日別アーカイブ: 2023年9月13日

韓国 4%台の預金再登場…貸出金利再び上昇か

韓国 今、韓国で9月危機となるものが注目されており、それを何度か取り上げたのだが、実際、9月の段階で韓国に経済破綻や金融破綻などは起きないだろう。ただ、懸念材料もある。それは韓国債や社債の金利がここのところ、以前の「レゴランド不渡り」の時と同レベルの水準にまで上がっていることだ。しかも、それが中央日報で取り上げられている。

ああ、あれから一年か。レゴランド不渡りとは何か。知らない人もいるかもしれないが、これは簡単に説明しておこう。

地方自治体,カンウォンド(江原道)がレゴランドの借金を保証をいきなりしないことを宣言したことで、市場投資家は大混乱に陥った。もはや、地方政府でさえ信用できないとなったばかりに、投資家は債券を投げ売り、大企業の社債ですら売れなくなった。資金繰りに苦しんだ企業は高い金利を条件に社債を買ってもらおうとするも、そこに金利が急上昇した。

細かい話はいいとして,大事なのはレゴランド不渡りで地方政府すら信用できないと投資家に思わせたことだ。後で債務保証をしないことを取りやめるようになったが、一度、失った信頼を取り返すのは難しい。韓国企業、特に社債での調達コストが影響は今でも続いている。

しかし、レゴランド不渡りがあったのは2022年9月28日のことだ。今日が2023年9月13日なので、もうすぐ1年が経過する。それなのに金利は元通りとか。一体、この一年間なにしてきたんですかね。しかも、都市銀行で年4%台の預金商品が再登場したそうだ。

では、記事の冒頭を見ていこうか。

韓国の都市銀行で年4%台の預金商品が再登場し、昨年のレゴランド問題の余波にともなう金融圏の「受信競争」が再現されるのではないかとの見通しが出ている。高金利基調が続いて資金が不足する中小企業の困難が加重され、違法なヤミ金融被害を受ける庶民が大きく増えている。

韓国、4%台の預金再登場…貸出金利再び上昇か | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)

このようにレゴランド不渡りは韓国では未だにその影響から抜け出せてない。アホな地方自治体の議員が考えもなしに決めたことで、どれだけの中小企業がその資金調達を苦労しているのか。まあ、その議員はすでにそういうことがあったことすら忘れているんだろうな。

では、記事の要点を整理していこうか。

■記事の要点

1.11日の金融圏によると、しばらく見られなかった銀行の年4%台の金利(満期12カ月基準)の定期預金商品が再び現れた。SC第一銀行の「eグリーンセーブ預金」(年4.1%)、DGB大邱(テグ)銀行の「DGBともに預金」(年4.05%)、BNK釜山(プサン)銀行の「ザ特版定期預金」(年4%)などだ。主要都市銀行も最大年3.8%水準の預金商品を相次いで出している。

2.金融圏では昨年資金市場をパニックに陥れたレゴランド問題の影響という解釈が出ている。昨年9月28日に起きたレゴランド問題で債券市場が冷え込み資金調達が難しくなると、銀行は受信金利を高める方式で対応した。昨年7月に年2.93%だった預金銀行の平均受信金利(新規取り扱い基準)はレゴランド問題後の昨年10~12月には年4%を上回った。銀行の預金金利が上がると顧客は銀行に資金を多く預けた。昨年6月に1928兆6373億ウォン水準だった預金銀行のウォン預金残高は11月には1973兆1725億ウォンに増えた。

3.資金を吸い込んだ高金利預金の満期を迎え始め、多額の資金をめぐり再び銀行が金利競争に始動をするのにならないかとの観測が出ている。金融圏では9月から年末までに到来する預金満期規模が100兆ウォンを超えると推定している。信栄(シンヨン)証券のイ・ギョンロク研究員は「レゴランド問題から1年が過ぎた時点で預金満期が大挙到来し、預金金利上昇や銀行債発行の増加につながるだろう」と話した。金融投資協会によると先月の銀行債は3兆7794億ウォンの純発行(新規発行額が償還額より多いこと)を記録した。昨年9月の7兆4000億ウォン以降で最も多い。

4.問題は銀行の受信金利競争と銀行債発行増加のいずれも貸出金利上昇につながる恐れがある点だ。金融圏関係者は「受信金利上昇と銀行債発行増加にともなう銀行債金利上昇はいずれも金融会社の調達費用増加に直結する。調達費用が増えれば貸出金利は上がるほかない」と話した。

