日別アーカイブ: 2023年9月27日

韓国経済 韓国の特殊問題、不動産と家計負債ー

韓国経済 最近、韓国債と社債、それに住宅ローン金利が急上昇しているのでそろそろこのようなコラムが出てくる頃だと思っていたのだが、取りあえず、韓国さん。こちらが絶対の経済危機を予想した2023年の上半期より、実は下半期の方が深刻な経済危機だったとか。そういうオチになっていませんか。

ただ、2023年の上半期が絶望的な経済危機だから、下半期もダメだったという論理もなくはない。経済状態がリセットされることはない。基本は継続である。だが、ウォンが下がれば下がるほど韓国にとっては輸入物価が上昇することになる。つまり、インフレが収まってきたのに、このままではまたインフレが加速するのだ。これは日本もそうだが、さすがに1ドル150円の円安はきついので、日銀砲を撃つか何か知らないが、日銀総裁には対処してほしいところだ。

最も円が売られてる本当の理由は米国の高い金利維持にあるので、日銀砲をぶっ飛ばしても、そのうち元に戻る可能性すらある。そういう意味では様子見なんだろうか。日銀がどう動くかは知らないが、こちらが重要なのは韓銀の動きだ。もっとも、韓銀の動きは予測できる。金利凍結である。

今回の記事を見ればその理由もわかる。簡単に言えば家計債務が増えているから金利を上げられない。仮に金利を下げても家計債務が増えるから下げられない。こんな感じだろうな。では、記事の冒頭を見ていこう。

世界的に居住住宅は所得とローンを通じて購入する。現在、韓国経済成長率は低く、政府は家計ローンの増加を懸念している。したがって家を購入する資金の確保が難しい。供給と需要の変化によって局地的な住宅価格の上昇はあるかもしれないが、全般的な上昇圧力は次第に落ちるだろう。

10億のマンションが20億まで暴騰することはない。現政策金利を維持するという米国と韓国の中央銀行の信号を読めばなおさらだ。

https://japanese.joins.com/JArticle/309530?servcode=100&sectcode=120

今、韓国の投機筋が不動産バブルを再び引き起こそうと仕掛けてきたのだが、実際は貸出金利が8%。9%とかそんなレベルなので不動産価格の上昇は一時に過ぎない。まあ、政府が低金利で不動産購入できるようにしたところで、そもそも不動産が売れてない、不動産取引が活発でないから「税収不足」に陥っているんだよな。

韓国政府は既に70兆ウォンほど税収不足に陥っている。これは大部分は韓国輸出が振るわないので、法人税の減少もあるが、不動産関連の税収が減ったことも一因となっている。だから、税収増やそうと政府は手これ入れ策、不動産規制を緩和したことで投機筋に利用されているのが現状だ。しかし、韓国の景気が悪いのに家をローンで買うわけないんだよな。

韓国はもうすぐチュソクという大型連休に突入するのだが、実はこちらはこのイベントに注目している。このイベントで自営業がどれだけ売上を伸ばせるか。これで韓国の景気がどういう状態かが数字で測れるわけだ。まあ、昨年と比べても良くはないだろうな。

といったところで今回の記事の要点を整理していく。今回の記事は中央日報のコラムだ。

■記事の要点

1.不動産が優先的な関心事である理由がある。第一に、首都圏は韓国の人口と経済で半分以上を占める世界最高の過密地域だ。良好な首都圏住宅は常に供給が不足した国内最高優良資産だ。株式より危険が低く、収益率は優れていて、レバレッジを活用して収益率を最大化することができる。

2.第二に、1人当たりの国内総生産(GDP)が上昇すれば個人は普通余剰貯蓄を株式と不動産に分けて投資するが、株式市場に対する信頼と選好度は高くない。改善はあったものの、分割上場や低配当のように株主利益を無視する慣行も相変わらずだ。不動産市場で「全国民が金を借りて参加する株式市場化」が進んだ。韓国家計の平均非金融資産比率は2021年基準として世界で最も高い64%だ。米国は29%、英国は46%、日本は37%だ。

