日別アーカイブ: 2023年9月1日

韓国経済 7月の生産・消費・投資が軒並み減少、「トリプル減」で下半期回復論に赤信号

韓国経済 今日から9月に入るわけだが、韓国経済の季節動向だと「秋」となる。こちらは秋から韓国経済が面白くなると述べてきたわけだが、その理由について9月当初なので解説していこう。面白くなる理由は次の3つだ。

1. 韓国外債の償還が9月末以降始まる

2.自営業の凍結された元本・利息の制限解除

3.上低下高。韓国輸出や半導体輸出が本当に回復するのか。

以上の3つだ。1については韓国外債償還が始まると、外国人投資家にドルで渡すことになるので韓国企業は市場でウォンとドルを交換するので、ウォンが売られやすくなる。つまり、9月からウォン安の流れが自然と形成される。だから、韓国銀行は介入してウォンを必死に上げようとしてくるので、チャートが歪になりやすい。また、9月以降は寒くなっていく季節なのでエネルギー消費も増える。しかも、原油価格が昨日、視たときは81ドルだったのに、今、確認すると83.73ドルだ。ちょっとこれは気になるな。チャートで視ていこうか。

これは1年のWTIの原由チャート。昨日の82.90ドルだったが、今の時間だと83.76ドルと上昇している。原油価格は6月27日に69ドルまで下がっていたが、それからOPECプラスの減産やらのニュースで再び上昇。しかし、そこに中国経済鈍化のニュースが出てきたこともあり、サウジが自主的に減産を始めた.しかも、それはしばらくは延長されるという。

エネルギー需要が高まるにつれて原油価格は上がりやすい。当然、これは日本で円安によるガソリン価格があがっていることもわかるだろう。韓国もウォン安ならガソリン価格は上がる。9月からは冬にかけた経済動向を見る上で重要なことがいくつも出てくる。1番需要なのは米国の経済や金利動向であるので、今日の製造業PMIや平均時給などは注目だろう。少し話がずれたが、ウォン安が加速しやすい環境とでもいうのか。それを必死に押し戻すのが韓銀砲といったところだ。

さて次は2の話になるが、これは韓国の家計債務急増に直結する。だいたい自営業負債は600兆ウォンほどあるみたいなので、凍結された元本・利息の制限解除9月末から解除されると。だが、自営業は二極化となっている。負債500万ウォン以下で破産宣告する自営業が急増。これは大きな社会構造の変化の兆しなのか。ムン君の最低賃金大幅引き上げや、法人税引上げなどによる中産階級の没落は、韓国社会の二極化を一気に進めてきた。それがコロナ禍が済んでも変わらず進んでおり、底辺である中小零細企業はますます資金繰りに苦しんでいる。

次に3だが、韓国政府は今年の輸出見通しは上低下高。つまり、上半期はダメだが、下半期は急回復するてやつだ。だが、9月になっても韓国輸出は急回復どころか、輸出と輸入と共に激減している。8月の貿易収支はまだ出てないが、良いことはあり得ないので、そのうちどこかで取り上げたいと思う。

では、今回の記事の冒頭をみていこうか。

実体景気の動向を示す生産や消費、投資の3大指標が、7月に一斉に下落した。豪雨・猛暑に生産と内需が大きく萎縮し、中国景気の減速で韓国国内企業の在庫率が上昇し、指数を引き下げた。残りの下半期(7~12月)の輸出の持ち直しと内需活性化が後押しされなければ、政府が期待してきた景気の「上低下高(上半期は減速、下半期は持ち直し)」の流れを断言できないという懸念が出ている。

https://japanese.joins.com/JArticle/308486?servcode=300&sectcode=300

なんか表現がマイルドになっている。確か急回復だとのべていたのに、気がつくと、下半期は持ち直しである。そして、これから視ていくのが実体景気の動向を示す生産や消費、投資の3大指標だ。

では、記事の陽転を整理していく。

■記事の要点

1.31日、統計庁が発表した「7月の産業活動動向」によると、今月の産業全体の生産指数は109.8で、前月より0.7%減少した。設備投資も前月より8.9%減少し、小売販売も3.2%下落した。生産と消費、投資指標が軒並み下落したのは、今年1月以降6ヵ月ぶりのことだ。特に設備投資は、2012年3月(マイナス12.6%)以降11年4ヵ月ぶりに、消費も2020年7月(マイナス4.6%)以降3年ぶりに最大幅に減少した。統計庁のキム・ボギョン経済動向審議官は、「企業の出荷が減少し、在庫率が上がったが、これは中国経済が回復しなかったためだ」とし、「7月は例年に比べて雨が多く降るなど、一時的要因が多く反映され、良くないことが分かった」と話した。

