゆっくりやっていくつもりだ。動画化はするときは別チャンネルになると思うので、その時はまた知らせたいと思う。

第6回の配信日は2011年8月14日

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前回、韓国の家計債務が増加する8つの原因を紹介した。その中で消費者物価だけをこの回で特集する。では、前回にも張った記事チャートから。今回はコラム付きだ。

記事チャート(第5回と第6回)

家計債務の増加原因(第5回の範囲)→消費者物価の上昇→韓国、学生の実態→数年後、家計負債は1000兆ウォン→(コラム)消費者物価を抑えるには?

消費者物価の上昇

>統計庁が1日発表した韓国の7月の消費者物価動向によると、消費者物価上昇率は集中豪雨の影響で、前年同月比4.7%に達した。7カ月連続で4%台となり、韓国銀行(中央銀行)の物価安定目標(2‐4%)を外れた。韓国政府は今月も消費者物価が4%台を記録するとみており、当面は物価上昇基調が続きそうだ。 品目別の上昇率は、農畜産物では豚肉(41.2%)、サバ(36.4%)、スイカ(31.5%)、鶏卵(25.8%)など、石油類ではガソリン(11.6%)、軽油(14.5%)などとなっている。このほか、外食用の豚バラ肉(17.3%)、パン(14.6%)、美容(8.2%)なども物価上昇要因となった。<

(韓国経済、韓国の物価、7月は4.7%上昇……7ヶ月連続で4%台上昇。 )

このように消費者物価が上昇することで、韓国人の暮らしが悪くなっている。最後にそれを具体的に見ていくために学生に焦点を絞る。

韓国、学生の実態

学校近くの飲食店は相次いで値上げ。頼みの学生食堂も便乗して値上げ。学生の心配事は、学業よりも明日の食費代。学生食堂すら利用出来ない学生は、コンビニのカップラーメン、おにぎりなどを食べている。将来、韓国を背負う学生の食生活は最悪といえよう。しかも、最新のニュースでは、学生の消費者金融利用額が増加しているという。

>金融監督院が4日に明らかにしたところによると、消費者金融40か所の大学生向け貸付実態を全数調査した結果、6月末現在、4万7945人への貸付残高が794億6000万ウォンと集計された。重複している貸し付けを除いても、大学生1人当たり160万~170万ウォンの借金を抱えていることになる。消費者金融の大学生への貸付残高は、昨年6月末の565億8000万ウォン(3万494人)に比べ40.4%増加した。<

(韓国経済、韓国大学生、消費者金融からの借金総額8百億ウォン)

また、アルバイトでの自給ではビックマックセットすら買えないことがわかる。韓国の経済成長が、輸出企業のような一部でしか恩恵を受けてないことが容易に想定される。

>現在、全国のマクドナルド(済州=チェジュ=地域を除く)で販売されているビッグマックセットの価格は5200ウォン(約389円)(ランチセット除く)で、来年一時間仕事をして手にする4580ウォンを軽く上回る。<

(韓国経済、ビッグマックセットも買えない最低賃金……ネチズンは怒り

学生の焦点を当てて説明してきたが、庶民も消費者物価上昇による材料価格の高騰、値上げに苦しんでいる。サラリーマンにもカップラーメン族が増えている。

数年後、家計負債は1000兆ウォンに

800兆ウォンを超えた家計負債だが、数年後には1000兆ウォンを超えるのは確実と見られている。増え続ける家計負債は韓国経済にとって大きな不安要素となっているわけだ。だが、家計負債だけではないのだ。

韓国政府、企業、家計の3つを合わせると、総額2500兆ウォンである。これを日本円で直すと180兆円となり、これは韓国の2010年の名目GDPの二倍となっている。参考まで日本と韓国の名目GDPを比較をのせておく。

日本のGDP…5,458.87 世界第3位
韓国のGDP…1,007.08 世界第15位

単位は10億USドル。日本は54,588億ドルに対して、韓国は10,070億ドルほどの経済規模ということになる。では、937兆ウォン(70兆円)を現在のドルに直すといくらになるか。大体8700億ドルである。

すでに示した通り、日本の借金が1000兆円と騒いでいるマスコミが多いのだが、韓国の経済規模で考えると、2500兆ウォンの借金は名目GDPを遙かに超えた2倍の数値ということで、実はよほど深刻な事態だったりするわけだ。

なのに、日本のマスメディアは韓国経済がこの数年は絶好調であると言及している。だが、その実態はただの自転車操業、火の車ということがわかってもらえたのではないだろうか。

そして、日本の借金は内国債であるが、韓国の借金は外債がほとんどであり、そのために外貨流動性の危機、いわゆるドル不足に陥りやすいことも指摘しておく。

(コラム)消費者物価を抑えるには?

サイトの方で読者様から質問があったわけだが、凄まじい勢いで上昇する消費者物価を抑える方法は何かないのかという質問だ。

実際、各国はインフレに悩まされたときは、消費者物価を抑えるために、金利を上昇させる。つまり利上げである。また魚や野菜などの輸入関税の引き下げ、公共料金の凍結などもある。

こうした物価インフレ対策はすでに韓国政府は取っている。しかし、それでも物価インフレは抑制されていない。しかも、金利を上昇させることは、国民の負債利子を増加させるので、韓国政府にとってはインフレ対策と同時に負債にも対応しなければならない。よって、大胆な物価インフレ防止策が取れないという事情がある。

国民生活は苦しくなるが、韓国政府そのものは物価インフレでは滅びない。ここがチャイナとは違うところだ。チャイナの場合は経済成長が止まれば、革命という恐怖が待っている。そのチャイナもそろそろドーピングが切れてきたようだが……

以上。メルマガの第6回は、韓国の消費者物価についてまとめてみた。

さて、第7回のテーマであるが、7月の始めに、韓国がEUとのFTA協定が発効し、スタートしたのはご存じだろうか。また、アメリカとのFTA批准が急がれている。しかし、その中身は21世紀版の不平等条約である。次回は、このFTAについてまとめていく予定だ。

とまあ、一週間前には上のような予定だったのだが、アメリカのデフォルト危機から「第3次韓国経済危機」が勃発した。突然のことで驚いたわけだが、なぜ韓国だけ経済危機が起きてしまったのか。今回の経済危機の根本的な原因は何なのか、最新の韓国経済市場の動向などを紹介する。

第7回のタイトルは「勃発!第3次韓国経済危機」と称しておく。

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