3.第三に、過去のどの政府も政治志向や景気状況によって不動産政策を果てしなく変更してきた。政策的一貫性の喪失でもう誰も政府の思い通りに動かない。人々は不動産規制がまた変わるだろうと予想して、最適な不動産投資機会を探索する。海外投資家が上場企業の実績と産業展望を分析するように、韓国では契約制度・実居住義務・税制・賃貸事業者制度・再建築の可能性・貸出の可能性などを研究する。不十分な社会保障制度のために老後生計の不確実性が高く硬直した労働市場から一度放出されれば良質の仕事を探しにくい韓国の社会経済構造では非常に合理的な個人選択だ。

家計ローンの増加速度を調節するだけでは問題解決は制限的だ。韓国銀行報告書によると、2022年末基準として所得第V階級(所得上位20%)の貸与残額占有率は53%に達する。これらが家計ローンの半分以上を占める。2017年から2022年まで「負債のない世帯」に比べて「負債のある世帯」の純資産増加幅のほうが大きかった。所得格差にともなう貸与接近性が資産格差を深刻化させて社会不安の土壌を作った。

世界最高の家計負債比率を背景に韓国は「IMF事態級の経済危機」というあきれたことを言ったり「家計消費制約による経済成長阻害」のような議論をする。そろそろ社会構造的矛盾を読むときがきた。

以上の3つだ。3でなかなか面白いことを述べているが、取りあえず、順番に見ていこうか。

まず1だが、首都圏は韓国の人口と経済で半分以上を占める世界最高の過密地域だ。良好な首都圏住宅は常に供給が不足した国内最高優良資産だ。これ嘘だよな?そのソウルのマンション価格がどんどん下落していったじゃないか。供給が不足しているのにマンション価格が下落するんですかね。この時点で、このコラムが怪しくなってきたな。因みにソウルのマンション価格を見ておこうか。

2023年6月13日、中国のポータルサイトの捜狐(SOHU)は、韓国ソウルの不動産取引価格が25%下落し、第一四半期の成約件数が昨年度の7割にまで減少するなど、同国統計史上最低値を記録したことを伝えた。

記事は初めに、ニューヨークやロンドンなど世界の主要都市の不動産価格の棒グラフを提示し、「韓国の不動産価格は過去5年で80%も上昇し、ソウル市内は1平方メートル当たり15万元(約293万円)に達するなど、高騰を続けてきたが、最近下落に転じた」と紹介し、下落に転じた理由として、韓国の中央銀行の「韓国銀行」が20年5月から1年3カ月間維持してきた政策金利を、21年8月に0.50%から0.75%に引き上げて以来、23年1月13日まで継続して金利引き上げを実行したことにあると指摘し、その結果、ソウルの不動産取引価格が25%下落したと伝えた。

https://www.recordchina.co.jp/b915624-s39-c20-d0197.html

株式より危険が低く、収益率は優れていて、レバレッジを活用して収益率を最大化することができる。25%下落していますが株式より危険が低いんですかね?

この記事は6月13日なので、ちょっと古い記事ではあるのだが、見ての通り、ソウルの不動産取引価格が25%下落とある。少なくとも彼の言う良好な首都圏住宅は常に供給が不足した国内最高優良資産ではない。3ヶ月経過して高騰しているならニュースにはなっているはずだ。

次に2だが、不動産市場で「全国民が金を借りて参加する株式市場化」が進んだ。韓国家計の平均非金融資産比率は2021年基準として世界で最も高い64%だ。要は金融商品ではない資産比率が韓国は世界一と。どうせ不動産が大半なんだろうな。その資産価値が不動産急落で目減りしていくんだが。