2.政府は同日、10月2日を臨時公休日に指定するなど、秋夕(チュソク=旧暦の8月15日)を迎え、内需活性化対策を打ち出した。これに伴い、9月28日から10月1日までの4日間の秋夕連休と、10月3日の開天節(建国記念日)を含め、計6日間の「ゴールデンウィーク」が可能になった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は同日、緊急経済民生会議を主宰し、「60万枚の宿泊割引クーポンを配布し、連休期間中に高速道路の通行料を免除する」と述べた。

以上の二つだ。順番にみていこう。

最初の1は韓国の経済指標である。特に重要なのは設備投資だ。企業が成長するには設備投資がかかせないのに、それが前月よりも8.9%減少したと。しかも、韓国の重要な二大産業である半導体と二次電池は先行投資が重要である。だが、設備投資が減っているてことは何がおきているのか。中央日報のソースで確認しよう。

7月の全産業生産は設備投資が8.9%減り2012年3月の12.6%減から11年4カ月ぶりの下げ幅を記録した。

鉱工業生産も前月比2%減少した。6月に続く2カ月連続の減少だ。鉱工業の中でも製造業は2.0%減少した。衣服・毛皮が28.5%増えたが、電子部品が11.2%減、機械装備が7.1%減となった。半導体は2.3%減った。

サービス業生産は0.4%増えた。豪雨などの影響で宿泊・飲食など対面消費が減ったが金融・保険などが好調を見せた。卸小売が1.2%減ったが、情報通信が3.2%増、金融・保険が1.5%増と生産が増え全体では前月比0.4%増加した。

消費動向を示す小売り販売額指数(季節調整)は先月103.0(2020年=100)で3.2%減った。これは2020年7月の4.6%減から3年ぶりの減少幅だ。

https://japanese.joins.com/JArticle/308486?servcode=300&sectcode=300

少々、被っているところもあるのだが、重要なのは韓国が得意とする電子部品が11.2%減、機械装備が7.1%減となった。半導体は2.3%減ったという。サービス業がどんどん落ち込んでいくのはわかっていた。これはコロナ禍の脱却による飲食や旅行需要がピークを迎えて落ちているからだ。

最初は自動車もそうだが、コロナ禍から抜けだした開放感で、人々に旅行するための足、車などの需要が増えた。しかも、半導体不足もあって車需要は拡大した。だが、その自動車需要もだんだんと減ってきている。

それで2はショボい景気刺激策である。休みの日を内需需要喚起。さらに、「60万枚の宿泊割引クーポンを配布し、連休期間中に高速道路の通行料を免除する」とか。日本のパクりみたいな政策である。こんな程度の景気刺激策で内需が活性化するわけないんだよな。

では、内需を活性化させたければどうすればいいのか。みなさん、答えは知っているだろうか。簡単だ。「ノージャパン」だ。ええ?なんで?という声が聞こえてきそうだが、実際、ノージャパンは正解なのだ。なぜなら、韓国人旅行者の4人のうち1人が日本へ来ているのだ。それを視ていく。

30代の会社員チョン・ジュファンさんは友人2人とともに今月初めに愛媛県松山市で3泊4日間の休暇を過ごした。航空便は格安航空会社(LCC)を利用した。

現地の空港アクセスは韓国人専用シャトルバスを利用した。パスポートを見せれば飛行機の時間に合わせて無料で運行する形だった。チョンさんは休暇期間中に1人当たり80万ウォン(約8万8409円)ほどだけ使いながらも十分に満足な時間を過ごしたと話した。

彼は「韓国の有名観光地より旅行費用もかからず、観光客の待遇も良かった。韓国の有名観光地が韓国人客にぼったくり営業をするスタイルが嫌いで次の休暇も海外に行くつもり」と話した。

チョンさんのように韓国国内より海外旅行を選ぶ韓国人が増え、国内線と国際線の利用客数の格差が急速に広がっている。29日に中央日報が国土交通部のグローバル航空産業動向白書と韓国空港公社と仁川(インチョン)国際空港公社の最近の国際線・国内線旅客実績を分析した結果だ。

夏休みの繁忙期である先月の国際線利用客は638万3000人で前年比246%増加したことがわかった。白書は「夏休み期間の海外旅行需要増加と世界ジャンボリー大会開催などの影響で国際線利用客が大きく増えた」と分析した。

特に国際線のうち日本路線の先月の旅客は173万3207人で前年同期より1539%、中国路線は81万8831人で2568%増えた。欧州路線の利用客も22万4785人から43万8570人で95.1%増加した。反対に国内線利用客は259万5000人で前年より18.1%減少した。海外旅行需要が伸びる時に国内旅行需要は後退していた格好だ。

https://japanese.joins.com/JArticle/308400?sectcode=300&servcode=300

こんな日本にばかり来たら、日本の内需に貢献するが、韓国には1ウォンも落とさない。せいぜい、格安航空会社、LCCが儲かるぐらいだ。しかも、彼等は日本産ビールで乾杯するんだぜ。だから、内需を活性化したければ日本旅行禁止すれば良いのだ。これが経済的に正しいのだ。

