韓国経済 今、中東では主に3つの大きな問題が起きている。一つは全く終わりが見えない「ロシア・ウクライナ戦争」。二つめは「イスラエル・ハマスの戦争」。3つめが「紅海におけるイランのフーシ派による民間船への攻撃」である。
こちらは最後の紅海におけるフーシ派についてはアメリカが動いて空爆にまで踏み切ったので、そのうち終わると考えていたのだがどうもそうでもないような情勢である。まずはここの最新情報を見ておこう。今回の記事でもこれが重要な問題となってくる。
【ワシントン時事】米軍は12日、前日に続いてイエメンの親イラン武装組織フーシ派の拠点を空爆したと発表した。紅海で相次いでいる商船への攻撃に対する報復で、空爆は2日連続となった。一方、フーシ派の反撃も確認されており、国際海運の大動脈の紅海周辺では緊張が高まっている。
発表によると、前日の空爆は英軍と共同で実施したが、今回は米軍が単独で踏み切った。紅海に展開している米海軍の駆逐艦「カーニー」が巡航ミサイル「トマホーク」で、フーシ派のレーダー施設を攻撃した。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、イエメンの首都サヌアで複数回の爆発音が聞こえたと伝えた。サヌア近郊のダイラミ空軍基地が標的だったとの情報もある。
米英両軍は11日、戦闘機や潜水艦、軍艦などを出動させ、フーシ派の拠点28カ所を攻撃していた。フーシ派報道官はこの攻撃で少なくとも5人が死亡、6人が負傷したと主張した。
これに対し、バイデン米大統領は12日、東部ペンシルベニア州で記者団の質問に応じ、「民間人の被害者は出ていないと思う」と強調。「非道な行いを続けるのであれば、同盟国と共に必ず対応する」とさらなる空爆を示唆していた。
米軍、連日のフーシ派空爆=紅海周辺で緊張高まる (msn.com)
このようにアメリカやイギリスが軍炎や戦闘機を出動させてフーシ派の拠点を攻撃。このように攻撃しているのは前回にも説明したが紅海にはスエズ運河という重要な交易路があるためだ。世界の海運の15%が紅海を通過するため、ここが安全に通れなくなれば、喜望峰ルートで迂回する必要があることは以前の動画で取り上げた。すると海運コストが3割ほど上昇する。
紅海で主に運んでるの原油であるが、それ以外にも多くの貨物がこのルートで運ばれている。欧州に進出している韓国企業も韓国や中国から部品を運んで現地の工場で組み立てるために紅海やスエズ運河を通っているわけだから、ここのルートが通れなくなれば製品単価に大きく影響してくる。
つまり、韓国企業にとってもイランのフーシ派が紅海で民間船を襲い続けるのは大きな痛手となるのだ。これはアメリカの企業だってそうだし、日本だってそうだ。物流というのは普段ルートが開通していれば、災害などがなければ普通に通れるのだが、このような海賊行為なのか。テロ行為で道が危険だとなれば、途端に大きな問題となってくる。しかも、紅海が通れないなら原油価格も高騰するからな。長期化すればするほど世界中の企業にとって痛い問題だ。
では、記事の冒頭を見ていこうか。
米国と英国が12日(現地時間)、イエメンの武装組織フーシ派に対する大々的な空襲を開始し、中東地域をめぐる戦雲が産業界にも影響を及ぼしている。
12日、関連業界によると、紅海と欧州を結ぶスエズ運河は、韓国家電業界全体の海上運送量の約10%を担っている。三星(サムスン)電子は、欧州にポーランドやハンガリー、スロバキアの現地工場を運営している。LG電子は、エジプトとポーランド工場を構えている。
主に韓国と中国、東南アジアからスエズ運河を通じて部品を調達後、現地で組み立てている。現代(ヒョンデ)自動車・起亜(キア)自動車も、紅海を通じて韓国から自動車を欧州市場に輸出している。代替航路である希望峰を経由し、これらの企業の運送距離は約40%伸びることになった。
スエズ運河が塞がれて希望峰を経由、輸出企業には物流コストの新たなリスク | 東亜日報 (donga.com)
このように韓国企業が代替航路の喜望峰ルートだと、運送距離は約40%伸びると。これが製品価格に上乗せされるわけだ。韓国家電業界全体の海上運送量の約10%を担っている。なんで家電だけなんだろうな。もっと色々な業種に影響あるだろうに。
では、記事の要点を整理していく。
■記事の要点
1.グローバル物流指標である上海コンテナ運賃指数(SCFI)は、今月5日基準で1896.65へと高騰した。フーシ派の攻撃でマスクが初めて紅海運航を中断した昨年12月15日(1093.52)より73.4%も高騰した。家電業界の関係者は、「パンデミック当時、物流大乱でサプライチェーンが撹乱されたように、紅海発の物流大乱が深刻化すれば、景気回復の傾向にも水を差すことになるだろう」と懸念した。
