日別アーカイブ: 2024年3月22日

韓国証券市場 日本の通貨政策正常化に「円テク」への期待、円貨預金が13兆ウォン

韓国証券市場 一般的な話であるが、通貨政策で金利を上げる。つまり、利上げをすれば通貨というのは高くなる。しかし、日銀が17年ぶりに利上げをして方向転換を宣言したのにドル円は151円である。

これについては先日の動画で日銀の政策決定会合とFOMCについて見てきたが、日銀の利上げが0.1%になっただけというしょぼい利上げであったこと。さらに今年の追加の利上げについては難しいという市場予想で、当分の間は円安が続くだろうという見方だ。

だが、最近は本当に円高になるのかという問いが発生している。利上げして円高にならないどころか、円安が進んだのだ。それなのにこれから円が上がるだろうという楽観論は明らかにおかしい。そもそも日本の通貨政策って正常化したのか。結局、ゼロ金利で金融緩和を続けている。ただ、円安が進めば日銀がさらなる利上げに動く可能性はある。そうなると普通は円が上がるとおもうんだが、今の状況ではなんともいえない。

FOMCは米利下げを年内3回を維持したが、これだって6月に利下げするかは怪しいものだ。なぜなら、CPIやPPIが予想を上回る上昇だ。しかも、原油価格も80ドルとあがっている。ただ、円安になって日経平均株価はなんと二日連続で最高値を更新した。これは素直に喜ばしいニュースだ。

日経平均株価の終値は40888円43銭である。昨日より77円ほど上がって終わった。しかも、日銀の利上げで不動産株が買われているようだ。一時は41000円を超えたこともあり、利上げの悪い影響はほとんどないといっていい。

このように円安が日経平均株価を41000円まで押し上げた。さらに、上がっていくかどうかは知らないが、ずっと上がることはないからな。3月は材料はだいたい出尽くしたので、大きな動きは4月以降になりそうだ。

もうちょっと現状分析をしておこう。日銀の今後の利上げ動向についてだ。

(ブルームバーグ): 日本銀行は今週の金融政策決定会合で17年ぶりの利上げに踏み切ったが、エコノミスト調査では約6割が10月までに次回の利上げが行われるとみており、7月と10月の予想が拮抗(きっこう)している。

今回の政策変更を受けて、ブルームバーグは21日にエコノミスト47人を対象に緊急調査を実施した。新たな政策金利の無担保コール翌日物レートを引き上げるタイミングは、10月の26%が最多で、次いで7月の23%。年内が計64%だが、2025年第3四半期以降との回答も19%あった。24年末の水準の予想中央値は0.25%となった。

調査リポート:日銀の年内追加利上げ予想は6割超、年末の水準0.25%

当初の想定よりも早めに日銀が動いたことや、会合後の植田和男総裁の記者会見などを踏まえ、55%が今後の利上げペースは「予想よりも速くなるリスクの方が大きい」とみている。リスクシナリオとして最も早いと思われるタイミングを尋ねたところ、70%が7月までに利上げがあり得ると回答。次回4月会合の見方も7%あった。

日銀は19日の会合で世界で最後のマイナス金利を解除し、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の廃止や上場投資信託(ETF)の新規購入停止も決定。13年4月以来の大規模緩和は転換点を迎えた。新たな政策金利は無担保コール翌日物レートを目標とし、0-0.1%に誘導する。今後の正常化のペースに市場の関心が移る中、早期の追加利上げへの警戒感の強さが今回の調査で示された。

ソシエテ・ジェネラル証券の劔崎仁調査部長兼チーフエコノミストは、政策判断の重要なポイントとなる今年の賃上げ動向に関し、春闘の回答は夏場の最終集計段階でも大企業に偏っていると指摘。その上で「多くの中小企業を反映した結果については、毎月勤労統計を確認する必要がある」などとし、10月の利上げを予想した。(後省略)

日銀の次回利上げは10月までが6割、7月と10月の予想拮抗-サーベイ (msn.com)

このように市場では7月と10月に日銀が利上げするだろうという予想が拮抗しているそうだ。こちらは賃上げによって実質賃金がプラスになったかどうかを見てから判断するとおもうのだが、それでも7月に利上げは早い気がするな。最も上げても0.25%程度だろう。年内に0%台から抜けるようなことはまずないとおもう。では、7月でも、10月でも良いのだが、この利上げで円が上がるんですかという話だ。

こちらの現時点で予測では上がらないと思う。市場はどんどん織り込んでいくからな。既に日銀が利上げに動いたことで、色々なシナリオが作られていることだろう。だから、実際、円が上がるのはアメリカの利下げのタイミングではないか。アメリアの利下げが6月で、日本も7月に金利を上げるなら、円高になるのか?そもそも米韓金利差が少し縮小した程度で円が急騰するわけないだろう。150円から抜け出せればいいところじゃないか。

