韓国経済、日本国内の有機ELテレビ商戦本格化 価格は高め パネルは韓国LG電子から調達
記事要約:最近、有機ELテレビの需要が高まっており、サムスン電子やLG電子の業績がどんどん上がっているわけだが、日本勢も今年に入り、有機ELテレビの新商品を続々と繰り出してきた。しかし、有機ELテレビは普通の液晶テレビと違い、まだまだ価格では高額。しかも、パネルは韓国LG電子から調達している。少し、ここで有機ELの事業化の歴史を振り返る。出てくるのはソニーとサムスン電子、LG電子の動きである。
■有機ELの事業化
小型の有機ELパネルを初生産したのは日本のソニーであり、これが2004年のこと。2002年にサムスン電子が小型有機ELパネルの量産を開始した。しかし、有機ELパネルの事業化は採算が取れないということで、有機ELそのものが衰退する。
ただ、サムスン電子は独自で有機ELの事業化を促進する。ソニーも2010年に国内事業から撤退を表明した。けれども、放送・業務用モニターに限って有機EL事業の展開が継続されている。また、これは有名だが、2011年のソニーの携帯ゲーム機「PS VITA」はサムスンから有機ELパネルを供給してもらっていた。
だが、ここから5年間も有機ELの事業化に高い壁が存在しており、2013年、サムスン電子やLG電子が初の大型有機ELテレビ(55インチフルHD)が販売を開始したが、サムスン電子は大型パネルの量産に失敗。LG電子はテレビ用の大型パネルの量産に成功したが、当初のパネルの歩留まり(原料に対する製品の比率。加工した時に、製品として残ったものの、原料に対する割合)が極めて悪かった。
このように2011年~2016年も有機ELの事業化にはどの企業も四苦八苦している。そして、2015年、日本は全ての家電メーカー(シャープはのけもの)で有機EL事業を統合したJOLED(ジェイオーレッド)を成立する。また、2016年12月、ジャパンディスプレイが出資比率を15%から51%に引き上げ、連結子会社化すると発表した。
そして、2016年10月に米アップルが「MAC BOOK PRO」のタッチバーで有機ELディスプレイを採用。パネルはサムスン電子から供給された。
ここから有機ELテレビの価値が段々と見直されてくるのだが、ここでいち早く大型パネルの量産に成功したLG電子のパネルが2世代となり、「歩留まり85%」を超えるほどの生産能力が向上したことで、フィリップスやレーベなど世界的な家電メーカーがLG電子のパネルを使って続々と有機ELテレビに参戦してくる。
フィリップスはヨーロッパ総合の総合電機会社。家電・通信・医療・システムなど事業は多岐にわたる。レーベはドイツの電子機器メーカーであり、液晶テレビで8割の売上を誇る。日本との関連ではシャープが大株主であり、29%を所持している。そのためシャープ向けの液晶テレビ生産も行っている。
2017年1月、管理人が今年、有機ELに注目していると述べたと思うのだが、ソニー、東芝、パナソニックが続々と参戦。そして、この有機ELパネルは全てLG製ということである。なぜなら、LG電子以外は「大型有機ELパネルの量産に成功」していないからだ。
以上。ここまで説明するとどうして日本の大手3社がLGから大型有機ELパネルを調達しているかがわかると思う。つまり、有機ELの事業化はどの企業も非常に苦労した。しかし、LG電子の大型有機ELパネルの量産化の成功と歩留まり85%の向上で、LG電子から有機ELパネルが調達することで次々と大型の有機ELテレビが登場した。
韓国のLG電子が世界のテレビ市場に貢献したわけだ。有機ELは今後、液晶テレビの市場を2020年ぐらいに逆転すると言われている。つまり、LG電子以外が有機ELパネルの大型化に成功すればまだまだチャンスはあるのだ。そして、価格を下げるにも役立つ。
今、世界中のパネルメーカーが有機ELパネル大型化の量産を成功させようとしていることだろう。願わくは日本企業に頑張ってもらいたいところだ。見てのとおり、有機EL事業は韓国勢に一歩遅れている。しかし、普及するには液晶に比べて高いというのがある。2022年の東京五輪までにさらに価格が下げれるなら、購入者も増えるんだろうな。国内3社の有機ELテレビはこちら。
管理人が購入するなら、PS4があるのでソニーのブラビアが一番良さそうなのだが、日本製のどれも中々、良いとは思う。ただ、4Kよりも、既に8Kもあるからなあ。でも、実際、8Kがいつ出てくるかというとわからないともいう。
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〔北朝鮮、韓国、朝鮮半島有事〕のまとめ
韓国経済、日本国内の有機ELテレビ商戦本格化 価格は高め パネルは韓国LG電子から調達
次世代パネル「有機EL」を採用した4Kテレビを巡る国内電機大手の商戦が本格的に始まった。
有機ELテレビは高画質の映像表現や薄型の構造が魅力だが、価格が50万円前後からと高価なことが課題だ。
ソニーは「BRAVIA(ブラビア)」ブランドの新製品を発売。画面を振動させて音を出す独自技術を開発し、搭載した。従来のスピーカーが不要で、スリムなデザインに仕上がった。市場想定価格は55型で54万円前後。
平成19年に世界初の有機ELテレビを発売したが採算が合わず撤退、今回は再挑戦となる。
パナソニックは「VIERA(ビエラ)」ブランドの有機ELテレビを16日に国内で発売。自社の音響機器ブランド「テクニクス」で磨いた臨場感ある音質技術をテレビに初めて搭載。
東芝は3月に「レグザ」ブランドから独自の映像処理技術を採用した新製品を投入済み。売れ行きは「想定以上に順調」(広報)。
3社とも基幹部品である有機ELパネルは自前で生産せず、韓国LG電子から外部調達している。
(http://www.sankei.com/economy/news/170612/ecn1706120004-n1.html)