韓国証券市場 投資というのは自己責任であるので、韓国の個人投資家が100円=900ウォンが底だと思って円を買って、実はもっと下がって追証の嵐になったところで、それは自業自得というものだ。そもそも、この手の話題になると円はそのうち上がる。円はそのうち上がるとマスメディアは何度も述べているが、実際、円は上がってない。
150円どころか。151円。さらに152円まで見えてきた。しかも、14日に発表される米CPI次第ではもっと下がる可能性すらある。CPIについては非常に重要なのだが、実際、米国のインフレは低下する速度が落ちるという証券市場関係者の見方が優勢だ。少しだけ見ておこうか。
インフレとの闘いで危険が去ったというシグナルを発することへの米連邦準備制度当局者の不安を裏付けるペースで、米国の基調的な物価上昇圧力は高まっているようだ。
14日発表の10月の米消費者物価指数(CPI)は、変動の激しい食料品とエネルギーを除くコア指数の上昇率が3カ月連続で前月比0.3%と予想される。コア指数はエコノミストが基調的インフレ率の指標として重視する。
コアCPIは前年同月比では4.1%上昇と見込まれる。予想通りなら9月と同じ伸びとなり、6カ月続いた上昇率鈍化が止まることになる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-13/S41454T0AFB401
このように米CPIで再び物価上昇圧力を見せるなら、パウエル議長は封印していた利上げカードを切って、円やウォンはますます売られていくことになる。そのため、昨日と今日は様子見の売買だったと思われる。
このような状況でウォンが再び1330まで落ちてきている。11月のFOMC後に大規模介入して1350から1294ウォンまで上げたのに、もう、1330まで下がってきた。つまり、多くの投資家は米利上げが来るんじゃないかと予測しているのだ。
このような状況で利上げとなれば円がますます安くなる。152円突破もあり得るわけだ。するとどうなるのか。韓国人投資家が底だと思っていた円がまた安くなる。これによって為替損失が拡大する。でも、もう一度述べておく。投資はあくまでも自己責任だ。こうなることも予測できない個人投資家は悪い。
こちらは利上げを据え置きしているときからコアCPIがあまり下がってないことに注目していて、FRBの決断は悪手ではないかと指摘した。あの時、ちゃんと利上げしておくべきだったのだ。予想以上の米国の個人消費の強さは驚いたが、結局、インフレはくすぶり続けると。しかし、もう時は遅い。今日のCPIで利上げするか、しないかが、重要な局面となってくる。
では、記事の冒頭を見ていこうか。
会社員のPさん(39)は今年6月、上場投資信託(ETF)「TIGER日本円先物」に投資した。ウォン・円相場が100円=900ウォンを割り込む円安となったためだ。Pさんは「円が900ウォンを割り込むと、周囲は夏休みに日本旅行に行くために事前に両替したという話で持ちきりになった。近いうちに円が反発すると思い、軽い気持ちで投資したが、さらに円安が進み、かなり損をしている」と話した。
歴史的な円安を受け、円建て資産に投資した韓国の個人投資家の懸念が高まっている。年初の100円=968ウォン台から4月には1000ウォンを超えるなど、5月までは円高方向に進んでいた。ところが、5月以降、円は下落し始め、6月には900ウォンを割り込んだ。当時個人投資家の間では円資産投資ブームが起きた。円安が過度に進んでおり、今後円が反発すれば、為替差益が得られるという思惑だった。しかし、直近の円相場は864ウォンまで下落している。
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/11/14/2023111480007_2.html
今回の記事はウォン・円相場の話になるのでまずはチャートを出しておく。