以上の4つだ。順番に見ていこうか。もっとも、今回の話はどれも繋がっている。

まず1だが、最近、銀行の貸付金利が上昇しており、銀行の年4%台の金利(満期12カ月基準)の定期預金商品が再び現れたと。金利4%で1年満期なら、預金者はこの金融商品に殺到したわけだ。そもそも、このとき、レゴランド不渡りだけではなく、韓電債の資金調達もあり、それらの影響で金利は急上昇していた。もちろん、このような金利4%の商品は消費者にとっては魅力的だ。

問題はその商品は1年満期であるために、銀行は金利4%付けて預金満期に応じないといけないわけだ。それが3に書いてある通りだ。資金を吸い込んだ高金利預金の満期を迎え始め、多額の資金をめぐり再び銀行が金利競争に始動をするのにならないかとの観測が出ている。金融圏では9月から年末までに到来する預金満期規模が100兆ウォンを超えると推定している。

銀行は資金調達で4%台の金融商品を再登場したのは何も偶然ではない。なぜなら、これは自転車操業だからだ。つまり、銀行は1年前の満期到来する預金100兆ウォンを作り出すために、同じような金融商品を作って投資家に買わせようとしているのだ。

だから専門家が「レゴランド問題から1年が過ぎた時点で預金満期が大挙到来し、預金金利上昇や銀行債発行の増加につながるだろう」と述べている。銀行は満期到来する預金を投資家に利息4%を付けて返済しないといけないのだ。

そして、その動きは先月に出ている。先月の銀行債は3兆7794億ウォンの純発行(新規発行額が償還額より多いこと)を記録していると。つまり、銀行債を発行して資金調達に出ている。だが、問題は地方銀行というのか「格付け」が高いてことだ。これは韓電債の格付けがトリプルAと同じで、それらの銀行債が発行されると、投資家は安全な銀行債に資金が集中して、他の中小企業の社債を買わなくなる。だから、今,社債の金利がどんどん上がってきている。

それで、最初の冒頭に戻るわけだ。高金利基調が続いて資金が不足する中小企業の困難が加重され、違法なヤミ金融被害を受ける庶民が大きく増えている。

でも、これは銀行だって満期到来する預金を確保しないと不渡りになるので、銀行債や商品パッケージを発行するしかない。そういう意味では9月危機かもしれないが、実際は自転車操業でも銀行の格付けが高いので、債券が売れ残るようなことがない。つまり、「銀行」が不渡りを起こすようなことは考えれない。でも、銀行が不渡りを起こさなくても,その銀行に融資を断られて、社債も買ってもらえない。泣く泣く高金利のヤミ金に手を出すしかない中小企業はその限りではない。

9月危機は無くても、この先、預金満期を迎えるこの時期に資金繰りに行き詰まり倒産する中小企業が続々と発生する。この可能性は否定できない。この倒産していく中小企業が銀行から融資を受けているなら,これらは不良債権と処理することになる。つまり、これが増えれば増えるほど、銀行へのしわ寄せがやってくるという。

ええ?ややこしいて?確かに今回の金融の話は難しいんだが、結局,どれか一つでも問題が発生すれば資金の流れがおかしくなり、そこから金融危機へと発展していく。韓国の銀行が金利4%で資金調達をすればするほど、中小企業が苦しくなる。でも、銀行はそれをやめることはできない。むしろ、4%以上の金利で商品を作らないと資金調達出来ない恐れさえある。

こちらは秋から面白くなると述べてきたが、実際、これらの金融危機が企業や自営業の負債をさらに急増させる。その悪循環を絶つことは実際は出来ない。なぜなら、「毎年」繰り返されるからだ。100兆ウォンとか1年満期が到来する限り、おなじことだ。銀行は自転車操業でしか乗り越えることはできない。

さて、ここから人民元の話だ。昨日、人民元が大規模介入していることを紹介したが、それはどうやらドルだけではないらしい。では、引用しよう。

(ブルームバーグ): 中国の人民元安との闘いは、対ドル相場だけにとどまらない。

  中国人民銀行(中央銀行)は8月中旬以降、ユーロや円、ポンドを含む23の貿易相手国・地域通貨に対する元の中心レートで自国通貨を下支えしていることがブルームバーグの算出で分かった。その結果、元の他通貨に対する価値を測る中国外国為替取引システム(CFETS)の指数は安定した。

  今年に入り、期待外れの経済データと不動産セクターの混乱を受けて中銀が利下げに動いた中、トレーダーは元を売ってきた。中国当局は金融政策が世界の他の国地域と乖離(かいり)し元安が進んでいることから、信頼低下に伴う資本流出につながる可能性について熟考する必要に迫られている。