次に3については日本人にはあまり理解できないだろう。まあ、日本でも1990年台に不動産バブルが弾けた経験があるので、今の世代は不動産投資についてはわりと懐疑的なんじゃないか。でも、韓国の人々は不動産規制がまた変わるだろうと予想して、最適な不動産投資機会を探索するそうだ。投資はあくまでも自己責任だ。好きにすればいいだろう。

さて、次が問題だ。

家計ローンの増加速度を調節するだけでは問題解決は制限的だ。韓国銀行報告書によると、2022年末基準として所得第V階級(所得上位20%)の貸与残額占有率は53%に達する。これらが家計ローンの半分以上を占める。2017年から2022年まで「負債のない世帯」に比べて「負債のある世帯」の純資産増加幅のほうが大きかった。所得格差にともなう貸与接近性が資産格差を深刻化させて社会不安の土壌を作った。

つまり、借金している世帯の方が純資産増加幅のほうが大きかった。だから、家計債務の増加を抑えるなという結論なんだろうか。これについてはなんともいえないな。確かに韓国人は投資するときにできるだけ借金して投資。魂まで融資とか。わけのわからないことを述べている。投資というのは余剰資産でやるものだと思うが、彼等は限界まで投資してリターンを狙う。上手くいけば儲けは大きいが、そのほとんどが借金漬けで家計債務を増やしている。

だから、所得格差にともなう貸与接近性が資産格差を深刻化させて社会不安の土壌を作ったとか言われても、納得するのは難しいな。まあ、これについて韓国社会についてだものな。

次に結論が、世界最高の家計負債比率を背景に韓国は「IMF事態級の経済危機」というあきれたことを言ったり「家計消費制約による経済成長阻害」のような議論をする。そろそろ社会構造的矛盾を読むときがきた。

このコラムの筆者は家計債務比率が世界一でも全然、気にしていない。もっと家計債務を増やしても問題ないと考えているのか。まあ、それは個人の考え方だしな。世界一の家計債務比率が今後、韓国をどうしていくかは答えはすぐ出てくるだろう。

後は中国の話題だ。

(ブルームバーグ): 中国恒大集団が債務再編案の見直しが必要になると先週末に突如発表するなど、中国の不動産開発大手は新たな局面を迎えており、住宅危機の封じ込めを図る習近平指導部の取り組みが脅かされている。

  不動産市場を巡る信頼感はすでに落ち込んでいるが、開発企業にとって書き入れ時となる国慶節(建国記念日)連休が迫るタイミングで、さらに信頼感を損ねるニュースが相次いでいる。

  債務再編計画を見直す必要があると公表していた中国恒大は25日、同日期限の人民元建て債の元利払いを主要子会社が履行できなかったと発表。また、中国メディアの財新は恒大の元経営幹部が拘束されたと報じた。

一方、不動産投資を手掛け、米国で進めた複数の事業で苦境に陥っている中泛控股(チャイナ・オーシャンワイド・ホールディングス)に対し、バミューダの裁判所が清算命令を出した。碧桂園は引き続きデフォルト(債務不履行)の回避に向けて取り組んでいる。

中国政府が最近講じてきた住宅需要のてこ入れ策とは相いれないニュースが相次ぎ、不動産市場の安定化を巡り統一されたプランが当局にあるのかとの戸惑いが投資家に広がっている。住宅販売の持ち直しの起爆剤として、国慶節連休に期待を寄せてきた中国の不動産開発企業にとっても最悪のタイミングだ。

  ブルームバーグ・インテリジェンスが算出する不動産開発株の指数は26日午前に続落。前日は今年最大の下落率を記録していた。

  不動産業界にとって9月と10月は書き入れ時で、特に29日から始まる大型連休は物件を売り込む好機だ。住宅市場の落ち込みが景気回復の重しとなっているほか、借り換えが難しくなっている開発業者は物件の販売で捻出した資金で債務返済を余儀なくされており、今年の国慶節連休の動向はこれまで以上に重要になっている。