もっとも、日本旅行禁止したところで、韓国人が国内旅行するかどうかは疑わしい。細かい内容をあげれば、ぼったくりの商売が乱立。モーテルで宿泊すれば盗撮の心配をしなければならない。そんな韓国旅行だが、最近、中国人の団体旅行が解禁された。でも、思ったより嬉しい話というわけではないようだ。では、引用しよう。

中国政府が6年5ヶ月ぶりに韓国行きの団体旅行の禁止を解除したが、中国人観光客の流入にともなう経済効果は期待に及ばないという観測が出ている。中国不動産発の経済危機で、中国人の支出が大幅に減ったことによるものだ。

ロイター通信によると、韓国に先立って中国人団体旅行が再開されたタイやシンガポール、インドネシア、フィリピンを今年5月に訪れた中国人観光客の数は、4年前に比べて60%以上激減した。韓国銀行も24日発表した報告書で、先月の中国の海外観光客数は2019年比日本が44.3%、タイが37.3%、インドネシアが37.1%に止まったと明らかにした。コロナ禍前の半分にも及ばなかったのだ。

特に、中国の景気低迷を受け、中国人観光客の消費力が目立って減っている。香港旅行発展局によると、中国人観光客のうち、「ショッピングのために香港を訪れた」と答えた割合は、2017~2019年の27%から今年5月は19%に減った。国経済専門メディアCNBCは、「3年間の苛酷なコロナ封鎖政策で、中国人の海外観光客があふれかえると思ったが、多くの人々が海外旅行の経費が高いという理由で家に留まっている」と報じた。

https://www.donga.com/jp/List/article/all/20230831/4393966/1

まあ、旅行しようにも人民元安だからな。しかも、景気は低迷しているし、若者の仕事はない。もはや、中国人観光客は以前のようにありがたい存在ではなくなったと。

不動産バブルが弾けて中国のカントリー・ガーデンや恒大などの天文学的な負債が色々出てきて、それらが中国の多くの都市建設のプロジェクトをかかえている。それが中断すれば、その工事のために雇用していた従業員が全ていらなくなる。従業員がいらなくなれば、当然、それ目当てで商売している飲食店などのサービスもいらない。つまり、連鎖的なサービス業まで不振に追い込まれていくわけだ。

なら、作ればいいじゃないかと思うかも知れないが、造れば造るほど赤字なんだよな。そもそも、このプロジェクトには膨大な利権が絡んでいる。その利権の先にあるのは不正に富を蓄財しようとする小役人の存在だろう。もっとも、彼等は気が気ではないだろうな。全ての責任を彼等に押しつけられていくわけだから。既に海外に資産を移しているだろうが。

実体景気の動向を示す生産や消費、投資の3大指標が、7月に一斉に下落した。豪雨・猛暑に生産と内需が大きく萎縮し、中国景気の減速で韓国国内企業の在庫率が上昇し、指数を引き下げた。残りの下半期(7~12月)の輸出の持ち直しと内需活性化が後押しされなければ、政府が期待してきた景気の「上低下高(上半期は減速、下半期は持ち直し)」の流れを断言できないという懸念が出ている。

31日、統計庁が発表した「7月の産業活動動向」によると、今月の産業全体の生産指数は109.8で、前月より0.7%減少した。設備投資も前月より8.9%減少し、小売販売も3.2%下落した。生産と消費、投資指標が軒並み下落したのは、今年1月以降6ヵ月ぶりのことだ。特に設備投資は、2012年3月(マイナス12.6%)以降11年4ヵ月ぶりに、消費も2020年7月(マイナス4.6%)以降3年ぶりに最大幅に減少した。統計庁のキム・ボギョン経済動向審議官は、「企業の出荷が減少し、在庫率が上がったが、これは中国経済が回復しなかったためだ」とし、「7月は例年に比べて雨が多く降るなど、一時的要因が多く反映され、良くないことが分かった」と話した。

政府は同日、10月2日を臨時公休日に指定するなど、秋夕(チュソク=旧暦の8月15日)を迎え、内需活性化対策を打ち出した。これに伴い、9月28日から10月1日までの4日間の秋夕連休と、10月3日の開天節(建国記念日)を含め、計6日間の「ゴールデンウィーク」が可能になった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は同日、緊急経済民生会議を主宰し、「60万枚の宿泊割引クーポンを配布し、連休期間中に高速道路の通行料を免除する」と述べた。