2.HMMは10日、欧州地中海路線に臨時船舶4隻を緊急投入すると発表した。しかし、事態が悪化しても追加の船舶投入は短期間では難しい状況だ。NH投資証券のチョン・ヨンスン研究員は、「第1四半期(1~3月)のコンテナ運賃や一部企業の物流コストの上昇は避けられない」とし、「ヨーロッパ発の運賃が高騰し、中東地域などに投入される船舶も一部再配置が起きるなど、運賃引き上げは特定路線だけに限られない様子となっている」と分析した。
3.国際原油価格が乱高下し、エネルギーの不安も産業界の大きな変数となっている。同日、主要産油国の海上進出路であるホルムズ海峡までが危険にさらされると、ブレント油とウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)、ドバイ油の3つの油種とも一斉に値上がりした。大韓石油協会によると、国内に導入される原油の70%ほどが中東産であり、その大半がホルムズ海峡を通じて入ってくる。
産業通商資源部は同日、輸出緊急対策会議を開き、現在基準での輸出物品の船積みおよび石油・天然ガスなどのエネルギー導入は正常に行われていることが分かったと明らかにした。産業部のキム・ワンギ貿易投資室長は、「今後の事態を予断しにくいだけに、綿密なモニタリングと共に機関間の有機的協力を基に輸出およびエネルギーの需給に否定的な影響を最小化できるよう最善を尽くす」と明らかにした。
以上の3つだ。それでは順番に見ていこうか。
まず1だが、上海コンテナ運賃指数(SCFI)は、今月5日基準で1896.65へと高騰した。海運航を中断した昨年12月15日(1093.52)より73.4%も高騰した。ヤバいな。これ最新の数値も確認しておこうか。なんと1月12日現在で2206.03である。
一週間でおよそ310もあがっている。つまり、もう100%以上、急騰していると。 問題が解決しない限りは運賃はまだまだ上がるんだろうな。紅海発の物流大乱が深刻化すれば、景気回復の傾向にも水を差すことになる。そんなこといってる場合か。これは原油が届かなくて韓国人の凍死案件だぞ。
次に2だが、「ヨーロッパ発の運賃が高騰し、中東地域などに投入される船舶も一部再配置が起きるなど、運賃引き上げは特定路線だけに限られない様子となっている」と分析した。対応するのに追加の船を出しても、今度は喜望峰ルートで順番待ちになるわけだ。他国も喜望峰ルートで迂回しようとするからな。すると他の路線にも影響するので、全体的な海運コストが上昇。
ただ、アメリカのCPIとPPIが発表されたのだが、これが思ったより良くなくて利下げ観測が強まっている。そのため、バルチック海運指数については昨日、1460.-6%と大きく下げている。ついでにCPIとPPIも確認しておこうか。
総合CPIは前年同月比3.4%上昇-3カ月ぶりの大きな伸び市場予想は3.2%上昇11月は3.1%上昇前月比では0.3%上昇-市場予想0.2%上昇11月は0.1%上昇
食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比3.9%上昇市場予想は3.8%上昇11月は4.0%上昇前月比では0.3%上昇-予想と一致11月も0.3%上昇、
米労働省が12日発表した2023年12月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.1%下落と、市場予想(0.1%上昇)に反し下落した。財(モノ)の価格が下落する一方、サービスの価格は変わらずだった。
CPIは上昇して、PPIが下がるという真逆の結果。判断が難しいところだ。
最後は3だ。大韓石油協会によると、国内に導入される原油の70%ほどが中東産であり、その大半がホルムズ海峡を通じて入ってくる。このように韓国にとっても紅海は生命線であり、状況が悪化すれば備蓄が少ない韓国は原油不足に陥る。
それでは最後は中国経済の話題だ。すでに2023年の下半期からEVがオワコンというデータがどんどん出てきたわけだが、これがEV大国である中国でも出ていた。理由は簡単だ。大寒波と豪雪である。
電気自動車(EV)をテコに「自動車大国」の道を駆け足で登ってきた中国でEVの弱点が露呈し、EV化の流れに逆風が吹き始めた。
世界一のEVメーカーとなったBYDを擁し、昨年1年間に輸出した自動車の総台数でも、日本を抜いて世界1位になることが確実な中国で、なぜEVを見直す動きが目立ち始めたのか。
EVの弱点が発覚したきっかけは昨年12月中旬、1週間にわたって中国東北部一帯を襲った大寒波と大雪だった。中国東北部は黒竜江省、吉林省、遼寧省からなり、緯度が岩手県に近い首都・北京よりはるか北に位置していため冬は寒いことで知られている。