このように日銀の利上げ動向が新たに今後の注目事項としてピックアップすることになったが、実は、今回のメインと無関係ではない。いつ円が上がるのかが韓国人の「円テク」における重大なポイントだからだ。

では、記事を引用しよう。

よく日本旅行に行く会社員のクォン氏(27)は、2022年末、日本円が100円当たり1000ウォン以下に下がると、都市銀行を訪れ、円貨預金通帳を開設した。初めて30万ウォン分の円を買った後、円の価値が下がるたびに、時々追加で買収した。クォン氏は、「日本がマイナス金利を解除したというニュースに快哉を叫んだ」とし、「これからでも少しずつ収益が見られそうで、上半期(1~6月)までは円への投資を増やしていくつもりだ」と話した。

日本銀行が、17年ぶりにマイナス金利から抜け出して通貨政策の正常化に乗り出し、いわゆる「円テク」(円+財テク)投資家の期待が高まっている。最近、円貨預金の残高は100億ドル(約13兆3370億ウォン)に迫り、円高に賭ける商品も人気を集めている。

●円高に賭ける投資家が増加

韓国銀行が19日発表した「居住者の外貨預金動向」によると、今年2月末基準で、韓国国内居住者の円貨預金の残高は98億6000万ドルで、1ヶ月間で4億6000万ドルが伸びた。外貨預金における円貨預金の割合も10.3%にまで高くなっている。関連統計を取り始めた2012年6月以降、円貨預金の割合が10%を超えたのは今回が初めてだ。

円貨預金の残高は、昨年11月から90億ドル以上を維持している。一方、全体の外貨預金の残高は961億3000万ドルで、直前の月に比べて19億7000万ドルが減少し、2ヵ月連続の減少傾向を示している。

円貨預金の投資家が増えた理由は、昨年から日本銀行がマイナス金利政策を解除するだろうという観測が説得力を得ているためだ。円相場が1ドル=150円に迫り、一時、ウォンに対する円相場が100円=860ウォン台にまで下がったことで、「円相場が底を打った」という認識が広がったという意味だ。これを受け、輸出入会社の決済代金を中心に使われてきた円貨預金が、個人の投資先として注目されるようになったのだ。

円高に転換すれば為替差益をおさめることができる「為替露出型商品」の人気も熱い。個人投資家らは、今月12日から取引が始まった上場指数ファンド(ETF)「ACE米国30年国債円露出アクティブ(H)」を、前日まで88億6000万ウォン分を買い入れた。昨年12月に上場された「KBSTAR米国債30年円露出(合成H)」ETFも、年明けから18日までに712億7000万ウォンを買収した。両商品とも、別途の両替手続きなしに米国30年物国債に円で投資し、米国の金利引き下げの際、債券価格の上昇による資本差益と円高による為替差益を同時に追求する。

●「米金利を引き下げてこそ本格的な円高」

日本銀行はピボット(通貨政策の転換)を決めたものの、円高は徐々に進むだろうという見方が説得力を得ている。KB国民(クンミン)銀行のムン・ジョンヒ・エコノミストは、「今は円安で、対ドル円相場が1ドル=150円程度で形成されているが、年末は1ドル=140円台程度になるだろう」とし、「現在、円は十分に低評価されており、今後今よりさらに円高が進む可能性が高い」と見込んだ。

今後、米国連邦準備制度(FRB)が基準金利の引き下げに乗り出し、米国と日本間の金利格差が減る時、円安の勢いが目立つだろうという分析も出ている。NH投資証券のキム・チェユン研究員は、「まだ日本は金融緩和政策を維持しており、短期間に円高が進むことはないだろう」とし、「ただ、緩やかに円高が進み、FRBが金利を引き下げた後は目立って円高が進むだろう」と説明した。

日本の通貨政策正常化に「円テク」への期待、円貨預金が13兆ウォン | 東亜日報 (donga.com)

今、151円で年末には140円になるなら10円ほど円の価値が上がるのでかなりの儲けとなるわけだが、問題はそんな誰もが思いうかべるような簡単なシナリオにはならないてことだ。そもそも、日銀の利上げで円高だと思っていたら、普通に円安だったのだ。今から円を買い集めて円高になれば大もうけ。

韓国人の円テクがどうなるか知らないが、そんな簡単に円高になるなら苦労してないんだよな。含み損が増えるだけだと思うぞ。こちらの予想がどうなるかわからないが、日本経済もようやく動き出した感じであるので、これからは少しずつ取り上げていく予定だ。基本は韓国経済の話題であるが、オプションとして、中国とアメリカ、日本の経済を見ていく。