このチャートは円・韓国ウォンの1年のチャートである。注目してほしいのは2023年6月15日辺りだ。ここで9.00まで下がっている。そして、韓国人投資家の多くはここが「底」だと思ってETF「TIGER日本円先物」に投資した。
ここから円は高騰するだろうという思惑である。だが、5ヶ月ぐらい過ぎて、さらに円が下がったと。11月6日に8.635まで割り込んでいるのがわかるだろう。それで日本円・日本株投資収益率は-9.4%まで下がった。まさに大損となっている。
このチャートを今回は頭の片隅にとどめておいてほしい。記事の内容がわかりやすくなるはずだ。
それでは記事の要点を整理していこう。
■記事の要点
1.ETF「TIGER日本円先物」の純資産総額は5月末時点で約230億ウォン(約26億円)に過ぎなかった。 しかし、円相場が下落し、Pさんのように為替差益を期待する投資家が殺到したことで、現在は約1320億ウォンまで膨らんだ。しかし、年初来の収益率はマイナス9.4%、6月以降の収益率はマイナス9.1%で、個人投資家の期待とは裏腹に推移した。
日本の主要株価指数に連動するETFのうち、為替エクスポージャー型を選んだ投資家も気分が優れない。それを示す端的な例があった。今月2日の日経平均は1.1%上昇した。しかし、日経平均を基礎とするETF「TIGER日本日経225」の基準価額は1万7240ウォンで前日と変わらなかった。このETFが為替相場の変動に連動する為替エクスポージャー型ETFであるためだ。株価が上昇しても為替差損が生じ、利益が相殺されたり、損失が出たりする。同ETFの今年の投資収益率は18.4%で、日経平均の今年の上昇率(26.6%)に大きく及ばない。
2.日本の証券市場に直接投資した投資家も泣き顔だ。韓国預託決済院によると、今年日本の証券市場に直接投資した個人が最も多く購入したのが「アイシェアズ米国債20年物円ヘッジETF」で、買い越し規模は3億6274万ドルに達する。2位の「グローバルX日本半導体ETF」の買い越し規模が4387万ドルであるのと比べれば、どれだけ大きな人気を集めたのか推測できる。 アイシェアズETFは円建てで20年物以上の米国超長期債に投資できる商品で、今後米国の金利が下がれば債券価格上昇と共に為替差益も狙えることが人気の理由だった。しかし、年初来の米国債金利の上昇で20%近い損失を記録している。韓国人投資家はウォン安による為替損失まで抱え込むことになった。
3.専門家は日本がマイナス金利政策を維持しているため、当分は円安が続くと予想する。しかし、現在の水準から円の一段安はないとの見方で一致している。ハイ投資証券のアナリスト、パク・サンヒョン氏は「経済のファンダメンタル(基礎的体力)を考慮すると、100円=860ウォン台は行き過ぎた円安だ」とし、「一段安にはならず、900ウォン台に着地する可能性が高い」と話した。キウム証券のアナリスト、キム・ユミ氏も「年末までは870~900ウォンのレンジで上下するだろう。来年は米国の利上げ終息期待が高まる一方、日本にも通貨緊縮の余地があるという点でウォン相場は900ウォン前後まで上昇する」と見通した。
1990年代に日本の為替政策の責任者として「ミスター円」というニックネームで呼ばれた榊原英資元財務官は最近の記者懇談会で「来年夏ごろには今の量的緩和政策を緊縮政策に転換するのではないかと思う。そのころには円高に転じるだろう」と予想した。
以上の3つだ。ETF「TIGER日本円先物」の純資産総額は5月末時点で約230億ウォン(約26億円)に過ぎなかった。 でも、円相場が急落してこれが倍の1320億ウォンになったと。
とりあえず、専門家の予測が全く当てにならないのが笑えるよな。気がついたら来年の夏とかになっているぞ。そんなの植田日銀総裁の気分次第なのにな。実際、米国の高金利維持がどこまで続くか不透明な状況だ。来年は金利5%台を維持する見方が優勢だが、もっと金利が上がる最悪なシナリオを忘れてる人は多いんじゃないだろうか。後で復習しておこう。では、順番に見ていく。