12月中旬、東北部から内モンゴル、中国最西端に位置するウイグル自治区を襲った寒波は尋常でなかった。黒竜江省のハルビン、吉林省の長春市、遼寧省瀋陽市、ウイグル自治区のウルムチは軒並み最低気温が氷点下40度以下に。玄関を出たら目の前は高さ2メートルを超える雪の壁だったというから災害級だ。
この大寒波と豪雪こそ、中国のEVに大きな影響をもたらしたのだ。
中国は習近平政府が「大気汚染大国」の汚名をそそごうと、「脱炭素社会の構築」を世界に先駆けて掲げ、電気自動車の普及に力を入れたため、地方を含めた中国全土にEVが浸透している。ところが、今回の大寒波と豪雪が「電力の消費を加速させる」「航続距離がガクンと落ちる」などと電気自動車の弱点をさらけ出したのだ。
一般的に中国の電気自動車は1回の充電で400~500㎞の走行が可能とされているが、中国東北部の寒冷地では性能が落ち、暖房を節約しても半分の200~250㎞しか走れず、スピードを出すとさらに航続距離は短くなる。しかも、酷寒のために電気駆動システムが作動しないトラブルも多発したのだ。
例えば、スマートフォンや指紋認証で始動させるスマートキーが作動せず、そのため路上に放置された車が目立ったという。その結果、SNSには「EVの夢に騙された。次に購入するのはガソリン車だ」と訴える投稿が増えている。
こうした中で注目されているのが、中国の正月である春節(2月10日)だ。およそ8連休となり数億人がマイカーで1000㎞以上の道のりを里帰りのため大移動する。そのため、EVのトラブルや不満が中国全土に伝播する可能性があるからだ。
これらが中国のEV政策にどんな影響を与えるのか、見守りたい。
(団勇人・ジャーナリスト)
弱点がボロボロ露呈…「EV大国」中国に急ブレーキをかけた大寒波 (msn.com)
今回の大寒波と豪雪が「電力の消費を加速させる」「航続距離がガクンと落ちる」などと電気自動車の弱点をさらけ出したのだ。
ええ?わかってなかったの?EVが電気自動車である限り、電力消費が増える冬は地獄だぞ。しかも、酷寒のために電気駆動システムが作動しないトラブルとか。さらにEV充電すればするほど電気消費量も増える。中国の火力発電所は石炭が足りるんですかね。
米国と英国が12日(現地時間)、イエメンの武装組織フーシ派に対する大々的な空襲を開始し、中東地域をめぐる戦雲が産業界にも影響を及ぼしている。12日、関連業界によると、紅海と欧州を結ぶスエズ運河は、韓国家電業界全体の海上運送量の約10%を担っている。三星(サムスン)電子は、欧州にポーランドやハンガリー、スロバキアの現地工場を運営している。LG電子は、エジプトとポーランド工場を構えている。主に韓国と中国、東南アジアからスエズ運河を通じて部品を調達後、現地で組み立てている。現代(ヒョンデ)自動車・起亜(キア)自動車も、紅海を通じて韓国から自動車を欧州市場に輸出している。代替航路である希望峰を経由し、これらの企業の運送距離は約40%伸びることになった。
グローバル物流指標である上海コンテナ運賃指数(SCFI)は、今月5日基準で1896.65へと高騰した。フーシ派の攻撃でマスクが初めて紅海運航を中断した昨年12月15日(1093.52)より73.4%も高騰した。家電業界の関係者は、「パンデミック当時、物流大乱でサプライチェーンが撹乱されたように、紅海発の物流大乱が深刻化すれば、景気回復の傾向にも水を差すことになるだろう」と懸念した。
HMMは10日、欧州地中海路線に臨時船舶4隻を緊急投入すると発表した。しかし、事態が悪化しても追加の船舶投入は短期間では難しい状況だ。NH投資証券のチョン・ヨンスン研究員は、「第1四半期(1~3月)のコンテナ運賃や一部企業の物流コストの上昇は避けられない」とし、「ヨーロッパ発の運賃が高騰し、中東地域などに投入される船舶も一部再配置が起きるなど、運賃引き上げは特定路線だけに限られない様子となっている」と分析した。
国際原油価格が乱高下し、エネルギーの不安も産業界の大きな変数となっている。同日、主要産油国の海上進出路であるホルムズ海峡までが危険にさらされると、ブレント油とウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)、ドバイ油の3つの油種とも一斉に値上がりした。大韓石油協会によると、国内に導入される原油の70%ほどが中東産であり、その大半がホルムズ海峡を通じて入ってくる。
産業通商資源部は同日、輸出緊急対策会議を開き、現在基準での輸出物品の船積みおよび石油・天然ガスなどのエネルギー導入は正常に行われていることが分かったと明らかにした。産業部のキム・ワンギ貿易投資室長は、「今後の事態を予断しにくいだけに、綿密なモニタリングと共に機関間の有機的協力を基に輸出およびエネルギーの需給に否定的な影響を最小化できるよう最善を尽くす」と明らかにした。