では、次は中国経済だ。昨日、中国恒大が11億ドルの粉飾決算していたことを取り上げたが、今度は中国大手不動産の金輝集団がデフォルトした。どうやら3億ドル、450億円の規模のドル建て債を返済できなかったようだ。

では、記事を引用しよう。

(ブルームバーグ): 中国の不動産開発業者、金輝集団は3億ドル(約450億円)規模のドル建て債について、20日の期限に返済できず、デフォルト(債務不履行)に陥った。

金輝は香港取引所に提出した資料で、販売に関し中国不動産セクターの極度の圧力と改善の欠如を指摘。確実な物件引き渡しに「全力で取り組む」と表明した。

住宅販売と買い手の景況感が引き続き低迷しており、中国デベロッパーはさらにデフォルトに見舞われる恐れがある。これまでのところ政策措置では債券市場の支払い遅延拡大を阻止できていない。
金輝は、国有の中債信用増進投資(チャイナ・ボンド・インシュアランス)が保証する8億元(約170億円)の債券を主要本土部門が昨年12月に起債するなど、借り換え支援を利用できる数少ないデベロッパーの一つ。

金輝の債務不履行は、同社にとって激動の1カ月を締めくくるものだ。2週間前に額面1ドル当たり50セント前後で取引されていた同社の債券は19日に88セントに急上昇していた。

中国不動産開発の金輝集団、ドル建て債が債務不履行-販売低迷が重し(Bloomberg) – Yahoo!ニュース

まさにチャイナボカンシリーズだよな。中国の不動産はどんどんデフォルトしていく。まあ、どこも粉飾決算してそうだからな。実際の売上も、利益も怪しいものだ。そもそも450億円払えないのに、確実な物件引き渡しに「全力で取り組む」と表明したとか。いや、その前に450億円を払えよ。突っ込み所満載である。

では、ネットの意見を見ておこうか。

1.大手の不動産会社が何社もデフォルトを起こしているのに、あくまで「地方政府の責任て」と国は一切手出しをしない。これじゃあいつになったら不動産価格が底に到着するのか誰にも予想出来ない。全てが不透明のまま、ゆっくりと沈んでいく。

2.日本では、完成してからお金を払うけど(頭金以外)、 中国では、何もない時に全額払っちゃうんだから、 うまく転がっているときはよかったけど、 一旦つまづくと、もう、どうしようもないよね。 建設会社は、もらったお金は既に使っちゃっているんだし、お客さんに完成マンションを渡せないところが多くなるよね。 日本のバブル崩壊では、会社の方が泣いたけど、中国では人民が泣いて、 2000兆円を何とかすることになるんだろうな。

3.超巨大で潰すことすらできないマンモス不動産会社が次々機能不全に陥った後、中堅どころに波及してきたね、もう中国の人は怖くて投資用の不動産など購入できないでしょ、中国には不動産の購入など夢のまた夢と考えていた貧民層が6億人いると言われていたが、習近平の3期目で間違いなく2億人は増えるね、この不動産不況は建築会社に波及し金融機関に波及し、そして地方政府に波及する、そして鉄路などの公共企業にも取り返しのつかない事態を生むでしょう、日本企業も短期の利益は度外視して長い目で見れば中國撤退の一手ですよ。

4.市場の状況から考えて、健全な不動産会社があるとは思えない。 つまりこのままでは、ほぼ全ての不動産会社が倒産必至であり、並行的にほぼ全ての建設会社も潰れ、金融機関、地方自治体も機能停止に追い込まれる事となろう。 無能な個人が全てを掌握する体制は救いようがない。

5.中国債務、ドミノ倒し。まさにコラプシングドミノ。連鎖倒産で金融システム崩壊。でもね不良債権は習近平の指示で帳簿上ゼロ。まさに会計的ゼロコロナ(笑)

以上の5つだ。

ぶっちゃっけ融資平台の2000兆円とか。それは私的な貸し借りなので中国政府は関与していない。ただ、借りてるのは地方政府なので借金はさらに膨れ上がり、公務員が死ぬだろうな。問題は融資平台だけではない。既に何度も出てきているが不良債権は1京円以上だ。

2000兆円でもどうにもならないのに、金額が1京円という分けのわからない桁。しかも、粉飾決算も色々ありそうなので、さらに負債は膨れ上がりそうだものな。そうそう、最近、人民元安になっている。7.2元だ。せっかく上海総合指数は国内企業に無理矢理、株を買わせて3000まであげたのに人民元安となるなら、これはそろそろ上海総合指数が暴落する一歩手前じゃないか。どちらにせよ。デフレは国内不況。不動産バブル崩壊は本格化。打つ手無しである。