  不動産会社への助言を手掛ける鏡鑑諮詢の創業者、張宏偉氏は「今年に入り不動産販売は非常に低調で、大半の開発企業にとってはこの2カ月での取引拡大が特に大事になる」と指摘。10月までに販売が良くならなければ、地方政府が刺激策を強化するとの見通しを示した。

https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E9%96%8B%E7%99%BA%E5%A4%A7%E6%89%8B%E3%81%BE%E3%81%9F%E6%8F%BA%E3%82%89%E3%81%90-%E7%BF%92%E6%8C%87%E5%B0%8E%E9%83%A8%E3%81%AE%E4%BD%8F%E5%AE%85%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E5%B0%81%E3%81%98%E8%BE%BC%E3%82%81%E3%81%AB%E9%80%86%E9%A2%A8/ar-AA1hgkx2?ocid=hpmsn&cvid=a3715aa608284f29946aaf44c994fc72&ei=18

このように頑張って綱渡りをしているようだが、こちらはそのうち終わりを迎えるとみている。今の中国人がデフレで、安くなるのがわかっていて物件を買おうと思うんだろうか。そもそも、買っても工事が完了する保証がどこにもない。住宅ローンだけ払わされる可能性すらある。どちらにせよ。デフレの時に大きな買い物するのは個人の視点では得策とは言えない。

世界的に居住住宅は所得とローンを通じて購入する。現在、韓国経済成長率は低く、政府は家計ローンの増加を懸念している。したがって家を購入する資金の確保が難しい。供給と需要の変化によって局地的な住宅価格の上昇はあるかもしれないが、全般的な上昇圧力は次第に落ちるだろう。10億のマンションが20億まで暴騰することはない。現政策金利を維持するという米国と韓国の中央銀行の信号を読めばなおさらだ。

不動産が優先的な関心事である理由がある。第一に、首都圏は韓国の人口と経済で半分以上を占める世界最高の過密地域だ。良好な首都圏住宅は常に供給が不足した国内最高優良資産だ。株式より危険が低く、収益率は優れていて、レバレッジを活用して収益率を最大化することができる。

第二に、1人当たりの国内総生産(GDP)が上昇すれば個人は普通余剰貯蓄を株式と不動産に分けて投資するが、株式市場に対する信頼と選好度は高くない。改善はあったものの、分割上場や低配当のように株主利益を無視する慣行も相変わらずだ。不動産市場で「全国民が金を借りて参加する株式市場化」が進んだ。韓国家計の平均非金融資産比率は2021年基準として世界で最も高い64%だ。米国は29%、英国は46%、日本は37%だ。

第三に、過去のどの政府も政治志向や景気状況によって不動産政策を果てしなく変更してきた。政策的一貫性の喪失でもう誰も政府の思い通りに動かない。人々は不動産規制がまた変わるだろうと予想して、最適な不動産投資機会を探索する。海外投資家が上場企業の実績と産業展望を分析するように、韓国では契約制度・実居住義務・税制・賃貸事業者制度・再建築の可能性・貸出の可能性などを研究する。不十分な社会保障制度のために老後生計の不確実性が高く硬直した労働市場から一度放出されれば良質の仕事を探しにくい韓国の社会経済構造では非常に合理的な個人選択だ。

家計ローンの増加速度を調節するだけでは問題解決は制限的だ。韓国銀行報告書によると、2022年末基準として所得第V階級(所得上位20%)の貸与残額占有率は53%に達する。これらが家計ローンの半分以上を占める。2017年から2022年まで「負債のない世帯」に比べて「負債のある世帯」の純資産増加幅のほうが大きかった。所得格差にともなう貸与接近性が資産格差を深刻化させて社会不安の土壌を作った。

世界最高の家計負債比率を背景に韓国は「IMF事態級の経済危機」というあきれたことを言ったり「家計消費制約による経済成長阻害」のような議論をする。そろそろ社会構造的矛盾を読むときがきた。