  ドル以外の主要通貨に対する元相場を下支えする中銀の取り組みはあまり注目されていないものの、機能しているようだ。元は貿易加重バスケットに対し7月末から約1.2%上昇している一方、この間にオンショア人民元は対ドルで約2%下落した。

  マラヤン・バンキングのシニア外国為替アナリスト、フィオナ・リム氏(シンガポール在勤)は、「現時点でより大幅な元安を容認して輸出競争力を高めることは、世界的な需要の鈍化を見れば、収穫は少ないだろう」と指摘。さらに元安になれば「信頼感や資本流出、金融安定という点で、より多くの犠牲を払うことになる」と予想した。

元は先週、対ドルで16年ぶりの安値まで下落。中国当局は口先介入を通じ防衛策を強化し、ドル・元の中心レートを想定よりこれまでで最も大きく元高水準に設定したことから今週の元相場は安定している。

  もっとも、元のバスケット指数が相対的に安定しているのは、米金融当局が利上げを長期化させるとの見方からアジア通貨が対ドルで軟調なことも一因かもしれない。円と韓国ウォンは7月後半以降、対ドルで3%余り下落している。

  CFETS人民元指数に占めるドルのウエートが20%であることを考慮すれば、ドル・元の中心レートだけでは貿易加重バスケットを支えるには不十分であり、中国中銀がドル以外の通貨の中心レート設定で何らかの調整を実施した可能性を示唆している。

中国の元下支えは対ドル相場だけにとどまらず、他の23通貨も対象か (msn.com)

中国人民銀行(中央銀行)は8月中旬以降、ユーロや円、ポンドを含む23の貿易相手国・地域通貨に対する元の中心レートで自国通貨を下支えしている。まじかよ。すげえな。23の貿易相手国の通貨に対して大規模介入かよ。これは相当、中国は他国の通貨を売っていることになる。

こちらもドルだけではなく、ユーロや円、ポンド辺りのハードカレンシーには介入していると思っていたが、まさか23とか。どんだけ元安が嫌なんだよ。

つまり、今の7.28というのは介入して維持しているてことか。なんせ、ドル円は147円と落ちている。韓国ウォンも1330となっていて、米CPI前なのに下がってきている。

韓国の都市銀行で年4%台の預金商品が再登場し、昨年のレゴランド問題の余波にともなう金融圏の「受信競争」が再現されるのではないかとの見通しが出ている。高金利基調が続いて資金が不足する中小企業の困難が加重され、違法なヤミ金融被害を受ける庶民が大きく増えている。

11日の金融圏によると、しばらく見られなかった銀行の年4%台の金利(満期12カ月基準)の定期預金商品が再び現れた。SC第一銀行の「eグリーンセーブ預金」(年4.1%)、DGB大邱(テグ)銀行の「DGBともに預金」(年4.05%)、BNK釜山(プサン)銀行の「ザ特版定期預金」(年4%)などだ。主要都市銀行も最大年3.8%水準の預金商品を相次いで出している。

金融圏では昨年資金市場をパニックに陥れたレゴランド問題の影響という解釈が出ている。昨年9月28日に起きたレゴランド問題で債券市場が冷え込み資金調達が難しくなると、銀行は受信金利を高める方式で対応した。昨年7月に年2.93%だった預金銀行の平均受信金利(新規取り扱い基準)はレゴランド問題後の昨年10~12月には年4%を上回った。銀行の預金金利が上がると顧客は銀行に資金を多く預けた。昨年6月に1928兆6373億ウォン水準だった預金銀行のウォン預金残高は11月には1973兆1725億ウォンに増えた。

資金を吸い込んだ高金利預金の満期を迎え始め、多額の資金をめぐり再び銀行が金利競争に始動をするのにならないかとの観測が出ている。金融圏では9月から年末までに到来する預金満期規模が100兆ウォンを超えると推定している。信栄(シンヨン)証券のイ・ギョンロク研究員は「レゴランド問題から1年が過ぎた時点で預金満期が大挙到来し、預金金利上昇や銀行債発行の増加につながるだろう」と話した。金融投資協会によると先月の銀行債は3兆7794億ウォンの純発行(新規発行額が償還額より多いこと)を記録した。昨年9月の7兆4000億ウォン以降で最も多い。

問題は銀行の受信金利競争と銀行債発行増加のいずれも貸出金利上昇につながる恐れがある点だ。金融圏関係者は「受信金利上昇と銀行債発行増加にともなう銀行債金利上昇はいずれも金融会社の調達費用増加に直結する。調達費用が増えれば貸出金利は上がるほかない」と話した。