まず1だが、ETF「TIGER日本円先物」の純資産総額は5月末時点で約230億ウォン(約26億円)に過ぎなかった。 でも、円相場が急落してこれが約6倍の1320億ウォンになったと。でも、円は下がったので年初来の収益率はマイナス9.4%、6月以降の収益率はマイナス9.1%になった。つまり、これは売ってなければ相当な含み損を抱えている。
日本の主要株価指数に連動するETFのうち、為替エクスポージャー型を選んだ投資家も気分が優れない。
これはちょっと難しい。エクスポージャーというのは市場の価格変動リスクや特定のリスクにさらされている金額や残高、その比率のことをいう。今回、ETFが為替相場の変動に連動する為替エクスポージャー型ETFというのが出てきたが、これは円が下がったことで為替損失が発生していて、日経が上がっても素直に喜べないと。普通に日経平均連動型の方が儲かっていると。
次の2が面白い。今年日本の証券市場に直接投資した個人が最も多く購入したのが「アイシェアズ米国債20年物円ヘッジETF」というもの。ややこしいETFに投資するのはいいが、甘い考えで投資すれば大きな損失を生む。何しろ、これは米国債の金利と円が連動するものだ。説明をもう一度読んでおこう。
アイシェアズETFは円建てで20年物以上の米国超長期債に投資できる商品で、今後米国の金利が下がれば債券価格上昇と共に為替差益も狙えることが人気の理由だった。しかし、年初来の米国債金利の上昇で20%近い損失を記録している。韓国人投資家はウォン安による為替損失まで抱え込むことになった。
米国の金利が下がるだろうと思っていたら、逆に上昇していて、さらにウォン安による為替損失まで発生したと。つまり、韓国人個人投資家らの予想とは正反対に動いて大損である。
それで最後の3は専門家の意見だ。「経済のファンダメンタル(基礎的体力)を考慮すると、100円=860ウォン台は行き過ぎた円安だ」とし、「一段安にはならず、900ウォン台に着地する可能性が高い」と。これを信じるか。信じないかは個人の判断だ。ただ、それを信じて買ったETFが円が下落して大損だ。
さて、最後に最悪なシナリオについてもう一度、復習しておこう。投資銀行大手JPモルガン(JPMorgan)のジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)CEOが述べた言葉だ。
ダイモン氏によると、FRBはインフレを抑えるために利上げを続けなければならない可能性があり、差し迫った借入コストの上昇は世界経済により大きなダメージを与える可能性が高いという。
「ゼロから2%への上昇はほとんど増えなかったのと同じだ。ゼロから5%になったことで、何人かの人は不意を突かれたが、5%を可能性の範囲外と考える人はいなかっただろう」とダイモン氏はザ・タイムズ・オブ・インディア(The Times of India)紙のインタビューに答えている。「しかし、世界が7%への準備をしているかどうかはわからない」。
「取引量が減り、金利が上がれば、システムにはストレスが生じるだろう」とダイモン氏は付け加えた。
スタグフレーションや高インフレの持続、雇用不安の中で金利が7%になれば、アメリカ経済が景気後退に陥るリスクが高まり、テクノロジー株や暗号資産のようなリスク資産にとっては望ましくない結果になるだろう。
そのうえ、引き締めを続ければ、すでに上昇している米国債利回りは数十年来の高水準に達する。債券はすでに2009年以降で最も魅力的に見え、リスクの高い投資から資金がさらに流出する恐れがある。
ダイモン氏はコメントで、FRBの引き締めサイクルはピークに達したという一般的な見方とは違って、FRBは金利をより長く上昇させるつもりだと述べている。
https://www.coindeskjapan.com/202682/
このように述べたのは2023年9月26日だ。ダイモン氏の述べる最悪なシナリオになるのか。さすがに金利7%はないだろう。多くの投資家はそう考えるだろう。しかし、JPモルガンのCEOの発言だからな。当てずっぽうで述べてるわけではないだろう。仮に金利7%とかになれば、世界は阿鼻叫喚だよな。
といったところで14日の夜に発表するCPIに注目してほしい。最悪なシナリオの一歩目になる恐れがあるからな。
会社員のPさん(39)は今年6月、上場投資信託(ETF)「TIGER日本円先物」に投資した。ウォン・円相場が100円=900ウォンを割り込む円安となったためだ。Pさんは「円が900ウォンを割り込むと、周囲は夏休みに日本旅行に行くために事前に両替したという話で持ちきりになった。近いうちに円が反発すると思い、軽い気持ちで投資したが、さらに円安が進み、かなり損をしている」と話した。
歴史的な円安を受け、円建て資産に投資した韓国の個人投資家の懸念が高まっている。年初の100円=968ウォン台から4月には1000ウォンを超えるなど、5月までは円高方向に進んでいた。ところが、5月以降、円は下落し始め、6月には900ウォンを割り込んだ。当時個人投資家の間では円資産投資ブームが起きた。円安が過度に進んでおり、今後円が反発すれば、為替差益が得られるという思惑だった。しかし、直近の円相場は864ウォンまで下落している。
■円安に涙を浮かべる個人投資家
ETF「TIGER日本円先物」の純資産総額は5月末時点で約230億ウォン(約26億円)に過ぎなかった。 しかし、円相場が下落し、Pさんのように為替差益を期待する投資家が殺到したことで、現在は約1320億ウォンまで膨らんだ。しかし、年初来の収益率はマイナス9.4%、6月以降の収益率はマイナス9.1%で、個人投資家の期待とは裏腹に推移した。
日本の主要株価指数に連動するETFのうち、為替エクスポージャー型を選んだ投資家も気分が優れない。それを示す端的な例があった。今月2日の日経平均は1.1%上昇した。しかし、日経平均を基礎とするETF「TIGER日本日経225」の基準価額は1万7240ウォンで前日と変わらなかった。このETFが為替相場の変動に連動する為替エクスポージャー型ETFであるためだ。株価が上昇しても為替差損が生じ、利益が相殺されたり、損失が出たりする。同ETFの今年の投資収益率は18.4%で、日経平均の今年の上昇率(26.6%)に大きく及ばない。
日本の証券市場に直接投資した投資家も泣き顔だ。韓国預託決済院によると、今年日本の証券市場に直接投資した個人が最も多く購入したのが「アイシェアズ米国債20年物円ヘッジETF」で、買い越し規模は3億6274万ドルに達する。2位の「グローバルX日本半導体ETF」の買い越し規模が4387万ドルであるのと比べれば、どれだけ大きな人気を集めたのか推測できる。 アイシェアズETFは円建てで20年物以上の米国超長期債に投資できる商品で、今後米国の金利が下がれば債券価格上昇と共に為替差益も狙えることが人気の理由だった。しかし、年初来の米国債金利の上昇で20%近い損失を記録している。韓国人投資家はウォン安による為替損失まで抱え込むことになった。
■「来年半ばには円が反発」
専門家は日本がマイナス金利政策を維持しているため、当分は円安が続くと予想する。しかし、現在の水準から円の一段安はないとの見方で一致している。ハイ投資証券のアナリスト、パク・サンヒョン氏は「経済のファンダメンタル(基礎的体力)を考慮すると、100円=860ウォン台は行き過ぎた円安だ」とし、「一段安にはならず、900ウォン台に着地する可能性が高い」と話した。キウム証券のアナリスト、キム・ユミ氏も「年末までは870~900ウォンのレンジで上下するだろう。来年は米国の利上げ終息期待が高まる一方、日本にも通貨緊縮の余地があるという点でウォン相場は900ウォン前後まで上昇する」と見通した。
1990年代に日本の為替政策の責任者として「ミスター円」というニックネームで呼ばれた榊原英資元財務官は最近の記者懇談会で「来年夏ごろには今の量的緩和政策を緊縮政策に転換するのではないかと思う。そのころには円高に転じるだろう」と予想した。